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「ファッションキング」東大門での出来事 ― 見る?見ない?
主な出演者ユ・アイン(カン・ヨンゴル役)、イ・ジェフン(チョン・ジェヒョク役)、シン・セギョン(イ・ガヨン役)、少女時代のユリ(チェ・アンナ役)、チャン・ミヒ(チョ・マダム役)ストーリー親に捨てられ、叔母にあらゆる虐待をされて育ったヨンゴルは、軍除隊後、唯一の夢であるアメリカ移住のために、東大門(トンデムン)市場で洋服の商売を始める。そして、有名デザイナーチョ・マダムの家に居候していたが、放火犯だと疑われて締め出され、仕事を探していたガヨンをミシン担当として雇う。しかし、ファッションデザイナーを夢見るガヨンがパーソンズ・スクール・オブ・デザインに奨学生として合格したことを知ったヨンゴルは、飛行機代を用意してガヨンを送り出す。ヨンゴルの同級生で屈指のファッション会社の後継者であるジェヒョクと、前途有望なデザイナーアンナを加えた4人の男女は、紆余曲折の末、ニューヨークで運命的に巡り会う。プレビューベテラン脚本家とエネルギッシュな若き俳優たち、もしくは古い設定とリスクのあるキャスティング。19日夜、第一話が放送されるSBS「ファッションキング」は、基本的に諸刃の剣を持つ作品だ。貧困とうんざりする過去から抜け出すために成功を夢見るヨンゴル。才能も夢もあるが、現実に縛られるガヨン。裕福に育ったが、すべてが思い通りにいかないことに気付くジェヒョク。完璧に見せるため、傷だらけになるまで走るアンナ。そんな4人の男女が中心となる構図は何となく見覚えがある。だが、SBS「バリでの出来事」で、現代社会を支配する欲望とシンデレラストーリーが合わさった時の悲劇を、ヒヤッとするほど生き生きと描いた脚本家のイ・ソンミ、キム・ギホの作品という面で、「ファッションキング」をありきたりな恋愛やサクセスストーリーだと判断するのはまだ早い。そのため、「ファッションを題材にしたトレンディドラマに見えがちだが、それは物語の中の恋愛を発展させるための装置かも知れない。綺麗でキラキラするより、深くて強烈な恋愛ドラマになるのではないだろうか」というユ・アインの言葉は、もしかすると一種の警告サインかも知れない。見る?見ない?見る?KBS「トキメキ☆成均館スキャンダル」と映画「ワンドゥギ」などで、迷いながらも元気な若者として位置づけられたユ・アインと、昨年映画「Bleak Night(原題:番人)」で、忠武路(チュムロ:映画の街として知られる地域)で最も注目される新人俳優の一人となったイ・ジェフンの火花散る出会いは、「バリでの出来事」のチョ・インソンとソ・ジソブの出会いのように興味をそそる。MBC「明日に向かってハイキック」以降、出演した作品や配役において多少残念だったシン・セギョンも、本格的な恋愛の三角関係の主人公として、ドラマを進める重要な役割になると期待を集めている。見ない?親を亡くし、苦労して育った男女の成功への情熱、彼らとの縁で慣れないジレンマに陥って思い悩む冷静な性格の企業の後継者など、「ファッションキング」の基本的な設定は「バリでの出来事」や90年代のトレンディドラマのパターンから完全に離れてはいない。また、H&Mやユニクロといった海外ブランドが若い消費者層に人気である2012年に、東大門市場というかつて繁盛していた空間が、今も躍動的な話を作り出すのに十分な場所であることを立証するのは「ファッションキング」が抱えるもう一つの課題だ。
「最高の愛」キム・ジュウォンよりトッコ・ジン? ― 見る?見ない?
主な出演者チャ・スンウォン(トッコ・ジン役)、コン・ヒョジン(ク・エジョン役)、ユン・ゲサン(ユン・ピルジュ役)、ユ・インナ(カン・セリ役)、チョン・ジュナ(ク・エファン役)、チェ・ファジョン(ムン代表役)、イム・ジギュ(キム・ジェソク役)ストーリートップスターであり好感度1位のトッコ・ジン。しかし実は彼は、完璧な自己主義者である。そして一時期人気があったグループ国宝少女のメンバーだったが、現在は、何をしても非好感で国民ミプサン(小憎らしい人)と呼ばれるク・エジョン。放送局でこの二人の関係が絡まって、結局、恋に落ちる。だが、人々は言う。「死んでもこの恋愛は認めません!」しかし、結局この二人は人々を失望させるのか いや、この二人に対する揶揄の声を歓声に変えて、幻のカップルになれるだろうか。プレビューキャラクターのパーティーである。自己中心的なトップスター、トッコ・ジンが最も目立つ。「クリアにアウトしろ!」と言うセリフから分かるように、特徴ある彼の話し方がドラマで多くの笑いを誘う。いわばチェ・ミンスを真似しているチャ・スンウォンを真似するトッコ・ジンのような感じ。人為的でもあるトッコ・ジンのキャラクターがチャ・スンウォンの自然な演技と合体して、キャラクターがリアルな存在となった。特に主人公のク・エジョンとの息がピッタリだ。二人が言い争うシーンや、車の接触事故で病院に入院したトッコ・ジンがク・エジョンと仲直りの記念写真を撮るシーンは、終わらないピンポンゲームのような二人のやり取りが興味深い。また、ク・エジョンはドラマの中の芸能界では小憎らしい存在だが、視聴者には友達のように感じられるほど好感度が高いキャラクターになれそうだ。トッコ・ジンに平気で「最低なやつ」と叫ぶほど、大胆ではあるが、同時にハツラツとしたキャラクターなのである。このドラマはラブコメディの名を借りたキャラクターコメディである。見る?見ない?見る?チャ・スンウォン、コン・ヒョジン、ユン・ゲサン、ユ・インナなど安定した演技力が目立つ俳優たちが、ホン・ジョンウン、ホン・ミラン(以下ホン姉妹)の脚本に出会った。俳優たちが、自身が出たドラマの中で最も視聴率が高いと口を揃えて言うだけに、一様に愉快な台本であることが長所だ。完璧にトップスターのキャラクターであるトッコ・ジンになりきったチャ・スンウォン、そしてどんな役を演じてもキャラクターそのものになるコン・ヒョジンがホン姉妹に出会い、愉快なコメディを繰り広げる。疲れた日常生活に楽しさという活力の元が必要なら、見る価値がある。恐らくトッコ・ジンはSBSドラマ「シークレット・ガーデン」のキム・ジュウォン以後の、特色ある男性キャラクターとして視聴者たちに認識されるだろう。また国宝少女というガールズグループで活動したク・エジョンの姿を通じて、踊るコン・ヒョジンが見られるという楽しみまである。一体なぜ、リュ・スンボムがコン・ヒョジンの踊りを見て恥ずかしいと顔を背けたのか、確認するチャンスがあるはずだ。見ない?ホン姉妹のアニメチックな想像力が若干幼稚だと思ったら、ホン姉妹の前作、SBSドラマ「僕の彼女は九尾狐」、SBSドラマ「美男ですね」からも分かるように、漫画のような場面が間違いなく登場する。ク・エジョンが人目を避けてトッコ・ジンが入院している病室に行く場面では、宙返りのような派手なワイヤーアクションが入るなど、ホン姉妹の特徴がそのまま含まれている。ホン姉妹が作ったドラマに反感を持っている視聴者は、より深みがあるドラマを探すかもしれない。特に同時間帯で放送されるKBSドラマ「ロマンスタウン」がコミック要素が加味された正劇(シリアスで深みのある内容を扱ったドラマ)であることを考えた時、好き嫌いが明確に分かれると予想される。特に「ロマンスタウン」はMBCドラマ「パスタ~恋が出来るまで~」の脚本家 ソ・ヒャンスクが手がけているので、この2組の作家の脚本の完成度が作品の勝敗を決めるだろう。「最高の愛」は、ドラマ前半の愉快な雰囲気に恋愛要素を加え、トッコ・ジンの隠された秘密まで加味して、多様な展開を用意している。■「最高の愛」DVD-SET 1 15,960円(税込) 4月6日発売第1話~第8話収録/4枚組 本編520分+特典映像約60分予定初回限定:アウターケース仕様 封入特典初回限定:ブックレット(8P)■「最高の愛」DVD-SET 2 15,960円(税込) 5月9日発売第9話~第16話収録/4枚組 本編520分+特典映像約60分予定初回限定:アウターケース仕様 封入特典初回限定:ブックレット(8P)■関連サイト・「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」DVD公式サイト・「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」特集ページ
「ラブレイン」春夏秋冬、そして春に来たラブレイン ― 見る?見ない?
主な出演者チャン・グンソク(ソ・インハ、ソ・ジュン役)、少女時代ユナ(キム・ユニ、チョン・ハナ役)、キム・シフ(イ・ドンウク、イ・ソンホ役)、イ・ミスク(キム・ユニ役)、チョン・ジニョン(ソ・インハ役)ストーリーインハ(チャン・グンソク)は自分でも知らず知らずのうちに、ユニ(ユナ)の姿が気になり心に留めるようになる。告白を考えたインハだったが、友達のドンウク(キム・シフ)もユニのことが好きだということが分かり、インハとユニはお互いへの気持ちだけを確かめたまま別れてしまう。それから32年後、母親のユニ(イ・ミスク)の初恋の相手に会うために日本に来たハナ(ユナ)は、インハ(チョン・ジニョン)の息子ジュン(チャン・グンソク)と偶然出会い、そしてインハ(チョン・ジニョン)とユニ(イ・ミスク)も再会する。プレビューKBS「ラブレイン」で制作発表会場に立ったユン・ソクホ監督が最初に述べた挨拶の言葉は「ユン・ソクホが遊んでいた訳ではないということを証明して見せたかった」だった。6年間、正統派の恋愛、ラブコメディなど様々なジャンルを構想していたユン・ソクホ監督にとって「ラブレイン」は、そういったものを一つに盛り込む過程であり、ユン・ソクホ監督は「秋の童話」や「冬のソナタ」で一緒に製作したオ・スヨン作家の力を借りて、たくさんの話を一つに盛り込むことができるストーリーを作り上げたと説明した。こうやって出来上がった「ラブレイン」には、過去の青春を思い出す一つの世代と、彼らの子供たちが登場する。70年代のユニとインハを照らしていた画面は、2012年のハナとジュンに向かい、引き続き現在のユニとインハを新しく見せてくれる。少し複雑に見えるかもしれない構図についてユン・ソクホ監督は「新しい形式に挑む程度」だと語る一方「物語を深く心に感じてもらえれば、複雑ではないはず」と説明した。「ラブレイン」は変わらない愛の本質を通じて、誰でも共感できる話を見せてくれることができるのだろうか。見る?見ない?見る?「ラブレイン」はユン・ソクホ監督とオ・スヨン作家が共同作業した作品で、チャン・グンソクとユナが出演するということもあり、既に日本に事前販売された。こういったことから、海外輸出を目当てに企画されたドラマではないかという懸念もあったが、チャン・グンソクとユナの出演はきっと「ラブレイン」を期待させる理由だ。ここに、初恋の恋愛というポイントのために純情な人物ソ・インハを登場させたことを始め、正統派の恋愛ドラマに挑むチャン・グンソクとチョン・ジニョンの新しい姿も期待される。見ない?初恋が黒魔術の力を借りて説明される時代は終わった。「ラブレイン」が70年代の愛と2012年の愛を盛り込んでいるとはいえ、依然としてそのテーマは初恋の輝きと痛みだ。四季シリーズに続き、天気シリーズを始めるのではないかという質問に苦笑いが出るほど「ラブレイン」はユン・ソクホ監督の前作と同じ色彩を帯びている。たった3秒で始まった恋によって人生が変わったインハのように「ラブレイン」は一目惚れした運命の力で進むドラマだ。果たして、視聴者たちは「ラブレイン」とたった3秒で恋に落ちることができるのだろうか。
「神々の晩餐」 韓食レストランで繰り広げる運命の対決 ― 見る?見ない?
主な出演者ソン・ユリ(コ・ジュニョン役)、イ・サンウ(キム・トユン役)、ソ・ヒョンジン(ハ・インジュ、ソン・ヨヌ役)、ジュ・サンウク(チェ・ジェハ役)、ジョン・インファ(ソン・トヒ役)、キム・ボヨン(ペク・ソルヒ役)ストーリー韓国の伝統的なレストラン「アリラン」の名人の座をかけて料理対決を繰り広げるトヒとソルヒ。しかし、トヒの極端な選択により、彼女は娘のインジュと記憶を失い、ダンサーの娘であるヨンウがトヒの娘として生きることになる。ヨンウは料理の才能に乏しくも血のにじむような努力でトヒに認められようとする。一方、天賦の味覚を持つジュンヨンは、ヨンウと競争しながら自分の失われた運命を取り戻しつつ、ヨンウの婚約者・ジェハを愛するようになる。母親に対する愛憎に満ちた料理人のトユンは、そんなジュンヨンに惹かれる。プレビュー運命と天賦の才能。もしかすると人間は決められた道に安住せず、努力により歴史を作って来たのかも知れない。それだけに運命を変えようとする努力は劇的で熾烈、かつ美しい。運命は、ジュンヨンに天賦の才能である絶対の味覚を与え、同時に彼女を「ただ生きるため、自分の存在を実感するため」に料理をさせ、ヨンウを天才に打ち勝つために奮闘する執念深い人間にさせた。だが制作発表会では、「絶対の善も、絶対の悪も存在しないというのを表現したかった」とシナリオライターのジョ・ウンジョン氏の話にあるように、才能や運命だけで人間の生き方を決めたり評価したりすることは出来ない。終わりのない競争の中で、そしてトユンやジェハを巡る恋のバトルの中で、彼らは厳しいレースを続けながらも、素晴らしい料理を作り出す料理人の人生を見せてくれる。見る、見ない?見る?「神々の晩餐」のキャラクターは決して新しいものではない。しかし、彼らを演じる俳優への期待は大きい。特にソン・ユリは、前作のKBS「ロマンスタウン」で、ソ・ヒョンジンはMBC「相棒」と「絶頂」で視聴者に強い印象を残しており、イ・サンウはSBS「千日の約束」、ジュ・サンウクはOCN「TEN」はもちろんのこと、バラエティ番組への出演で人々に親しまれている。特に、自分のこと以外は何事にも不器用なジェハ役のジュ・サンウクは、「皆さんは僕がまた室長として出演すると思うでしょうが、今度はチーフと呼ばれます」と話し、「新しい姿をお見せする自信があります」と語る。母親に対して愛憎を持つトユン役のイ・サンウは、すでに切ない感傷的な演技への実力が検証されているだけに、視聴者の期待が集まっている。見ない?天賦の才能を持ちながらも本人はそれと気付かない人と、才能はないけれど誠実さが武器の人による対決は、いわばおなじみの設定である。これに、前者は辛い過去を持ちながらも常に明るく、後者は執念深いほど天才を嫉妬するキャラクターとくれば、おなじみを超えて陳腐といえる。こうした「神々の晩餐」のキャラクターが視聴者の予測できる方向へ展開するとしたら、よい反応を期待するのは難しい。これに対しプロデューサーのイ・ドンユン氏は制作発表会で、「もちろんモーツァルトとサリエリが基本の構図ではある。しかし料理人とは、才能だけでなく変わりゆく人々の味覚も絶えず研究しなくてはならない職業である。このドラマは単純に才能と言うものより、それを発揮する努力に焦点を置くつもりである」と話している。はたして「神々の晩餐」は、視聴者の心を掴むことの出来るドラマに成り得るのだろうか。
「私も花!」 抜け目ない“ヒーリングコメディ”の可能性 ― 見る?見ない?
主な出演者イ・ジア(チャ・ボンソン役)、ユン・シユン(ソ・ジェヒ役)、ハン・ゴウン(パク・ファヨン役)、ソ・ヒョリム(キム・ダル役)、チョ・ミンギ(パク・テファ役)、イ・ギグァン(BEAST、チョ・マル役)ストーリー両親が家を出て一人で育ったボンソンは婦人警官になる。しかし、わざとらしく偽善に満ちたものは、それが人間関係であれ、不正な状況であれ、すべて我慢できずに爆発してしまう性格の持ち主だ。そのため彼女は友達もおらず、同僚の警官たちにも嫌われる。不正なことには我慢出来ない彼女だが、実は心にうつ病を患っている。ある日偶然出会った貧しい駐車係のジェヒ(ユン・シユン)と恋に落ちるが、彼が数百億ウォン規模の大資産家だと知って、振ってしまう。プレビュー「私も花!」は苦労して育った女性主人公と、富と名声を手に入れた後、大らかな女性に惹かれる男性主人公の恋愛という、小学校の教科書に載りそうなほど、時代遅れな体裁を整えているが、ここに健やかな関係作りを織り交ぜた。不正を我慢できず、偽善的な世の中で声をあげるボンソンと、必要な人が愛という信念のもと、見栄がぎっしりつまった世界で堂々と最高のテンジャンニョ(金持ちぶって生活している女)になろうとするダル(ソ・ヒョリム)は、規格化された社会で後ろ指をさされるような人物だ。しかし、社会が作り上げた構成員であり、同時に、誰もが内面に持っていそうな一面がクローズアップされた人物でもある。そうやってとんでもなく無作法な人物たちは、様々な女性に愛されながらも自由な男ジェヒと、抜け目のないCEOファヨン(ハン・ゴウン)、資産家だが人を見下すことはしないテファ(チョ・ミンギ)と絡んで、健やかで楽しい人生を探していく。「私も花!」で一番重要なことは、大げさに見えても抜け目ない、どこか足りない人々が、他人と出会って新しい自分を見つけ、お互いに手を差し出す過程そのものだ。「私も花!」は、はたして普通のラブコメディから抜け出して、見る人に希望を与えられるヒーリングコメディになることができるだろうか。見る?見ない?見る?「私も花!」はドラマの内容やキャラクターより、出演するイ・ジアとユン・シユンで注目された作品でもある。「実際それほど長期間休んでいたわけではないのに、すごく長い時間が経ったように感じる」というイ・ジアの言葉通り、「私も花!」は心ならずも一人の女優生命が問われる場となった。さらに、当初キャスティングされた俳優が負傷してユン・シユンが抜擢されたため、それがどういった結果をもたらすのか、さらに注目が集まっている。しかし、イ・ジアは「ボンソンはあまりにも素直で純粋なので、生きていくには苦労が多い人物だ。そんな弱くて優しいボンソンが気の毒になる」とキャラクターへの愛を語った。ユン・シユンも「後から入ったため、さらにうまくやらなければという責任感もあるが、このようにステキなキャラクターを一度演じてみたかった」とときめきを隠さなかった。俳優としてではなく、作品の中のキャラクターに注目してほしいという意味だ。イ・ジアとユン・シユンが演じる、気性が短い婦人警官チャ・ボンソンと、自信満々なソ・ジェヒのコンビを見守るのも、ドラマを見る楽しみになりそうだ。見ない?抜け目ないドラマにするには、視聴者を満足させるくらいしっかりと抜け目なく作らなければならない。偽善と虚栄の時代に偽悪でケンカを売る強い女性というコンセプトは、それだけで目立つかも知れないが、乱暴な行動を理解してもらうには、人物の心理や内面の表現をきちんと裏付ける必要がある。幼いころ多くの痛みを経験したが、自分の力で生計を立ててきたジェヒもまた、リアルな人物になってこそ視聴者の目を引くことができるのだ。不正行為に我慢できない女性主人公や3人の女性に愛されるクールな男性主人公は、すでにとても多くのラブコメディで複製されてきたし、キャラクターの個性にそれ以上のものを見せられなかった作品は、自然に忘れられてきた。不意打ちを食わされるほど奇抜でハッ!とするほど抜け目なくても、視聴者たちが予想できない部分を作ることができなければ、「私も花!」は数多くのラブコメディのひとつになるほかない。
「サンショウウオ導師と恋まじない」コメディと推理の奇妙な共存 ― 見る?見ない?
主な出演者オ・ダルス(ソンダル役)、イム・ウォニ(ウォンサム役)、チェ・ミンホ(ミンヒョク役)、リュ・ヒョンギョン(キョンジャ役)、イ・ビョンジュン(ボムギュ役) ストーリー刑務所で出会ったソンダルとウォンサム。彼らは出所後「麻浦(マポ)2人組」として泥棒業を始める。ある日、彼らは金持ちだと言われている山椒魚導師の所に忍び込むのだが、泥棒に驚いた導師は食べていた餅を喉に詰まらせ倒れてしまう。その時、運悪く山椒魚導師を訪ねて来た客(キム・ギュソン)のせいで彼らは慌てて死体を隠し導師になりすます。一方、父親の敵であるXの行方を捜すため山椒魚導師を尋ねて来たミンヒョクは、ソンダルとウォンサムが偽者だと感じながらも本物の導師に会うため、しばらくの間彼らを助けることにする。プレビュー5年ぶりに復活したSBSシットコム(一話完結で連続放映されるコメディドラマ)「サンショウウオ導師と恋まじない」は、占い師の導師という独特の題材に推理を掛け合わせた作品だ。成り行きとはいえ山椒魚導師を隠し本物の振りをするソンダルとウォンサム、違法博打場を営んでいた父の死の真相を探ろうとXを追う天才ハッカーのミンヒョク、マポ2人組を追跡する犯罪科の刑事、キョンジャなど、この作品の中心には秘密を持つ者とそれを暴こうとする者の緊張感がある。第10話までを見ると、レースクイーンを狙った保険金殺人犯、有名大企業会長の不倫などのエピソードを軸に、主要人物たちに関する謎解きの要素がストーリーの大枠を牽引している。「面白いだけではなく、推理によって次の展開を期待させる」というリュ・ヒョンギョンの言葉や、「本物に成りすました泥棒が中心となる設定がユニークだったので出演を決心した」というオ・ダルスの話のように、面白さと推理が融合したユニークな設定が「サンショウウオ導師と恋まじない」を見る最大のポイントである。見る、見ない?見る?これまで抜群のコメディ演技を見せてくれたオ・ダルスや、イム・ウォニの出演はシットコム「サンショウウオ導師と恋まじない」に期待が集まる一番大きな理由である。イム・ウォニは「ドラマとシットコムの違いがよく分からないのだが、ただ面白そうなので出演を決心した」と淡白に語り、オ・ダルスは「面白くなければすぐチャンネルを変えてしまう視聴者を、僕が繋ぎ止められると思いますか?」と逆に聞いてくるほど。だが、この2人の出演は他の俳優がこのシットコムに出演することを決心させる大きな理由となった。「先輩だけを頼りに出演を決心した」と言うリュ・ヒョンギョンやSHINeeのミンホは、既にこの2人の俳優の魅力にはまっている。ミンホは撮影現場で「膝の骨が痛い」というイム・ウォニの台詞に大笑いしたと話している。また、ミンホの役である真面目だが突飛なところが魅力のミンヒョクと、本物のコメディ演技を見せたいと豪語するリュ・ヒョンギョン扮するキョンジャの調和も期待されている。見ない?「サンショウウオ導師と恋まじない」の一番の特徴は推理である。推理がストーリーの没頭を妨げずに次の話へ期待を持たせるためには、設定やプロセス、俳優の演技といったすべての要素が緻密に繋がっていなければならない。毎話ごとに変わるエピソードや主要人物によるメインストーリーの中で、キャラクター、面白さ、推理による緊張感がうまく表現されてこそ「サンショウウオ導師と恋まじない」の斬新さが生きてくるだろう。リュ・ヒョンギョンはこうしたプレッシャーに対し「全体的な撮影時間に余裕があるとは言い難い。だが、週に一話の放送なのでいつもより集中することができる」と完成度に対する自信をのぞかせた。斬新な素材を持ち出した「サンショウウオ導師と恋まじない」は、イム・ウォニの言葉のように「過度なコメディではなく自然に見せるからこそ楽しい」シットコムになれるのだろうか。
「ドリームハイ2」まだ僕らの夢は叶っていない ― 見る?見ない?
主な出演者カン・ソラ(シン・へソン役)、ジヌン(チン・ユジン役)、パク・チヨン(リアン役)、JB(JB役)、ヒョリン(ナナ役)、パク・ジニョン(ヤン・チンマン役)ストーリー殺人的なケジュールをこなしている未成年芸能人に対する議論が白熱する中、それはキリン芸術高校にも影響を及ぼし始めた。財政破綻の危機に瀕しているキリン芸術高校を買収したOZ(オズ)エンターテインメントは学校に在学しない未成年芸能人と週30時間以上の労働を禁じる未成年者特別保護法の網をかいくぐるため、人気絶頂のアイドルグループであるハッシュとイドゥンのメンバーたちをキリン芸術高校に転校させる。キリン芸術高校で問題児と呼ばれているヘソンとユジン、そして彼らの前に突然現れた強力なライバルのリアンとJB。この4人とその仲間たちの生き残りをかけた戦いが今始まる。プレビュー昨年放送された「ドリームハイ」が自分の才能を探しながら夢に向かって挑戦するストーリーだったのに対して、今回の「ドリームハイ2」(脚本:ホ・ソンヘ、演出:イ・ウンボク、モ・ワンイル)では既にスターダムに上がったアイドルたちが、自分のアイデンティティを探していくストーリーを中心に物語が展開していく。今回ドラマを手がけたJYPエンターテインメントのチョン・ウク代表によると、このドラマは自己表現と外部から見られる自分の姿を強く意識する若き芸術家たちの成長物語であり、前作とは違うストーリーを作りたかったという。カンヌ国際映画祭の女王を夢見るリアンは、売れっ子ガールズグループのメンバーだが、演技は始めたばかりなので、演技力不足との批判を受けている。子役として子供時代から人気を博したが、その時に受けた心の傷がトラウマとなって、有名人になることにためらいを感じる天才ミュージシャンのユジン。その他にも、現役アイドルグループのハッシュとイドゥンがキリン芸術高校の生徒たちと対立する設定も、前編とは違うところだ。「前作とは違うメッセージをどのように伝えればいいのか分からず、長い間悩みました。なので確実な計画と正確な目標をきっちり立てて、取り組みました」というパク・ジニョンの言葉のように、「ドリーム・ハイ2」では前作とは違う新鮮さをはっきり見せることができるだろうか。見る?ドラマの大きな軸となる未成年者特別保護法や、T-ARAのジヨン、SISTARのヒョリンは、新人歌手のAileeが売れっ子ガールズグループ・ハッシュのメンバーとして出てくる現実との交差点で、前作で夢を叶えたアイドルのその後の姿を見せているのかもしれない。人気アイドルになったとはいえ、夢を全部叶えたわけじゃない。リアンのように自分の才能や現在持っている能力からは想像できない夢を抱いたり、発表する新曲が盗作だったことをライバルのユジンに気づかれてしまった人気アイドルグループ・イドゥンのメンバー JBの話のように、「ドリームハイ2」は夢と情熱に満ちたロマンチックな物語でもあるが、現実世界のアイドルが抱えている悩みをリアルに描いている物語でもある。現実世界のアイドルがアイドル役を演じるという新鮮でユニークなドラマ「ドリームハイ」が、内容も演出もさらにパワーアップして帰ってきたのだ。見ない?前作では出演者の演技力に対する批判の声が多かったが、「ドリームハイ2」でも、ドラマを引っ張っていくジヨンとジヌン、ヒョリン、JB、パク・ソジュン、カヒなど出演者のほとんどが、演技経験が乏しくドラマに出演したことがないため、今回も再び問題視されそうだ。また、前作ではドラマの雰囲気を盛り上げていたオム・ギジュン、イ・ビョンジュン、イ・ユンジなどが抜けた穴をキム・ジョンテ、クォン・ヘヒョの2人のベテラン俳優がどう埋めるかも気になるところだ。しかし、前作に比べて歌やダンスのシーンも確実に増えているというから、これは大いに期待できそうだ。
「美男<イケメン>バンド~キミに届けるピュアビート」RocK.will never die ― 見る?見ない?
主な出演者イ・ミンギ(チュ・ビョンヒ役)、ソンジュン(クォン・ジヒョク役)、エル(イ・ヒョンス役)、ヒョンジェ(チャン・ドイル役)、ユ・ミンギュ(キム・ハジン役)、キム・ミンソク(ソ・ギョンジョン役)、チョン・ウィチョル(ユ・スンフン役)、チョ・ボア(イム・スア役)ストーリーケチ洞にあるダルドンネ(山の中に無秩序に作られた、貧しい人たちが住む町)の最高のバンド眼球浄化(目が洗われるほどのイケメンたちという意味)は、花より美しいイケメンが集まり、多くのファンを持つ彼らはアイドル並みの人気を誇る。しかし、彼らはよく喧嘩をする問題児でもある。そんな中、学区の再編により、強力な財政力を持つエリート校チョンサン高校に彼らが転校することになる。そこで、スンフンがリーダーを務めている校内バンドストロベリーフィールズと対立する。一方、裕福に暮らしてきたスアは、いきなり屋根部屋に住むことになり、家長にまでなってしまうという状況に落ちる。そして、偶然眼球浄化のメンバーと出会う。プレビュー青春時代の若さと情熱はなかなかおさまるものではない。うまくできなくても好きという気持ちだけで十分だし、やろうと思えば思うほど燃え上がる。ケーブルチャンネルのtvNで放送される「美男バンド~キミに届けるピュアビート」(脚本:ソ・ユニ、演出:イ・グォン)は、ロックスピリッツを抱いた若者たちのストーリーだ。親がナイトクラブのステージに立つ芸能人であるヒョンス、一粒の豆でも6人の姉たちと分け合って食べなくてならないほど貧しい家庭で育つハジンなど、作品の中のキャラクターたちが置かれた状況は決して暮らしやすい環境ではないが、彼らは何があってもロックへの愛情だけは捨てない。イ・グォン監督は1月25日に開かれた制作発表会で「韓国社会では様々な制約があるため、やりたいことをやり続けること自体が難しい。そのため、夢を実現することが社会への抵抗と同じだと思う」と自分の考えを明かした。またソンジュンは「キャラクターが持つ感情を表現することが重要だと思う。テクニック面でなく、ロックに関する僕の解釈をキャラクターの中に盛り込むことに演技の焦点を置いている」と話した。すなわち、「美男バンド~キミに届けるピュアビート」はキャラクターたちの成長を通して、ロックスピリッツで代弁する反骨精神をメインテーマとする作品である。見る?見ない?見る? 「美男バンド~キミに届けるピュアビート」はビジュアル的な要素が重視される作品だ。イケメン俳優たちで構成された出演陣もそうだが、最も重要なのは青春の熱さにふさわしい演出やカメラの撮り方だ。ソンジュンは「これまでのドラマでは使ったことのない撮り方をしているので、つまらないと感じる暇がなく、様々なステージ装置を見ることができるはず」と話した。これについてイ・グォン監督は「眼球浄化のメンバーが持つ荒々しい面を手持ちカメラで撮影し、ドキュメンタリー的な雰囲気を出して描こうとしている」と語った。照明においても不自然なものは最大限に減らし、ビリヤード場の蛍光灯や夜の街路灯などで現場の感じをそのまま伝える予定だ。これは眼球浄化が持つ自然な雰囲気を効果的に表現できる方法でもある。見ない?出演者のほとんどが楽器を専門的に演奏したことがないという点が心配される。実際、演奏が上手にできる俳優は眼球浄化のドラマーであるチャン・ドイル役を演じるヒョンジェだけだ。しかし「どれほどうまく真似できるかより、キャラクター毎にどんな思いを抱いて音楽をやるかを表現することが重要だ」というイ・グォン監督の言葉通り、俳優たちはそれぞれの方法でそれぞれのキャラクターを演じている。ドラマの中でクラシックピアノを演奏するチョン・ウィチョルは「演奏する時、視線をどこに置くかとか、僕のように背の高い人は腰をどんな風に曲げるかなどを研究した」と話した。一方、ギタリスト役を務めるソンジュンは「『僕は天才的なギタリストになるんだ』と考えて練習しているわけではないが、努力しているので不自然には見えないはず」と自信を見せた。彼らが集まって作り出したロックバンド眼球浄化は、一体どんな姿を見せてくれるだろうか。1月30日(月)夜11時からtvNで確認できる。
「童顔美女」明朗童顔の帰還? ― 見る?見ない?
主な出演者チャン・ナラ(イ・ソヨン役)、チェ・ダニエル(チェ・ジヌク役)、リュ・ジン(チ・スンイル役)、キム・ミンソ(カン・ユンソ役)、ホン・ロッキ(チャン・ギホン役)、ヒョニョン(チ・ジュヒ役)、オ・ヨンソ(イ・ソジン役)ストーリー親から譲り受けたものは、貧しさ、事故ばかり起こす妹、若く見える童顔しかない、34歳のソヨン。彼女はもう若くない年齢せいでで、14年間働いた繊維会社から解雇される。しかし、一度見た服とまったく同じ服を作れる記憶力を持ったおかげで、アルバイトとして働くことになった会社「ザ・スタイル」に再就職する。やはり、若く見える顔のため自分の年齢より9歳も下だと誤解を受ける。そして、そんなソヨンをこっそり手伝う社長と、その社長が好きな女性チーム長、それからもう1人の男性が登場する。プレビュー6年ぶりの帰還。もう30歳になったチャン・ナラだがまったく変わらない姿で帰ってきた。チェ・ダニエルと一緒に繰り広げる、四方八方に突き当たりながらも前向きな性格で前だけを見て進むチャン・ナラの明朗少女の演技は、旬を迎えたようだ。チェ・ダニエルはファッション会社のMDとして働いているが、ファッションセンスはゼロであるチェ・ジヌクに扮し、体をはったコミカルな演技を見せる。第1話から転んだり、走ったり、怪我するなど、いつも争うこの2人のキャラクターが、ドラマの面白味を倍にすると期待される。そして、主人公童顔美女の友達だが老顔美女であるチ・ジュヒ役を演じるヒョニョンと、ソヨン(チャン・ナラ)がチームの末っ子として働くことになる「ザ・スタイル」のデザインチームで、課長代理を務めるチャン・ギホン役のホン・ロッキの演技も、期待できるポイントである。見る?見ない?見る?最近、重く真面目なストーリーばかりだった月火ドラマの時間帯に、愉快な恋愛ドラマが放送されるのが嬉しい。6年ぶりに帰ってきたチャン・ナラも、他の番組ではよく見たが演技は5年ぶりというヒョニョンの出演も嬉しい。すでに、検証されたチャン・ナラの明朗少女の演技も気楽に面白く見られると思うし、才能なんか全くないファッション会社のMDが危機から抜けだすため愛嬌や奇知などを発揮する、チェ・ダニエルの明朗青年の演技も期待できる。1日の疲れをとるため、軽く愉快に見られるドラマが見たい人なら、5月2日「童顔美女」の初放送を見てもいいと思う。見ない?これは結局チャン・ナラのドラマである。そのため、「明朗少女成功期2011」になる可能性もある。貧しく勉強もあまりできなかったが明るい性格で凛々しい主人公が、財閥のあしながおじさんの助けを受けて成功し、愛も見つけるという内容はありふれたストーリーである。あしながおじさんや悪女が登場するのも、キャンディ(漫画キャンディ・キャンディの主人公、お転婆な少女の意味)型のトレンディドラマの構図をそのまま持ってきたようだ。このようなドラマの中で、裕福な家庭の息子ながら自分でサラリーマンになるチェ・ダニエルのキャラクターだけが唯一の変数に近い。チェ・ダニエルの活躍をあまり期待していなかったら、チャンネルを変えても見るドラマはたくさんある。ちょうど、重く真面目なドラマがないタイミングに、MBCではパク・ユチョンとイ・ダヘ、カン・ヘジョンなどが出演する新しいドラマが始まる。少し早めに放送を始める「童顔美女」は確実に機先を制する必要がある。
「武神」高麗を満たす猛々しい男の魅力 ― 見る?見ない?
主な出演者キム・ジュヒョク(キム・ジュン役)、キム・ギュリ(ソンイ役)、チョン・ボソク(チェウ役)、パク・サンミン(チェ・ヤンベク役)、チュ・ヒョン(チェ・チュンホン役)、ホン・アルム(ウォラ役)ストーリー高麗の武臣政権時代、すさまじい権力を振るっていたチェ・チュンホン(チュ・ヒョン)に反発した僧侶らは反乱を起こすが、都房(ドバン)へ連れて行かれる。そんな中、チェ・チュンホン家から逃げ出した奴隷の息子であることがバレてしまったキム・ジュン(キム・ジュヒョク)は斬首刑を科せられる。だが、刑が執行される瞬間、チェウ(チョン・ボソク)の娘ソンイ(キム・ギュリ)に助けられ、労働場に行くことになる。生死が保障されないその場から抜け出すために、そして初恋の人ウォラ(ホン・アルム)を助けるために、キム・ジュンは他の人々を殺して最後まで生き残らなければならない撃毬大会に出場する。プレビュー高麗時代の武人たちの熾烈な人生を描いたMBC「武神」(脚本:イ・ファンギョン、演出:キム・ジンミン)は、KBS「龍の涙」とSBS「野人時代」などを執筆した脚本家のイ・ファンギョンと、MBC「犬とオオカミの時間」を演出したキム・ジンミン監督が力を合わせた作品だ。キム・ジンミン監督が映画「グラディエーター」と米ドラマ「スパルタカス」を多く参考にしたと明かしたように「武神」の柱となるのは男性の魅力があふれ出すような激しいアクションシーンだ。8日に開かれた映画館試写会及び記者発表会で、キム・ジュヒョクは「男の荒々しい気性をさらけ出す作品」と説明し、チュ・ヒョンは「たったひと言で首を切られた時代だから、カッコつけた男たちの物語ではなく、できるだけ真剣にやってみようという覚悟で演じた。少しでも緊張を解いたり、目つきが変わったりすることにも気をつけなければならなかった」と明かした。しかし、武人たちの話だからといって、血生臭いにおいばかりではない。キム・ジンミン監督は「恋愛の要素が意外にたくさん含まれている。これであんなに険しかった時代にも、人々は生きていたという事実を見せたい」と述べた。11日(土)夜8時40分の初回放送から、武人たちの戦いと愛を確かめられる。見る?見ない?見る?主人公のキム・ジュンだけでなく、チェウとチェ・ヤンベク、チェ・チュンホンなど、明確な個性を持つ武人たちこそ「武神」の最大の強みだ。チェウは歴史的な評価が分かれる人物だが、作品ではモンゴル抗争や大蔵経の再建などの業績に焦点を合わせる予定だ。これに対してチョン・ボソクは「モンゴルを相手に30年余りを持ちこたえるなど、韓国民族のプライドを育んでくれた先祖であることに重点を置いている」とも伝えた。チュ・ヒョンも「チェ・チュンホンは普通の宰相とは次元が違う。自分の弟や甥、姻戚を殺したり、子供たちの間で起こる軋轢を予想して備えたりするなど、とてもカリスマ性あふれる人物」と述べた。このように「ほとんどの登場人物が主人公のように感じられる」(チョン・ボソク)という「武神」は、どれほど多彩な話題を投げてくれるのだろうか。見ない?SBS「根の深い木~世宗(セジョン)大王の誓い~」やMBC「太陽を抱く月」のように、昨年から人気を集めているフュージョン時代劇(過去と現代を融合させた時代劇)とは違い「武神」は正統派時代劇を掲げている。一時は僧侶や奴隷だったが、高麗朝廷の最高の席である門下侍中に就いたキム・ジュンは実在の人物で、また他の配役も「高麗史」と「高麗史節要」の「人物列伝」をもとに作られた。ただ、ソンイとキム・ジュンの関係はドラマ的なおもしろさのために追加された部分だ。キム・ジンミン監督は、「フュージョン時代劇より雰囲気が重くて人気が出ないとは思わない。時代にそぐわなければ、大河ドラマでもフュージョン時代劇でも効果がないが、『武神』は現在の視聴者たちと目線を合わせる作品になるはず」と述べた。
「パダムパダム」彼らが生きるファンタジーの世界 ― 見る?見ない?
主な出演者チョン・ウソン(ヤン・ガンチル役)、ハン・ジミン(ジョン・ジナ役)、キム・ボム(イ・クッス役)、キム・ミンギョン(ミン・ヒョスク役)、イ・ジェウ(キム・ヨンチョル役)、チェ・テジュン(イム・ジョン役)ストーリーガンチル(チョン・ウソン)は高校時代、友達の代わりに殺人の罪を被って刑務所に収監される。そこで15年を過ごして出所したカンチルに、世の中は期待することも、未練もなかった。しかし、彼は偶然出会った1人の女性、ジナ(ハン・ジミン)と恋に落ち、初めてこの世を肯定的に見ることができる。一方、刑務所でカンチルと出会って、実の弟のような仲になったクッス(キム・ボム)は、自分がカンチルの守護天使だと信じて、彼が人生を諦めないよう傍で見守ろうとする。プレビュー「パダムパダム~彼と彼女の心拍音」(以下「パダムパダム」)は、KBSドラマ「彼らが生きる世界」で手を組んだ脚本家のノ・ヒギョン氏とキム・ギュテ監督が呼吸を合わせた作品だ。これまで、KBSドラマ「嘘」「花よりも美しく」「グッバイ・ソロ」など、人と人との率直な話に焦点を合わせてきた脚本家のノ・ヒギョン氏と、「このろくでなしの愛」「アイリス」など、優れた映像美で自身のスタイルをしっかりと築き上げたキム・ギュテ監督の強みが合体されたドラマと言えるだろう。「パダムパダム」では、統営(トンヨン)を背景とした、人間と自然がにじみ出た叙情的(キム・ギュテ監督)な映像に、大きいながらも小さい奇跡と、心を動かす真心というテーマを込めている。ガンチルは幼い頃、父親から暴行され、母親からは見捨てられた記憶があり、ジナは叔父が殺害された後、自分の家庭が崩れていくのを目の当たりにしている。また、クッスは生涯苦労して胃癌で亡くなった母親に対する心の苦しみを抱いている。登場人物は全員傷を負っているが、心を開く方法を学び、互いに感情のやり取りをしながら変わっていく。まさにその変化が「パダムパダム」が語ろうとする些細な奇跡の瞬間である。見る?見ない?見る?「パダムパダム」には脚本家のノ・ヒギョン氏の作品で初めてファンタジーな設定を取り入れた。本人が守護天使だと信じているクッスは、背中から翼が生えると思って服を脱いで寝る人物だ。いまだにクッスが単に4次元(人並み外れて風変わりな)的なキャラクターなのか、それとも本当に天使なのかは分からないが、クッスの背中から翼が生える場面などは、CGによって表現される予定である。制作発表会の際、チョン・ウソンが一番力を注いだと明かした「ガンチルが生と死を行き来する場面」も、やはりノ・ヒギョン氏のこれまでの作品では試みたことのない設定だった。これに対しノ・ヒギョン氏は「私の作品が重いという話をよく聞くのだが、ファンタジーを取り入れてみたら、ストーリーを伝える時に気軽に受け入れてもらえるという長所があった」とし、「使う立場からも非常に面白くて新鮮だった」と感想を述べた。人生の重みはファンタジーというフィルターを通じて、どれだけ軽くできるだろうか。見ない?「パダムパダム」はチョン・ウソンのキャスティングで当初から話題になったが、それだけに、彼のキャラクターや演技力に弱点が現れたら、打撃を受ける可能性がより高くなる。しかし、チョン・ウソンは「1話のシナリオを読み始めてすぐに感情移入することができ、キャラクターのために何かもう少しやらなければならないという意欲が出てきた」と話しながら、SBSドラマ「ATHENA -アテナ-」では見せることのできなかった感性を表現したいと意欲を表明した。また脚本のノ・ヒギョン氏も「チョン・ウソンは容姿で脚光を浴びる俳優だと考えていたが、一緒に仕事をしながら、ガンチルのように情熱的でワイルドな部分がたくさんある俳優だということを発見できた」と話した。すなわち「パダムパダム」は、イキイキしたガンチルのキャラクターと俳優チョン・ウソンの再発見が期待できる作品である。
「約束の恋人」韓国のみで可能なドラマ ― 見る?見ない?
主な出演者ファン・ジョンミン(ソ・ミョンジュン役)、キム・ジョンウン(リム・ジンジェ役)、クォク・ヒソン(ミン・ドンギ役)、ジフ(カン・ドンウォン役)、チョ・ソンハ(パク・ドミョン)、チョ・イジン(パク・ヘジョン役)ストーリー韓半島(朝鮮半島)の危機は南北統一のチャンスだろうか、それとも戦争という悪夢の繰り返しだろうか。韓国と北朝鮮の間にしばらく流れていた統一に向けた肯定的なムードが、北朝鮮で起こったクーデターで台無しになってしまう。それにより、世界的な科学者であるソ・ミョンジュンとリム・ジンジェが率いた南北合作の代替エネルギー開発チームも、再び南北に分かれてしまった。そんな危機的状況の中、韓国大統領であるカン・デヒョン(イ・スンジェ)が脳出血で倒れてしまい、南北同時に指導者が健在ではないという史上初の事態を迎える。そして、韓国のキングメーカー(政治権力者の人選を左右する実力者)パク・ドミョン(チョ・ソンハ)はソ・ミョンジュンを次期大統領にしようとする。プレビューファン・ジョンミンは先週行われた制作発表会で「世界中でこのような題材のドラマが可能な国は他にない」と言い、TV朝鮮「約束の恋人」(原題:韓半島、脚本ユン・ソンジュ、演出イ・ヒョンミン)を「本当にあり得る話」と語った。このように「約束の恋人」が見せてくれる南北間の葛藤や危機は視聴者に様々な想像をさせ、それと同時にリアリティーのある題材でもある。特に北朝鮮のクーデターや、韓国の大統領選挙などの深いストーリーは、大作ドラマでこそ感じられる快感やハマると抜け出せない政治ドラマならではの魅力を視聴者に感じさせようとしている。しかし、イ・ヒョンミン監督が「見どころは南北統一のストーリーよりも、ソ・ミョンジュンとリム・ジンジェの恋の行方が気になるヒューマンストーリーだ」と明かし、ドラマでは巨大な歴史の流れの中で生きていく人間の姿を描くつもりだと話した。見る?見ない?見る?金正日総書記が死んだ後のストーリーを描いたウェブ漫画「スチールレイン」の人気からも分かるように、南北間の危機的状況を描いた仮想歴史物が依然として多くの人の関心を引いている。さらに「約束の恋人」では次世代代替エネルギーであるメタン・ハイドレートの開発をめぐるストーリーを加えてリアリティを増した。また、ルーマニアで行われた車の追撃シーンや銃撃戦などは、ドラマのスケールの大きさを物語っている。様々なジャンルを通して演技力を認められたファン・ジョンミンとキム・ジョンウンの出演もこのドラマの見所でもある。キム・ジョンウンは「ドラマの中で殴られる演技はもちろん、拷問を受けるシーンも代役を使わず私が演じた」と明かした。見ない?南北間のイデオロギーの対立とそれに巻き込まれた人間たちのストーリーは、数多くの映画やドラマで散々使われた題材だ。特に国家間の対立によりすれ違うしかない男女のラブストーリーは、つまらないとも言えるほどよくある話だ。ヒューマニズムを胸に抱いたソ・ミョンジュンという英雄的キャラクターも「約束の恋人」ならではのキャラクターではない。そのため「約束の恋人」は、南北関係を描いたこれまでの映画やドラマと差別化できるところを見せなくてならない。北朝鮮で起こったクーデターの中心勢力となるタカ派出身の母親と、開放を主張する父親という家庭環境で育ったリム・ジンジェを、説得力のあるキャラクターに見せることが重要になるのはこのためである。「約束の恋人」は、北朝鮮出身のエリートであるリム・ジンジェが韓国大統領の妻にまでなる仮想歴史を、説得力のある展開で見せることができるだろうか。