John-Hoon「本当の恋愛ができる相手に会いたい」

John-Hoon(ジョンフン)のニューシングル「春恋」が本日(4月3日)リリースされた。“大人のラブバラード三部作”の第二章として外国人の日本人の国際遠距離恋愛をベースに書き下ろされた本作。離れて暮らす二人の言葉だけでは伝えきれなかった想い。離れているからこそ生じる、もどかしい想いを春に舞い散る“桜”に重ねて歌った極上の遠距離恋愛ソングだ。そんなニューシングル「春恋」について語るJohn-Hoonのインタビュー。
―4月3日リリースの“大人のラブバラード三部作”第2弾となるニューシングル「春恋」について、初めに楽曲を聴いたときの印象はどうでしたか?John-Hoon:まず、歌詞がとても難しかったです。自然現象を感性にたとえて表現した歌詞があるんですね。たとえば「時間の波に 色刻み」っていう部分なんかは、正確にどんな意味なのか…あまりにも難しくて、今もまだ完全に僕の中で理解が深まっていない歌詞があります。それに、全体にとても詩的だなと思いました。素敵だなと思った歌詞は、「舞い落ちる さくらのように 想いだけ 静かに降り積もる」っていうところ。なんというか、本当に心を締め付けるような歌詞だなと。
―実際にレコーディングをしてみて、難しかった部分はありましたか?
John-Hoon:音程の変化が多かったのが、大変でしたね。激しく上下するんです。高い音の部分は、通常のままの発声で歌える曲ではなかったので、ファルセットを使ったんです。だから地声とファルセットを交互に出して歌わなくてはならなくて。それがちょっと大変でしたね。
―レコーディングの時のエピソードで、印象に残ることは?
John-Hoon:とにかく、ずっと歌詞の意味について聞いていたんです。歌うたびに、“ここは、どんな意味ですか?”と。言葉の感じは詩的でカッコいいし、なんとなく雰囲気はわかるんだけど、完全にはつかめないから、そこがもどかしくて…。僕はレコーディングの時に、一度ブースに入るとあまり出てこないタイプなんですが、今回は歌詞の意味を確認するためにずっと出たり入ったりしていました。だから、今までで一番レコーディングブースへの出入りが多かった歌(笑)
―どんなことを想像しながら、歌っていたのですか? わからないなりにイメージはあったと思いますが。
John-Hoon:特定の誰かやある状況を想像して歌ったというより、僕が経験してきたこと……恋愛に限らずですが、そういったものを想像したりそのときの感情を思い出したり、情緒的な映画や本の内容などを思い出しながら歌いました。たとえば、映画なら日本の「ラブレター」や、韓国映画のなかだと、ファン・ジョンミンとチョン・ドヨンの「ユア・マイ・サンシャイン」。「ユア・マイ・サンシャイン」は、ちょっと極端な物語ではあるんですが、こういった映画で描かれていた悲しい感じを思い出しながら歌いましたね。
―“大人のラブバラード三部作”の第1弾、「二人記念日」は幸せに溢れた歌でしたが、第2弾となる今回の「春恋」はちょっと切ない感じの歌になっていますね。どちらがより共感できましたか?
John-Hoon:僕は、明るくて幸せな恋愛を歌った「二人記念日」より、悲しいような切ないような気持ちを歌った「春恋」の方がより共感できる歌でした。悲しい歌に惹かれる理由はわからないですが、恋というと幸せな恋より悲しい、切ない恋が先に浮かぶんです。僕はちゃんとした恋をしてこなかったみたいです(笑)
―その切ない恋の思い出とは、どんなものですか?
John-Hoon:実は、幼い時に好きだった女の子がいたんですが、それは幼い頃の成熟していない恋、初恋だったんですね。それ以来、恋愛をしても、そこまで深い気持ちにならなかったんです。だから、僕ははたして本物の恋をしたことがあったのかな?と思ったりして。僕が恋の歌を歌う時に、僕自身の経験より僕が感動しながら観た映画などから感情を借りてくるのは、そのためもあるんです。実際、ラブコメディより悲しい映画のほうに惹かれるんです。
―悲しい映画でも、特に心惹かれるシチュエーションはありますか?
John-Hoon:相手のすべてを知っているけれど、それを知らないふりをしながら、知っていることをばれないようにしながら悲しみをこらえる、我慢する場面。悲しみを抑えながらやさしく接するようなシーン。あるいは、秘密を胸に隠し、相手に感じとられないように抑えている。そういった場面を見るととても胸を打たれるみたいです。
―この歌は〈遠距離恋愛〉がテーマになっていますが、〈遠距離恋愛〉と聞いてどんなイメージが浮かびますか?
John-Hoon:正直に言って、よく理解できません。僕も遠距離恋愛をしたことがありますが、うまくいかなかったんです。結末もよくなかったし……。僕は本当にちゃんと恋愛してこなかったんだなぁ(笑)
―今後本当に恋愛をしたとして、好きな人になかなか会えない状況の恋愛はどう思いますか?
John-Hoon:できれば離れないでいるのがいいんですが、仕方なく遠距離恋愛をしなければいけない状況なら、互いに努力が必要だと思います。お互いが幸せであるなら良いけど、遠距離恋愛をすることにより、一方的な犠牲をさせるような…例えば、韓国の場合、軍隊がありますよね。軍隊に入隊している男性は、待たせている女性とは全然違う生活をするんです。女性は何でもできるけど、男のほうは自由というのが全くなく就寝時間になれば寝ないといけない、電話も好きにかけられない。だから電話する時に相手に申し訳ないから泣く男性(軍人)が多かったです。それを見ていて、そこまでして遠距離恋愛する必要があるのかと思うくらいでした。とにかく、遠距離恋愛はうまく維持できれば意味あることだと思いますが、僕はそう肯定的ではないです。〈遠距離恋愛〉をテーマにした歌を歌いましたが、できれば恋人同士は一緒に過ごす時間が多い方がいいと思います。
―もし仮にそうなった場合は、乗り越えられると思いますか?
John-Hoon:僕なら、僕が引っ越しをするか、相手を引っ越しさせると思います(笑)
―本当の恋愛をしてこなかったとおっしゃってますが、恋愛に対する憧れはありますか?
John-Hoon:まずは、本当の恋愛ができる相手に会いたいです。
―以前は記念日をせがむ女性は好きじゃないと話していたと思いますが、それも変わりましたか?
John-Hoon:好きな女性ができればこれからは僕が記念日を覚えてあげたいと思います。例えば、“今日が僕たちの66日目だよ”というふうに。韓国では、出会って何日目とか、初めて手をつないだ日から何日目とか、何でもかんでも記念日にしようとする風潮がありますが、極端じゃない範囲で、これからは好きな女性に対して僕も少しは記念日を作ってあげたいなと思っています。
―この歌は「春」という季節をテーマにした歌でもありますが、春の思い出で印象に残ってることはありますか?
John-Hoon:実は、春は僕にとって一番残酷な季節です。なぜなら暖かくなってくると、なんというか、胸が苦しくなり、もどかしくなります。なんだか憂鬱になり、気持ちが落ち込んでしまうんです。実際に、高校2年生の時には鬱(うつ)になって、高校3年生の時には不眠症に悩まされました。それがいつも4月だったんです。4月の第1週目。3月、4月が僕にとっていつも気分的に良くない時期だったので、当時のトラウマもあり、春は良い思い出があまりないんです。春の悪夢ですかね。高校生の時の春を思い出すと、それはどんなものとも比べられないくらいつらい気持ちになります。だけど、逆に良い点が一つだけあって、それは高校生の時に病んで以来、麻疹(はしか)のように免疫ができたのか、再発しなくなったんです。当時のことを思い出すと、今はどんなに大変で辛いことがあってもあの時と比べると幸せだと思えるようになりました。
―では、そういうつらい思い出もある春に、恋をすることはないんですか?
John-Hoon:恋をするのにいいなと思う季節は、秋か冬。特に秋になって涼しい風が吹いてくるとその風が恋のように感じるんです。恋がやってくるのではと期待感が高まります(笑)

John-Hoon:責任感を持って恋愛をすること。大人になれば、幾度か恋愛の経験、もしくは、恋愛と似た経験があると思う。だから、自分の問題点に自覚を持っているだろうし、ミスを繰り返さないように気をつけると思います。もちろん人にはそれぞれ個性があるし、僕のように恋愛経験が浅い人もいると思いますが、大人の恋愛はより完成された愛の形を作っていくものじゃないかと。
―幸せな記念日があって、ちょっと悲しい遠距離恋愛がきて、三部作の締めを飾る第3弾ではどんなテーマのラブソングを歌ってみたいですか?
John-Hoon:そうですね。ゴーストとの恋愛とか? 昔の映画「ゴースト/ニューヨークの幻」の主題歌「Unchained Melody」のような。なんというか、記念日の幸せと、遠距離恋愛の悲しみ、全部経験した上でのより完成された愛の形が出てくる番なんじゃないかな。互いに楽になって、2人の間で問題もあるけれど、でも相手がいないと寂しいし、君は僕の一部になってしまっている、僕の半分……そんな感じ。10年くらい共に生活してきた夫婦のような。歌詞がちょっとかわいい感じになるかもしれませんね。バラードではあるんだけど、少しアップテンポの。「二人記念日」はちょっと気恥ずかしいじゃないですか、ラブラブで(笑) そして、「春恋」は悲しいでしょう。だから第3弾はちょっとかわいい感じがいい。
―去年はかなり積極的にいろんな活動をしたと思いますが、2012年の活動を振り返ってみての感想は?
John-Hoon:韓国での活動で、もっとも印象的だったのはミュージカルに出演したこと。そして自分にとっての初のコンサートを開催したこと。これがもっとも大きな意味のあることでした。日本では、ドラマや映画でいろいろな役に挑戦したこと。久しぶりにオリジナルのシングルを発表し、そしてカバーアルバムを初めてリリースしたこと。またツアーもあったこと。僕にとって2012年は意味のある一年でした。
―特にターニングポイントになるような出来事はありましたか?
John-Hoon:ミュージカルですね。ミュージカルに出演した後に日本でツアーを行いましたが、ツアーの時に、僕の中の何かを引き出すことができたと思います。自分の中の、以前は見せられなかった部分を見せることができたというか。それはミュージカルがきっかけになっていると思います。
―ではそんな2012年を経て、2013年の目標、やってみたいことは?
John-Hoon:今年も去年同様、新しいことにたくさん挑戦してみたいです。新しいジャンルに挑戦するというより、僕が今までやってきた音楽や演技の世界で、新しいタイプの音楽や新しい役に挑戦したいと思うし、それと同時に成熟していきたいと思います。これが目標です。
―具体的に新しいタイプの音楽、やってみたい役はどんなものですか?
John-Hoon:音楽の場合は、もちろんバラードやJ-POP風の歌もいいけど、可能ならより多様な歌に挑戦してみたいです。最近流行っているエレクトロな音楽もやってみたいし、ロックも歌ってみたい。演技の場合は、やりたい役が多いですね。なぜなら、人間は一人一人違うように、さまざまなキャラクターがあるから。本当にいろいろなタイプの性格の役を演じてみたいです。
―1月20日で、日本年齢で33歳になりましたが、20代の頃とくらべて30代になって自分自身変わったなと思うところは?
John-Hoon:言葉づかいや行動においても、以前より楽に話し、行動することができるようになりましたね。そして、何より自信もついてきたと思います。以前は行動する前に心配ばかりが先行していたんです。余裕もできて楽天的に変わったといってもいいと思います。こういった点が、30代がくれたプレゼントだと思います。でも、年はとりたくないです!(笑)
―だいぶ、冒険的になった印象ですが。
John-Hoon:20代の頃は、自分がいるその場所や置かれている環境にとどまっていようと努めていたところがあります。でも、今はたくさんの“冒険”を楽しもうとしているんです。
―恋愛面では?
John-Hoon:恋愛は反対ですね。20代はとにかく「恋愛したい!!」と思っていたんですが、30代になって恋愛にそれほど執着することがなくなってきました。
―では、John-Hoonさんの考える理想の大人の男性像は?
John-Hoon:僕は、理想の大人の男性像を描くというのは意味がないと思っています。現代のような多様化された社会では、直面している状況に対応していくのが大事で、ひとつの理想形を決めてしまうのは意味がないんじゃないかと。何かを決めつけてからそれに従っていく社会ではなく、あまりにも早く変化していく社会なので、柔軟性を持って直面している状況にうまく対処できる人が理想的ではないかと思います。権威の意識を捨て、自分を環境や状況に合わせることができる人。どんな関係でも硬くならないで柔軟に対応できる人。状況に応じてギアチェンジができる人が理想的だと思います。
―最後に日本のファンへメッセージを。
John-Hoon:皆さんが、いつも元気に過ごしていることを祈っています。暖かくなってきた春に、ぜひ「春恋」をたくさん聴いていただきたいです。僕も、また歳を一つとったので、より大人らしくなるために頑張ります!

●「春恋」4月3日(水) ユニバーサル ミュージックよりリリース
■初回限定盤 CD+DVD ¥1,890(税込)
※初回特典DVD : 「春恋」 ミュージックビデオ 収録
■通常盤 CD ¥1,260(税込)
●ライブDVD「THE MOBIUS STRIP TOUR IN JAPAN ~いま逢いに行きます~」同時リリース
http://www.universal-music.co.jp/john-hoon
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- Kstyle編集部
topics






