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パク・シフ「女性たちが好きそうなポイントをよく理解することが重要だ」

10Asia

多くの俳優たちは言う。俳優ではなくキャラクターとして記憶されたいと。パク・シフはこの難しくて甘い夢を、母性本能を刺激するSBS「完璧な恋人に出会う方法」のジュンソクで、白々しく「これ、キスだよ」と言ってキスをしたSBS「検事プリンセス」のソ弁護士(ソ・イヌ)で、男性秘書と言い争う姿まで可愛かったMBC「逆転の女王」のク・ヨンシクで叶えることができた。パク・シフは出演した作品ごとに、彼でなければ想像できないキャラクターを作り出し、それらを重ねて“パク・シフ風のラブストーリー”という一つのジャンルを完成させた。しかし、映画「殺人の告白」の公開を控えて会ったパク・シフは、彼が演じたキャラクターより、むしろSBS「シークレット・ガーデン」のオスカー(ユン・サンヒョン)に似ていた。無名時代にも一度も挫折したことがなく、女性視聴者たちが好きなポイントを正確に見抜いているパク・シフは、憎らしいと思えるほど賢い俳優であり、男であった。

「大人げなくていたずらっぽいキャラクターに慣れている」

―スクリーンに映った自分の顔を見て、どんな気持ちだったのか。

パク・シフ:満足した(笑) 照明の使い方が良かったのかとてもシャープなイメージで映っていて、思ったよりスクリーンによく似合っていた。大きな画面で見たら、表情や視線が気づかれやすくて、何だか違和感を感じるのではないかと心配した。特に、イ・ドゥソクは繊細な演技が必要なキャラクターだったので、微笑みも明るい微笑みではなく、視線も何を考えているのか分からない妙な目つきに焦点を合わせた。

―今までドラマで見せてくれたイメージとはまったく違うキャラクターだが。

パク・シフ:ドラマですでに見せた演技を映画でもう一度見せる必要はないと思った。本当に強い役、シーンが多くなくても強烈な役を演じてみたかった。そのため、これまで見せたことがない殺人犯のキャラクターを選んだ。演技の焦点も観客の好奇心を引き起こすことだった。観客たちが映画を見た時、その人物が反省するために公にしたのか、注目されたかったのか、お金を設けるためにそんなことをしたのか、興味を持ってほしかった。
―単純な殺人犯のキャラクターではなかったので、より興味深い部分があったと思う。

パク・シフ:二面性のあるキャラクターを演じてみたいと常に話していた。一般的な殺人犯の役なら、これまで積み重ねてきたイメージが一気に殺人犯に変わるだけだったけど、この映画は最後にどんでん返しがある作品だったので大丈夫だと思った。

―映画デビュー作であり、キャラクター自体も欲張る要素が多かった作品であったが、映画の中盤以後はチェ刑事(チョン・ジェヨン)に映画の比重を譲っているように思えた。

パク・シフ:その部分は少し残念に思っている。演技の変身を試みたので、もう一度、殺人犯のような姿を見せたかった。イ・ドゥソクがある人を脅迫するシーンがあったけど、編集された。似ているシーンがもう一つあって、様々な理由から編集された。そのつもりだったら、最初から撮影しなかったら良かったのに(笑)

―それだけ欲張っていた映画だと思うが、初めての映画を通して得たかったものは何だったのか。

パク・シフ:大きく注目されたり大成功するより、今回の作品をきっかけに選択の幅を広げたかった。初めての映画作品としていい選択だったし、「パク・シフという俳優はスクリーンにもよく似合う」という話を聞きたい。僕に主演を務めさせてくださったドラマの監督たちは映画を見て、「キャラクターをもう少し活かせることができたはず」と惜しい気持ちを表していた。でも、重要なことはそういうことではなく、とりあえず、作品が面白くなければならない。作品がうまく行くと、僕にもきっと良いことがあると思うし、個人的な欲は次の作品で晴らせばいいと思っている。

―KBS 2TV「スター人生劇場」で「殺人の告白」の台詞に線を引いて本人の考えを几帳面に書いた台本が公開された。前作でもパク・シフならではのキャラクターで作品を表現する姿が印象的だったが、どのようにキャラクターにアプローチするタイプなのか。

パク・シフ:監督とたくさん話し合ったり、作品をしながら着実に経験を重ねることも重要だが、女性視聴者たちが好きそうなポイントをよく捉えることがとても重要だと思う。そんなに重要ではないシーンなのに女性視聴者たちが気に入っている部分があったら、欠かさずモニタリングする。例えば、「検事プリンセス」で「これ、キスだよ」の時の反応が爆発的だった。台本には「輝きながらキスをする」と書いてあるだけだった。それで、「何をどうやって輝かせるんだろう?目を輝かせるのかな?」と思った(笑) それで思いついたのが、とりあえずにっこり笑いながらキスをし、遠くにいるユン検事を見つめることで悪い男の雰囲気を漂わせながら、いたずらっぽい姿も見せることができると思った。でも、ある程度の反応は得ることができると思っていたけど、あれほど爆発的な反響を呼ぶとは思わなかった。

―特別なコツでもあるのか(笑)

パク・シフ:何だかよく分からないコツがある。ハハハ。特に研究したというよりは、僕の視線が少し悲しく見えるようだ。今は作品をしながら余裕も少しできたし、経験も重要だ。MBC「結婚しよう!~Let's Marry~ 」(以下「結婚しよう!」)の時、3年ほど付き合った彼女と別れたのだが、彼女から「お兄さんはどうして私といる時の姿をドラマで見せるの?」と言われた。彼女にしてあげたことを演技で見せたら、反応が良かった。「結婚しよう!」で大人げなくいたずらっぽいキャラクターを演じたけど、そんな姿が実際の僕と似ていた。

「すべて同じような室長、財閥2世の役を演じたわけではない」

―「完璧な恋人に出会う方法」の時も演技力とは別に、俳優が自分が持つ感受性でキャラクターを作っているように見えた。愛する女性に愛人として残ってほしいという設定を視聴者たちに納得させることは簡単ではなかったはずだが。

パク・シフ:ジュンソクは母性本能を刺激する男だ。女性視聴者たちはそのようなことに魅力を感じるので、このキャラクターは本当にうまくいくだろうと思った。

―そのためか、ドラマが進むにつれ、序盤より比重が大きくなり、この作品をきっかけにパク・シフを記憶する人々が多くなった。

パク・シフ:本当に嬉しかった。同僚の俳優たちを見たら、ファンたちが撮影現場まで来て、お弁当を届けるイベントをしてくれたりしていたけど、それが本当に羨ましかった。でも、「完璧な恋人に出会う方法」の後から僕にも突然、ファンたちが2~3人ずつ訪れてくるようになった。デビューして10年目を超えた時だったが、「僕にもこんな日が来たのか」と思い、本当に嬉しかった。

―「完璧な恋人に出会う方法」以後のフィルモグラフィーをぱっと見たら室長役の専門俳優だと思われやすいが、その中でも微妙に違うキャラクターを見せてくれた。

パク・シフ:真剣に見ていなかった人々には僕が室長や財閥2世の役をみんな同じ様に演じていたと思うかもしれないけど、細かく見ると、それぞれ違う。例えば、ソ・イヌはミステリアスな感じがあって、ク・ヨンシクはコミカルな雰囲気で演じだ。キャラクターごとに変化を与えようと努力した。

―領域を広げるより、一つのことに没頭してやり遂げる“パク・シフ風ラブストーリー”というジャンルを築いた気がする。

パク・シフ:ドラマの主人公というキャラクターは限られているので、その中で激しいイメージの変身はできない。例えば、男性主人公たちはほとんどが白馬の王子様である。それは、その方が魅力だからだ。そのため、僕は時代劇「王女の男」を選んだ。台本がしっかりしていたけど、それよりもドラマ前半では白々しいお坊ちゃんだけれど、後半に行くにつれ復讐の化身に変わるキャラクターだったので、色んな姿を見せられると思った。ビジュアルも漫画に登場する武士のようで、子供の視聴者にもアピールできると思った。実際に子どもたちからも反応が良かった。

―次回作もこれまでよくやってきたラブコメディ「清潭洞(チョンダムドン)アリス」だ。チャ・スンジョはどんな男性なのか。

パク・シフ:かなり壊れる人物だ。ク・ヨンシクより壊れる(笑) 脚本家の先生が感情の変化をかなり激しく描いていたので、“情けない”時は本当に情けなく、しつこい面もあるし間抜けなところも多いけど、誰かを守る時はとてもかっこいい、あしながおじさんのようだ。今まで僕が演じてきたキャラクターたちの集大成だと思う。悪い男の面はドラマでだけ登場する。

―ドラマでは依然としてロマンチックガイの面貌をアピールしているが、実際のパク・シフはどんな男性なのか。

パク・シフ:かなり緩いタイプだ。黙って静かにいたら、しっかりしているように見えるけど、この間「スター人生劇場」ではキッチンタオルを“チキンタオル”と言ったこともある。ハハ。でも、元彼女たちの話によると、僕のそのような姿が可愛くて魅力的に感じるらしい。悪い男の面はドラマだけで登場する。

「才能はまったくなかったが、一つだけ持っていたものが根気だった」

―1997年に俳優活動を始め、2008年に「家門の栄光」の主役としてキャスティングされた。この10年間を振り返ると、耐えることができた理由は何だったと思うか。

パク・シフ:今考えてみると、その当時、自分が持っていた勇気がすごかった。怖いものなしで自信も溢れていた。田舎で周りの人たちから「君はテレビに出たら、うまくやれそうだ」と言われ、井の中の蛙のようにこの仕事を始めるようになった。最初、俳優になりたいと決心するまで数ヶ月だけ悩み、決心してからはソウルに行くと、すべてがうまく行くと思った。だが、10年かかった。

―その時の目標は俳優だったのか、それともスターだったのか。

パク・シフ:夢は映画俳優だったけど、成功できなかった。幼い頃、父が僕と弟を連れて映画館によく行っていて、6~7歳の時から映画を見ることに非常に慣れていた。だけど、本当に山奥の田舎者だったし、人見知りが激しい性格だったので、他人に自分の何かを見せることができなかった。だから、僕が俳優になるとは誰も想像していなかった。母は人見知りの僕が演技をしたら、性格が少し活発になるだろうと思って演技をやることを承諾して、父はどうせ短い間だけやってやめるだろうと思って、好きなようにしなさいと言った。俳優として見せることができる才能はまったく持っていなかったけど、唯一持っていたものが根気だった。演技アカデミーでも100人が一緒にスタートしたけど、修了する時は僕を含め5人だけが卒業した。幼い頃も早く走るかけっこより長く走る長距離競争に自信があったし、他の賞はもらえなかったけど、皆勤賞だけは必ずもらっていた。

―自信だけを持ち上京し、初めて足を踏み出したところが演劇界だった。

パク・シフ:演劇のポスターを貼ってチラシを配りながら、時々端役として出演した。そのように経験を重ねた。人々は僕がその作品で比重がある役を演じたのか、そうでない役を演じたのか分からないので、とりあえず、有名な俳優たちが出る作品なら主人公の隣に座っている役でも出演した。そのうち、僕のさっぱりした顔のおかげで、主演を務めさせてくれた。台詞もあまりなくて、イメージだけのキャスティングだった(笑) ビジュアルがさっぱりしているので広告のオファーが入り、CMを撮りながらイメージメイキングをしたら、エージェンシーがマネジメント会社を紹介してくれた。

―その間、自信を失ったことが一度もなかったのか。

パク・シフ:まったくなかった。撮影現場でなくても、色んなところで少し人気がある方だったので(笑) 一緒に演技をしていた兄さんも「君はどこから現れたのか知らないけど、反応が良いね」と言ってくれた。もし自信がなかったら、この仕事はできなかったと思う。俳優でも選手でもマウンドに上がった時、一番重要なのは自信だ。人々がいくらその選手に関してごちゃごちゃ言っても、監督がその選手をマウンドに立たせたということは、彼が十分な資格を持っているという証拠だから。また、幼い頃から母が自信感を育ててくれた。何かをしてそれが少し物足りない感じがしてもそれを指摘するより、よくやったといつも褒めてくれた。若い俳優たちは一気に上へ上がっていたが、僕は作品をすると、反応は良いが少しずつ積み重ねていく感じだった。「結婚しよう!」とMBC「君はどの星から来たの」という作品をしながら、少し上に上がったけど、スランプもあった。そして「完璧な恋人に出会う方法」をしながら反応が良くなって、「家門の栄光」に出演した時は、もう少し上へ上がることができた。本当に一つ一つ階段を上った。

―だから、今も過度に欲張らないのか。

パク・シフ:大きな目標はあるけど、それに達するまでに一歩ずつ足を踏み出していく楽しさがある。実は、「王女の男」で大きく話題になったけど、その前に出演した作品でも成績は悪くはなかった。ハハ。大人気を得ることはできなかったけど、反応は良かったし、キャラクターも常に愛された。

―では、大きな目標はどんなことなのか。

パク・シフ:韓国だけでなく海外でも認められる俳優になりたい。最近はグローバル思考だから。最初の目標はアジアだ。中国市場を掴むことが世界市場を掴むことだと思う。

―ハリウッドへの進出も考えているのか(笑)

パク・シフ:ハリウッドは英語ができないから難しいと思う。ハハ。でも、それは台詞がない役から始めればいいから。やっているうちに実力が伸びると思う。
元記事配信日時 : 
記者 : 
イ・ガオン、写真 : イ・ジンヒョク、編集 : キム・ヒジュ、翻訳 : ナ・ウンジョン
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