「少年時代」イム・シワン、30代半ばで制服を着用“監督が僕の年齢を考えてオファーしてくれた”
写真=Coupang Play
俳優イム・シワンが、チャン・ビョンテになるまでの過程を公開した。イム・シワンは最近、ソウル鍾路(チョンノ)区三清洞(サムチョンドン)のカフェで行われたCoupang Playオリジナル「少年時代」のインタビューで、温陽(オニャン)の意気地なしのビョンテ役を演じるために準備したことに言及した。
「少年時代」は1989年、忠清南道(チュンチョンナムド)を背景に、殴られず生きていくことが生涯の目標である意気地なしのビョンテ(イム・シワン)がある日、扶餘(プヨ)郡のイルチャン(一番喧嘩が強い人)と誤解されることで繰り広げられるストーリーを描く。
「少年時代」の制作発表会でビョンテについて「これまでやってきた役の中で知能が一番低いと思う」と述べたイム・シワンは、「どんな形であっても、俳優は間接的に体験する仕事じゃないですか。通常は、実際に自分が持っているポテンシャルよりも極端にハイレベルな職業や役を務めることがほとんどです。そういった時は情緒的に追いつくのに忙しかったのですが、今回はとても簡単でした」と振り返った。
劇中ビョンテは、殴られながらも言うことは言うキャラクターだ。これについてイム・シワンは「ビョンテは自分が考えたことを絶対に口に出さないと気が済まないタイプです。そのような人を完璧に理解することはできませんが、そういった人は絶対にいます。そのような部分に着目してやれば面白そうだと考えました。序盤で『笑ったやつは全員出てこい』というシーンで、ビョンテも笑ったのがばれるじゃないですか。それで殴られても、『君たちが変な英語の発音をしたじゃないか』と言います。殴られて当然という雰囲気を与えられると思いました。現場でこのような部分を追加してもいいですかと聞いたところ、セリフを全部変えることになりました」と明かした。
劇中、体を作っていく過程についても意見を出したという。イム・シワンは「確かにアクションは多かったです。アクションは事実上、けがをする確率も高いと言えると思います。アクションシーンを撮る時は、心も体も起きている状態にしていようと努力しました。そうしなければ、すぐにけがをしますから。けがをすれば大きなプロジェクト自体に支障が出るので、とにかくけがだけはしないようにと願いながら撮りました。そのため、体が準備できていない状態というのはすごく大きなプレッシャーになりました。予熱を加える意味で、あらかじめボクシングやランニングなど、体を使う運動はやっていました。監督と計画を組む時は、序盤のビョンテを考えるか、復讐を誓うビョンテを基準にするかということについて議論をたくさんしました。中途半端な体であれば、もっと応援をしてくれるのではないかと思いました」と話した。
校内暴力を扱うことに対する慎重さもあった。イム・シワンは「その部分に一番慎重になりました。暴力を美化したりせず、辛い記憶は見せたくないという願いがありました。これはコメディです。コメディとして見せたいという部分がありました。提案したことのうちの一つは『殴られたようにしよう』でした。実際に殴るシーンを撮らなくても、十分に演出できる部分はあるじゃないですか。あまりにもリアルに描かれないことを願っていたので、監督にお話しました。暴力自体が辛くならなければという気持ちで撮影しました」と明かした。
校内暴力を扱ったシーンの中でも最も強烈だったと思ったシーンとしては、椅子でホソク(イ・サンジン)の頭を打つシーンを挙げた。イム・シワンは「ビョンテがどん底に落ちた時、友人であるホソクを椅子で殴るシーンがあるじゃないですか。台本を見た時も強烈に感じました。最初に台本を見た時、6話までできている状態だったのですが、ビョンテがホソクを殴ったところで終わりになっていました。台本自体に無駄なものがなく完成度が高いと思いましたし、文章に対する尊敬、尊重する心がありました。しかしそのシーンがものすごく強烈だったので、ビョンテの終点であるとは思いましたが、もう少し柔らかくやることはできないかと提案した記憶があります。ビョンテを応援する心からも、それほどまで落ちてほしくないという気持ちでした。そのシーンを見ると心が痛いです。でもそのようにビョンテが壊れたことは、その後で成長する力になるので、そのようなシーンがあればいいだろうと言われ、十分納得しました」と説明した。
制服を着て10代を演技することに対するプレッシャーはなかったのだろうか。実際の年齢では30代半ばのイム・シワンは「それがどれほど大きな栄光なのか、理解しています。監督に感謝したのが、わざわざ年齢を僕に合わせて、高校生にしては老け顔という設定でオファーしてくださいました。僕より1歳年上の方もいました」と答えた。
ソンファ役のIZ*ONE出身のカン・ヘウォンとの年齢差も感じなかったという。カン・ヘウォンとは11歳差のイム・シワンは「大人対大人で同等の立場で見ることが大多数だったと思います。すべてを見たわけではありませんが、へウォンさんが出演したオーディション番組も大きな経験じゃないですか。簡単ではないというのは僕も分かりますから。競争の中で存在感を表せる勇気を出せる人なので、仲間の立場で話せるのではないかと思いました」と伝えた。
1989年を背景とする作品であるにもかかわらず、若い世代に人気を得ている秘訣も推測した。イム・シワンは、今作が若い視聴者から共感を得た理由について「僕の分析が正確ではないかもしれませんが、今作を通じて本人より足りない部分があるように見える人たちの成長ストーリーを見ながら慰めを得られたらいいですし、応援してくれる心を引き出したい気持ちが大きかったです。80、90年代の生活をどれほど細かく表現できたかは、その時代を生きた人たちが判断することだと思います」と自身の考えを明らかにした。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- パク・スイン
topics