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国民的俳優イ・スンジェさん、演技だけでなく政治家活動も…最後まで“現役”を貫いた伝説の生涯

マイデイリー
写真=マイデイリー
韓国俳優史の生き証人であるイ・スンジェさんは、ジャンルを問わない“天性の俳優”だった。

演劇から正統派時代劇、シットコム(シチュエーションコメディー:一話完結で連続放映されるコメディードラマ)、映画、バラエティまで幅広く活躍した彼は、息を引き取る寸前まで舞台を離れず、後輩俳優たちに深い感動を残した。

1934年、咸鏡北道(ハムギョンブクド)会寧(フェニョン)で生まれ、4歳からソウルで育った彼は、ソウル大学の哲学科在学中の1956年、シン・ヨンギュン、イ・ナクフン、ファン・ウンジンらとともに演劇部を再建し、本格的に演技の道へ進んだ。同年に演劇「地平線の彼方」でデビューし、翌年には韓国初のTVドラマ「青い地平線」に出演して顔を知られるようになった。

その後、TBCの専属俳優として活動し、100本以上のドラマに出演。1980年代まで多様な作品で助演中心の演技を披露した。57歳だった1991年、MBCドラマ「愛とは何だろう」で印刷所社長イ・ビョンホ役を務め、“デバリの父”として大きな印象を残し、人生の転機を迎えた。この作品の人気を受けて、1992年に「第14回国会議員選挙」にも出馬・当選し、政治家としても活動した。

政治活動中も演技を止めることはなかった。ドラマ「野望」「別れ」「銭湯の人々」などに出演し続け、1996年に政界を引退した後は再び俳優としての歩みに集中した。1999年MBC「ホ・ジュン」をきっかけにイメージを一新し、「商道」「張禧嬪」「不滅の李舜臣」「イ・サン」などの時代劇や「マイ・スウィート・ファミリー~フンブの家運が開けたね~」まで幅広くこなし、名実ともに韓国ドラマの中心的存在となった。

写真=「2024 KBS演技大賞」
写真=MBC「ラジオスター」
2006年にはMBCシットコム「思いっきりハイキック!」で再び人生の転機を迎えた。これまでの厳格なイメージを脱ぎ、気難しいがどこか抜けている漢方医院院長役で“エロ動画スンジェ”というニックネームとともに若い世代から新たな支持を受けた。この作品で「MBC放送芸能大賞」の大賞を受賞し、続編「屋根突き抜けてハイキック!」でも愉快な演技で幅広い人気と世代を超えた“交流のアイコン”となった。

その後も「ベートーベン・ウィルス」「あなたを愛してます」などで温かな老年の姿を描き、観客に深い感動を与えた。

2013年にはtvNバラエティ「花よりおじいさん」にシン・グ、パク・グンヒョン、ペク・イルソプらと出演し、活動範囲をバラエティまで広げ、“国民の祖父”という別称を得て、新たな絶頂期を迎えた。

それでも、イ・スンジェさんの真の舞台はやはり演劇だった。高齢にもかかわらず舞台に立つ負担を顧みず、特に87歳だった2021年の演劇「リア王」では素足で200分間舞台に立ち、膨大なセリフを完璧にこなして観客を驚かせた。

昨年は演劇「ゴドーを待ちながらを待ちながら」の舞台にも立ったが、健康悪化のため一部公演を中止し、人々から心配の声が上がった。当時は「元気な姿でまた舞台に立って応えたい」と意志を見せたが、医師の判断で作品を降板することとなった。

写真=IMTV
イ・スンジェさんの演技への情熱は最後まで途切れなかった。彼は2024年KBSドラマ「犬の声」で犬の声が聞こえるという設定の本人役を演じ、再び深い印象を残して、同年「KBS演技大賞」で大賞を受賞。歴代最高齢受賞者として記録された。当時、イ・スンジェさんは「いつかチャンスが来ると準備していたが、このような貴重な賞をいただき感謝している」と感想を述べた。2025年には「韓国PD大賞」の俳優部門にも名を連ねたが、健康問題で授賞式には出席できなかった。

70歳でシットコム、90歳で演劇など、舞台に立ち続けた俳優イ・スンジェさん。彼の俳優人生は最後まで歩みを止めず、韓国の大衆文化史の一翼として長く記憶されるだろう。

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元記事配信日時 : 
記者 : 
キム・ハヨン

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