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映画「新しき世界」3月末に北米で公開確定
映画「新しき世界」(監督:パク・フンジョン、制作・配給:NEW)が、ベルリン国際映画祭の期間中に開かれたEFM(ヨーロッパ・フィルム・マーケット)で、北米地域への販売を成し遂げた。韓国最大の犯罪組織であるゴールドムーンに潜入した刑事、そして彼をめぐって警察と組織という3人の男性の間の陰謀、義理、裏切りを描いた「新しき世界」は、21日の韓国での公開を控えている中、7日に開幕したベルリン国際映画祭の期間中に開かれていたEFMで、北米地域に販売を完了した。「新しき世界」の海外セールスを担当しているファインカットによると、「『EFM』で2回にわたってバイヤーを対象に別途の試写を行った。その中で、特にアメリカのバイヤーが強く購買の意思を見せ、従来の韓国映画のアメリカにおける販売価格よりも高い価格を提示するなど、競争の状況となった」と明かした。「新しき世界」の北米地域の配給権を買い取ったWell Go USAは、「アジョシ」「高地戦」「マイウェイ 12,000キロの真実」などの劇場配給を行った会社で、最近には「10人の泥棒たち」の公開をまとめたことがある。Well Go USAは、「新しき世界」の韓国公開の約1ヶ月後である3月末に、北米地域の主要都市での劇場公開を目標にしている。「新しき世界」の韓国における配給社のNEW側は「それだけではなく、EFMに参加したバイヤーたちは、『新しき世界』の最後まで緊張感を緩めないしっかりしたストーリーと俳優たちの演技の調和に持続的な好評を贈っている。フランス、ドイツなど、他の主要国における追加販売契約が期待される」と伝えた。

「野王」自己最高の視聴率を更新…月火ドラマの王座が変わるのか
SBS月火ドラマ「野王」が、自己最高の視聴率を更新しながら、月火ドラマ1位の座を狙っている。視聴率調査会社ニールセン・コリアによると、韓国で18日に放送された「野王」は、視聴率18.6%(以下、全国基準)を記録した。これは、12日の放送分が記録した17.5%より1.1% ポイント上昇した数値である。「野王」が、自己最高の視聴率を更新しながら、上昇の勢いを見せた反面、MBC「馬医」は、下落を見せた。「馬医」は、以前の放送分(20.3%)より0.9%下落した19.4%を記録した。これにより「野王」は「馬医」を0.8%の格差で追撃しながら、月火ドラマの1位の座を狙っている。同時間帯に放送されたKBS 2TV「花を咲かせろ!イ・テベク」は、4.0%を記録し、苦戦を強いられている。

「IRIS 2」チャン・ヒョク、女心くすぐる“4つの眼差し”
KBS 2TV水木ドラマ「IRIS 2」のチャン・ヒョクが、様々な眼差しで女心をくすぐっている。力強いスタートを切った「IRIS 2」で、NSSチーム長チョン・ユゴン役を熱演しているチャン・ヒョクが、時と場合に応じて全く違う眼差しを披露し、視線を集めている。先週放送された第1話と第2話でチョン・ユゴンは、敵と対立する時のカリスマ性はもちろん、恋人チ・スヨン(イ・ダヘ)の前では限りなく優しい姿を見せ、お茶の間を騒がせた。無頓着に見えるが、相手を完璧に見ぬく直感力を持つチョン・ユゴンは、登場するだけでどっしりとした存在感を発揮するかと思えば、同僚と明るく笑いながら楽しむことのできる人間味まで持ち合わせ、好感度を引き上げている。そこに、チャン・ヒョクの丁寧な表現力までが加わり、刑事時代の溢れる覇気、厳しい教官、チーム長としてのオーラはもちろん、長く付き合った恋人への優しさまで多彩な魅力を披露していると好評を博している。ネットユーザーたちは「目で語るチョン・ユゴン、その眼差しに魅了された」「チ・スヨンをみつめる時の優しい顔に、私の顔もとろける」「要員チョン・ユゴンと彼氏チョン・ユゴン、両方共欲しい!」「さすがチャン・ヒョク、演技力は伊達じゃない!」など熱いコメントで歓呼している。前回の放送では、親しみのある話し方にリラックスした仕草で要員たちを実の弟のように世話していたパク・チュナン(ソン・ドンイル)が、ペク・サン(キム・ヨンチョル)を捉えようとするIRISとの銃撃戦によって壮絶な最期を向かえ、視聴者の胸を打つ強い感動を残した。仕事と愛、2つの目的を両方手に入れた男、チャン・ヒョクの今後がさらに注目される「IRIS 2」第3話は、韓国で20日夜10時に放送される。

チョン・ユミ「ワンダフル・ラブ~愛の改造計画~」に出演確定…1年ぶりのカムバック
女優チョン・ユミが、SBSの新しい週末ドラマ「ワンダフル・ラブ~愛の改造計画~」に出演する。チョン・ユミの所属事務所のNEOSエンターテインメントは18日午前、「チョン・ユミが『ワンダフル・ラブ~愛の改造計画~』に出演することを最終的に決めた。チョン・ギョウンと共演する予定だ」と明らかにした。これによりチョン・ユミは、昨年3月にSBSドラマ「屋根部屋のプリンス」に出演して以来1年ぶりにテレビドラマに復帰する。「ワンダフル・ラブ~愛の改造計画~」は、市場通りの屋台商人から百億ウォン代のビル成金になった母親が危機に瀕したことにより、3兄妹が大人に成長していく過程を描いた家族ドラマだ。チョン・ユミは劇中、ユン・ボクフィの長女でありデザイナーのコ・ヨンチェ役でキャスティングされた。ぶりっ子でカッとなりやすい性格だが、母親への愛を悟って真の家族愛が何なのかを見せてくれる予定だ。チョン・ユミは、昨年SBS「千日の約束」と「屋根部屋のプリンス」を通じて無垢で清純な女性から悪女に180度変身し、視聴者の好評を博した。特にパク・ユチョンと共演した「屋根部屋のプリンス」では、個性溢れる悪役を演じて昨年のSBS演技大賞で優秀演技賞を受賞した。チョン・ユミは18日、所属事務所を通じて「良い先輩たちと良い作品を共に撮影できることになって非常に光栄だ。とても緊張するが熱心に準備して良い演技を披露するので、多くの関心と応援をお願いする」と感想を伝えた。「ワンダフル・ラブ~愛の改造計画~」は、ドラマ「三姉妹」「あなたを愛してます」のユン・リュヘ監督が演出し、パク・ヒョンジュ脚本家が執筆を引き受けた。SBS週末ドラマ「わが愛しの喋々夫人」の後続ドラマとして韓国で放送される。

「その冬、風が吹く」チョ・インソン&ソン・ヘギョ“酸素カップル”に認定?
俳優チョ・インソン、女優ソン・ヘギョが酸素カップルに認定された。SBS水木ドラマ「その冬、風が吹く」(脚本:ノ・ヒギョン、演出:キム・ギュテ)のオ・ス(チョ・インソン)とオ・ヨン(ソン・ヘギョ)のカップル名が、酸素カップルに決まった。酸素カップルは、オ・スとオ・ヨンの苗字である「オ」という2文字を合わせると、酸素の元素記号である「O2」になることが由来である。また、チョ・インソンとソン・ヘギョが酸素のように澄みきったビジュアルを誇るという点や、二人の抜群の演技力で他のドラマの演技力に胸が詰まるような思いをしていた視聴者たちの胸に酸素を送り込み、息が出来るようにしてくれたという意味も、酸素カップルという言葉に込められている。二人が出演するドラマ「その冬、風が吹く」は、韓国で20日夜9時55分に放送される。

新人女優ハ・ヨンス、BEAST ヨン・ジュンヒョンと共演へ…ドラマ「モンスター」出演確定
BEAST ヨン・ジュンヒョンの恋人役、ハードなスケジュールの中で撮影新人女優ハ・ヨンスが、Mnetで放送予定のミュージックドラマ「モンスター~私だけのラブスター~」への出演を確定した。BEASTのヨン・ジュンヒョンが演じるユン・ソルチャンの恋人役だ。複数の芸能関係者によると、ハ・ヨンスは男性主人公を演じるヨン・ジュンヒョンとタッグを組み、ドラマをリードすることになったという。劇中、元気な姿と憂鬱な姿を同時に持ち、主要キャラクターたちに刺激を与える人物だ。ハ・ヨンスは最近ソン・ジュンギと一緒にアパレルブランドのモデルとして活動し、人気を集めている新人の一人だ。3月には映画「恋愛の温度」でスクリーンにも姿を現す。「モンスター~私だけのラブスター~」は「トキメキ☆成均館スキャンダル」を演出したキム・ウォンソク監督が演出を担当する作品だ。音楽専門放送Mnetが披露する新年プロジェクトの一つとなる。この作品は、傷ついた普通の10代が音楽を通じて癒され成長する過程を描く。全12話で、2月に撮影に取り掛かり、4月初旬から韓国で放送される予定だ。

「馬医」NG出しても和気藹々…現場写真を公開
MBC創社51周年特別企画ドラマ「馬医」が、出演俳優のNGの現場写真を17日に公開した。17週連続で月火ドラマの同時間帯視聴率1位独走を続けている同ドラマは、イ・ヨウォン、ユソン、ソン・チャンミン、ハン・サンジンなど俳優のNG現場写真で和気藹々とした雰囲気を伝えた。イ・ヨウォンは普段の性格通り、爽やかな笑顔を見せており、真剣な雰囲気のユソンは穏やかで魅力的な笑顔でNGに対応している。劇中、冷たい眼差しでカリスマ性を放っているソン・チャンミンさえも、NGが1回出ると豪快に笑い、優しい王のヒョンジョン役を演じるハン・サンジンはキャラクターに憑依されたかのようにNGの状況でも余裕たっぷりの穏やかな笑顔を見せている。お転婆なスクフィ姫役で可愛らしさを披露しているキム・ソウンは、キュートな笑顔で「すみません」と叫び、礼儀正しい姿を見せており、チュ・ジンモは劇中の道人らしくNGの状況でも片目をつぶっただけですぐ撮影に取り掛かり、貫禄の役者であることを証明した。キムジョンハクプロダクションは、「後半に向かっている『馬医』の撮影現場で、俳優たちが依然として情熱的に撮影を続けている。たまに出るNGさえも大きく笑いながら締めくくるほど、和気藹々とした雰囲気が続いている」と伝えた。

「7級公務員」2PM チャンソン、抜群の演技力が光る“3種類の目つき”
MBC水木ドラマ「7級公務員」の2PM チャンソンが、3種類の目つきで抜群の演技力を披露している。チャンソンは「7級公務員」で、エリート要員のコン・ドハ役を演じている。彼は、仕事においては冷徹なカリスマ性を持っているが、同僚のキム・ソウォン(チェ・ガンヒ)の前では警戒を解く温かい男コン・ドハを表現し、視聴者から人気を集めている。彼の演技力において、最も輝いている部分は目つきである。コン・ドハは、国会情報院の要員として任務を遂行する際、感情のない冷たい目つきで登場し、カリスマ性あふれる姿を見せる。しかし、キム・ソウォンと会う時は限りなく優しい男に変身し、片思いの悲しさを切ない目つきで表現した。また、キム・ソウォンと共に三角関係になっているハン・ギルロ(チュウォン)に会う度に、彼を牽制しながら、鋭い目つきで圧倒した。「7級公務員」で初めて本格的にドラマに挑戦したチャンソンは、安定した演技力でドラマの人気に貢献しているという評価を受けている。彼は、演技の経験が多くないにもかかわらず、安定した発声と性格な発音、表情などで好評を受けている。

KBS「彼女たちの完璧な1日」本日(17日)放送開始!主婦たちの共感を得られるか
KBSがドラマスペシャル連作シリーズシーズン3の2作目である「彼女たちの完璧な1日」で主婦たちの共感を狙う。韓国で17日に放送が始まるこのドラマは、30代の女優であるソン・ソンミ、ピョン・ジョンス、キム・セア、シン・ドンミのキャスティングで注目を浴びている作品であり、江南(カンナム)の超豪華幼稚園の児童失踪事件を元に、子どもの人生に全てを掛ける江南の母親たちの裏側に隠されているストーリーを描く、ソフトミステリードラマだ。このドラマは現在と過去を行き来する4人の女性のそれぞれのエピソードを、オムニバス形式で斬新に描き、第1話は「不思議な国への誘い」が放送される。このドラマは実際に7歳の子どもを持つキム・ヒョンジュン脚本家の自伝的ストーリーが含まれている。彼女は「両親の早期教育熱が乳幼児にまで至っているが、これは深刻な社会問題だ。4人の母親のストーリーを面白く描きたかった」と執筆のきっかけを説明した。女優たちの熱演も期待されている。演出を務めたイ・ウォニク監督は、「4人の女優は、韓国において現時点で最高の組み合わせだと思う。本物の演技をしている女優たちが韓国の主婦たちを慰めることができれば、と思っている」と期待を示した。

「張禧嬪」キム・ジミから「野王」スエまで…韓国ドラマにおける悪女列伝
55年の韓国ドラマ史上の悪女たちトップ女優には必須最近SBS月火ドラマ「野王」でのスエの悪行が話題になっている。成功と野望のために、自分のことを愛してくれる男性を冷酷に裏切る悪女ぶりが視聴者たちの怒りを買っているのだ。面白いことに劇中のスエの悪行がひどくなればなるほど、視聴者はドラマにはまり、視聴率も上がるという。悪女に対する視聴者の関心が高いという意味であろう。そのため気になった。55年の韓国ドラマ史を輝かせた悪女たちは果たして誰なのか。ここにスエ顔負けの悪女たちを集めてみた。1.恨む女たち:少女の幽霊から九尾狐まで悪女と言えばまずホラードラマの主人公だろう。その中でも最も有名なキャラクターはやはりKBS「伝説の故郷」の九尾狐(クミホ)である。1977年、第1代目の九尾狐、ハン・ヘスクをはじめ、チャン・ミヒ、キム・ミスク、ソヌ・ウンスク、チャ・ファヨンなど当代のトップスターが相次いで九尾狐役を演じた。当時業界では「九尾狐を演じないとトップスターとして認められない」という雰囲気があったほどで、女優の間で九尾狐役を手に入れようと、プライドを掛けたバトルが繰り広げられたこともあるという。視聴者から愛された九尾狐というキャラクターは、1989年に「伝説の故郷」が打ち切りになってから一時的に姿を消していたが、1996年に「伝説の故郷」が復活し、パク・サンア、ソン・ユナ、ノ・ヒョンヒ、キム・ジヨンなどが九尾狐役を熱演した。特に1997年に放送されたソン・ユナの「九尾狐」は、現在までも度々話題に上がるほど、しっかりとしたストーリーとキャラクターを誇る名作である。同作は2010年に制作されたハン・ウンジョン主演の「九尾狐伝~愛と哀しみの母~」のモチーフになっていることでも有名だ。「伝説の故郷」が過去を時代背景にしたのであれば、1990年代にはその時代背景を現代に移したホラードラマが数多く制作された。1994年のMBC納涼特集ドラマ「M」が代表的である。同作はチョン・セホ監督とイ・ホング脚本家が演出と脚本をそれぞれ担当し、女優シム・ウナが主人公に起用され、52.2%という驚くべき視聴率を叩き出した作品である。青色に変化するシム・ウナの瞳と変声された声は複数のバラエティ番組でパロディ化されたほど大人気だった。「M」の大ヒット後、「蜘蛛」のイ・スンヨン、「星」のコ・ソヨン、イ・ソラなどが納涼特集ドラマのヒロインとして活躍し、SBS「ゴースト」のミョン・セビン、KBS 2TV 「RNA」のペ・ドゥナがその後を継いだ。2.歴史上の悪女:張禧嬪から張緑水まで伝説の九尾狐よりひどい歴史上の悪女もいた。粛宗(スクチョン)の悪妻で朝鮮時代最悪の悪女と呼ばれる張禧嬪(チャン・ヒビン)がその良い例である。第1代目のキム・ジミをはじめ、これまでナム・ジョンイム、ユン・ヨジョン、イ・ミスク、チョン・インファ、チョン・ソンギョン、キム・ヘス、イ・ソヨンが張禧嬪役を演じた。張禧嬪もトップ女優なら誰もが演じたがるキャラクターの一つとして挙げられる。今年3月に放送されるSBS「チャン・オクチョン」では美人女優キム・テヒが9代目張禧嬪としてキャスティングされ、期待が高まっている。燕山君(ヨンサングン)の愛妾張緑水(チャン・ノクス)も忘れてはならない人物である。燕山君の寵愛と朝鮮時代の士林(サリム:儒者集団)の憎悪を一身に受けた稀代の妖婦である張緑水は色気たっぷりな妖艶さと強烈な個性を武器に視聴者を釘付けにしたキャラクターである。1971年から「思母曲」のコ・ウナをはじめ、「朝鮮王朝五百年-雪中梅」のイ・ミスク、「燕山君」のカン・スヨン、「王と妃」のU;Nee(ユニ)などが張緑水役を演じ、そのうち、1995年の「王妃チャン・ノクス~宮廷の陰謀~」のパク・チヨンは圧巻と言えるほどの演技で視聴者から絶賛された。「燕山君に張緑水がいたとすれば、光海君(クァンヘグン)には金介屎(キム・ゲシ、後の金尚宮)がいる」という言葉もあるほど、金介屎も何回もドラマ化された歴史上の悪女である。仁穆大妃(インモクテビ:先代王・宣祖(ソンジョ)の継妃)を廃庶人(ペソイン:王族が庶民の位に落とされること)にさせ、大北派(世子(セジャ:王の跡継ぎ)の座を巡り光海君を推す勢力)の窓口として光海君と密な関係であった金介屎は、後に宣祖毒殺説の背後にいた人物とされるなど、宣祖や光海君時代において最も権力に近づいた女性だった。これまで「暴君 光海君」のウォン・ミギョン、「宮廷女官キム尚宮」のイ・ヨンエ、「ホ・ギュン~朝鮮王朝を揺るがした男~」のイ・ジュファ、「王の女」のパク・ソニョンが金尚宮役を演じた。3.怖い姑たち:「旅路」のパク・ジュアから「百年の遺産」のパク・ウォンスクまで世の中の嫁たちにとって九尾狐、張禧嬪より怖い存在は姑かもしれない。歴代ドラマの中には視聴者をヒヤッとさせた姑たちが数回登場した。そのはじまりをたどると、1972年に放送されたKBSドラマ「旅路」のパク・ジュアが挙げられる。嫁入りしてきたテ・ヒョンシルを酷く虐待しいびり続けたパク・ジュアの名演技は、その後数多くの姑キャラクターの手本のような存在となった。1975年のヒット作KBS「馬夫」のヨ・ウンゲも悪辣な姑の典型とも言えるケースである。嫁いびりが酷い姑役を演じきったヨ・ウンゲはあまりにもリアルな演技のせいで、不本意にも視聴者から憎まれた。同作でヨ・ウンゲが口癖のように言っていた「よくもやってくれたわね」という台詞は、当時の独裁政権を風刺する表現として流行したという。1977年のMBC「後悔します」のキム・ヨンリムにも言及しておきたい。1961年にデビューしてからずっと怖い姑や厳しい母親役を演じてきたキム・ヨンリムは、「後悔します」でも嫁キム・ヘジャを誤解し、ひどくいじめる姑役を見事に演じた。キム・ヨンリムの実の息子であるナム・ソンジンは「『後悔します』が大ヒットしてしまい、母が怖い姑だと誤解されて結婚しにくかった」と悩みを明かしたことがあるほどだった。1970~1980年代にはパク・ジュア、ヨ・ウンゲ、キム・ヨンリム、カン・ブジャなど体格の良い中堅女優たちが主に姑役を演じていたが、1990~2000年代にはパク・ウォンスク、キム・ジャオク、イ・フィフャン、ヤン・グムソク、パク・へミのような華麗な王妃タイプの女優たちが悪い姑役を多く演じた。最近MBC「百年の遺産」で主人公のユジンをいじめる役を演じているパク・ウォンスクは、過去にも「星に願いを」「冬鳥」などで二重人格の様なずるい性格の姑役の真骨頂とも言える演技を見せた。2000年に放送されたKBS連続ドラマ「好きだからしょうがない」でのキム・ジャオクの演技も見事だった。若い頃は恋愛ドラマの可憐な主人公を演じていた彼女が同作では息子のチョン・ボソクと結婚したバツイチのチョン・ソンギョンをビシバシといびるヒステリックな役を演じ、視聴者を驚かせた。キム・ジャオクの変身のお陰か、「好きだからしょうがない」は延長に延長を重ね、30%台という高い視聴率を記録した。4.図々しい不倫女たち:「砂の城」のキム・チョンから「私の男の女」のキム・ヒエまで今も昔も不倫ドラマは女性視聴者がよく見るジャンルのドラマである。不倫ドラマの元祖は1969年のMBC「カエル夫」までたどりつくことになるだろうが、不倫ドラマが全国的な反響を呼んだのは、1988年のMBCドラマ「砂の城」といってもいいだろう。言葉のマジシャンと呼ばれるキム・スヒョン脚本家が執筆し、キム・ヘジャとパク・グンヒョンが夫婦役を、キム・チョンがパク・グンヒョンの不倫相手役を演じた。全8話であるため、スピーディーで大胆な描写で大きなセンセーションを巻き起こし、主婦の間では砂の城ブームが起きたほどだった。「砂の城」の放送当時、韓国ではソウルオリンピックが開催されていたが、同作の人気があまりにも高かったため、MBCはオリンピック中継を諦め、「砂の城」を放送したほどである。そのため「砂の城」はソウルオリンピック期間中に唯一通常通りに放送されたドラマとなった。女優キム・ヘジャは同作で1988年の「MBC演技大賞」を受賞した。キム・スヒョン脚本家はそれから20年後の2007年、「砂の城」の拡大版といえるSBS「私の男の女」を世に送り出し、もう一度ブームを巻き起こした。キム・ヒエが大変身を成し遂げ、不倫女役を演じたことで話題になった同作は、刺激的なテーマにもかかわらず、人生に対する深い洞察力と人間の内面の孤独を冷静に表現して高い評価を得た。最高視聴率は36.8%であり、その年のSBSドラマの中で最も高かった。お陰でキム・ヒエは2007年の「SBS演技大賞」を受賞した。その他にもMBC朝ドラマ「妻の復讐~騙されて棄てられて~」のチ・スウォン、SBS週末ドラマ「糟糠の妻クラブ」のキム・ヒジョン、SBS連続ドラマ「妻の誘惑」のキム・ソヒョンなどが図々しい不倫女役をリアルに演じ、ドラマの人気に貢献した。5.復讐ドラマのヒロインたち:「青春の罠」のシム・ウナから「妻の誘惑」のチャン・ソヒまで男に裏切られたドラマの中の女たちの復讐は、何よりも冷たくて怖い。復讐ドラマの元祖を言うなら、1979年にMBCで放送された「青春の罠」を挙げることになるだろう。金と名誉に目がくらんだ男イ・ジョンギルと彼に裏切れた後、復讐を仕掛ける女イ・ヒョチュンの対立で大きな人気を集めた同作は婚前妊娠、未婚の母、復讐など刺激的なテーマが原因で、早期終了となった悲運のドラマだった。それにもかかわらず高い人気で同名の映画や小説が作られ、当時世間で話題になっていた。「青春の罠」が再び注目を浴び始めたのは、それから20年が過ぎた1999年で、原作者のキム・スヒョン脚本家が「1979年にできなかったストーリーを展開したい」と言い、SBSでリメイクに乗り出した。当時のトップ女優だったシム・ウナが主演を務めて熱演した同作は、50%を超える高視聴率を記録し、1999年最高の話題作となった。劇中の「あなたを潰してやる」という台詞は、今でも名台詞として挙げられるほどであり、その年、シム・ウナは「SBS演技大賞」を手に入れた。1988年に放送されたMBC「明日忘れよう」も、「青春の罠」に負けないほどの人気を集めた復讐ドラマだった。当時MBC最高のヒットメーカーだったパク・チョル監督と人気脚本家のパク・ジョンランが手を組んで作った同作は、当時22歳だった女優キム・ヒエを一躍トップスターにしたドラマでもある。婚約者から裏切られた女の壮絶な復讐を描いた「明日忘れよう」は、男の死という悲劇的な結末で視聴者に強烈な印象を残した。チェ・シラの妖艶なダンスで衝撃を与えた1994年のMBC「息子の女」も記憶に残る復讐ドラマである。父親を殺した女に復讐するため、彼女の息子を誘惑してその一家を破滅させようとする内容の同作は、非道徳的で扇情的だという大きな批判を浴びたが、最高視聴率が49.7%に上るほど大ヒットとなった。チェ・シラは同作で1995年の「MBC演技大賞」を受賞した。2000年代に入り、復讐ドラマの女王として登場した女優はチャン・ソヒである。2002年にMBC連続ドラマ「人魚姫」の主演に起用されたチャン・ソヒは、自分を見捨てた父親に復讐するウン・アリヨン役で迫真の演技を見せ、視聴者を釘付けにした。20年の長い下積み時代を終えて同作一本で大ブレイクしたチャン・ソヒは、2002年のMBC演技大賞をはじめ、最優秀演技賞、ベストカップル賞など5冠に輝いた。「人魚姫」の大ヒット以降、スランプに陥っていたチャン・ソヒは、2008年に「妻の誘惑」で復活を果たし、チャン・ソヒが出演する復讐ドラマはヒットするという新しいヒット法則を誕生させた。ドロドロしたドラマだという批判もあったが、連続ドラマとしては驚くべきヒットを飛ばしたお陰で、彼女はその年の「SBS演技大賞」を手に入れることができた。その他にも「太陽の女」のイ・ハナ、キム・ジス、短編ドラマ「沼」で陰湿で暗い演技を披露したパク・チヨンなどが復讐ドラマのヒロインとして活躍したことがある。6.野望の化身たち:「愛と真実」のウォン・ミギョンから「善徳女王」のコ・ヒョンジョンまで女性にも野望がある。金や名誉、権力のために身を投じたドラマの悪女が数多くいるのもそのためだ。1984年に放送されたMBCドラマ「愛と真実」のウォン・ミギョンは、この様なキャラクターの元祖である。出生の秘密を知った妹が、一瞬の嘘で姉と運命が変わり、繰り広げられる葛藤と和解を描いた同作で、ウォン・ミギョンは劣等感と虚栄心の強いキャラクターを見事に演じ高い人気を誇った。「愛と真実」で初めてテーマとなった出生の秘密は、その後様々なドラマで使われる定番のテーマとなった。2003年に韓流ブームを巻き起こしたSBS「天国の階段」のイ・フィヒャンも忘れてはならない。「あんたはどきなさい!」という印象的な台詞がまだ耳に残っているほど、「天国の階段」のイ・フィヒャンの悪行は言葉にできないほど強烈で凄まじかった。チェ・ジウの子役だったパク・シネにビンタを張るシーンは、「天国の階段」の中で最も衝撃的なシーンとして視聴者の脳裏に刻まれた。「天国の階段」と共に韓流の主役となったMBC「宮廷女官チャングムの誓い」(以下「チャングムの誓い」)でチェ尚宮役を演じたキョン・ミリも、イ・フィヒャンに負けていない。2003年に放送され50%を超える高視聴率を記録した同ドラマは、イ・ヨンエのドラマであると同時にキョン・ミリのドラマでもあった。水刺間(スラガン:王の食事を準備する場所)最高尚宮になるための激しい競り合い、様々な策略と裏切り、悲惨な最後に至るまで、キョン・ミリが演じたチェ尚宮役はドラマの緊張感を高め、人気を支えた唯一無二の存在であった。チャングムの反対側で活躍したチェ尚宮がいなかったら、おそらく「チャングムの誓い」は退屈なドラマになっていただろう。「チャングムの誓い」を手がけたキム・ヨンヒョン脚本家による、2009年のMBC「善徳女王」のミシルも印象深い役であった。悪女と女傑の境界にいた、「善徳女王」の実質的な主人公とも言えるミシルは、コ・ヒョンジョンの迫真の演技でさらに視聴者を魅了したキャラクターになることができた。「人は間違いを犯します。しかし私の人はいけません」「すべてあなたののせいです」「天の助けが少し必要です」など、ミシルの名台詞は話題の的となった。同作でコ・ヒョンジョンは2009年のMBC演技大賞を勝ち取ることができた。「善徳女王」と同じ年に放送されたSBS「華麗なる遺産」にも注目すべき悪女キャラクターが登場する。女優キム・ミスクがデビュー以来初の悪役にチャレンジしたというペク・ソンヒ役である。夫が死んだ後すぐ義理の娘と息子を家から追い出して保険金を横取りするだけではなく、実の娘ユ・スンミ(ムン・チェウォン)のため、主人公のハン・ヒョジュを窮地に追い込ませ続ける悪辣な継母役を演じたキム・ミスクは、「二度と悪役はやりたくない」と感想を語ったほど、圧巻の演技を披露し絶賛された。7.恋に執着する女たち:「シンデレラ」のファン・シネから「火の鳥」のチョン・ヘヨンまで1990年代のトレンディドラマの特徴はいい女と悪い女の対立構図が明確だったことだろう。さらにその悪い女がいい女をいじめる多くの理由が三角関係の男性のためであった。1997年に放送されたMBC「シンデレラ」のファン・シネ、1998年のSBS「ミスターQ」のソン・ユナ、1999年のSBS「トマト」のキム・ジヨンもすべてこのようなケースだった。このような極端な設定にもかかわらず、これらのドラマは視聴率40~50%を上回るほど大人気だった。2000年代初めにもこのような設定のトレンディドラマが多く作られた。代表的な作品は2000年にMBCで放送された「真実」だった。主人公のチェ・ジウをいじめる悪い女役だったパク・ソニョンは、鳥肌が立つほど見事に悪女に変身し、ドラマが終わるまで視聴者の目を釘付けにした。パク・ソニョンの役者人生は「真実」の前後で分かれると言われるほど、同作は女優パク・ソニョンを代表する作品として視聴者の記憶に残っている。「太陽の女」「赤道の男」のキム・インヨン脚本家と「華麗なる遺産」「いとしのソヨン」のソ・ヒョンギョン脚本家の初期の作品でもある。「真実」と同じ年に放送されたMBC「イヴのすべて」のキム・ソヨンは、キャリアウーマンの専門性と堂々とした態度を持った新しいタイプの悪女キャラクターを作り上げたケースである。劇中でアナウンサー役を演じたキム・ソヨンは、プロのアナウンサー顔負けの実力で、上手に原稿を読み上げ視聴者を驚かせた。面白いのは当時キム・ソヨンが20歳になったばかりの若手だったことである。彼女は積極的で自信に満ちた悪女役で見事に成人役者になることができた。2004年に放送されたMBC「火の鳥」のチョン・ヘヨンは恋に執着する女の頂点だった。「何か燃えている匂いがしませんか。今、私の心が燃えています」という台詞でも有名な同作でチョン・ヘヨンは、恋する相手に怖いほど執着する悪女役を演じ視聴者の肝を冷やした。特に彼女が車椅子から立ち上がり、ガラスの破片の上を歩くシーンは、「火の鳥」の最高の名シーンの一つである。愛と欲望に誰より忠実なチョン・ヘヨンの演技だけでも「火の鳥」は十分に見る価値のあるドラマである。韓国ドラマ55年の歴史を輝かせた悪女列伝このように数多くの悪女キャラクターたちは韓国ドラマ55年の歴史を輝かせ、視聴者に愛されてきた。彼女たちの存在は物語に緊張感を与え、作品の人気を牽引し、たくさんの話題を作り上げ、視聴者を楽しませた。これまで様々な悪女役を演じ、役作りに励んできた女優たちに拍手を送りたい。そしてこれから彼女たちがどの様な新しい悪女を誕生させるのか楽しみである。

【ドラマレビュー】「野王」悪い女 vs 良い女 vs 可哀相な女
ハリュの運命を巡る3人の女性とは?ハリュ(クォン・サンウ)の復讐が本格化し、SBS「野王」の視聴率も共に上昇している。韓国で12日に放送された「野王」13話は、17.5%の全国視聴率(ニールセン・コリア集計)を記録、前日より2.3%も上昇し、自己最高視聴率を記録した。これは月火ドラマの間で今まで1位を守ってきたMBC「馬医」を脅かす記録で、今後二つのドラマの視聴率対決も見どころとなる。最近「野王」が視聴者から好評を得ているのは、緊迫感が増していくストーリーと共に多様なキャラクターの間の構図がさらに明確になったためだと思われる。特に12日に放送された「野王」10話では、ハリュを巡る3人の女が「復讐すべき女」「切り捨てるべき女」そして「口説くべき女」と、一目瞭然に整理され、ドラマがさらに面白くなった。復讐すべき女はチュ・ダへ(スエ)、切り捨てるべき女はソク・スジョン(コ・ジュニ)、そして口説くべき女はペク・ドギョン(キム・ソンリョン)だ。それぞれのキャラクターを分析すると「チュ・ダへ=悪い女」「ソク・スジョン=良い女」「ペク・ドギョン=可哀相な女」と表現することができ、ハリュの復讐はこの3人の女性とどのような関係を維持していくかにかかっていると言えるだろう。「野王」に登場する悪い女、良い女、可哀相な女を通じて、これからハリュに降りかかる運命を予測してみよう。悪い女チュ・ダへ、説明の要らない復讐の対象チュ・ダへは説明の要らない「悪い女」だ。成功のために夫を捨て、最後まで欲望に振り回され、娘を死に追いやった。引いては更に高いところに上り詰めるために、ハリュの双子の兄殺害に関わった。チュ・ダへはつまり、ハリュにとって復讐の対象だ。この日の放送で、彼はペク・ドフン(東方神起 ユンホ)と結婚発表までし、名実共にペクハクグループに浮上する核心勢力となった。チュ・ダへが怖いのは、驚くほどに緻密で、自身の計画のためならどんなことでもするというところにある。ペク・ドギョンにより自身の過去が暴かれる危機に晒されると、ペク・ドギョンの愛馬リサを殺す残酷さを見せ、チャ・ジュウン弁護士に変身したハリュの正体を暴くため、その指紋を確保するための高度な戦略まで立てた。オム・サムド(ソン・ジル)の機知がなければ、この日ハリュは正体を暴かれていただろう。これからもチュ・ダへは、チャ・ジェウン弁護士を疑い続け、引き続きハリュの正体を暴くために努力するだろう。よってハリュの復讐が成功するためには「悪い女」チュ・ダへに正体を暴かれないことがなによりも重要だろう。彼女の賢さと緻密な計略に立ち向かうハリュ、そしてハリュの師匠オム・サムドの活躍が期待される理由だ。良い女ソク・スジョン、変数として浮上ハリュにとって切り捨てるべき女は、自身の双子の兄チャ・ジェウン弁護士の婚約者ソク・スジョンだ。ソク・スジョンは限りなく優しい女で、今までチャ・ジェウン弁護士に代わり、ハリュ探しに大いに貢献してきた。そして生前のチャ・ジュウン弁護士とは結婚を約束するほどの仲だった。問題は、今のチャ・ジェウン弁護士がハリュ本人だという事実にある。この日の放送でスジョンはハリュに一週後に両家の親に挨拶し、結婚の準備をしようと話した。ハリュとしてはありえないことだ。ソク・スジョンは兄の彼女、義理の姉になるはずだった女だからだ。更にソク・スジョンと親密な関係になると、自身の正体が暴かれるはずだ。特にソク・スジョンは「野王」の様々なキャラクターの中で、チャ・ジェウン弁護士とハリュを区別できる唯一の人物でもある。彼はハリュには無く、チャ・ジェウン弁護士にはあった腕のほくろを目撃している。もしハリュがソク・スジョンに正体を気づかれれば、彼は弁護士としての人生を横取りするために兄を殺した犯人として疑われる可能性が高い。よってソク・スジョンにだけは徹底して自身の存在を隠さなければならない。ソク・スジョンが司法試験1次まで合格したほど法に詳しいという点は、ハリュが弁護士として活躍するに置いて役に立つかもしれないが、色々な側面から考えて、得られるものより失うものの方が多い。果たしてハリュはソク・スジョンに正体を気づかれないだろうか。ソク・スジョンという存在は、ハリュにも、そして「野王」にとっても変数として働く可能性が高い。可哀相な女ペク・ドギョン、利用されるだけなのか3人の女性のなかで最も可哀相なキャラクターはペク・ドギョンではないだろうか。彼女はペクハクグループの会長の娘で、常務にまで昇進するが、息子を弟として育てる苦しみがある。さらに、自身の全てを注いで育てた息子ドフンがチュ・ダへに夢中になり、毎日のように棘のある言葉を口にして、心を傷つけられる。唯一の心の拠り所は乗馬だったが、最も愛する馬のリサさえも、チュ・ダへの手によって殺された。彼女が感じたであろう虚脱感や空虚さがどれ程のものだったのかは十分に予想できる。しかし、よりによってその時期にハリュが意図的に接近してきた。彼女の好きなワインと映画の話で彼女に近づいた。近く彼はチャ・ジェウン弁護士に、いやハリュに夢中になるだろう。そのためだろうか。映画「ティファニーで朝食を」について「以前はオードリー・ハップバーンが好きで観ていたのですが、今は歳をとったせいか、何も知らず利用された上流層の男に目が行きますね」と語るシーンは、彼女の運命を予告しているかのようだ。ペク・ドギョンもまた何も知らずハリュに利用される上流層の女になるのではないだろうか。この日の放送は、チュ・ダへとハリュの関係を暴くために追跡してきたペク・ドギョンが、ハリュとチュ・ダへを呼んだ席で、ハリュの写真を出したところで終わった。チャ・ジェウン弁護士とハリュの顔が同じだという事実に驚くペク・ドギョン常務。そしてハリュと自身の過去が暴かれるのではないかと焦るチュ・ダへ。果たしてハリュはこの危機をどう乗り越えるのだろうか。3人の男を適切に利用しながらどんどん最後の瞬間に向かって行くハリュの先行きは十分に興味深い。

女優を渇望したソン・ヘギョ、そして「その冬、風が吹く」
5年ぶりのテレビ復帰、ソン・ヘギョの挑戦は続くSBSドラマ「その冬、風が吹く」の放送が韓国で始まった。厚いマニアなファン層を持つ脚本家ノ・ヒギョンが台本を書き、トップ俳優のチョ・インソンとソン・ヘギョが主演を務めることで、当初から2013年の最高の期待作として言われてきた作品であるだけに、演出、台本、演技の三つの要素がいずれも見事だった。特に、2008年「彼らが生きる世界」に続き、再びノ・ヒギョン脚本家のドラマに出演することになったソン・ヘギョの繊細な演技は、作品への期待を一層高めている。トレンディドラマの女王ソン・ヘギョ1996年、17歳で制服モデルとして芸能界に足を踏み入れたソン・ヘギョは、可愛らしい顔立ち、はつらつとした魅力の持ち主であって、業界関係者から大きな関心を受けた。1998年当時、ソン・ヘギョの可能性を見極めたキム・ビョンウク監督は、自身が準備していたシットコム(シチュエーションコメディー:一話完結で連続放映されるコメディードラマ)に彼女をキャスティングしたが、その作品がSBSシットコムのレジェンドと言える「順風産婦人科」だった。劇中、オ・ジミョンのお転婆な末娘「オ・ヘギョ」を演じたソン・ヘギョは、一気に視聴者を釘付けにして、スターに浮上した。だが、彼女が本格的な人気を得始めたのは、2000年、KBS「秋の童話」のヒロインとしてキャスティングされてからだ。「秋の童話」は、「COLOR」「プロポーズ」「クァンキ」などを演出したユン・ソクホ監督と、「クァンキ」「イヴのすべて」のオ・スヨン脚本家がタッグを組んだドラマだった。このドラマでソン・ヘギョは、腹違いの兄と切ない恋をし、不治の病でこの世を去るキャラクターを演じて、がらりとイメージチェンジを試みた。従来のはつらつとした可愛いイメージが180度変わり、新たな可能性を披露したのだ。視聴率もこの上ないほど良かった。当初の競合作品だったウォン・ミギョン主演のMBC「おばさん」に比べて弱いと言われていた「秋の童話」は、放送が始まってから口コミが広がり、放送2回目で視聴率が20%を超え、2週目には同時間帯1位の視聴率となり、逆転に成功した。その後からはトップの座を逃さなかった。6回目の放送で31.6%になってから、視聴率は引き続き30%台を維持し、最終回の16話では最高視聴率42.3%を記録し、華麗に幕を下ろした。ソン・ヘギョ本人も「信じられない」というほど、甚だしい成功だった。「秋の童話」を皮切りに、ソン・ヘギョはチェ・ジンシル、キム・ヒソンに次ぐトレンディドラマの女王になった。「ホテリアー」(最高視聴率38.6%)、「守護天使」(最高視聴率31.8%)、「オールイン 運命の愛」(最高視聴率47.7%)、「フルハウス」(最高視聴率40.2%)に至るまで、様々なトレンディドラマに出演し続け、全盛期を迎えた。キム・ヒソンの全盛期並みの成績を記録し、ソン・ヘギョは当代の女優の中でもトップクラスに位置づけられた。芸能界全体を見渡してみても、当時のソン・ヘギョのスター性とヒット力は同級最強のレベルであり、誰も近づけないキャリアを誇った。わずか25歳で、誰にも見下げられることのないトップクラスに上り詰めたのだ。女優を渇望したソン・ヘギョ、そして「その冬」しかし、光が明るかった分、影も濃かった。一定の枠を超えないキャラクターと限界のある作品選択、ユニークさのない演技トーンは、ソン・ヘギョの不安点であり、人々も彼女を女優というよりもビジュアルの良いスターだと思っていた。20代中盤を越えてから、女優として認められたい渇望が強くなった彼女にとって、このような状況は無視できない現実であっただろう。結局、彼女は2004年「フルハウス」を最後に、得意のトレンディドラマを諦めて、新たな活路を探し始めた。これまでの彼女のスター性、大衆性を脱ぎ捨て、女優として認められるための道のりを歩み始めたのだ。トップスターであったソン・ヘギョが、これほど極端な選択をするとは、誰も予想できなかったはずだ。2005年を基点に、ソン・ヘギョの作品選択はがらりと変わってくる。憂鬱で悲劇的な雰囲気の映画「ファン・ジニ 映画版」を始め、マイナー傾向の映画に顔を出した。2008年「Fetish」、2010年「カメリア」、2011年「今日」に至るまで、大衆性よりは作品性を中心とする実験的な映画に出演し、20代の女優としてはかなりユニークなフィルモグラフィーを構築したのだ。2008年、ソン・ヘギョがドラマ復帰作としてノ・ヒギョン脚本家の「彼らが生きる世界」を選択したのも、このような側面から解釈できる。勿論副作用がなかったのではない。興行収入が振るわないたびに「もう終わり」と非難されたり、愚かな試みをしていると酷評されたりした。しかし、我々が注目すべき点は、ソン・ヘギョがノ・ヒギョン脚本家、イ・ジョンヒャン監督、ウォン・カーウァイと作品をしながら、誰よりも着実に成長してきた点だ。スターとして全てを成し遂げたにもかかわらず、女優ソン・ヘギョの価値を証明するために、これほど大きな努力を傾けてきたのは、本当にものすごい勇気だ。このような意味で、2013年、ソン・ヘギョ脚本家の新作「その冬、風が吹く」は注目に値する作品だ。「彼らが生きる世界」に続いてソン・ヘギョ脚本家の作品に2度目の参加となる彼女は、第1話から成熟した繊細な感情を表現し、視聴者を入り込ませた。心に傷を負ったキャラクターの寂しさを十分に理解している上、これを効果的に伝える表現力も著しく発展した。これまで積んできた実力を十二分に発揮したようだ。彼女ならではの切ない恋愛演技も期待を集めている。「秋の童話」から着実に進化してきた彼女の恋愛演技は、30代に入ってからもっと深い感性を誇っている。パートナーのチョ・インソンとの相性も良く、演技に集中する力も徐々に強くなると予想される。多様な作品を通じて基礎から実力を積んできただけに、著しく成熟した演技を期待しても良いだろう。今のソン・ヘギョは、新たな実験台に乗っている。30代初の作品として選択した「その冬、風が吹く」は、彼女がこれまで駆けずり回って学んだ多くのものを十分に見せられる見事な器だ。この器を一杯に満たしていくのは、彼女一人の役目だ。寂しくて大変だが、女優として当然耐えなければならない十字架だ。自身の限界を誰よりもよく知っていて、その限界を超えるためにキャラクターと作品に入り込んだこの女優は、果たして「その冬、風が吹く」を通じて女優としての転機を迎えることができるのだろうか。今はっきりと言えるのは、女優ソン・ヘギョが美しい挑戦を続けているということ、そして、一ヶ所にとどまらない賢さで着実に進化していることだ。彼女の健闘を祈る。「OhmyStar」ではスターはもちろん、バラエティ、ドラマなど、様々な市民記者のレビューや主張を幅広く掲載しています。もちろん、いかなる反論も歓迎します。いつでもノックして下さい。「OhmyStar」は市民記者の皆さんの参加をお待ちしています。―編集者コメント




