私生活で議論を起こした出演者は損害賠償も…韓国で12年ぶりに「放送・映像出演標準契約書」が改正

韓国文化体育観光部(以下、文体部)は「大衆文化芸術家放送出演標準契約書」(以下、出演標準契約書)を2013年7月に制定してから12年ぶりに全面改正し、7月31日に改正告示すると明らかにした。
今回の改正は放送だけでなく、OTT(動画配信サービス)など、映像物の制作環境の変化に足並みを揃え、契約当事者の権利と義務を均衡をとって反映し、出演者の実演権保護と正当な代価の支給を明確にするために設けたものだ。文体部は音楽、ドラマ、非ドラマの分野で区分した契約3種類を告示し、これらが映像物の制作現場で広く活用できるように整備した。
今回の改正案では、「放送出演標準契約書」という名称を、「放送・映像出演標準契約書」に変更し、俳優、歌手などの職群中心だった契約体系を音楽、ドラマ、非ドラマなど、分野中心体系に改編。これを通じて、放送局だけでなく、動画配信サービス、オンラインプラットフォームなどで制作された映像物にも契約書を適用できるようにした。
また最近、様々な映像プラットフォームの拡散で実演権の包括譲渡および、それにより代価未支給の事例が発生していることにより、文体部は次のような実質的な保護措置を契約書に反映した。
文体部は今回の改正のために放送局、制作会社、所属事務所および芸術人を代表する協会、団体と10回以上協議を行い、公正取引委員会など、関係機関との検討を経て告示を確定。
文体部の政策担当者は「今回の改正は芸術人と放送・制作会社間の実質的紛争を減らし、相互尊重する契約文化を定着させることに意味がある」とし「今後、標準契約書の活用現況を持続的に点検し、契約秩序を改善することにおいて政策的に努力する」と明かした。
【「放送・映像出演標準契約書」の内容(一部抜粋)】
▼包括的実演権譲渡の防止
まず、放送・制作会社が映像物の配信媒体を出演者と事前に合意するようにし、契約または出演後、新しく登場した媒体での活用については別途合意を通じて実演権を使用するように規定。
最初に配信された映像物ではなく、編集された形で映像物を活用したり、未放映・未公開の映像のその後の使用などについては別途の代価支給義務を明示(共通第4条第3項、第4項)。
▼編集でカットされた部分に対する代価の保障
出演回数など、契約によって出演者が撮影などの用役を提供した場合、編集過程で映像がカットされたとしても、“用役提供による正当な代価”を支払う(ドラマ分野第5条第3項)。
▼放送・制作者の責任緩和、マネジメント社の管理責任強化
放送・制作会社の契約上の危険を減らし、公正な制作環境を造成するために、次の内容も含む。
▼出演者の社会的物議による損害発生の範囲拡大
従来の薬物、賭博など、法令違反やこれに準ずる事案の他にも、出演者の校内暴力や私生活議論などにより、映像物の制作または公開に支障が発生した場合まで含めて、放送・制作会社が被った損害に対して、出演者が賠償する根拠条項を包括的に設ける(ドラマ分野第3条第6項、非ドラマ分野第3条第5項)。
▼マネジメント会社の契約上の責任強化
出演者と専属契約を締結したマネジメント会社が代理で出演契約を締結する場合、マネジメント会社の管理責任を明確に規定し、専属契約終了など、契約関係に変動がある場合は、事業者に通知するように義務化(ドラマ分野第3条第8項、非ドラマ分野第3条第7項)。
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- 記者 :
- イ・ミンジ