「マイPSパートナー」ピョン・ソンヒョン監督“恋愛できずにいる人を慰める映画ではない”
※この記事には映画「マイPSパートナー」の結末に関する内容が含まれています。
だが、実は「マイPSパートナー」はそもそもコメディではなく、恋愛物語だったということを知っているだろうか。今回の映画で商業映画デビューを果たしたピョン・ソンヒョン監督によると、コミカルだが、寂しい結末があるブラックコメディだったという。CJエンターテインメントが支援する新人作家支援プロジェクトで選定され、最終的に今回のような作品になった。
“テレフォンセックス”という口にするのも恥ずかしい言葉。実は同性の友達、特にそういう話が好きな友達の間では頻繁に登場する言葉でもある。恋愛に失敗したり、恋愛に挑戦できない人たちの代理満足でもあるこの変態的な遊びがピョン・ソンヒョン監督の手を経て愉快な冗談になった。これだけでも成功ではないだろうか。
「結局根本的な問題となると、周りの人のアドバイスは慰めにはならない。気を改めて挑戦したって恋愛が思いのままになるわけでもない。この映画は男性のファンタジーだと言われているけど、チソンが演じるキャラクターは女性のファンタジーでもある。ラブコメディというものは、普通恋愛をファンタジーのように見せるということが分かった。僕が夢見る恋愛もやはり現実とはかけ離れたものだ」
夢ばかり追う男、そして恋愛にこだわる女。彼らの周りには現実的なアドバイスを惜しまない友達がいる。笑ったり泣いたりしながら互いに慰め合うが、結局最後には独り残った自分を見つける登場人物の姿はコミカルながらも悲しい。
ピョン・ソンヒョン監督は、捻ってみたいと言った。商業映画であるだけにラブコメディの法則を守りながらも変化をつけたかったと言う。映画のラストであるヒロインの結婚式に男性主人公が登場するシーンもラブコメディのバイブルである映画「卒業」(1967年)のそれにアレンジを加えた。女性の手を握って飛び出すシーンを想像したのであれば「マイPSパートナー」を見くびってしまったわけだ。
ピョン・ソンヒョン:異性に対して多くの関心があったのは事実だ。男性が希望する女性はほとんど似ている。恋愛をすれば利己的になるしかないと思う。もちろん、そうでない形で結ばれることが理想的だが、それは不可能だと思う。恋愛は10代半ばから20代が終わるまで続けた。だが、30代になったこの頃は少し疲れている状態だ。
恋愛は最大限面白くやろうとした。束縛されるのが嫌で僕も相手を束縛しなかった。クールに見える?だが、実は愛に関してクールなことはない。クールなふりをするだけだ。知っていながら目をつむることだ。信頼を築けば疑いがなくなる。彼女が他の男とお酒を飲んでいてもある瞬間から何も疑わない自分に気付いた。いつも二人っきりというのも良くない。それだけ感情が早く尽きると思う。
―プレイボーイだったということなのか。羨ましい……では、この映画の美徳は、恋人は互いに干渉せず、信頼を持つべきであるということなのか?恋愛ができない人への共感や慰めなどはないのか?
ピョン・ソンヒョン:正直に言うと、恋愛できずにいる人を慰めたりはしない。これは、ただのデートムービーだ。愛の意味を探したり、崇高な価値を探そうとするならホ・ジノ監督の「八月のクリスマス」などから探してほしい。「マイPSパートナー」を2時間見てただ恋愛がしたいという気持ちになってもらえれば、それで成功だと思う。個人的に女性は分からないが、男性は年末を控えている今、気のある女性とこの映画を一緒に見ることをお勧めする。その女性ともう少し関係が発展するのではないかと思うからだ。
―恋人のいない人は色々と胸が痛い。前作「青春とビート、そして秘密のビデオ」は、成人向け映画の感じがする音楽映画だった。疾風怒涛でものすごく男の匂いがするが、今回ラブコメディを演出したことが何だかおかしい。
ピョン・ソンヒョン:実はラブコメディはほとんど見たことがない。昨年夏からこの映画の準備をしながら200本ほど集中的に見た。1990年代の映画をたくさん参考にした。ジュリア・ロバーツ、メグ・ライアン、ヒュー・グラント、ドリュー・バリモアなどの全盛期だ。当時のラブコメディには、魂があるように見えた。最近のラブコメディはよく分からない。最近アシュトン・カッチャーが有名だと聞いたが、逆に見れなかった。僕の映画がポップコーンムービーだとしても、少なくともジャケットを着て映画館を去る前に一度くらいは考えるようにしたかった。深くなくていいが「私の恋愛はどうなのか」というようなことを。
問題は一緒にこの映画を制作したスタッフ皆がラブコメディは初めてだったということだ。撮影監督は、すぐ前に野球映画「パーフェクト・ゲーム」を、美術監督は「火車」を、音楽監督もイム・サンス監督の「ハウスメイド」「蜜の味 テイスト オブ マネー」「26年」の制作に携わっていた。皆が少し社会批判的な作品を主に担当していた。そのためプロデューサーがかなり心配していた。実は、撮影監督と「この映画を僕たちが撮ってもいいのか」と話し合ったりした。だが、同じ映画の制作作業なのにジャンルは重要なのだろうかと思った。あえて言うと、完成度は他のラブコメディよりずっといいと思う。
―何だか次の作品が気になる。準備しているものがあるのか?
ピョン・ソンヒョン:特に考えているものはないが、セックスの要素は入らなくてもR-19になるのではないかと思う。もちろん、子供向け映画になるかもしれないが、台詞の中に悪い言葉がたくさん入るだけにR-19になると思う。独立映画(配給会社を通さず、制作者が直接映画館に売り込む映画)、商業映画を区別する気はない。商業映画の制作者に会えば商業映画をするし、時々「青春とビート、そして秘密のビデオ」のような映画も作りたい。今回助監督を担当した人は、長い間一緒に仕事をしてきた友人だ。その友人と相談している。これから10年間休まず作品を作れたら、それはそれなりに成功を意味するのではないだろうか。その後は他のものを見ることもできると思う。
写真=CJエンターテインメント
ギリシャ文字の1番目と2番目の文字であるアルファとベータを合わせて、アルファベットという言葉ができたという説を思い浮かべてみる。またアルファは「始まり」を、オメガは「終わり」を象徴する言葉でもある。それではベータは?よく分からない。とにかくインタビューを通じて、スターの始まりと終わりを全て知り尽くすことはできない。実際、映画の話だけでもギリギリな時間だが、新しいことが無いのも事実だ。そこでスターの周辺の話をしてみたいと思った。誤解はしないように。排他的(韓国語でベータと発音が同じ)ではなく、ベータ的だ。スターに対する格別な愛情を盛り込んだという意味でもある。もちろん、映画の話も登場する。/編集者注
ファンタジーと現実の間で彼は存在していた
「マイPSパートナー」の口コミ力が恐ろしい。今年の下半期、意味と感動を得た重量感のある映画が大挙登場した中で、唯一のラブコメディとして人気を得て、その役割を十分に果たしている。だが、実は「マイPSパートナー」はそもそもコメディではなく、恋愛物語だったということを知っているだろうか。今回の映画で商業映画デビューを果たしたピョン・ソンヒョン監督によると、コミカルだが、寂しい結末があるブラックコメディだったという。CJエンターテインメントが支援する新人作家支援プロジェクトで選定され、最終的に今回のような作品になった。
“テレフォンセックス”という口にするのも恥ずかしい言葉。実は同性の友達、特にそういう話が好きな友達の間では頻繁に登場する言葉でもある。恋愛に失敗したり、恋愛に挑戦できない人たちの代理満足でもあるこの変態的な遊びがピョン・ソンヒョン監督の手を経て愉快な冗談になった。これだけでも成功ではないだろうか。
「結局根本的な問題となると、周りの人のアドバイスは慰めにはならない。気を改めて挑戦したって恋愛が思いのままになるわけでもない。この映画は男性のファンタジーだと言われているけど、チソンが演じるキャラクターは女性のファンタジーでもある。ラブコメディというものは、普通恋愛をファンタジーのように見せるということが分かった。僕が夢見る恋愛もやはり現実とはかけ離れたものだ」
夢ばかり追う男、そして恋愛にこだわる女。彼らの周りには現実的なアドバイスを惜しまない友達がいる。笑ったり泣いたりしながら互いに慰め合うが、結局最後には独り残った自分を見つける登場人物の姿はコミカルながらも悲しい。
ピョン・ソンヒョン監督は、捻ってみたいと言った。商業映画であるだけにラブコメディの法則を守りながらも変化をつけたかったと言う。映画のラストであるヒロインの結婚式に男性主人公が登場するシーンもラブコメディのバイブルである映画「卒業」(1967年)のそれにアレンジを加えた。女性の手を握って飛び出すシーンを想像したのであれば「マイPSパートナー」を見くびってしまったわけだ。
「『マイPSパートナー』を見て恋愛をしたいと思ってもらえたなら成功」
―映画を見てすぐに監督がどんな人なのか気になった。正直に話してほしい。監督の考えがたくさん反映されている作品ではないか?ピョン・ソンヒョン:異性に対して多くの関心があったのは事実だ。男性が希望する女性はほとんど似ている。恋愛をすれば利己的になるしかないと思う。もちろん、そうでない形で結ばれることが理想的だが、それは不可能だと思う。恋愛は10代半ばから20代が終わるまで続けた。だが、30代になったこの頃は少し疲れている状態だ。
恋愛は最大限面白くやろうとした。束縛されるのが嫌で僕も相手を束縛しなかった。クールに見える?だが、実は愛に関してクールなことはない。クールなふりをするだけだ。知っていながら目をつむることだ。信頼を築けば疑いがなくなる。彼女が他の男とお酒を飲んでいてもある瞬間から何も疑わない自分に気付いた。いつも二人っきりというのも良くない。それだけ感情が早く尽きると思う。
―プレイボーイだったということなのか。羨ましい……では、この映画の美徳は、恋人は互いに干渉せず、信頼を持つべきであるということなのか?恋愛ができない人への共感や慰めなどはないのか?
ピョン・ソンヒョン:正直に言うと、恋愛できずにいる人を慰めたりはしない。これは、ただのデートムービーだ。愛の意味を探したり、崇高な価値を探そうとするならホ・ジノ監督の「八月のクリスマス」などから探してほしい。「マイPSパートナー」を2時間見てただ恋愛がしたいという気持ちになってもらえれば、それで成功だと思う。個人的に女性は分からないが、男性は年末を控えている今、気のある女性とこの映画を一緒に見ることをお勧めする。その女性ともう少し関係が発展するのではないかと思うからだ。
―恋人のいない人は色々と胸が痛い。前作「青春とビート、そして秘密のビデオ」は、成人向け映画の感じがする音楽映画だった。疾風怒涛でものすごく男の匂いがするが、今回ラブコメディを演出したことが何だかおかしい。
ピョン・ソンヒョン:実はラブコメディはほとんど見たことがない。昨年夏からこの映画の準備をしながら200本ほど集中的に見た。1990年代の映画をたくさん参考にした。ジュリア・ロバーツ、メグ・ライアン、ヒュー・グラント、ドリュー・バリモアなどの全盛期だ。当時のラブコメディには、魂があるように見えた。最近のラブコメディはよく分からない。最近アシュトン・カッチャーが有名だと聞いたが、逆に見れなかった。僕の映画がポップコーンムービーだとしても、少なくともジャケットを着て映画館を去る前に一度くらいは考えるようにしたかった。深くなくていいが「私の恋愛はどうなのか」というようなことを。
問題は一緒にこの映画を制作したスタッフ皆がラブコメディは初めてだったということだ。撮影監督は、すぐ前に野球映画「パーフェクト・ゲーム」を、美術監督は「火車」を、音楽監督もイム・サンス監督の「ハウスメイド」「蜜の味 テイスト オブ マネー」「26年」の制作に携わっていた。皆が少し社会批判的な作品を主に担当していた。そのためプロデューサーがかなり心配していた。実は、撮影監督と「この映画を僕たちが撮ってもいいのか」と話し合ったりした。だが、同じ映画の制作作業なのにジャンルは重要なのだろうかと思った。あえて言うと、完成度は他のラブコメディよりずっといいと思う。
―何だか次の作品が気になる。準備しているものがあるのか?
ピョン・ソンヒョン:特に考えているものはないが、セックスの要素は入らなくてもR-19になるのではないかと思う。もちろん、子供向け映画になるかもしれないが、台詞の中に悪い言葉がたくさん入るだけにR-19になると思う。独立映画(配給会社を通さず、制作者が直接映画館に売り込む映画)、商業映画を区別する気はない。商業映画の制作者に会えば商業映画をするし、時々「青春とビート、そして秘密のビデオ」のような映画も作りたい。今回助監督を担当した人は、長い間一緒に仕事をしてきた友人だ。その友人と相談している。これから10年間休まず作品を作れたら、それはそれなりに成功を意味するのではないだろうか。その後は他のものを見ることもできると思う。
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- 記者 :
- イ・ソンピル 写真 : イ・ソンピル
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