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映画「満ち足りた家族」ソル・ギョング“子供と一緒に観てほしい作品”

OSEN
写真=2024 HIVE MEDIA CORP & MINDMARK
映画「満ち足りた家族」で主演を務めた俳優ソル・ギョングが、作品について語った。

最近、ソウル三清洞(サムチョンドン)のあるカフェでは映画「満ち足りた家族」で主演したソル・ギョングのインタビューが行われた。

同作は、それぞれ異なる信念を持って生きてきた4人が、子供たちの犯罪現場が収められた防犯カメラの映像を見てから、すべてが崩れてしまう姿を描いたウェルメイドサスペンスだ。オランダの作家ヘルマン・コッホの小説である「冷たい晩餐」を原作に制作され、すでにオランダ、イタリア、アメリカなどで映画化された。「世宗大王 星を追う者たち」「ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女」「春の日は過ぎゆく」「八月のクリスマス」などを演出したホ・ジノ監督の新作だ。

この日、ソル・ギョングは前日に行われたマスコミ向け試写会を通じて作品を観た感想を聞くと、「映画はトロント映画祭で初めて観ました。自分の作品は、どの作品を観てもハラハラします。今作もハラハラしました。監督も様々な映画祭でずっと作品を観てきたと思います。映画祭をまわり、少し編集された感じでした。そのような先入観のためか、昨日はあまりハラハラしませんでした」とし、「試写会の時は顔色を伺いながら観るようになります。記者の方々と観る時は『どのように観て頂けるだろうか』と反応を見ますし、ため息でも出たら『どうしよう』と思います。それでも昨日は皆集中してご覧になっていたようで、よく観て頂けたような気がしました」と冗談を言った。

彼は作品に出演したきっかけについて、「前からホ・ジノ監督の作品に出演しなければと思っていました。(僕が監督の)心の中にいたのかどうかは分かりません。そして監督が準備したのが『満ち足りた家族』でした。僕は漠然と、ホ・ジノ監督と一緒にやりたいと思っていました」とし「かなり古い知り合いです。日本に行った時のことです。1999年くらいだったでしょうか、『八月のクリスマス』を撮影していた時でした。海外のある授賞式に行った時、監督に会って、仲良く過ごしました。僕たちの部屋に来て3日間一緒に過ごしたりもしました。そのような縁に比べると、作品でご一緒するのは遅かったと思います」と説明した。

彼は初めて台本を見た時を思い出し、「ホ・ジノ監督でなければやらないと言ったかもしれません。どの監督が演出するかによって、明確に変わる作品だと思います。ホ・ジノ監督の繊細さ、信頼があったのでジェワンを演じると言いました」とし「実は、僕は『満ち足りた家族』は曖昧だと思いましたが、監督を見ました。この監督ならよく混ぜることができるだろうという信頼が強かったんです。ややもすればシーンがうるさい感じがしますし、騒音になるかもしれないと思いました。劇中、多くの台詞が出てくるじゃないですか。いわゆる“口腔アクション”と言われますが、これが自分の耳に届かないと集中できません。集中させるのが演出力だと思います。微細な作業なので、(演出が)とても繊細でなければなりません。ホ・ジュノ監督は集中させてくれるだろうと思いました」と伝えた。

彼は劇中、物質的な欲望を優先する弁護士のジェワン役を演じた。彼は殺人者の弁護も厭わない冷徹な弁護士だ。いつも理性的な態度で乱れない姿を見せる人物で、子供たちの犯罪現場が盛り込まれた防犯カメラを見た時も動揺しない。しかし、後半に進むほど変化する姿を見せるという。

これに対してソル・ギョングは、「人はみんなそうなのではないでしょうか。役者で言えば、舞台の上と舞台裏の姿が違うこともあると思います。人は、みんな二面性がありますから」とし、「おそらく、子どもたちが法廷にまでは行かないでほしいと思いつつも、可能性を考えたと思います。様々な可能性を考えた時、ジェワンの後半の選択は、彼の選択肢のうちの一つだったと思います。ジェギュ(チャン・ドンゴン)は態度が豹変する人物ですが、ジェワンは一貫している人物です。また、親として子供の犯罪現場が映った防犯カメラを見た時、『このままでは問題が深刻になるかもしれない』と思ったのでしょう」と分析した。

ホ・ジノ監督との相性も伝えた。彼は「プリプロダクションを丁寧にやる監督だったんです。『春の日は過ぎゆく』の時は有名でした。現場で俳優とたくさん会話をされるそうです。バスの中でイ・ヨンエさんと一日中会話をしたとお聞きしましたが、僕もたくさん目撃して、それを俳優4人とたくさんしました」とし、「主に現場で冗談のようにアイデアをぽつんと言うんです。そのようなディテールが、ジェワンの二面性を表現する上で役に立ったと思います」とコメントし、「実は監督に初めて会った時は、恋愛映画をしたかったのですが、いい年になって台本をもらえないですから。(そのようにして)こんなに強いものをやることになりました」とし、笑いを誘った。

「第48回トロント国際映画祭」をはじめ、海外有数の映画祭に19回も出品されるという驚きの成果を見せ、海外で好評を博した「満ち足りた家族」。しかし、韓国で公開される時は、同じように緊張したという。

ソル・ギョングは「海外での好反応は、実は期待していなかったんです。後でグループチャットにシェアされるレビューを見て、『あれ?』と思いました。反応が良くてテンションが上がりました。そして『後は韓国のマスコミだ!』と思いました。そのため昨日の記者会見は、本当に裁判所に行くような気分で、すごく緊張しました」と語り、「(トロントでは)すごく好評していただきました。評価も細かくしてくれて、アンサンブルの話が一番多かったと思います。(それを見て)『1次関門は通過した、問題は韓国だ』と思いました」と笑った。

最後にソル・ギョングは、「『満ち足りた家族』は、1回観て終わるのではなく、両親であればぜひお子さんと観てほしい映画です。ある海外の観客も必ず子供と一緒に観たいと言っていました。どんな教育よりも良い作品だと思います」とつけ加えた。
元記事配信日時 : 
記者 : 
ユ・スヨン
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