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「ゆれながら咲く花」このドラマの主人公は一体誰ですか?

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写真=KBS

一貫性のある事件の中、主役も脇役も存在理由があるドラマ

「ゆれながら咲く花」が、最終回まで残りわずかとなった中で、様々な事件をドラマチックに展開している。校内の論述大会を取り巻く事件や携帯盗難事件などが同時に発生したのである。しかし目まぐるしい状況の中でもつじつまの合ったストーリーが展開されている。これこそが同作の長所と言えるだろう。

事件の構成もベタではない。起こりえないようなとんでもない事件に登場人物が巻き込まれるようにして、視聴者の気を引こうとはしない。ただ交差する事件と登場人物同士の会話でストーリーを織り成している。

また同作は主人公が誰か分からないほど、登場人物を均等に扱っている。果たしてその中で誰が主人公なのか。誠心誠意を持って生徒に接し、ようやく信頼されるようになったチョン・インジェ(チャン・ナラ)なのか、それとも冷静に実利を中心とした教育観を展開しているカン・セチャン(チェ・ダニエル)なのか。そうでなければ複数の生徒たちなのか。

多くのドラマで脇役は主役のストーリーを展開するためのツールとして使われる。例えば映画「プライベート・ライアン」の“ライアン”を救う過程で、周りの何人かの犠牲は仕方ないと思われがちだった。実はその一人一人が“ライアン”であるにも関わらずだ。

脇役は主人公の人生をよりドラマチックに見せたり、豊富に作り上げるための仕掛けとして、限られて表現されがちであった。脇役の関心事も主人公の事件により左右され、個人の感情も真剣に描かれなかった。ひょっとしたらドラマにそれを期待する視聴者もそれほど多くないかもしれない。多くの視聴者は主人公の人生の浮き沈みにだけ興味を持っているからである。

「ゆれながら咲く花」はその枠から少し離れたドラマだ。もちろん各人物の出番には違いがある。しかし教室や職員室、そしてその他の場所にいる人々はみんな、自分の話を打ち明ける瞬間、主人公になる。登場人物がただ主人公を目立たせるための仕掛けや小物のような役割にとどまっていないということだ。

教室内外の話が濃密に展開できるのもそのためだ。同作では絶対に優しかったり、悪かったり、説明できなかったりする人物がいない。軽く見えたり限りなく不良に見えた人物でさえ、みんなそれぞれ納得のいくストーリーを持っている。

それは教室や職員室の隅に静かに存在している人物にカメラが向けられても同じであろう。彼らはただ画面の隅っこを飾る人物ではなく、知られていないだけでちゃんと自分のストーリーを持つ人物だと思われていること。それが「ゆれながら咲く花」の力である。
元記事配信日時 : 
記者 : 
ハン・ギョンヒ

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