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【REPORT】FTISLAND、チェ・ミンファンも合流!絆を感じる日本公演が盛況裏に終了「何を言われても3人で乗り越える」

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韓国を代表するロックバンドFTISLANDが、昨年6月に韓国・ソウルで開幕したアジアツアー「PULSE」の日本公演として、3都市4公演にわたる「2025 FTISLAND LIVE“PULSE”IN JAPAN」を開催。3月23日、神奈川・パシフィコ横浜国立大ホールでツアーの幕を閉じた。

「PULSE」日本公演とはいえども、セットリストはソウル公演とは異なり、「PULSE」と昨年末に韓国で行った「FTSODE」コンサートを混ぜ、そこに日本語曲を加えた日本独自のものに。さらに、イ・ホンギ(Main Vocal)、イ・ジェジン(Bass & Vocal)、チェ・ミンファン(Drums)が久々に3人揃ってのライブということで、ファンの盛り上がりもひとしおだった。

ファンの熱気はスタート前から高まっていた。メンバー登場前から手拍子が始まり、楽器隊がステージに上がると声援が飛ぶ。オープニングから会場の熱気は最高潮。ミンファンのドラムに合わせてギターがコードを奏でるとそこにジェジンのベースが加わり、緊張感が高まっていく。

ボーカルのホンギは登場すると、「思いっきり声出していけよ、叫べ~!」と客席を煽り「PRAY」の疾走感とファンの歌声で会場をひとつにまとめあげたが、ミンファンのたたき出す重いリズム……、やはり、これがないと始まらない。日本初プレイとなる「INFERNO」で力強さを加速させると、「Tornado」でスピードを上げ、「あと2曲はみんなも笑顔ナシで、自分がイ・ホンギだと思って歌ってくれ」と会場のファンに声をねだると、それに応えるように会場からは大きなコーラスの歌声が上った。

MCタイムでは復帰したミンファンに対する声援に、「『PULSE』最終日だけれど、今回の主役はこっち(ミンファン)なんで」とホンギに促され、ミンファンが話し始める。「久しぶりに皆さんに会うので、不安と緊張がありました。でもこんなにたくさんの方が『おかえり』と言ってくれて嬉しかったです。ご心配をおかけして、ごめんなさい。皆さんへの感謝の気持ちを忘れずにいます。これからも応援よろしくお願いします」という言葉に、会場から大きな拍手と歓声が沸き起こる。それを見たミンファンの目には、光るものが……。

ジェジンも「皆さんも辛かったと思いますが、ドラムがいなかったベースの僕が誰よりも辛かったです。うまいドラマーとも一緒にプレイしたけれど、やっぱり一番はミンファン。2人で練習するとき、涙が出るくらい感動しました」と、リズム隊の絆を見せた。

スピード感のあるロックでブチ上った後は、ムードをガラリと変えたジャズのコーナーに突入。これは、昨年末の「FTSODE」を踏襲したもの。ジェジンはベースをエレクトリックアップライトベースに持ち替え、ホンギはステージのセンターにスツールを出して腰をかけた。ピアノの音に透明感のあるジェジンの歌声が映える「Even If It's Your Tears」からスタートすると、「Hope Again」までの4曲をしっとりとしたジャズで聴かせ、新鮮な驚きを与えてくれた。

普段のライブではセットリストに入ることのない、このアレンジだからの楽曲も。実力に裏付けされた、バンドならではの大人の音楽の楽しみ方といえるだろう。ウイスキーグラス(中身はぶどうジュース)を手に、大人のムードで歌っていたホンギも「いつかはみんなと一緒に、飲みながらライブしたいね」と夢を語った。

「今回の『PULSE』は韓国のライブだから、セットリストは韓国の曲が多いんだけれど、特別にみんなのために日本語の曲を持ってきた」と言ってホンギが歌い出したのは、日本語曲の「soyogi」と「いつか」。ジェジンとのツインボーカルが映えるバラード曲だ。ロックだけではなく、曲をしっかり聴かせるボーカル力がベーシストにあるのもFTISLANDの魅力だ。

「PULSE」の新しい試みは、ブレイクにバンドセッションを入れたところ。ジェジンのベースとミンファンのドラムをメインに据えた、重いビートのアンサンブルの後にホンギが登場。「みんなの声が必要なんだ!」と言うと、「Sage」のコーラスパートを会場中が大合唱。客席にむかって語るように歌うホンギの姿が印象的だった。

そして「僕らの話でもあり、みんなからのメッセージで僕らからのメッセージでもある。一緒に歌ってくれ!」と言って始まったのは、「So today...」。その歌詞には「僕の弱いとこを君は包む」「君の弱いとこは僕が守ろう」とある。ホンギは「この曲はミンファンのためにセットリストに入れた。みんなと俺らの声でミンファンに力をあげたくて」と言う。

「去年までけっこう俺らもみんなも辛かったよね。でもその時間で、成長したと思う。雨降って地固まるというけれど、僕らも固くなってどんな逆風もディフェンスできるようになりたい。いろいろなことがあって、地が固まった。これからも、どんなことが起きるか分からない。どんなニュースを出されるか分からない。でも、これだけは約束する。いいことでも悪いことでも、何があっても自分の口でみんなに言うから。俺ら友だちだろ? ウソは絶対につかない」というホンギに会場から「信じてるよ!」という声が上がる。

「みんなに迷惑をかけたことを謝りたかった。これからもたくさんの音楽を作って、たくさんのライブを作って、みんなと遊びたい。これからは自分たち次第。頑張ります」と、シリアスな話も“友だち”としてファンにちゃんと伝えてくれるのがホンギだ。「こんな重い話、ここでするはずじゃなかったのに」と言って、照れながら「いける?」と会場に問いかけると、「I Hope」「Like the Bird」とコール&レスポンスのある初期の曲で一体感を作りあげ、「Do or Die」で再び空気をロックに染め上げた。

「僕らの話をきいてくれて、信じてくれて、ありがとうございます。これからもずっとFTISLANDとして頑張っていくし、みんなと遊ぶ時間が一番楽しい。そのために曲を作ってるし、音楽をやってます。これからもずっと僕らの“親友”として一緒に遊んでください」とホンギが言うと、「次はミンファンとみんなの時間です。話すよりも、ドラムで語ったほうがいいと思って」と紹介して始まったのは、ミンファンのドラムソロ。

大きく息を吐いて手を高く上げたミンファン。その身体から放たれるタイトで力強いリズムで会場を魅了。そしてそのリズムに合わせて、会場から手拍子が自然発生。ミンファンとファンは熱いセッションで語り合った。

ラストスパートを飾ったのは、近年のFTISLANDの定番、ハードなロック曲たちだ。「Serious」から「Take Me Now」への流れで、一気に熱を高めた。アンコールは「Treasure」から。ホンギは「あと1曲で今回の日本ツアーが終わります。でも、韓国に帰ったら、韓国の曲も日本のアルバムも作る予定。そうしてる間に韓国のフェスがあったり、ライブがあったり、次の日本ツアーも決まるんじゃない? 7月には、『FNC BAND KINGDOM』もあるし」とし「今年はみんなの力を僕らがたくさんもらった。本当にありがとうございます。最近はライブにも、プレッシャーがあった。でもそれも成長。もっと成長したFTISLANDとホンギを見せるから。日本で17年やってきて、こんな大きな会場でできるのは、みんなのおかげです。どんどん返していくからね」と、ファンに感謝を伝えた。

ジェジンは「何を言われても3人で乗り越えてやっていこうと話しました。それを支えてくれたのは皆さんです。ありがとうございます。もっとカッコいいバンドになるので期待してください!」と決意を伝える。

そしてミンファンは、「これからステージの上で、皆さんのために、メンバーのために、笑いながら頑張って、ドラムで話をしたい。こんなにたくさん来てくれて、応援してくれて、支えてくれて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。一生忘れません。ありがとうございます」と、改めて感謝した。

そしてホンギが「最後の曲は、自分への手紙です」と「Letter to Myself」を歌うと、間奏で「今回のライブで、みんなに大きな力をもらった。これからも前に進むから!」と宣言。鳴り止まない拍手に「I'm Happy」でダブルアンコールに応えたが、アンコールの選曲は、FTISLANDからファンへのメッセージだったのかもしれない。

今回のライブでは、ホンギがしきりに「声をきかせて!」と言っていたのが印象的だった。ホンギの声、そして会場の声が交じり合い、空間がひとつになる。そんなライブの魔法が何度も見られた。欠けてしまって、埋まらないピースもある。しかし、ピースがはまり3人の時間が再び動き出した。FTISLANDもファンもその素晴らしい時間を実感できたライブとなった。

取材・文/坂本ゆかり

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記者 : 
Kstyle編集部

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