ミュージカル「エリザベート」はオーストリア版“愛と戦争”

期待値は10点満点中何点くらい?
“シャトート”(ジュンス)の出演回数を増やしてください!…7点
それにも関わらず、不慣れなオーストリアの歴史は台詞があまりなく、歌を中心に進行されるソングスルーミュージカルの中でより分かりにくくなり、“偉大なる恋”と言われたエリザベートとトートの関係も曖昧に描かれている。ストーリーがドラマ「愛と戦争」風の通俗劇の形になるしかない理由だ。極端なストーリーだが、音楽や大きな実物の舞台セット、数回の衣装チェンジなど様々な装置が加わって、舞台からは暇や退屈な時間などは一切感じられなかった。しかし、空白の象徴を表現する代わりに直接的な説明が多い演出は、時には過剰に、時には安逸に見える。「エリザベート」はまるでメビウスの輪のように繰り返される一家の孤独を描く作品でもある。エリザベートと夫ヨーゼフ、息子ルドルフは泣き叫ぶ。「独りにしないで」と。そして、その寂しさは巨大な城の中にあるものではなく、見知らぬ人たちがひそひそと話すことや“ありふれた安っぽいもの”として呼ばれ販売される記念品の中にある。
初演において重要なのは、多くの人々が作品に親しみを持つことかもしれない。何が正しく、何が間違っていると言い切ることはできないが、「エリザベート」がより多くの意味を持つ作品であることに間違いない。トートも自殺がカッコイイと思った当時のオーストリアの雰囲気から生まれたキャラクターである。彼のスローな音楽や、彼と一緒に踊るダンスには、すべて理由がある。トートが生き動く時、ようやくエリザベートも目覚めることができる。
今の「エリザベート」は韓国の観客が好みそうな構成で描かれている。しかし、これからも公演を続けていくためには、より細やかな細工が必要だ。ミュージカルを商業ジャンルと言い切れないのも、一本の作品が持つ深さや価値が様々な分野で絶えなく引き出されているからだろう。果たして「エリザベート」は何カラットのダイヤモンドになれるだろうか。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- チャン・ギョンジン、翻訳:ナ・ウンジョン、
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