「ウララ・カップル」ありきたりな設定は“お笑い”で勝負せよ!

シン・ヒョンジュン&キム・ジョンウンの“魂の入れ替え”演技はうまいが…
これまでは俳優の力だった。KBS 2TV月火ドラマ「ウララ・カップル」の登場人物たちは、自分の子供だけ可愛い姑、憎たらしい義理の妹、家父長的な夫、順従的な妻など、非常に古くさい設定となっている。しかし、シン・ヒョンジュンとキム・ジョンウンという俳優たちの演技は、ドラマの軸を強固に支えている。コミカルな状況でも、悲しいセリフには必ず涙を流す二人の姿からは、キャラクターの研究に心血を注いだことが分かる。
特に第3話でシン・ヒョンジュンと魂が入れ替わったキム・ジョンウンが、元の状態に戻るために木に頭を突こうと駆け込む姿は、なりふり構わぬがむしゃらな男性そのものだった。片手で荒く運転する脅威的な姿もまた、マッチョ夫の完璧な再現だった。シン・ヒョンジュンもまた、女性のきめ細かさを手や仕草で表現し、順従しか知らなかった妻の姿を彼特有の怖気づいたような瞳で表現している。
予測可能な状況になれば、興味は減る。
最近、各放送局は「ファントム」「追跡者 THE CHASER」「ゴールデンタイム」など、社会問題に関する密度高いドラマを取り扱い、好評を受けている。また、ケーブルドラマ「応答せよ1997」などレトロ風のストーリーも人気が高かった。それに比べて、非常に軽くコミカルな「ウララ・カップル」は、第3話までを放送した。
ドラマの企画意図は、「入れ替わって生きてみるとお互いを理解することもできるのでは。お互いを理解し合えたら、結婚の謎も解けるはず」というものだ。言葉通り「ドラマだけの話」とは、こういうことを言うのだろう。考証や歴史意識、専門知識がなくてもただ笑って見ていられる“暇つぶし”としてのドラマの役割も重要なものだ。
最先端科学の時代にも、“体が入れ替わる”という設定は興味を引くが、残念ながら今やありきたりの題材になってしまった。このドラマの企画意図でさえも、これまでの似たようなドラマと大きく変わらない。浮気している夫と、いつも順従していた妻の体が入れ替わり、お互いの立場になってみて相手を理解するという筋書きだ。
そのような予測可能な状況は、ドラマへの興味を大きく落としかねない。勧善懲悪を通じて視聴者を満足させた例は、これまでも多すぎた。感情移入させて視聴者を満足させることは、キャラクターが入れ替わる設定でなくても十分できる。

「ウララ・カップル」は非常に現実的、非科学的なドラマだ。美徳は“お笑い”にある。そのため、感動させる部分を導入したいそうな教訓を導き出そうというのは無理だ。ドラマの中盤を過ぎると、新鮮だった俳優たちの演技にも飽きかねない。その時からは、内容が俳優を支えなければならないのだ。
ドラマの方向をどう設定するかによって、結局は通俗ドラマに収まるのか、あるいは新鮮な“お笑い”として残るかどうかが決まる。軽くても久しぶりに面白いドラマに出会えた視聴者に、最後まで一貫した笑いを与えてくれることを期待してみる。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- ハン・ギョンヒ
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