Vol.1 ― 「ランニングマン」プロデューサー“ユ・ジェソクは天才、イ・グァンスは独特なスパイス”

SBS「ニュー!日曜日は楽しい-ランニングマン」(以下「ランニングマン」)とKBS 2TV「ハッピーサンデー-1泊2日」(以下「1泊2日」)の視聴率競争が激しい。同じ時間帯に放送中の両番組は、優劣をつけるのが難しいほど、抜きつ抜かれつの状態だ。シーズン2に改編されたものの「1泊2日」はカン・ホドン時代を経て今に至るまで、6年間の長寿番組として国民的バラエティという愛称を貰った。「ランニングマン」は3年も後に誕生した弟分の番組だが、徐々にお茶の間に浸透し、「1泊2日」の牙城を崩したとの評価を得るに至った。
SBS「ニュー!日曜日は楽しい」の看板コーナー「ランニングマン」が走ってきた2年半はどうだったのだろうか。息が上がる時も、膝がガクガクする時も、雨宿りをする時もあっただろう。それでも走り続け20%の視聴率を背負う人気番組になるまでには、ユ・ジェソクという国民的MCを諦めず走らせたチョ・ヒョジンプロデューサー(以下PD)の励ましがあった。走り続け疲れたメンバーに水やタオルを渡しながら、チョ・ヒョジンPDの3年間はあっという間に過ぎてしまった。
「恥ずかしいことは避けようというのがモットー」というチョ・ヒョジンPDがOSENに語った「ランニングマン」についての話。
「視聴率1位?恥ずかしいことだけは避けよう!」
ドラマであれバラエティであれ、多くのPDは視聴率グラフに敏感になる。自分が演出した番組が放送されると、リアルタイムで分単位の視聴率グラフを確認し、1分に1回手に汗を握る。それで終わりではない。翌朝、一番先に平均視聴率を見てライバル番組と比較し、ある日は歓喜を叫び、ある日は頭を抱えるのが普通だ。もちろんチョ・ヒョジンPDも視聴率のことで焦ることがあるだろう。え?違うの?―最近「1泊2日」との視聴率競争が興味深い状況になっている。
チョ・ヒョジンPD:実は視聴率は気にしない方だ。視聴率を気にしていたら、2年半前にフォーマットを変えていただろう。皆がチェックするという分単位の視聴率グラフも見ない。作家から「視聴率が出ました」と言われてやっと見るか、知人から「視聴率良かったよ。おめでとう」とのメッセージを貰い知るくらいだ。
―SBSの看板バラエティを長く担当した。プレッシャーは感じないのか。
チョ・ヒョジンPD:もちろん、プレッシャーはある。恥ずかしいことになってはいけないと思うし、欲も出る。皆でいつも「恥ずかしいことだけは避けよう」と話す。特に、この仕事をしている人々に恥ずかしく思われるようなことは避けようと誓っている。
―やらせ疑惑やLeessang(リッサン)のケリが番組降板を宣言したことで、視聴率が低迷したこともある。かなり悩まされたと思うが。
チョ・ヒョジンPD:気にしなかった。実は記事もあまり読まないし、インターネットもしない。傷つきやすいタイプなので、避ける方だ(笑)
重要な記事は作家に言われてから読む。記者から電話がかかってきて何か質問されると「あ、そうですか?確認してみます」と答えることが多いが、煙幕作戦だとか演技ではなく、本当に僕が知らないだけだ。番組制作以外のことはあまり気にしない。視聴率もまた他のPDほど気にしない。ただ「恥ずかしいことだけは避ける」ということは考えている。

「ここはバラエティジャングル、バッタもキリンも住んでいます」
国民バッタが跳び、裏切りキリンも歩き回るここ「ランニングマン」はジャングルだ。7人のキャラクターが集まり、競争し、裏切り、騙され、転がり、笑うジャングル。それでも怖いワニの群れはない、優しい(?)ジャングルだ。もはや家族のような制作スタッフと出演者のチームワークが最高の相乗効果を生み出している。―現在のメンバーで大きな変化なく、長い間番組を引っ張ってきた。メンバーの構成や全体のフォーマットに一度くらい手を加える予定はないのか。
チョ・ヒョジンPD:フォーマットの変化といえばシーズン制のことだろうか。3年ほど経ったが、毎週アイテムを変えるので、あえてシーズン制度が必要なのか疑問だ。メンバーもそうだ。まだ出せるものが残っていると思う。例えば、チ・ソクジンの体を張ったギャグは最近になって本格的にウケ始めた。今のメンバーがとても好きで、ゲストも頻繁に出演するので(現在のままでも)あまり問題ないと思う。
―ソン・ジュンギが降板してから、いわゆる“看板スター”がいなくなった。他のメンバーを迎え入れる計画は?
チョ・ヒョジンPD:ソン・ジュンギは、大変好感を持てるメンバーだったが、降板当時はお互いにどうしようもない状況だった。なので気持ちよく別れることができた。ソン・ジュンギありなしの問題ではなく、7人という数字が良いと思った。ゲストが2人になるかも知れないし、3人になるかもしれないが、7人の時が色々な面で進行がスムーズだ。なので、あえてメンバーを追加する計画はない。
―演出者としてそれぞれのメンバーの魅力を紹介して欲しい。
チョ・ヒョジンPD:言うまでもなく、ユ・ジェソクはチームをリードする優しいカリスマ性がある。そしていつも核心を正確に捉える。新しいアイテムを導入した時は、ユ・ジェソクが「これはこういうふうにするものだろう」と、正確に核心をつくコメントをしてくれる。そのため視聴者は一段と理解しやすくなる。本当に天才だと思うほど、制作スタッフが設定したその日のミッションやテーマの根本を押さえてくれる。意図に合わせ、メンバー一人ひとりをいじりながらゲームを進行したりもする。

ソン・ジヒョは男性の中でも生き残ることができる力を持っている。猫をかぶる女性を好まない最近のトレンドにぴったりのキャラクターだ。か弱いふりもしなければ、とても素早く堂々とミッションや相手に立ち向かう。
イ・グァンスはバラエティ歴が2年しかないということが信じられないほど、本当に習得が早い。撮影の時も末っ子なので、可愛がられている。日頃から先輩にも礼儀正しい。イ・グァンスを可愛がるメンバーが彼に絡み、それが放送される。また、何か違う考え方、違う行動を瞬時にやってみせる。独特なスパイスのような役割の人だ。バラエティの経験がまったくなく、バラエティ関係者との接点もなかったが、急速に伸びている。本当に上手くキャスティングしたと思う。
ケリはもともと、トークの腕で有名だった。それを放送で全部引き出すことができ、本当に幸いだと思っている。作詞をしているせいかもしれないが、語ることが他の人とは違う。詩人のような感じもある。実は外見はそうではないが、意外と女性にモテる(笑) 外見だけではわからないが、じっくり見ると魅力がある。純粋そうに見えてもプレイボーイのようなことも言うし、純粋に見えたりもするし。それが実際の姿だ。純粋で他の言語を操ることもできる。そういった姿を見てキャスティングした。
チ・ソクジンは見えないところで弟たちの面倒を見る。常に体を張る番組なので、かなりの年齢にも関わらず、体を張ったギャグを見せてくれる。実は体がいうことをきかないにも関わらずだ(笑) 一番年上の人がそうするのもなかなか難しいので、本当に有難い。
ハハは何を任せても良さそうな、信頼できる人だ。基本がしっかりしている。制作スタッフの意図通りのことを、自らしてくれる。ユ・ジェソクから感じたことを、たまにハハから見つけたりする。
先日パク・シニャンがゲストとして出演した時も、本人自ら身を低くし、相手の心を癒してくれる役割をたくさんしてくれた。ハン・ヒョジュと撮影をした時も、ゲストが気持ちよく楽しめるようにしてくれ、ハン・ヒョジュも「ありがとう」と言っていた。ハハ本人は(このような配慮や感覚を)ユ・ジェソクから学んだと言っていた。上手く学んだと思う。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- ユン・カイ、写真 : チ・ヒョンジュン
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