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アニメ映画「クスノキの番人」伊藤智彦監督が韓国ファンにメッセージ“ぜひ多くの方々に観てほしい”

OSEN
東野圭吾の小説として初めてアニメ化された映画「クスノキの番人」の伊藤智彦監督が、韓国ファンへメッセージを伝えた。

映画「クスノキの番人」は、先月より韓国でも公開。伊藤智彦監督が、韓国メディアの質問に回答した。

「クスノキの番人」は、「その木に祈れば願いが叶う」と伝えられるミステリアスなクスノキと、その番人となった青年の物語を描いた。伊藤智彦監督はこれまで、「時をかける少女」の細田守監督や、「進撃の巨人」の荒木哲郎監督らと仕事を共にしながら影響を受けてきた人物だ。また、「ソードアート・オンライン」「僕だけがいない街」「HELLO WORLD」などで演出を手がけ、多様なジャンルのアニメーション制作で培った経験を、「クスノキの番人」にも存分に生かしている。

作品を演出したきっかけについて、伊藤智彦監督はまず、「企画が始まった時期はコロナ禍の真っただ中でした」と語った。また、日本で有名なコメディアンが亡くなった際、親族でさえも最期を見届けることができなかったというニュースが報じられたことに触れ、「もし劇中に登場するクスノキのような木が実際にあったなら、その人が最後に残した言葉を聞くことができたのではないかと思いました。この物語は現代的でありながら普遍的な話だと感じ、制作を決意しました」と明かした。

また「この作品には超人的な存在は登場しません。そのため、クスノキが願いを叶えてくれることを願って訪れる人々は、とても現実的な願いを抱いています。彼らは私たちの代弁者だと思います」とし「そこには様々なパターンがあり、原作の読者や、観客の皆さんにも共感していただける部分があると思います」と作品の魅力を強調した。

そんな伊藤智彦監督が小説をアニメ化する際に最も重要視したポイントは何だったのだろうか。これについて彼は、「主人公の玲斗と叔母の千舟にストーリーを凝縮させることを意識しました。それ以外に削れる部分は削ったり、役割を統合したりしました。原作ではクスノキの謎について語るのは別の人物でしたが、映画では主人公の玲斗が語る形に変更し、メインキャラクターがより活躍できるシーンを増やしました」と明かした。

原作者の東野圭吾の協力もあったのだろうか。伊藤監督は「かなり信頼して任せていただいたので、特に具体的な要望はありませんでした。神社がある場所の大まかなイメージについて意見をうかがいましたが、僕たちの考えと完全に一致したわけではなかったため、制作側で様々な調査を行いました」と話した。

また、「クスノキそのものの描写と願望のシーンが最も難しかったです」とし、「難しいと同時に、アニメーションとして最も力を注がなければならない部分だと考えました」とも述べた。さらに「神社については、東野圭吾先生がイメージされていた東京あきる野市をもれなく巡り、印象的な景観の要素を組み合わせて制作しました。クスノキは美術監督の滝口比呂志さんが訪れた熱海の願いを叶えるクスノキを参考にしています」と明かした。

高橋文哉、天海祐希、齋藤飛鳥、宮世琉弥、大沢たかおらとともに作品づくりに取り組んだ伊藤監督は、「俳優の皆さんが作品に対して非常に強い熱意を持ってアフレコに臨んでくださいました。高橋文哉さんは、ゲスト出演を除けばアニメ作品での本格的なアフレコは今回が初めてだったため、最初は周囲の若い声優の皆さんと一緒に練習しながら、天海祐希さんや齋藤飛鳥さんと共演する感覚で、役柄やアフレコそのものに慣れていただきました」と振り返った。

さらに、「実写映画を本業としている方々が声だけで演じることになるため、できるだけ普段会話する感覚に近い形でできないかと考えました。そこで、ブースの中で実際に口論をしていただいたり、走っていただいたり、ブース内にギャラリーを入れて、その前で話していただいたり、マイクを2人が向き合う形で設置してやっていただくなど、様々なことを試みました」と強調した。

また、「美術的には、都心とクスノキの周辺に広がる郊外とで、描写の方式に違いを出せたらと考えました。都市の描写は少し冷たい雰囲気にし、一方で郊外やクスノキの周辺については神聖さがより感じられ、自然も多く、温かい印象が強くなるようにしたいと思いました。芸術的な要素を取り入れたシーンを描くことが目標でしたが、美術監督の滝口比呂志さんから提供されたアートボードは、一般的なアニメーション以上に手間をかけた手法が用いられていたため、通常のシーンでもそうした印象が感じられる仕上がりになったと思います」と説明した。

さらに、「(キャラクターデザインを担当した)山口つばささんには、漫画のように“小さな叔父さん”が存在していても不自然に見えない世界観としてまとめてほしいとお願いしました。基本的にはリアルタッチの描写をベースにしつつ、キャラクターのシルエットパターンをできるだけ多く作りたかったため、そのようにお願いしました」と振り返った。

続けて、「板垣彰子さんには、デザインをアニメーションとして描きやすい形にまとめてほしいと伝え、できるだけユーモラスな表情も取り入れてほしいとお願いしました。親しみやすい印象を目指したかったからです。また、多少崩れた表情も許容できるような世界観を作りたいと思っていました」と、美術制作にまつわるエピソードを明かした。

音楽監督の菅野祐悟氏との作業にも言及した。コンテに入る前の段階で、後半の重要な場面で使用するピアノ曲の作曲を依頼したという。伊藤監督は「観客の心を動かすような曲にしてほしいとお伝えしました。劇中でその曲を作った人物はプロのピアニストという設定ではなかったため、その人物に合った曲にしていただきたいと思いました。それでも印象に残るメロディのある曲にしてほしいともお願いしました」と回想した。

映画には、可愛らしいコノハズクのキャラクターがシーンスティーラーとして登場する点も注目される。これについて伊藤監督は、「玲斗が神社の社務所で暮らすようになると、どうしても独り言が多くなってしまうため、それを避ける意味でも話しかけられるマスコットのようなキャラクターがいた方がいいのではないかという意見があり、採用しました」と説明。また、「中途半端にリアルにしてしまうと面白くないと思ったので、漫画のように可愛らしいデザインがいいと考え、『けいおん!』などを手がけた堀口悠紀子さんにデザインをお願いしました。堀口さんが引き受けてくださると聞いた時点で、もう勝負は決まったと思いました。コノハズクの名前は最近、シロミに決めました。堀口さんの別名義である“白身魚”にちなんでいます。どなたかぬいぐるみを作ってくださったら嬉しいですね」と冗談交じりに話した。

また、世代をつなぐことの意味を考えさせる「クスノキの番人」のメッセージについては、「自分が何かを受け継ぐというのは少しおこがましい気もしますが、せっかくの機会なので、自分が知っている知識や技術といったものを後の世代に伝えていきたいと思っています」と伝えた。

最後に韓国のファンに向けては、「東野圭吾先生は韓国でもとても人気が高いと思っていますので、東野先生のファンの皆さんにはぜひ劇場に足を運んでいただきたいです。ファンでない方にも、ぜひ劇場に来ていただけたら嬉しいです。ご家族でも一緒に楽しめる作品だと思いますので、ぜひ皆さんで観ていただけたらと思います」と呼びかけた。
元記事配信日時 : 
記者 : 
ヨン・フィソン

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