KDDI、韓国の大手映画配給会社Plus Mと映画マーケティングで提携…公開時期のタイムラグ解消へ

日本と韓国それぞれの映画作品が各国の市場へ展開される際、市場特性や配給や興行体制の違いにより、韓国での公開から日本での公開までに半年から1年のタイムラグが生じるなど、流通面での課題が存在している。
こうした背景を踏まえ、両社は日韓両国の映画市場の発展とコンテンツ流通の円滑化を目的に、戦略的パートナーシップを締結した。両社は今後、日韓同時公開や両社保有作品の独占配給を軸に人材交流も視野に入れながら、両国市場への映画作品の展開強化などに取り組んでいく。
KDDIは、より多くの人々に映画を楽しんでもらえるよう、国内の劇場や配給会社と連携して2022年には自社の映画レーベル「KDDI Pictures」を設立。映画の制作・配給を行うことで、会員により魅力的なコンテンツと特典を届けている。加えて、2024年からは韓国映画の買付けを開始し、特典のラインアップ拡充にも積極的に取り組んでいる。
Plus Mは、映画やドラマなどの企画・制作・投資・配給・海外セールスを包括する総合エンターテインメント企業。2014年に韓国の代表的なマルチプレックスチェーンの1つであるメガボックスによって設立され、「犯罪都市」シリーズ、「ソウルの春」(「第97回アカデミー賞」韓国代表出品作)、「ハント」など相次ぐボックスオフィスヒット作を通じて、興行性と作品性を同時に認められる強力な劇場ラインアップを構築してきた。
両社は今後、より多くの優れた映画作品を迅速に展開するとともに、映画を軸とした多角的な価値創出と、より魅力的な映画体験の提供を目指していく。
今後の取り組み内容として、KDDI・Plus M作品の相互独占配給および日韓での同時公開を予定している。2社の保有作品を双方で独占的に配給することで、日韓同時での劇場公開を実現することにより、国境を越えたマーケティングの相互連携が図れるほか、従来課題とされていた公開時期のタイムラグを解消することで、迅速かつ魅力的な映画体験を提供する。
さらに、時代を超えて愛される名作映画を最新技術で蘇らせるリマスター上映や、リメイクなどの共同IP開発を今後検討していく。これらを通じて、日韓両国の観客にその魅力を届けていく予定だ。
KDDI Picturesは、映画を通じて観客に新たな感情体験を届け、映画市場のさらなる発展を目指す活動をしている。2022年から配給・制作事業に参入し、これまでに邦画作品の配給・制作を行うほか、2024年からは「aespa: MY First Page」や「満ち足りた家族」などの韓国映画の配給も実施している。
また、2025年6月13日には新たな話題作「ラブ・イン・ザ・ビッグシティ」の公開を予定。さらなる感情体験の拡大と映画市場の活性化を目指している。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- Kstyle編集部