「涙の女王」OSTも熱唱！ポール・キム、日本デビューショーケースが大盛況“日本でもOST歌いたい”

韓国の国民的シンガーソングライターPaul Kim（ポール・キム）が日本デビュー！ 数々の人気ドラマでOST（挿入歌）を担当し、過去20年間韓国で最も多くプレイリストに追加されたアーティストとして知られる彼が、9月1日に東京・TIAT SKY HALLで日本デビューショーケースを行った。

開始直後からまさかのアクシデントも…謙虚でスマートな“神対応”

公演前からファンの熱気にあふれ、満員となったTIAT SKY HALL。オープニング映像が終わると、満を持してシックな黒のセットアップ姿のポール・キムが登場した。

観客席を見渡してほほ笑んだ彼は、2019年のヒット曲「Traffic Light （yours）」を歌唱。彼の甘い歌声が響くと、会場の熱気は一段と高まった。

しかし、ここでアクシデントが。1番のサビに差し掛かったところで喉に異変を感じたようで、歌唱中に何度か咳ばらいをする姿が見られた。そんな中でもステージを中断することなく歌い切った彼は、「皆さん、すみませんでした」と申し訳なさそうに頭を下げたと思いきや、すかさず「もしよろしければ、もう1回歌ってもいいですか？」と一言。会場からは大歓迎の拍手が鳴り響いた。

2度目の歌唱の前には、「さっきのはリハーサルです」と前置きし、「初めて出てくるかのうように……」と登場シーンから仕切り直し、笑いを誘った。アクシデントを即座にユーモアに昇華させるスマートな立ち振る舞いと、自身の歌をしっかりファンに届けようというサービス精神もまた、ファンを魅了してやまない。

こうして2度目の「 Traffic Light （yours）」を見事に歌い上げると、会場からは大歓声が。ポール・キムもそんなファンの姿を愛しそうに見つめながら、「皆さん、久しぶりです。ポール・キムです！」と改めて挨拶した。

彼は、今回初めて日本でショーケースを開催することについて「ずっと待っていた僕のショーケース。人生の中で初めてのショーケースです。ようこそ、ようこそ！」と喜びをあらわに。「結構楽しみにしていたんですけれど、心配もありました。ちなみに、今日まだ何も起こってないですよね？」と念を押し、先のアクシデントに関するジョークも忘れなかった。

歌手になったきっかけは日本留学？驚きのエピソード続々

ここで、「すみませーん、お邪魔させていただいてよろしいでしょうか？」という呼びか書けと共に、MCの藤原倫己が登場。ここまですべて日本語でファンとコミュニケーションをとっていたポール・キムの流ちょうな日本語を絶賛し、「まずはジャパンデビューおめでとうございます！」と盛大に彼をお祝いした。会場からは、改めて盛大な歓声と拍手が鳴り響いた。

藤原倫己から「今のお気持ちは？」と聞かれると、ポール・キムは「まず、羽田空港にこんな場所があるって知らなかったです」と一言。空港内にホールがあるという事実に、驚きを隠せない様子で「びっくりしました」と笑顔を見せた。ユーモアセンスあふれる切り返しに、会場は一気に和やかなムードに。

2人の和気あいあいとしたやりとりで会場が温まると、藤原倫己の「1つ目のコーナーは題して『Who Are You』！」というタイトルコールと共にトークコーナーに突入した。

「ポール・キムを深掘りする」というテーマで、改めて彼のプロフィールをおさらい。「88年2月11日生まれ」などの基本的な情報はもちろん、ニュージーランドと日本での留学経験から韓国語のほかに英語、日本語と3ヶ国語を話せること、日本での留学生活のことなど、彼の魅力に触れるトークが繰り広げられた。

日本での生活が、歌手を夢見るきっかけになったというエピソードも。彼は「別府で学んでいたころに、日本でカラオケによく行っていました。日本のカラオケは朝からやっていますよね。今でこそ韓国でもいろんな形のカラオケがありますが……当時は朝からカラオケに行くことにハマっていて、ここまで歌が好きなら歌手になろうって思ったんです」と振り返った。

また、数々の人気韓国ドラマでOST（挿入歌）を歌い、韓国では「OSTの神」「OSTの王子様」と呼ばれることについては「そこまででは……」と謙遜しつつ、「ドラマの中で主人公の顔が大きく映るシーンで自分の歌声が流れると、視聴者の中では『この歌手こんな顔なんだ』というイメージになるじゃないですか。これは個人的な戦略です」とコメント。俳優のビジュアルに便乗する気満々であることを告白して、笑いを誘った。

ドラマの名シーンが蘇る珠玉のバラード、日本デビュー曲の初披露も！

トークがひと段落すると、いよいよ本格的にステージがスタート。ドラマ「ロマンスは必然に」の「Every Day, Every Moment」、「涙の女王」の「Can't Get Over You」と、多くの視聴者を魅了したOSTを2曲続けて歌唱。繊細な表現力と、ドラマの情景が思い浮かぶような魅惑的な歌声に、思わず目を潤ませるファンの姿も見られた。

特に、2018年のリリース以来大きな人気を集め、今年デビュー10周年アルバムとして新たにリメイクされた「Every Day, Every Moment （yours）」の歌唱中は、観客席から熱烈な掛け声も。ポール・キムはファン1人ひとりの目を見つめながら笑顔で手を振り、手招きのジェスチャーでファンの歌声を聴かせてほしいと促すなど、ファンへの愛情表現を欠かさなかった。

彼の温かいコミュニケーションによって会場は瞬く間に一体感に包まれ、感動のステージはファンに大きな余韻を残した。

ステージを終えて2度目のトークコーナーに入ると、日本デビュー曲「君に会い（Me After You）」に関するエピソードも。三吉彩花が出演したことでも話題を集めていたミュージックビデオに関して、「今日この日にお披露目するために、公開時期をずらしました」と明らかにし、ファンの歓声を一身に浴びた。

その後、会場の大きなスクリーンで実際にミュージックビデオが公開されると、ポール・キムは「何回も見たんですけれど、なんだか緊張しちゃいますね」と照れ笑い。撮影時の裏話を語る場面では、「三吉さんに申し訳ないんですけれど……」と前置きし、「お好み焼きを食べているシーンで、（三吉さんは）撮影中なのに僕はずっと横でお好み焼き食べてました」と告白した。

さらに、当時の状況について「美味しかったです～！」としみじみコメント。「マヨネーズもつけて……」と美味しさを改めて噛み占める姿には、再び笑い声が上がった。

ファンと祝う特別な日本デビュー！温かい人柄が光ったショーケース

ショーケースも終盤に差し掛かった頃、会場からは突然軽快なBGMが。「お別れの時間だというのに、BGM明るすぎません！？」という藤原倫己のツッコミを尻目かけるかのように、ポール・キムの日本デビューをお祝いするケーキがステージに登場した。

突然のサプライズには、ポール・キムも思わず感激の様子。「え！？ ありがとう」「めっちゃ綺麗」と喜びを隠さなかった。防災上、ロウソクに火をつけられないということが知らされると、彼は「こんなかんじですか？」と火を消すジェスチャーを披露。

藤原倫己も「もうちょっと頑張って！ まだ消えてない」などノリノリで彼を応援し、まるでそこに火が灯っていたかのような2人の寸劇がますます会場を盛り上げた。

無事にイマジナリーの火を消し終わると、改めてファンと集合写真撮影に突入。写り込まないように端に寄った藤原倫己に視線を送り、集合写真に入ってもらうよう促すなど、さりげない仕草にも反響が寄せられた。

トークの最後には、ポール・キム自ら日本での目標を語る場面も。「韓国ではすでにやっていますが、日本のドラマとかアニメのOSTも歌いたいです！」と意気込み、会場からは今一度大きな歓声と拍手が巻き起こった。

最後には、日本デビュー曲「君に会い（Me After You）」をステージで初披露。彼は同曲の制作過程について「韓国語の歌詞を日本語に変えただけだと音の数が足りないとか、そういったこともあって本当に時間がかかったんですけれど、日本語の表現がすごく気に入っています」と振り返り、楽曲に対する思い入れを語った。

歌唱前には、「明日はインタビューとか、撮影の予定も入っているんですよ。日本の芸能人っぽいですね。本当に夢みたいで、眠れないかもしれません」と無邪気に笑う場面も。謙虚な一面も見せ、ファンを和ませた。

満を持して「君に会い（Me After You）」のステージが始まると、会場のファンは思わずうっとり。極上の歌声でステージを締めくくったポール・キムは、「ありがとうございます！」とファンに感謝しながらステージを後にした。

11月には、日本で10cmとロイ・キムとの合同コンサートも予定しているポール・キム。日本デビューショーケースが大盛況のうちに幕を閉じただけに、今後の活躍にも大きな期待が寄せられている。

■リリース情報
Paul Kim「君に会い （Me After You）」
リリース日：2025年8月29日（金）
配信Linkはこちら

レーベル：Whyes Entertainment
Copyright：Paul Kim, Donnie J, Joseph K

■公演情報
Paul Kim Japan Debut Showcase
日時：2025年9月1日（月）19:30 START
会場：TIAT SKY HALL
入場：Free（200名先着）

■関連リンク
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