Mot、馴染んだものと馴染んでいないものの間
写真=Mot新メンバーを迎え入れてバンドMotを再結成…「もう弾みがついた」
「一緒に活動してみない?」バンドMotの復活を知らせたのはボーカルでバンドの中心にいたイ・イオンだった。2004年にデビューし、2枚のフルアルバムを発売したMotは、2007年以来特に活動していなかった。声帯に異常があり、その治療に専念していたイ・イオンは回復後、ソロアルバムを発表し、その過程で出会ったミュージシャンたちと一緒にバンド活動をすることを提案した。その結果、イ・イオンのソロアルバムに参加したチョ・ナムヨル(ドラム)、ユ・ウンリョル(ギター)とコンサートで会ったイ・ハユン(キーボード)、ソン・インソプ(ベース)がMotというバンドに新たに加わった。
イ・イオンはシステムを構築しようと思った。自身のことを考えず、酷使する方法では作業を続けることができないと思ったためだ。しかし、彼の提案を受けた人々は悩むしかなかった。コンサートを通じて1年間息を合わせた後、バンド活動を提案されたというソン・インソプは「どうしても活動の優先順位が変わるし、責任も重くなると思い悩むようになった」と打ち明けた。これまでジャズシーンで活動し、一つのグループに所属するよりも公演がある度に参加していた彼は「責任問題で一番悩んだ」と強調した。
イ・ハユンも色々と考えた。「簡単にその場で決めるわけにはいかなかった」と語り始めた彼は「セッションはサービス業だから、適当にある程度距離を置いて任された仕事をうまく全うすればいいのだが、Motになれば正社員になるじゃないか」とし、「持分がもらえるだけにうまくいくといいが、そうでない場合、僕たちの持分さえ失ってしまうかも知れないと思ったので悩んだ」と告白した。そのようなイ・ハユンの心を動かしたのは「共同作業の中で一人一人の創造的な部分や音楽的な部分は最大限保障する」というイ・イオンの言葉だった。
イ・イオン:やはり僕にとっても容易な決定ではなかった。一人で作業するのに慣れていたし。身体の方は大変だったが、そっちの方が気は楽だった。また、他の人にあるパートを任せたとき、僕の希望通りに結果が出るか心配した。それで、ソロとして活動するとき、試運転のようなものをしてみた。セッションをしていた人々に編曲を任せてみてコミュニケーションして正しい方向へ持っていけるか、テストしてみた。期待以上にうまくいくのを見て「この人々なら一緒に作業しても良い」と決心した。
「Motのアイデンティティを守ろうと意識的に努力した」
新たに結成されたMotの初ステージは「Grand Mint Festival 2015」(GMF)だった。カムバックをはっきり知らせたいと思ったが、単独公演を準備することよりアルバムを発表することが先だと思った。2016年始め頃、フルアルバムを発売する前にシングルを発表したMotはこのステージについて「『いざやってみたら、それほど良くなければどうする』という心配をぶっ飛ばしたステージ」だったと評価した。ステージに上がった5人はもう、ボーカルとセッションではなく、Motというバンドのもとで一つになった。彼らは観客と向き合ってより強い所属感を感じ、音楽により一層集中することになった。10月に「暗雲に向かって走る車の中で」、11月に「Trivia」、12月に「灰と煙の歌」を連続リリースしたMotは「何より『Motらしい』という反応が一番良い」と口を揃えた。「私が好きだったMotはどこへ行ってしまったのか分からない」という反応が出るのではないか心配したというイ・イオンは「新しいメンバーが集まって発揮される新しい長所は、わざわざ努力しなくても自然に出てくるものだと思った」とし、「それで、作業するときももともと持っていたアイデンティティを守ろうと意識的に努力した」と説明した。8割ほど進んだ3rdフルアルバムもMotのアイデンティティに基づいたものだ。
イ・ハユン&イ・イオン:「Motらしい」という言葉の意味は?僕たちは特定のジャンルにこだわらないため非常に努力している。馴染んでいるものと馴染んでいないものの中間ほどだと言えるだろうか。お馴染みのジャンルのルールもあるし、実験的なものもある。その二つを持ってきて、その中でバランスがとれるところを見つけ出すのが僕たちの仕事だと思う。これを配置したときに得られる新しい効果を考えながら作業する。馴染んでいるものと馴染んでいないものの概念はずっと変わるが、僕たちが目指すところもそういう中でバランスを調整することで変わってくると思う。
「バックステージでのパーティー?健全な音楽グループ」
一枚ずつシングルを発表し、これを集めてアルバムを出したり、フルアルバムを半分に切ったほどのミニアルバムを発表することも一般的な流れになった。Motがフルアルバムを発売する前にシングルを出したのも、変わった音楽消費市場からある程度影響されたものだと言える。イ・イオンは「10曲以上を一気にお聴かせしたとき、逆に負担に思われたり、物理的に疲労感を感じられる方もたくさんいらっしゃるようだった」とし、「そうなるとタイトル曲やいくつかの楽曲だけに関心が集中するが、このような関心を適当に分散するために先にシングルを出した」と伝えた。イ・イオンは「『いつまでアルバムを出すことができるだろうか?』とよく思う方だが、その裏にはずっと出してほしいという希望がある」とし「アルバムを出して、活動して、ミュージシャンとして働き続けたいと思う」と付け加えた。現実が改善されることを願って音楽という紐から手を離さずにいるという彼らは「いつも悩んでいるが、音楽をしているのを後悔したことはない」と言いきった。創作者として音楽で慰められ、今も音楽が人々に与える影響を信じているため、「名盤へのロマン」(イ・ハユン)を持って今日もアルバムを制作する。
Motは終始落ちついていた。普段静かな性格のイ・イオンの影響だろう。イ・ハユンは「初めにはロックバンドをすると言われてバックステージでのワイルドなパーティーのようなものを想像したが、無駄な夢だった」とし「お酒もあまり飲まないし、普段はゲームをする」と打ち明けた。この“健全な音楽グループ”は今年ニューアルバムを発売し、単独コンサートも開く予定だ。今までの試行錯誤とノウハウをうまく反映して、これからはアルバムも頻繁に出す計画だ。「もうある程度弾みがついた」というバンドMot。彼らが聴かせてくれるMotらしい音楽を期待してみる。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- イ・オンヒョク
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