“訪韓”神木隆之介「ユ・スンホさんと一緒に作品をやってみたいです」
俳優神木隆之介が演技を始めたのは2歳の時からだ。その後、彼は様々な作品を通じて子役として顔を知らせ、尋常ではない演技力を披露して名前まで広く知らせた。ドラマ、映画、そして声優の領域まで行き来しながら役者としての幅を広げた。そんな彼が韓国では「日本のユ・スンホ」とも呼ばれている。他の事実はどうであれ、子役からスタートして大人になっても自分だけの立場をきちんと確保したということだけは確実な事実である。
母親がオーディションに応募して始めた演技だが、彼はもう自分の意志で俳優として生きている。むしろ、演技をやればやるほど楽しくて、より熱心に頑張りたいと覚悟を固めるようになる。演技を披露しているという感じではなく、作品の中のキャラクターそのものに見せるのが彼の目標だ。日本を代表する俳優神木隆之介に会ってきた。
神木隆之介:えーと、3回目、いや4回目です。最初は修学旅行で、2回目は「ソウルドラマアワード2011」、3回目は一週間ぐらいトレーニング(ボーカル、ウォーキング、ダンスなど)のために来ました。そして、今回が4回目です。
―「ソウルドラマアワード2015」で“アジアスター賞”を受賞しました。
神木隆之介:本当に光栄です。4年前、「ソウルドラマアワード2011」に続いてまた同じ授賞式で賞を受けることになって奇跡だと思います。心から感謝します。
―4年前と今、神木さんはどんなことが変わりましたか?
神木隆之介:色んなことが変わりました。学校を卒業して役者として生活しなければならないという意識が強くなりました。学校に通っていた時は「まだ学生だから」という言い訳が通じるが、もうそれがなくなったので仕事をする時、より慎重になります。
―作品など、心構えが変わったきっかけがありますか?
神木隆之介:「桐島、部活やめるってよ」という映画で同じ年頃の役者たちと共演しましたが、そこで良い刺激を受けました。
―その良い刺激についてもう少し聞かせてください。
神木隆之介:みんな演技が好きな人々なので、彼らが演技を披露する姿が当時卒業を控えた僕にとって刺激になりました。大学に行かず、演技をより熱心に頑張ろうという考えを固めました。
―今まで演技を十分着実にやってきているという感じを受けましたが、神木さんなりには悩みがあったようですね。
神木隆之介:大学に行くかどうかについて悩みました。写真や心理学を学びたいと思っていたからです。
―今はどうですか?大学に行って違う勉強をしたらどうだったかなという後悔はしていないですか?
神木隆之介:もし大学に行ったら、それなりに面白かっただろうとは思いますが、勉強と仕事を並行するのは大変だったと思います。高校の時と違って勉強のレベルが高いからきっともう少し大変だったでしょう。また、授業に行かなければならないからできない仕事も出てきたはずです。だから、良い選択だったと思います。(大学は)行きたくなったら、またいつでも行けますから。
―映画の公開を控えていますが、最近はどう過ごしていますか?
神木隆之介:楽しく過ごしています。10月3日に「バクマン。」という映画が公開される予定で、来年は宮藤官九郎監督の映画も公開されます。
―宮藤官九郎監督との作業はどうでしたか?
神木隆之介:緊張感が大きかったです。宮藤官九郎監督は人を笑わせる監督です。それで、出演者として先に「監督を笑わせられるかどうか」という考えがして緊張しました。
―撮影が終わって成長したと感じましたか?
神木隆之介:一つ気づいたことがあります。コメディは笑いを狙わない方がいいということに気づきました。誠実にやれば、それを見て笑ってくれる人がいます。
―忙しく撮影していると自分のための時間はないと思いますが、そんなことは寂しくないですか?
神木隆之介:まったく気にしていません。撮影現場が楽しくて好きです。
―幼い頃から役者として生活してきたので、違う人生についてはよく知らないと思いますが。
神木隆之介:いいえ、そうでもないです。母親は僕を平凡に、地味に育てました。平凡な家庭の子と同じように育ちました。
―普通、何もせずぼうっと過ごす日もありますが、神木さんにはそんな日がないと思います。趣味の写真を撮りたくなる日もあると思いますが。
神木隆之介:そんな時間も作っています。無理に作る時もありますが(笑) 休みの日があるので自分なりに忠実に過ごしています。
―写真を撮る時はどんな気分ですか? 神木さんはカメラの前に立つ職業だから、まったく違う感じがすると思います。
神木隆之介:きれいだと思うことを残したいです。僕が今ここに存在して写真を撮っているという足跡を残したいです。演技とはまったく関係ないという気分で撮っています。
―幼い頃から写真を撮ることが趣味だと聞きましたが、今も続けているんですね。ほぼ10年近くになるから、今はベテランと同様の実力だと思います(笑) 高いカメラも持っていますか?
神木隆之介:実力はまだまだです。そして、僕が買ったカメラはそんなに高い方ではないです(笑) いつかはカメラについても学びたいです。
―演技する時、カメラの前に立つと、どんな感じですか?
神木隆之介:演技をする時は役だけ、僕が演じるキャラクターだけ考えます。キャラクターの性格と考えを通じて相手の言葉をどう受け止めるか考えて、感じて、話します。
―つまり、キャラクターそのものになるということですか?
神木隆之介:僕の目標はキャラクターを演じるのではなく、キャラクターになる、その人物になることが目標です。
―そうやったら、作品が終わって次の作品に移る時、少し大変じゃないですか? それだけ余韻がたくさん残るからです。
神木隆之介:僕の意識はそのキャラクターから抜け出したというか、もうそのキャラクターじゃないと考えているのに、周りから「まだ残っている」と言われます。
―抜け出すことが最も難しかった作品は何でしたか?
神木隆之介:「学校のカイダン」というドラマです。とても早口でしゃべるキャラクターを演じて、そのキャラクターは抜け出すことが少し難しかったです。その作品の中で話す時、本当に気持ちが良くて、演技も僕が気持ちいいと感じるリズムで披露したのでなかなか抜け出せなかったです。
―作品の中のキャラクターが実際の性格と正反対で面白かったかもしれませんね。
神木隆之介:その通りです。実際にも口数が多い方ではありますが、そんなに激情的には話さないからです(笑) それで、すごく気持ちいいと感じたのかもしれません。
―大変ではなかったですか? ずっと座って演じなければならなかったですが。(「学校のカイダン」で神木隆之介は“雫井彗”役を演じた。スピーチの天才で、車椅子に乗っているキャラクターだった)
神木隆之介:大変でした。僕の演技のリズムを足では表現できず、感覚だけでしなければならなかったので難しかったです。
―「学校のカイダン」という作品を通じて変わったことがありますか?
神木隆之介:記憶力が少しよくなりました(笑) ちなみに、僕が演じたキャラクターは他人と会話する感じではなく、新聞を読むような話し方でした(笑)
―終わった後は胸がいっぱいになったと思います。
神木隆之介:「やった!」「終わった!」という気持ちはありました。でも、その後すぐに次の作品が待っていたので、違うキャラクターに集中しなければならなかったです。
―作品を始める前、役作りはどう準備しますか?
神木隆之介:監督と話し合ってある程度、過去のものをイメージ化します。また、僕が読んで感じたもの、キャラクターの性格を反映して話し方や習慣などを少しずつ作ります。
―作品を終えて旅行に行くこともありますか?
神木隆之介:旅行する時もあります。でも、主に一人でカラオケに行きます。一人でカラオケに行って1時間ぐらい歌を歌います(笑)
―2歳の時から演技を始めて、幼い頃から周りの人に「真面目だ」「大人っぽい」とよく言われました。その言葉がいつからか負担になったと思いますが。
神木隆之介:特に負担を感じたことはないです。自分が真面目だと思っていなかったので、そんな話しを聞くと「どうしてだろう?僕は平凡なのに」と疑問を感じました(笑) 幼い頃も子供っぽかったと思います。自分が好きなことだけ話して、自分なりには子供でした(笑)
―今はどうですか?もう真面目にならなければならない年齢ですが(笑)
神木隆之介:今も変わったことはないです。正確に行動しなければいけない時はそうやって、そうじゃない時はやらないです。自分が気楽に、楽しくやれるように仕事をしています。
―役者以外に声優としても活動しています。それはまた違う面白さがありますか?
神木隆之介:面白いが、難しいです。絵に、またキャラクターに合わせなければならないので、決して簡単ではないです。役者と声優はまったく違う仕事だと考えているので、声優の仕事をする時は「失礼します。一生懸命にやりますのでよろしくお願いします」という感じがして、他人の家にお邪魔しているような申し訳ない気持ちもあります。
―まったく違う世界だと思っているんですね。依然として慣れない部分がありますか?
神木隆之介:顔が映らないほど、誇張せずある程度力を抜いてやらなければならないのに、誇張と余裕のその中間を披露することが難しいです。アニメ、漫画を見ることが好きで、有名な声優の作品を見ながら勉強しています。
―韓国では「ハウルの動く城」が人気を集めてその声が記憶に残っています。今までの作品の中で一番気に入った自分の声がありますが?
神木隆之介:「借りぐらしのアリエッティ」「サマーウォーズ」が好きです。「ハウルの動く城」も好きです。
―もうすぐ公開される「バクマン。」も漫画を原作にしています。
神木隆之介:漫画、アニメ、そして今回は実写で作られるようになりました。「バクマン。」の漫画が好きで、他の漫画も幅広く好きです。劇中、漫画が好きなキャラクターは僕と似ています。
―今後、自分の意志で作品を選べるとしたら、最も重要な選択ポイントは何ですか?
神木隆之介:作品が伝えたいメッセージを重視します。また、今まで自分が演じたことのないキャラクターに挑戦してみたいです。作品を見て面白いと思う人がいるかどうかについても考えると思います。
―今後、演じたいキャラクターがありますか?
神木隆之介:少女漫画の主人公を演じてみたいです(笑) 少女漫画が好きだからという理由もあって、狙ってかっこよく表現するのではなく、自然に出てくるかっこよさを表現できるかどうかに挑戦してみたいです(笑)
―今後、韓国の作品に出演したり、コラボレーション作品を期待しもいいですか?
神木隆之介:やってみたいです。4年前にも、今回も、子役からスタートして演技を披露しているというユ・スンホさんの話を聞きました。彼と協力して作品をやってみたいです(笑)
―韓国のファンに一言お願いします。
神木隆之介:今後、韓国でも作品ができる俳優になれるように熱心に頑張りますので、多くの応援お願いします。(この時、神木隆之介は実際に頭を下げて挨拶した)
―どんな俳優になりたいですか?
神木隆之介:作品の中で“演技を披露する神木隆之介”に見えたくないです。キャラクターを演じる時、僕自身は見えず、劇中のキャラクターそのものに見えるように、演技力のある俳優になりたいです。
―準備したすべての質問が終わりました。最後に一言お願いします。
神木隆之介:(数秒間、真剣に考えて) 餃子が美味しいです。昨日も食べて、4年前に来た時も食べました。餃子が本当に好きです(笑)
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- キム・ハジン、写真 : ク・ヘジョン、翻訳 : ナ・ウンジョン
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