「お金の化身」序盤の汚名返上か?今後の課題は?

「お金の化身」ドラマチックな要素を適切に活用した
「お金の化身」は第1、2話の放送で「マクチャンドラマ(非現実的で無理やり作ったストーリーのドラマ)」という汚名を着せられた。痴情、復讐、殺人、陰謀など、様々な刺激的な要素の集まりだったためだ。しかし6話が放送された今、このドラマへのあらゆる疑惑が次第に晴れつつある。列挙した様々なマクチャンの要素が引き続き進行しているにもかかわらずだ。同ドラマは現在15%前後の視聴率で上昇傾向にある。多少堅いと言えるドラマのテーマと男性キャラクターに比べ、主な女性キャラクターの役割はとても限られた部分にだけ留まっている点は残念に思える。しかし、全体的に安定しているキャラクターと、しっかり展開されているストーリーが人気の背景にある。
男性的なドラマ、弱くなりかねない女性キャラクターを上手く描く必要がある
権力を握っている人々と、お金で彼らを操る勢力、そして彼らを巡る陰謀を暴く検事たち、そして彼らを愛する恋人たち。「お金の化身」は男性的と言えるドラマだ。複数の大きな事件がドラマに重みを与え、現在の大統領のメンター(良き指導者)である元ソウル市長、冷酷な貸金業者、自身の出世のためにどんな仕事も受け入れる検事など、インパクトのある人物たちが登場する。このようなドラマで女性キャラクターは、主人公のプライベートに関わっている人物として描かれがちだ。仕事とは全く関係の無い人物に描かれたり、主人公の人間らしい面をアピールするための設定として使われるケースも多い。もちろんポク・ファスル(キム・スミ)とチョン・ジフ(チェ・ヨジン)などの例外はあるが、主な女性キャラクターたちは依然として典型的な姿に留まっている。
ウン・ビリョン(オ・ユナ)は、チ・セグァン(パク・サンミン)に全てを捧げ、裏切られてからも彼を愛する人物として描かれている。今までその実態を完璧に表してはいないが、ポク・ジェイン(ファン・ジョンウム)もまた、イ・チャドンを巡る人物の一人となる可能性が高い。ここに悲劇を掲げ、精神病棟に監禁されているイ・チャドンの母パク・ギスン(パク・スンチョン)まで合流すると、このドラマの感受性豊かな部分は、全ての女性キャラクターが担当することになる。
美しいが頭の悪いウン・ビリョン、綺麗になるために全身整形したポク・ジェインなど、設定だけでもいい加減な事この上ない。彼女らは堅くなりがちな内容を、多少なりとも和らげるための装置とも言えよう。しかし女性のキャラクターたちがドラマのテーマになれず、ただスパイスで終わるのではないのかということを、考えてみる必要がある。
しかし彼女らの具体的な行動は、まだ始まってもいない。何でも依存しがちで、受動的な性向だと速断するには早い感がある。そうなるためには、彼女らが今後の展開でどう対処して行くかがカギになるだろう。

悲劇で始まったドラマ、笑いのツボ、伏線が多く緊張感を高める
同ドラマは悲劇に満ちているにもかかわらず、面白い設定も残っている。序盤に伏線をたくさん張っており、主人公を巡る事件が決して軽くないので、緊張を緩めない。それでも重要な瞬間、息が詰まりそうな瞬間に主人公たちが起こすミスは、視聴者の緊張を緩める。ドラマは確かに悲劇で始まった。親を巡る殺人事件から、無残に捨てられた少年イ・ガンソク(パク・チビン)は、十分に悲劇的な主人公だった。父は死亡し、母は精神病棟に監禁され、本人は親戚にも徹底して見放され、パン一切れを買うお金も無く、世の中に放り出されたのである。
悲劇的なキャラクターの標本とも言える彼が、ミスを連発し、隙だらけのキャラクターに変身した理由には、偶然な交通事故がある。彼は記憶を失ったが、ものすごい記憶力の持ち主となった。また後援者の力でイ・チャドン(カン・ジファン)という新しい名前も貰い、今や検事になっている。ここまで来れば“泣ける”設定はなくても、少しは真面目な雰囲気は作られそうだが、ドラマは必ずしもそういうわけにはない。
会話の半分が悪態の貸金業者ポク・ファスルと、その娘ポク・ジェインはドラマの笑いを担当している。しかし最も中心に悲劇の主人公イ・チャドンがいるとの事実は皮肉だ。これから彼に展開されるドラマチックなどんでん返しを考えるだけでぞっとする。
どんでん返しを繰り返す要素を至るところに配置したこと。また主演・助演をはじめとするあらゆるキャラクターたちが、偏り無く活躍していること。「お金の化身」の最も大きな魅力はそこにあるのではないだろうか。
「お金の化身」は主人公たちが、ものすごい事件の渦の中で、果たしてどのように変化していくのかが見所だ。普通に見えるがものすごい能力を持っている主人公の活躍、そして彼に既に与えられた悲劇の要素は、今後のドラマの展開に期待してしまう理由だ。最後まで緊張を緩めない良いドラマになることを期待する。

- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- ハン・ギョンヒ、写真 : キム・デオ、イ・ジョンミン
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