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Vol.2 ― イ・ナヨン「次回はソフトな演技がしてみたい」

マイデイリー
女優イ・ナヨンは映画「凍える牙」で打たれ、転び、投げ込まれるなど、体を駆使するアクションシーンを披露した。

前作のKBSドラマ「逃亡者 PLANB」(以下「逃亡者」)でも同様だった。体を張った彼女のアクション演技は、イ・ナヨンの違った一面を発見できた。特に痛快なキックは、見ている人たちの心までスッキリさせた。

「逃亡者」では華麗なアクションシーンのために長いウィッグをつけ、着飾って役作りをしたのに対し、今回の映画では飾りを取り除いた。当初、衣装2セットとスニーカーひとつで映画を撮影しようとしていたという彼女は、黙々と感情を抑え、節制した演技を見せなくてはいけないという淡白さが役柄のウニョンと似ていた。

それにしてもなぜイ・ナヨンは、リアルな喧嘩はもちろん、射撃とオートバイの運転など肉体的な苦痛だけではなく、感情表現を取り除いた難易度の高い「凍える牙」のウニョン役で再び戻ってきたのか。

もちろん、ユ・ハ監督やソン・ガンホと一緒に作品を作ることへの欲もあっただろうし、女優が事件を解決する鍵を担って主導的に行動するという、韓国映画ではなかなか見られないキャラクターだったということもあるだろう。

イ・ナヨンは「とりあえず、身勝手だった」と明かした後、「女優として、このようなキャラクターやこんな機会がまたいつ訪れるのだろうかと考えた。特に良かったのはジャンルもので、登場する女性の設定がイメージ通りにならず、メッセージや感情そのものを表現できるものだったから」と説明した。

そして「“たくさんの方々が見てくれたら嬉しい”ということと、当然お金を払って頂いた方に損をさせてはいけないという考えもあったし、一方では、今回の映画をきっかけに、女優たちの役が広がったらどうだろうと考えた」と付け加えた。

イ・ナヨンが演じたウニョンはなかなか珍しいキャラクターだ。相手役のソン・ガンホが事件を解決して行くのではなく、彼が取り逃したものにイ・ナヨンが踏み込み、事件を解決していく。

これまでの過程で、“強力班”という小さな世界で非主流になりやすい女刑事について取り上げ、狼でもなく犬でもない狼犬の話に、どこか妙に似ているウニョンと狼犬の関わりについても話した。そのため、「凍える牙」は単純なアクション映画でも、犯罪捜査ドラマでもない「感性捜査劇」に分類されるだけのことはある。

このようなキャラクターを演じたのには、ソン・ガンホの力が大きかった。実は初めにシナリオをもらった時、彼の役割は助演程度だった。シナリオを作る過程を経て、主演のイ・ナヨンとセリフの分量が近くなった。

ソン・ガンホは「凍える牙」のマスコミ試写会で「役ではなく、この作品が言おうとしていることに感化され、出演を決めた。我々も認識してはいるが、実際は黙認されている社会的暴力や、男というだけで社会的強者と表現する暴力性がある。その中で、存在しないともいえる珍獣と一番弱々しい女刑事という弱者同士が、傷を癒して希望を語るということが、とても魅力的だった」とし、「そのため、役にこだわらずに良かった」と、作品に出演することになった理由を説明した。

ソン・ガンホは初めからイ・ナヨンのために協力なサポートに回ることを決心したも同然だった。このように“力強い先輩”は、撮影現場でもムードメーカー役を買って出た。

イ・ナヨンは「とても面白い方だ。先輩といると笑ってばかりだ。先輩は現場のムードメーカーだ」と明かした。これと共に、映画の中に挿入された狼の鳴き声は、現場でずっと狼の鳴き声を真似ていたソン・ガンホのせいで挿入されたというエピソードを暴露した。

劇中でソン・ガンホは、独特な彼らしいコミカルな演出を披露。同時に、ペク・チヨンの曲「銃に撃たれたように」を“音痴”では言い表せないほどのひどい実力で熱唱した。

イ・ナヨンは「ソン・ガンホ先輩は、ペク・チヨンさんに本当に申し訳ないと感じていた。だから、ペク・チヨンさんは気に入るだろうと伝えた」と、ソン・ガンホを慰めた話をし、笑いを誘った。

実際にソン・ガンホの歌より人々の感性を刺激したシーンは、イ・ナヨン演じるウニョンが宴会の席で歌を歌うシーンであった。ウニョンは「辛い時は空を見て、私はいつも一人じゃない」などの歌詞で、自分自身の立場を代弁するようなソ・ヨンウンの「独りじゃない私」を歌った。

彼女は「歌を決める時、監督とたくさん話をした。監督が『カスバの女性』が好きで歌ってみたのだが、私が歌うトロット(韓国の演歌)な感じも面白かった」と語った。それから、「(『一人じゃない私』が)女刑事が歌う曲の一つだ」と話し、歌詞の内容からユ・ハ監督が映画に入れることにしたという後日談を伝えた。

2つのアクション作品を続けて演じた彼女は、次はどんな作品に挑戦したいと考えているのだろうか。

彼女は「キャラクターが決まっているものを演じてみたい気もするし、作ってみたい気もする。あるいは『逃亡者』や『凍える牙』で走り続けてきたので、ソフトな感じの演技もしてみたい」と話し、「今の私は、どういった言葉遣いや行動で日常の姿を演じることができるのかという疑問があるので、コメディでも、ラブストーリーでも楽に演じていきたい」と打ち明けた。
元記事配信日時 : 
記者 : 
キム・ミリ、翻訳:橋本真由美、写真:ハン・ヒョクスン
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