パク・ジヒョン「JYP歌手のファン…勉強のためコンサートにたくさん行った」

パク・ジヒョンは、もはや“トロットの有望株”ではない。TV朝鮮の「明日はミスター・トロット2」で準優勝した後、彼はステージ上で確かな存在感を放ち続けてきた。「トロット善(2位)」というタイトルは彼を語るうえでの出発点にすぎず、今の彼はそれをはるかに超える成果を着実に積み重ねている。今年韓国で開催された初の単独コンサートツアー「SHOWMANSHIP」は全国各地でチケットが完売。名実ともにトロット界の新たな人気アイコンとしての地位を固めた。また、MBC「私は一人で暮らす」やSBS「知ってるお兄さん」などのバラエティ番組では、親しみやすい全羅道(チョルラド)の方言と、予想外のかわいらしさで視聴者との距離をぐっと縮めた。華やかなスポットライトの下でも日常でも、彼が語るのはいつも「真心」だ。

パク・ジヒョン:本当に、ただただ嬉しかったです。でもその分、ものすごく緊張もしました。家族や友人も招待していましたし、観客の多くが僕のことをよく知っている方々だったので、余計に「もっといいステージを見せたい」と思いました。木浦ではこういうコンサートが頻繁に開かれるわけではないので、「コンサートって、こんなに楽しいんだ」と感じてもらえるようなステージにしたいという気持ちも強かったです。
――初の単独コンサートということで、準備段階では悩みも多かったと思います。
パク・ジヒョン:楽しいステージを完成させることに集中しました。カッコよく見せることよりも、「どうすればお客さんが退屈せず、楽しんでくれるだろうか」という点について、たくさん悩みました。連続して来てくださるファンの方もいらっしゃるので、公演ごとに選曲を少しずつ変えたりもしました。ただ、ファンミーティングのように見えすぎないように気をつけました。ファンの方に満足してもらうのはもちろんですが、僕のステージを初めてご覧になるお客様にも楽しんでいただけるように、本物の“ショー”と言えるステージを目指しました。僕のことを知らない方がご覧になっても面白いと思ってもらえるような、そんなステージにしたかったんです。


パク・ジヒョン:もちろんです。自分がこだわったポイントで拍手や歓声が上がると、本当に嬉しいですね。僕自身、自分のステージに簡単には満足しないタイプなんですけど……今回の公演のセットリストは、自分でも「よくできたな」って思えました。ハハ。
――その言葉から自信が伝わってきます。
パク・ジヒョン:退屈に感じられそうな部分は、すべて削りました。観客の立場からも「楽しい」と思っていただくことが何より大事だと思っていたので、準備期間中は他のアーティストのコンサートにもたくさん足を運びました。それが本当に勉強になりました。もちろん、まだまだ足りないところはありますが、自分なりに「なかなかいい公演になったんじゃないかな」と思っています(笑)。

パク・ジヒョン:学ぶ気持ちで、あちこち積極的に足を運びました。あ、パク・ジニョン(J․Y․ Park)先輩のコンサートにも行ってきたんですよ!
――ジヒョンさんはJYPの筋金入りのファンとしても有名ですよね。先輩の公演から学んだことも多かったのでしょう。
パク・ジニョン:パク・ジニョン先輩の曲に説明なんていらないじゃないですか。前奏が流れた瞬間に、観客の熱気が一気に高まるんです。ところが僕には、まだ「これ!」という代表的なヒット曲がないんですよね。だからコンサートの構成を考える時には、曲を選ぶにも“理由”や“ストーリー”が必要だと感じました。今回のツアーでは、ただ歌が上手だというだけではなく、ストーリーテリングの部分を特に大事にするようになりました。
――「明日はミスター・トロット2」で準優勝してデビューしてから、あっという間に2年が経ちましたが、この2年間はどのように過ごされましたか?
パク・ジニョン:本当に「気がつけばもう2年経っていた」という感覚です(笑)。コンサートが続き、テレビ番組にも出演し続けながら、あまりにも慌ただしくて、自分がこの2年間どう過ごしてきたのかさえ思い出せないほどでした。

パク・ジヒョン:子どもの頃からトロットが好きでした。中学生の頃も「歌手になりたい」という気持ちはありましたが、その時はまだ漠然としていて、正直、自分には無理だろうと思っていました。僕は木浦という地方都市に住んでいたので、なおさらその夢が現実味を帯びることはなくて。もしソウルで芸術に興味を持って暮らしていたら、もう少し現実的に感じられたかもしれません。ですが、木浦ではそれがあまりにも遠い世界に思えたんです。母も「歌は趣味として楽しむもの」と言っていましたし(笑)。だから当時は、一度その夢を諦めてしまいました。
――その後、なぜ「ミスター・トロット2」に出演しようと思ったのですか?
パク・ジヒョン:母と一緒に働いていた時、「これは自分の力でやり遂げたことではない」と感じていました。胸がときめくような仕事をしているわけでもなくて。それで「自分の力で何かに挑戦してみたい」という思いがどんどん強くなっていき、オーディションを受ける決心をしたんです。


パク・ジヒョン:あの頃は本当に毎日歌の練習に没頭していて、ほとんど狂ったように生きていたと思います。時間が過ぎるのも忘れるほど、ただ夢だけを見つめて突き進んでいました。
――歌手を準備しながら、最初は短所だと思っていたけれど今は長所だと感じる部分もありますか?
パク・ジヒョン:顔ですね。顔! 僕は左側と右側の表情が全く違うんです。右側の口元は少し下がっていて、左側は上がっているので、時々あざ笑っているように見えるんじゃないかと思ったこともありました。でも、ファンの方はそれを見て“セクシーだ”と言ってくれるんです。以前はそれを短所だと思っていたんですが、今はむしろ自分だけの魅力だと感じています。


パク・ジヒョン:歌詞をきちんと伝えようと努力していること? ハハ。歌う時に演技のメソッドのように入り込むと、きちんと意味が伝わるんです。音程やボリュームばかり気にしていると、歌が心に響かないんです。自分に催眠をかけるみたいに、「本当に愛している」という気持ちで歌うと、その想いがより伝わるんです。演技もそうでしょう。表情や身振りばかり意識すると逆に不自然になりますが、相手を愛していると心から思って没頭すれば、感情が豊かになるものです。歌う時も、少し酔ったような気持ちで歌います。そうすると感情移入が上手くできます。3分間のステージの間、自分がどう歌ったか覚えていないくらい夢中になってしまいます。
――1stミニアルバム「OCEAN」も発売しました。特に思い入れのある曲はありますか?
パク・ジヒョン:「木浦ブルース」です。僕が作詞にも参加しましたし、初めて歌った母を慕う歌でもあります。本当に何度聴いても飽きることがありません。


パク・ジンヒョン:頑張ってみます。最近も夜な夜な少しずつ作詞をしています。面白い表現が思い浮かんだら、すぐに書き留めるようにしています。作詞や作曲に対する意欲はたくさんあるので、時間があればぜひ挑戦してみたいと思っています。
――数々のステージを経て、「もう僕もプロだ」と感じた瞬間はありましたか?
パク・ジンヒョン:まだまだ全然だと思っています。やればやるほど、先輩方がどれほどすごいかを実感します。もちろん、ステージを重ねる度に少しずつ実力がついてきているのも確かに感じます。トップ7のコンサートを終えて、トップ3のコンサートを控えていた頃は、「自分一人で2時間以上の公演をやり遂げられるのか」「20~30曲を一人で歌い切れるのか」と思いましたが、今は、本当に少しずつですが分かってきたような気がします。まだプロの域には達していませんが、「ああ、自分が少し成長したな」と感じる瞬間もあります。喉のケアも、さらにしっかりとやっていきたいと思っています。


パク・ジンヒョン:「SHOWMANSHIP」ツアーのソウル公演を終えて、本当に体が大変でした。約2週間ほどずっと体調を崩していて、とても辛かったです(笑)。その時、体力の配分がいかに重要かを痛感しました。
―― MBC「私は一人で暮らす」では、パク・ナレさんとの“木浦姉弟”のケミストリー(相手との相性)も話題になりましたが、ファン層に変化はありましたか?
パク・ジンヒョン:若いファンが増えました。地名度も上がったと思います。もともと僕のファン層は幅広かったのですが、特に20~30代のファンが増えました。そのためセットリストを決める時は悩みました。若いファンにも共感してもらえる曲を入れるべきかどうか考えました。でも、僕はやはりトロット歌手ですから。「ミスター・トロット2」が始まった時、チャン・ユンジョン先輩が「トロットを愛する人材を選ぶ」とおっしゃっていて、その言葉に僕も心から共感しました。僕もまさにそうだと思っています。そのため、どんなステージであってもトロットに対する真心は決して忘れないようにしています。


パク・ジンヒョン:ハハ。やっぱり観客の皆さんには目でも耳でも楽しんでいただきたいと思うんです。とはいえ、僕はプロのダンサーではないので、そこまで完璧に踊れるわけではありません(笑)。
――「海の男」の振り付けは本当に雰囲気がありましたね。最初から予定されていたのですか?
パク・ジンヒョン:最初は少し悩みました。「海の男」は本当にトロットらしい曲なので、あまりに洗練された振り付けにすると雰囲気を壊してしまう可能性もありますよね。でも、振り付けチームがそのバランスをとても上手く調整してくれました。おかげで、歌の良さがさらに生かされたと思います。


パク・ジンヒョン:辛い時はいつも家族のことを考えます。もし今、一番大きな幸せは何かと聞かれたら、家族が僕を見て幸せそうにしている姿だと答えるでしょう。そのような瞬間が自分の誇りとなり、それがまた僕が耐え抜く原動力になっています。
――歌手という職業を持ちながら、人生において「これは絶対に逃したくない」と思うことはありますか?
パク・ジンヒョン:僕はこれからもずっとトロットを歌い続けます。そして、ファンの皆さんへの感謝の気持ちを決して忘れません。僕の歌を聴いてくださる方がいなければ、僕は歌うことができませんから。いつも謙虚な気持ちを持ち、初心を忘れずに成長していく歌手でありたいと思っています。

パク・ジンヒョン:僕が無口で面白くなくても笑ってくださることはちゃんと分かっています。まだまだ足りないところが多い歌手ですが、本当にファンの皆さんを笑顔にしたいと思っています。実は、ファンの方からの褒め言葉を素直に受け取るタイプではなくて、どちらかというと褒められることに対して警戒してしまうんです。それでも、いつか「自慢の歌手」になれる日を一日でも早く迎えたいと思います。こんなにも大きな愛をくださる皆さんに、本当に感謝しています。
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- パク・スンヒョン