チェ・ミンシク「悪いやつら」でぞっとするチンピラ役を熱演

映画「悪いやつら」でチェ・ミンシクが演じるチェ・イクヒョンというキャラクターが占める割合は、8割ほどになる。前半で検事に踏みにじられながらもへらへらしている彼の姿から主人公がどういう人物なのか、うかがい知ることができる。不気味だが、時に憐れなチェ・イクヒョン役についてチェ・ミンシクは、「結局、そう生きるしかなかった男だ」と憐れんだ。
「映画は、やくざの世界を背景にしていますが、そうでなくても私たちの周りに常に存在するような人物でしょう。朝鮮時代、高麗時代もなかったことではないと思います。ただこの映画を観ながら『元々は、こういう世の中だったんだよな』と思いながら、『けっこうシリアスなんだな』と感じました。だからR指定なんでしょうかね?」
悪魔を演じたチェ・ミンシクさえも舌を巻くチェ・イクヒョンとは、一体どのような人物なのか。
「まさに韓国の男ですね。金と権力への欲望でいっぱいの。映画では、チェ・イクヒョンは銃弾の入っていない空の拳銃を持ち歩いています。彼にとって空の拳銃は、権力なのです。最近では若い連中も銃で争うじゃないですか。すべての雄には、本能的に権力への憧れがあるものです。あの空の拳銃は、チェ・イクヒョンを象徴しています。チェ・イクヒョンは、銃は持っていても撃ちはせず、相手の銃を奪って武器にして殴るんです。あぁ、こっちまで恥ずかしくなります。いっそのことトンカチで殴ればいいのに銃で殴るなんて(笑)。たぶん、銃弾が入っていても撃てるような肝の座った人間じゃないと思います。空の拳銃を持ち歩くのは、自分自身への慰めであり、強がりなんでしょう」

「『お前は、俺にやたらなことはできない。俺はこんな大物と親しい』ということなんでしょう。憐れですね。でもある意味私も同じだと思います。親の体調が悪くて入院するとなると、私も手続きをして待つというより、知り合いに(病院関係の)誰かいないかと考えたりして、変則を思い浮かべるんです。それを不条理だとは思いもしないんですよね」
彼の言葉通りチェ・イクヒョンというキャラクターは、周りによくいるような、親戚の中に必ず一人はいそうな人物だ。家では、寡黙な父親であっても外では、チェ・イクヒョンのような姿なのかもしれない。この映画のメガホンを取ったユン・ジョンビン監督は、「家では、言葉数少ない父親だけど外ではどんな姿を見せるのだろう」という考えからこの映画を制作したのだという。悲しいかなその父親の姿が自身の姿に重なってしまう瞬間に気づき、あざ笑うことだろう。チェ・ミンシクが演じるチェ・イクヒョンは、ともすれは自分自身の姿なのかもしれない。それに気づいた時、「悪魔を見た」の殺人鬼チャン・ギョンチョルよりもっと恐ろしく、ぞっとするのだろう。
「悪いやつら」は、2月2日から韓国で公開される。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- ペ・ソニョン
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