「客」リュ・スンリョン“観客動員数3千万人の俳優、未熟な僕には身に余る幸運”
2012年「王になった男」(監督:チュ・チャンミン)、2013年「7番房の奇跡」(監督:イ・ファンギョン)、2014年「バトル・オーシャン/海上決戦」(監督:キム・ハンミン)まで、毎年1000万人の観客を虜にしてきた。観客動員数が1000万人を超える作品に一度出演することさえ難しいのに、すでに3回も出演している男。神様からの幸運を独り占めしている男。“1000万人動員映画を的中する”リュ・スンリョン(44歳)が1年ぶりにスクリーン復帰を果たした。
ドイツ・ハーメルンの民間伝承「ハーメルンの笛吹き男」をモチーフにしたホラー映画「客」(監督:キム・グァンテ、制作:ユビユフィルム)。1950年代、地図にもない山中の村に立ち入った見知らぬ男と彼の息子が村の人々が隠そうとしていた秘密に直面し、展開されるストーリーを描く作品だ。
昨年韓国で公開された「バトル・オーシャン/海上決戦」以降、1年ぶりに観客のもとを訪れたリュ・スンリョン。今年の作品第1弾は「客」であり、これまで披露したことのない演技の変身を届ける予定だ。作品ごとに新しい一面を披露し、観客を驚かせてきたリュ・スンリョンだが、今回はその強度をより一層強めた。劇中で、一人息子のためには何でもする旅人の楽師(音楽を演奏する人)ウリョン役を演じたリュ・スンリョン。「7番房の奇跡」で披露した父性愛は予告編にすぎない、本格的な“親バカ”な一面を映画の随所で披露していく。
今年もリュ・スンリョンの“1000万人の魔法”が繰り広げられるか関心が集まっているが、いざ本人は1000万人にこだわることからは逃れて久しいと話した。ただ運が良かっただけだと吹っ切れた顔をするリュ・スンリョン。プレゼントがもらえるなら遠慮はしないが、だからと言って記録に執着する愚かな俳優にはなりたくないと言うリュ・スンリョンだ。
「最近、特に1000万人以上を動員する作品を選ぶ審美眼を持っているという話を聞いたりします。連続して1000万人を超える作品が出たので、たくさん聞かれたりしますね。実は、誤解の余地があるんです。僕が作った1000万人ではないためです(笑) まず3本の作品ともに作品が良かったし、共演した俳優たちもこの上なく良かったです。そこに監督、スタッフまで完璧だったので、調和が良かったと思っています。そんな部分が観客にもそのまま伝わって、作品が反響を得たようです。未熟な僕には身に余る幸運です」
ー「バトル・オーシャン/海上決戦」以来の新作である「客」。とても久しぶりな感じがする。
リュ・スンリョン:そうですか?「バトル・オーシャン/海上決戦」の公開の際にもそうでしたし、引き続き映画は撮影しているので、僕には久しぶりという感じはしません(笑) 昨年から年頭まで「客」「花、香る歌」(監督:イ・ジョンピル)の撮影を終えたら、また「客」の公開がもうすぐですね(笑)
ー「客」に対する満足度はどうか。
リュ・スンリョン:満足度はいつも何と言えばいいのか難しいです。僕の声をラジオから聞くと、なぜか不思議な感じですが、まさにそんな感じなんです。いつも未熟な部分が見えるので、100%満足することはできません。もし、もう一度「客」を演じることになったら、これほどのクオリティは得られないと思います。撮影当時に僕が演じた演技が、最高の集中力と怪力を見せていました。残念ながらそれが僕の限界だと思いますが、最善を尽くしたというのは事実です。
ー地図にも載っていない山中の村の話を描いたためか、「客」は過去のいくつかの映画と似ている感じもする。
リュ・スンリョン:僕も最初はシナリオを見て「トンマッコルへようこそ」(2005年、監督:パク・グァンヒョン)や「黒く濁る村」(2010年、監督:カン・ウソク)のような気がしました。ですが、3分の1が過ぎると完全に違う、新しい話が展開されました。すごく独特で、賢い作品であるような気がしました。観客が「客」を初めて見た時はオマージュのような、すでにどこかで見たような感じがするかもしれませんが、後半に向かうにつれ、僕と同じように感じると思います。偶然の一致と見てくだされば嬉しいです。
ー「客」の撮影現場はどうだったか。
リュ・スンリョン:現場にハマっていました。江原道(カンウォンド)の山中の奥地でした。出演者たちとペンションで過ごしながら癒やされました。もちろん、スタッフたちは雨が降ると車が入れなく、車輪が落ちてしまって苦労をするほど険しい場所でしたが、江原道の風景を見る味もあって素敵な経験でした。
ー新しいジャンルであるためか、ウリョンの父性愛が復讐心に変わるコンセプトのためか、映画そのものがすごく斬新だ。
リュ・スンリョン:平凡な人が怪物に変わっていく過程を描いた作品です。刺激や衝撃を受け、人が変わるんです。まずは山中、奥地の村そのものが異質感を感じさせるんですね。同時に村という集団から感じられる同質感というのもあります。なので、独特でまた斬新に感じられるのだと思います。
ー劇中でウリョンが、下手するとお金に執着する俗物に見えるかもしれないが。
リュ・スンリョン:俗物ではありません。息子の肺病を治すために生活力が強くなったんです。息子の病気を治すために、お金を稼ぐことに手段を選ばない人物ですが、村長がネズミを追い出せばお金をあげると約束したので、息子を助けるために最善を尽くしたのです。
ーウリョンは古典の中の人物から借用したキャラクターなのか。
リュ・スンリョン:キム・グァンテ監督がウリョンに関するストーリーを詳しく説明してくれました。古典や名作から借用したものではなく、キム・グァンテ監督のアイデアが多く入っているキャラクターです。特別な、初めて見たような父性愛ではありません。親なら誰でも感じられる、そんな子供への愛です。
ー「7番房の奇跡」でも父性愛を見せたが。
リュ・スンリョン:まず、父性愛というコードそのものが、状況は違っていても気持ちは同じだと思います。親が子供を愛する気持ちはみんな同じですから。献身的なんですね。
ーウリョンというキャラクターを完成させるために体重も増やしたそうだ。
リュ・スンリョン:「ポイントブランク~標的にされた男~」(2014年、監督:チャン)の時の腹筋は、撮影の日限定であったものです(笑) 当時66kgまで減量し、「客」の時は82kgまで増やしました。16kgくらい増量したのですが、体を酷使しながら増やしたわけではありません。必要な栄養を取りながら筋肉を増やしました。体重が増えて健康が悪くなったというよりは、足が不自由な役だったので腰に負担がありました。
ー今回は笛吹きの楽師として登場するが。
リュ・スンリョン:今回のキャラクターであるウリョンの特徴の一つです。人なら誰でも持っている喜怒哀楽、人生史を短い時間の中で最大化して見せられる人物です。街の楽師は俳優の人生と似ていると思います。なので、さらに面白く演じることができました。
ー笛を吹く練習もたくさんしたのか。
リュ・スンリョン:映画そのものが「ハーメルンの笛吹き男」をモチーフにしているので、笛を吹く場面に多くの努力をかけました。完璧ではなくても、それに近い真似をする必要があったので力を注ぎました(笑) 短調、長調のようなディテールまでは短時間で学ぶことはできないので、指の動きを全部覚えて演じました。
ー新人監督であるキム・グァンテ監督との作業はどうだったのか。
リュ・スンリョン:新人監督ではあっても、多くの作品の助演出を経て経験の多い監督です。情熱もこだわりも多い監督です。もちろん、キム・グァンテ監督特有の融通のきかない気質もあるので、物足りない部分もあるとは思います。しかし、そんな部分を「客」の俳優たちが埋めることができたらと思っています。キム・グァンテ監督は僕が「客」を決める前に、「後悔のない作品にしてあげる」と約束してくれました(笑) キム・グァンテ監督にとっても後悔のない作品になったらいいですね(笑)
ー多くの作品で主演や助演を問わず演技を披露している。
リュ・スンリョン:一時は“名品とも言える助演”という修飾語がついていました。一見素敵な修飾語のように聞こえますが、俳優として特定の枠の中にはまらせているようでプレッシャーを感じました。俳優としての欲というのもありましたし。「脇役だけで終わったらどうしよう」という気もしました。韓国の特徴なのかもしれません。ジャンルにこだわり、出演シーンの量にこだわることです。僕はもうそんな部分にはあまりこだわっていません。主演でも助演でも素敵なキャラクターと作品なら関係ありません。特別出演でもいいです。
ー最近広告業界でも人気が高い。
リュ・スンリョン:昔は広告を撮るなんて夢にも思っていませんでした(笑) 頑張って仕事をしたことに対するボーナスだと思います。作品を頑張ったおかげで、観客がボーナスを与えてくれたのだと思っています。最近、僕があまりにも広告にハマっていると誤解している方がいるようですが、広告だけをたくさん撮っている俳優ではありません。特に、配達アプリの広告はインパクトが大きく、イメージを消耗しているという誤解を与えていますが、全然違います。配達アプリの広告は映画的に撮影するコンセプトなので、僕も知らないうちに力を入れすぎてそう見えたのかもしれません(笑) 物質万能主義に陥った俳優ではありません(笑)
ー多作な俳優というイメージもあるが。
リュ・スンリョン:それも誤解です(笑) 1年に2本ほど公開になっていると思います。ただ、その映画が映画館で長い期間上映されるので、僕がとても多くの作品に出演しているような印象を与えるようです。もちろん幸せなことです。1年に1本もできないこともあるのに、2本もできる今の状況に感謝です。
ーこれまではアニメの声優としても活躍してきた。
リュ・スンリョン:アニメの声優をすることになった最も大きな理由は、子供たちに「父はこんな仕事をしている」というのを見せたかったからです。あまりにも悪役を多く演じているので、子供の手をとって笑顔で僕の作品を見せられる機会がありませんでした。アニメというのは子供と一緒に見れますからね。アニメ「ソウル駅」(監督:ヨン・サンホ)の声優は、少し別の意味で参加しました。ヨン・サンホ監督の前作をすごく驚きながら見たんです。独特な監督だと思って関心があり、作品に参加したかったです。
ー最近、映画デビュー前のノンバーバル・パフォーマンス(会話のない劇)「NANTA」出演時代が話題となったが。
リュ・スンリョン:「NANTA」は韓国代表という気持ちで5年間公演しました。同じ公演を色んな国で演じ、多くの勉強になりました。肉体的な動きの多い「NANTA」を長期間やっていたら、話す演技がしたくなったのです(笑) また、当時結婚を控えていたのですが、演劇俳優には固定収入というのがないので、将来についても考えるようになりました。拍手が受けられるうちに去ろうという気持ちで、大胆に辞めました。もちろん、周りからは止められたりもしました。本格的な演技を始める前に、単純な肉体労働をしながら3年間暮らしたこともあります。大変な時期もたくさんありました。
ー次回作は9月にクランクインする映画「7年の夜」(監督:チュ・チャンミン)なのか。
リュ・スンリョン:多分そうですね。本当に長い時間待った作品です。「7年の夜」のおかげで、今年は不本意ながら休息期をとりましたが、とても良かったです。必要だった休息をとって、次の作品でエネルギーを注ぎ込むことができるようになりました(笑)
ドイツ・ハーメルンの民間伝承「ハーメルンの笛吹き男」をモチーフにしたホラー映画「客」(監督:キム・グァンテ、制作:ユビユフィルム)。1950年代、地図にもない山中の村に立ち入った見知らぬ男と彼の息子が村の人々が隠そうとしていた秘密に直面し、展開されるストーリーを描く作品だ。
昨年韓国で公開された「バトル・オーシャン/海上決戦」以降、1年ぶりに観客のもとを訪れたリュ・スンリョン。今年の作品第1弾は「客」であり、これまで披露したことのない演技の変身を届ける予定だ。作品ごとに新しい一面を披露し、観客を驚かせてきたリュ・スンリョンだが、今回はその強度をより一層強めた。劇中で、一人息子のためには何でもする旅人の楽師(音楽を演奏する人)ウリョン役を演じたリュ・スンリョン。「7番房の奇跡」で披露した父性愛は予告編にすぎない、本格的な“親バカ”な一面を映画の随所で披露していく。
今年もリュ・スンリョンの“1000万人の魔法”が繰り広げられるか関心が集まっているが、いざ本人は1000万人にこだわることからは逃れて久しいと話した。ただ運が良かっただけだと吹っ切れた顔をするリュ・スンリョン。プレゼントがもらえるなら遠慮はしないが、だからと言って記録に執着する愚かな俳優にはなりたくないと言うリュ・スンリョンだ。
「最近、特に1000万人以上を動員する作品を選ぶ審美眼を持っているという話を聞いたりします。連続して1000万人を超える作品が出たので、たくさん聞かれたりしますね。実は、誤解の余地があるんです。僕が作った1000万人ではないためです(笑) まず3本の作品ともに作品が良かったし、共演した俳優たちもこの上なく良かったです。そこに監督、スタッフまで完璧だったので、調和が良かったと思っています。そんな部分が観客にもそのまま伝わって、作品が反響を得たようです。未熟な僕には身に余る幸運です」
ー「バトル・オーシャン/海上決戦」以来の新作である「客」。とても久しぶりな感じがする。
リュ・スンリョン:そうですか?「バトル・オーシャン/海上決戦」の公開の際にもそうでしたし、引き続き映画は撮影しているので、僕には久しぶりという感じはしません(笑) 昨年から年頭まで「客」「花、香る歌」(監督:イ・ジョンピル)の撮影を終えたら、また「客」の公開がもうすぐですね(笑)
ー「客」に対する満足度はどうか。
リュ・スンリョン:満足度はいつも何と言えばいいのか難しいです。僕の声をラジオから聞くと、なぜか不思議な感じですが、まさにそんな感じなんです。いつも未熟な部分が見えるので、100%満足することはできません。もし、もう一度「客」を演じることになったら、これほどのクオリティは得られないと思います。撮影当時に僕が演じた演技が、最高の集中力と怪力を見せていました。残念ながらそれが僕の限界だと思いますが、最善を尽くしたというのは事実です。
ー地図にも載っていない山中の村の話を描いたためか、「客」は過去のいくつかの映画と似ている感じもする。
リュ・スンリョン:僕も最初はシナリオを見て「トンマッコルへようこそ」(2005年、監督:パク・グァンヒョン)や「黒く濁る村」(2010年、監督:カン・ウソク)のような気がしました。ですが、3分の1が過ぎると完全に違う、新しい話が展開されました。すごく独特で、賢い作品であるような気がしました。観客が「客」を初めて見た時はオマージュのような、すでにどこかで見たような感じがするかもしれませんが、後半に向かうにつれ、僕と同じように感じると思います。偶然の一致と見てくだされば嬉しいです。
ー「客」の撮影現場はどうだったか。
リュ・スンリョン:現場にハマっていました。江原道(カンウォンド)の山中の奥地でした。出演者たちとペンションで過ごしながら癒やされました。もちろん、スタッフたちは雨が降ると車が入れなく、車輪が落ちてしまって苦労をするほど険しい場所でしたが、江原道の風景を見る味もあって素敵な経験でした。
ー新しいジャンルであるためか、ウリョンの父性愛が復讐心に変わるコンセプトのためか、映画そのものがすごく斬新だ。
リュ・スンリョン:平凡な人が怪物に変わっていく過程を描いた作品です。刺激や衝撃を受け、人が変わるんです。まずは山中、奥地の村そのものが異質感を感じさせるんですね。同時に村という集団から感じられる同質感というのもあります。なので、独特でまた斬新に感じられるのだと思います。
ー劇中でウリョンが、下手するとお金に執着する俗物に見えるかもしれないが。
リュ・スンリョン:俗物ではありません。息子の肺病を治すために生活力が強くなったんです。息子の病気を治すために、お金を稼ぐことに手段を選ばない人物ですが、村長がネズミを追い出せばお金をあげると約束したので、息子を助けるために最善を尽くしたのです。
ーウリョンは古典の中の人物から借用したキャラクターなのか。
リュ・スンリョン:キム・グァンテ監督がウリョンに関するストーリーを詳しく説明してくれました。古典や名作から借用したものではなく、キム・グァンテ監督のアイデアが多く入っているキャラクターです。特別な、初めて見たような父性愛ではありません。親なら誰でも感じられる、そんな子供への愛です。
ー「7番房の奇跡」でも父性愛を見せたが。
リュ・スンリョン:まず、父性愛というコードそのものが、状況は違っていても気持ちは同じだと思います。親が子供を愛する気持ちはみんな同じですから。献身的なんですね。
ーウリョンというキャラクターを完成させるために体重も増やしたそうだ。
リュ・スンリョン:「ポイントブランク~標的にされた男~」(2014年、監督:チャン)の時の腹筋は、撮影の日限定であったものです(笑) 当時66kgまで減量し、「客」の時は82kgまで増やしました。16kgくらい増量したのですが、体を酷使しながら増やしたわけではありません。必要な栄養を取りながら筋肉を増やしました。体重が増えて健康が悪くなったというよりは、足が不自由な役だったので腰に負担がありました。
ー今回は笛吹きの楽師として登場するが。
リュ・スンリョン:今回のキャラクターであるウリョンの特徴の一つです。人なら誰でも持っている喜怒哀楽、人生史を短い時間の中で最大化して見せられる人物です。街の楽師は俳優の人生と似ていると思います。なので、さらに面白く演じることができました。
ー笛を吹く練習もたくさんしたのか。
リュ・スンリョン:映画そのものが「ハーメルンの笛吹き男」をモチーフにしているので、笛を吹く場面に多くの努力をかけました。完璧ではなくても、それに近い真似をする必要があったので力を注ぎました(笑) 短調、長調のようなディテールまでは短時間で学ぶことはできないので、指の動きを全部覚えて演じました。
ー新人監督であるキム・グァンテ監督との作業はどうだったのか。
リュ・スンリョン:新人監督ではあっても、多くの作品の助演出を経て経験の多い監督です。情熱もこだわりも多い監督です。もちろん、キム・グァンテ監督特有の融通のきかない気質もあるので、物足りない部分もあるとは思います。しかし、そんな部分を「客」の俳優たちが埋めることができたらと思っています。キム・グァンテ監督は僕が「客」を決める前に、「後悔のない作品にしてあげる」と約束してくれました(笑) キム・グァンテ監督にとっても後悔のない作品になったらいいですね(笑)
ー多くの作品で主演や助演を問わず演技を披露している。
リュ・スンリョン:一時は“名品とも言える助演”という修飾語がついていました。一見素敵な修飾語のように聞こえますが、俳優として特定の枠の中にはまらせているようでプレッシャーを感じました。俳優としての欲というのもありましたし。「脇役だけで終わったらどうしよう」という気もしました。韓国の特徴なのかもしれません。ジャンルにこだわり、出演シーンの量にこだわることです。僕はもうそんな部分にはあまりこだわっていません。主演でも助演でも素敵なキャラクターと作品なら関係ありません。特別出演でもいいです。
ー最近広告業界でも人気が高い。
リュ・スンリョン:昔は広告を撮るなんて夢にも思っていませんでした(笑) 頑張って仕事をしたことに対するボーナスだと思います。作品を頑張ったおかげで、観客がボーナスを与えてくれたのだと思っています。最近、僕があまりにも広告にハマっていると誤解している方がいるようですが、広告だけをたくさん撮っている俳優ではありません。特に、配達アプリの広告はインパクトが大きく、イメージを消耗しているという誤解を与えていますが、全然違います。配達アプリの広告は映画的に撮影するコンセプトなので、僕も知らないうちに力を入れすぎてそう見えたのかもしれません(笑) 物質万能主義に陥った俳優ではありません(笑)
ー多作な俳優というイメージもあるが。
リュ・スンリョン:それも誤解です(笑) 1年に2本ほど公開になっていると思います。ただ、その映画が映画館で長い期間上映されるので、僕がとても多くの作品に出演しているような印象を与えるようです。もちろん幸せなことです。1年に1本もできないこともあるのに、2本もできる今の状況に感謝です。
ーこれまではアニメの声優としても活躍してきた。
リュ・スンリョン:アニメの声優をすることになった最も大きな理由は、子供たちに「父はこんな仕事をしている」というのを見せたかったからです。あまりにも悪役を多く演じているので、子供の手をとって笑顔で僕の作品を見せられる機会がありませんでした。アニメというのは子供と一緒に見れますからね。アニメ「ソウル駅」(監督:ヨン・サンホ)の声優は、少し別の意味で参加しました。ヨン・サンホ監督の前作をすごく驚きながら見たんです。独特な監督だと思って関心があり、作品に参加したかったです。
ー最近、映画デビュー前のノンバーバル・パフォーマンス(会話のない劇)「NANTA」出演時代が話題となったが。
リュ・スンリョン:「NANTA」は韓国代表という気持ちで5年間公演しました。同じ公演を色んな国で演じ、多くの勉強になりました。肉体的な動きの多い「NANTA」を長期間やっていたら、話す演技がしたくなったのです(笑) また、当時結婚を控えていたのですが、演劇俳優には固定収入というのがないので、将来についても考えるようになりました。拍手が受けられるうちに去ろうという気持ちで、大胆に辞めました。もちろん、周りからは止められたりもしました。本格的な演技を始める前に、単純な肉体労働をしながら3年間暮らしたこともあります。大変な時期もたくさんありました。
ー次回作は9月にクランクインする映画「7年の夜」(監督:チュ・チャンミン)なのか。
リュ・スンリョン:多分そうですね。本当に長い時間待った作品です。「7年の夜」のおかげで、今年は不本意ながら休息期をとりましたが、とても良かったです。必要だった休息をとって、次の作品でエネルギーを注ぎ込むことができるようになりました(笑)
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- チョ・ジヨン、写真 : ムン・スジ
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