「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」全ての大人たちへ

記憶を失ったナ・サンシルは韓国ではお馴染みのジャージャー麺を初めて食べるように行動した。その反面ク・エジョンはユン・ピルジュ(ユン・ゲサン)と初めて出会った時、彼が愛人関係をほのめかすいわゆる“スポンサー提案”をしていると誤解し、騒動を起こしている。ナ・サンシルは知らない事が多過ぎるが、ク・エジョンは知っている事が多過ぎた。知っていることが多過ぎるからこそ彼女は昔のマネージャーから後輩の前で平手打ちされても我慢し、国民から好感度のない芸能人に選ばれてもそのイメージでバラエティのレギュラーになれたことで満足している。仕事場は戦場と書いて職場と読み、甥には自分を「ハキダメ」と悪質な書き込みを見られてしまう。それでもそこから逃げ出すことは出来ない。こうした現実を黙々と歩んで行くのも自分の役割だと言う事をク・エジョンは既に知っていた。
ク・エジョン、ホン姉妹ワールドに登場した初の大人

ク・エジョンはソン・チュンヒャンやチュ・ユリンと違い、今初めて社会に出て来たわけでもないし、ナ・サンシルやク・ミホのように生活の苦労を記憶喪失やファンタジーの向こう側へ投げ出したわけでもない。その代わり、世間とぶつかって屈辱を我慢し家族を守る。「最高の愛」はホン姉妹が働く女性の苦労を直視した初の作品であり、ク・エジョンはホン姉妹の世界に登場したある種の女性像である。ク・エジョンはバラエティ番組ででんぐり返しをしながらも芸能界で生き残ろうと思っている。それと同時に、いくら簡単にお金が稼げるとしても“スポンサー提案”はその場で断り、ユン・ピルジュが現実的にはもっといい結婚相手だと知りながらもトッコ・ジンに向かって一歩ずつ歩んで行く。ドラマのはじめで、トッコ・ジンの心がク・エジョンへ向かって揺れ動いたのも彼女がどんな悲惨な状況でも自分の仕事をこなす態度に接した瞬間であったという事実は重要である。ク・エジョンは仕事をして家族を養う一家の大黒柱であり、正しい価値観を持つプロであり、どんな状況でも自分の仕事に最善を尽くしていた。そしてそれ自体が男性にアピールする魅力となったのである。
大人に現実を乗り越える力を与える「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」

そしてホン姉妹は「最高の愛」を通して仕事をする全ての人に向けたエールを送っている。トッコ・ジンは映画祭の授賞式のレッド・カーペットに立たなくてはならないク・エジョンにこう言う。「レッド・カーペットは自信を持って歩くんだ。この世で一番すごいのは私だぞって感じでな」 現実は変わらない。世間は何度も私たちをひざまずかせる。けれど「最高の愛」はそんな人々の肩をポンポンと叩いてくれる。それでも君は素敵な人だよ、自分にプライドを持ってもいいんだよ、と。子供のファンタジーがくれた慰めの代わりに大人の現実を耐える慰め。「最高の愛」でホン姉妹の見せてくれた変化、そして「最高の愛」に熱狂する人々の変化は、それだけ今の現実が辛く、また頑張ってるよという意味なのかもしれない。ソン・チュンヒャンのように就職して頑張ってもみたし、ホ・イノクのように現実に目覚めて大声で泣いたこともあった。ナ・サンシルのように記憶をなくして、コ・ミニョやク・ミホのように現実を忘れたこともあった。でも現実は相変わらずだし、人々はク・エジョンのように仕事をし、傷つき、その合間にこれまた簡単には行かない恋からもらう小さなエネルギーでも“充電”する機会に恵まれる。トップスターと将来の安定した漢方医の狭間にいながらも、その後起こることを考えると“シンデレラ”になることさえ躊躇してしまう世の中。働く大人として生きるということは、本当に難しいことなのである。
■「最高の愛」DVD-SET 1 15,960円(税込) 4月6日発売
第1話~第8話収録/4枚組 本編520分+特典映像約60分予定
初回限定:アウターケース仕様 封入特典初回限定:ブックレット(8P)
■「最高の愛」DVD-SET 2 15,960円(税込) 5月9日発売
第9話~第16話収録/4枚組 本編520分+特典映像約60分予定
初回限定:アウターケース仕様 封入特典初回限定:ブックレット(8P)
■関連サイト
・「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」DVD公式サイト
・「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」特集ページ
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- カン・ミョンソク、編集:イ・ジヘ、翻訳:イム・ソヨン
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