Vol.2 ― 放送終了「となりの美男＜イケメン＞」ゆっくり、そして繊細に染みる

※この記事にはドラマ「となりの美男＜イケメン＞」の結末に関する内容が含まれています。
少女漫画のような普通のラブコメディだと思われていたtvN「となりの美男＜イケメン＞」。実は心温まるヒーリングドラマだった。「となりの美男＜イケメン＞」は26日に韓国で放送された第16話を最後に、ユン・シユンとパク・シネはもちろん、みんなの愛を描くハッピーエンディングで幕を下ろした。

どのドラマよりも静かだった。劇的な反転など、刺激的な要素が飛び交う最近のドラマの中で、その「静かさ」はむしろ毒になる可能性があった。しかし、「となりの美男＜イケメン＞」は絶頂に至る展開がなくても視聴者を虜にすることに成功した。「コミュニケーション」という重いテーマを率直に語った。私生ファン(サセンペン：芸能人の私生活まで追いかけるファン)やいじめなどを素材に、他人を傷つける人々のストーリーまでも。

もちろん愛も描いた。ただ、ハッピーエンディングという愛の結末より、その過程で現れる感情の繊細な表現に力を注いだだけだ。他の恋愛ドラマのように三角関係を描いたものの、複雑に絡み合う設定がなかった。愛を手に入れるために悪くなる人は誰もいなかった。悪役がいなかったことも、「となりの美男＜イケメン＞」がヒーリングドラマになれた理由の一つだったのだ。

何より、「彼女」「彼」の独り言が視聴者の心に響いた。誰もが一度くらいは経験しがちな感情を表現した独り言は、視聴者の大きな共感を得るだけでなく、長く深い余韻を残した。インパクトの強いセリフではなく、感性豊かな独り言で毎シーンを詰めた。

「行き違うと信じていた縁が、別れた後に心臓に残る時がある」「別れた後になってこそ、その縁の深さと重さを察する」「世の中に出ると、彼女は度々透明人間になる。人々にはその女性が見えていないみたいだ」「傷の深さを知らない見物人たちは、どうして抜け出せないのかと忠告する。人の傷に無礼な人々があまりにも多い」

世の中に心の扉を閉ざしたコ・ドンミは、人と対面した時は自分の言いたいことを言えず、一人の時にやっと“彼女”の視点から本音を語る。低い声で届けるパク・シネのナレーションはさらにドラマに没頭させ、視聴者の心まで慰めた。

また、「となりの美男＜イケメン＞」は「遅さの美学」を生かした。各キャラクターの感性に焦点を合わせ、より遅く、よりゆっくり話を進めた。起承転結がはっきりとした愛ではなく、傷を癒しながら変わっていく内面のストーリーに集中した。そのおかげで、そのまま視聴者の心に染みた。

ユン・シユン、パク・シネ、キム・ジフンなど、愛を叶えた全ての人々が幸せそうに微笑みながら走るシーンが「となりの美男＜イケメン＞」のエンディングを飾った。ドンミを世の中に引き出す過程で、みんなが成長し、大人になった。「となりの美男＜イケメン＞」は終了したが、このドラマが見せてくれた切ない感性の余韻はしばらく続くだろう。