韓国で12万部突破のベストセラー!小説家50人が選ぶ“今年の小説”1位にも選出…話題作「どれか一つは噓」その魅力とは

「BTS(防弾少年団)のRMも読んだ!」「BLACKPINK ジスの愛読書」などと本の帯で紹介されていることも多く、彼らが読んだ本が話題化して日本でヒットする現象も定着しています。
中でも、韓国フェミニズム小説の代表作「82年生まれ、キム・ジヨン」(チョ・ナムジュ)は2018年12月の日本発売以降、発行部数が23万部を超える異例の大ヒットを記録。
2024年10月には「菜食主義者」「少年が来る」などの代表作で知られるハン・ガンが、アジア人女性として初めてノーベル文学賞を受賞する快挙を果たしました。
文学賞を多数受賞!「どれか一つは嘘」著者キム・エランの歩み

キム・エランは、韓国芸術総合学校演劇院劇作科を卒業。2002年に短編「ノックしない家」で第1回大山(テサン)大学文学賞を受賞して作家デビューを果たしました。2013年「沈黙の未来」が李箱(イ・サン)文学賞を受賞。邦訳作品に「どきどき僕の人生」(クオン)、「走れ、オヤジ殿」(晶文社)、「外は夏」「ひこうき雲」「唾がたまる」(亜紀書房)があります。
著作である「走れ、父さん」「唾がたまる」「どきどき僕の人生」、そして今回の「どれか一つは噓」などを通じて、彼女は現代の韓国の若者たちの生き方や日常にフォーカス。新鮮な感性と確かな文章力で、特定の世代の生活をリアルに描く作家として知られています。
ちなみに日本では、“韓国の本”をこよなく愛する人たちの「もっと読みたい、もっと知りたい」という声に応える本のお祭り「K-BOOKフェスティバル」が毎年開催されており、キム・エランは2022年にゲストとして登場しました。
信じた言葉は本当か嘘か…平凡な高校生活が動き出す
本書のタイトル「どれか一つは噓」は、作中で高校生ジウ、ソリ、チェウンの担任教師が考案した「自己紹介ゲーム」に由来しています。このゲームでは、生徒たちが5つの文章で自分自身を紹介するのですが、そのうち一つには嘘を混ぜなければなりません。クラスメイトたちはどれが真実で嘘なのかを推理しながら互いを知っていきます。トカゲのヨンシクを家族同然に可愛がっている高校2年生の男子ジウ。学校では誰とも身体的な接触を持たないよう、常にペンや鉛筆を握って絵を描いている女子ソリ。2学期に“ある理由”で2人のクラスに転入してきた男子チェウン。これまでほとんど関わることのなかった3人が、“一つの噓”をきっかけに結びつき、それぞれが抱える秘密や嘘、家族との間に生じた悲劇に触れ、彼らの日々が静かに変化していきます。
ページをめくるごとに新事実が発覚、韓国でメジャーな“家族像”に一石を投じる
物語は、“一つの噓”が軸となり展開されます。本書は「一」から「二十四」までの短い章で構成され、各章は3人のうち誰か一人の視点で語られています。それぞれが抱える秘密や嘘が少しずつ結びつき、物語の全容が明らかになっていくところは必見。
先が気になる展開と、自然と読み進めたくなる構成も本書の魅力です。
さらに、血縁同士の結びつきが強い韓国の伝統やその概念を取り払うような内容で構成されているのも本作の見どころ。物語には、血のつながりがない“疑似家族”のことや、人間と同じように“家族”としての役割を果たすペットが登場します。
必ずしも結婚して家族を持つことが幸せの最終地点だと考えない選択をする人が増え続けている現代において、辛いときに傍にいて力になってくれるペットや、血縁関係がなくても心から心配し、救いの手を差し伸ばしてくれる人が、これからは“家族”として呼ばれるようになっても良いのではないか—―そう思わせる内容でした。
3人の名前に隠された真実…自分の目で確認を
「どれか一つは嘘」は、2026年6月に発売されたばかりにもかかわらず、読み終わった多くの人が感想を残しています。読者からは「同じように傷を抱える者同士が互いを尊重し、救い合う繊細な心理描写に心惹かれた」「どれが本当で嘘なのか、推測しながら楽しく読み進められた」「血のつながりがない家族や友人の関係性の描き方が良かった」といった反応が寄せられました。
果たして、ジウ、チェウン、ソリはそれぞれが抱える秘密や嘘、家族との間に生じた悲劇にどのように向き合い、克服し、成長していくのでしょうか。また、ジウ(「消す」)、チェウン(「埋める」)、ソリ(「手」)といった、登場人物3人の名前の由来にも注目して物語を読み進めてみてください。
■作品情報
「どれか一つは噓」
2026年6月26日(金)発売
定価:2,200円(10%税込)
体裁:四六判ソフトカバー/224ページ
ISBN:978-4-8342-5418-1
装画:イワクチコトハ
装丁:岡本歌織(woven tale)
発行:ホーム社
発売:集英社
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- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- Kstyle編集部







