ラッパーBasick「『SHOW ME THE MONEY 4』は完全に新しい人生を与えてくれた」

「どうせ優勝はソン・ミノ」- まるで洗脳されたかのように叫ばれていた流行語だ。誰もがWINNERのソン・ミノを優勝者だと予想していた時に現れたBasickの真価はものすごいものだった。「どうせ優勝はBasick」であった。
会社員イ・チョルジュ。平凡だった彼が5ヶ月ぶりにラッパーBasickとして戻ってきた。王の帰還は華やかだった。平凡な会社員からMnet「SHOW ME THE MONEY 4」の王座につくまでたった5ヶ月。ありきたりの表現のように“一夜にして”世の中が変わったわけではなかったが、5ヶ月は十分短い時間であった。
彼には強力な武器があった。感性を刺激する彼のラップと、彼を待っているファンの応援はBasickの復活とともに勢いを増した。Basickの復帰は彼を待っているファンには嬉しいニュースだった。ヒップホップをやめ、平凡な日常に戻ったイ・チョルジュが再びBasickとして戻ってくるというニュースはすぐに広まった。さらにプロデューサーとして出演したBlock BのジコとLOCOはBasickの歌を聞いてラッパーになりたいという夢を育んだという。そのため、Basickの「SHOW ME THE MONEY 4」の出演はより一層話題となった。
いわゆる“悪魔の編集”とともに様々な議論が広まった「SHOW ME THE MONEY 4」であった。しかし、Basickだけはその議論から逃れ、台風の目のような穏やかさを保った。最もクリーンな参加者として、そして議論のない参加者として視聴者の信頼を積み重ね、着実に優勝に近づいた。改めて言及するが、「どうせ優勝はBasick」であった。
「『SHOW ME THE MONEY 4』が残したのは新しい人生でした。完全に新しい人生。良い物だけを残してくれたと思います。ありがたいですね、Mnetに。他の参加者よりとりあえず上手くいったわけですから」
Basick:コンサートもやったし、大学の文化祭にも呼ばれた。シングルも準備した。イベント参加の出演料が上がったのは確かだが、まだどれだけ上がったのかは分からない(笑)精算してみないと。「SHOW ME THE MONEY 4」出演後は多くの人が街中で気づいてくれるようになった。まだ大きな変化は分からない。人々が気づいてくれるのが最も大きな変化だ。
―色々と議論が多かったシーズン4だった。
Basick:正直、僕は議論を生むキャラクターではなかった。しかし、そのような議論もある意味では関心である。そのため視聴率も良かったのだ。参加者たちも正直このようなことを知った上で出たと思うし、シーズン1~3を見たらみんな分かるだろう。大きく気にしたりはしなかった。
―Brand Newチームで特に議論が多かった。
Basick:うちのチームで議論が多かったが、実際の内部は平穏だった。台風の目だった。判定を翻した時は特に緊迫していた。とても深刻なことだったのに、放送の編集ではシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)のエピソードのように編集されてしまって残念だった。その日の参加者たちはもちろん、Black Nutが来た日には誰も声をかけることはできないくらい殺伐としていて深刻だったが、まるでいたずらみたいに“San E THE MONEY”だったり“ポンボクJint(韓国語で翻す+Verbal Jint)”にフォーカスが当てられて残念だった。判定を翻したのが良かったとは言えないが、兄さんたちも悪口を言われるのを覚悟して決めたことだった。
―“悪魔の編集”からかなり逃れることができた。
Basick:僕は正直、悪魔の編集からかなり逃れることができた。他の参加者に感謝している。大きな議論などなく、上手く僕の部分が放送されたと思う。制作陣が「所帯持ち、赤ちゃんのパパ、既婚者」などというキャラクターに合わせて上手く作り上げたこともある。
―それでも「SHOW ME THE MONEY 4」にはプラスの面が存在していた。
Basick:僕は「SHOW ME THE MONEY 4」はプラスの影響が大きいと思う。ヒップホップをメインとして扱う唯一の番組であるし、その分一般の人にも浸透している。この番組のおかげでヒットしたアーティストも多く、僕もその中の一人だ。全体的に良い役割を果たしていると思う。

Basick:スヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)の前でサイファーミッションをした時の話だが、制作陣はヒップホップを100%理解している人たちではないので、企画が不十分なミッションだったと思う。そのようなミッションを含めて、時間がもう少しあったら良かったと思う。ミッションの準備にすごく苦労した。歌詞を書いて覚えるのが大変だった。番組に出演してから体重が3~4kgは減った。点滴を打ったり、よく眠れなかったりした。
―「どうせ優勝はソン・ミノ」。プレッシャーはなかったか。
Basick:僕とは関係がなかった。ソン・ミノの話だった。僕はプレッシャーを感じなかった。最初は冗談として始まったのが流行語になって、ソン・ミノとしては「優勝をしてもチャラ」という風に思われたようでプレッシャーになったと思う。僕はそのようなことではプレッシャーを感じなかった。僕はソン・ミノが優勝に値する参加者だと思っていたので、各自素敵なステージを届けてソン・ミノがより素敵なステージを披露したら優勝で、そうでなければ僕が優勝だと思っていた。「どうせ優勝はソン・ミノ」のような言葉はあまりにも聞きすぎて決勝ではあまり気にしなかった。
ー対戦相手としてのソン・ミノについて語ってほしい。
Basick:ラップ的に見てもパフォーマンス的に見ても「SHOW ME THE MONEY 4」の参加者全員の中で最もバランスが良く、欠点もないラッパーだった。ミッションをこなしながら、ソン・ミノがどれだけ才能のあるラッパーなのか見てきたので、決勝戦を控えても僕が劣ると思っていた。よっぽど自分が上手いステージを披露しないと勝てないと思った。7対3でソン・ミノが優勢だと思った。
―優勝を予感したか。
Basick:感性を刺激したことが効果的だったし、第1ラウンドは「I'm the man」と「Okey Dokey」だったが、ステージから見て観客の雰囲気が良かった。僕の気分では事前に収録した時よりも上手くできたと感じた。ステージを終えて、第1ラウンドの金額を見たら僕が少し上だった。その時初めて優勝できそうだと思った。第2ラウンドでは僕が観客の感性を刺激したので優勝できたと思う。
―優勝当時の表情が話題となったが。
Basick:優勝をして、ぼうっとしていた。後でテレビで見たら感想を言えていなかったが、優勝したくない人のように見えた。当時は心の中で「僕は何を思っているんだろう?」ということすら思えていなかった。ただ何もない状態だった。僕がテレビを見ても怒った人のように見えた。
―共演したプロデューサーのVerbal JintとSan Eはどうだったか。
Basick:もちろんとても良いプロデューサーだ。Verbal Jint兄さんの場合は、「You Look Good」や大衆的な曲を多く作曲したが、韓国のヒップホップシーンではほぼ伝説と言えるほど業績の大きな兄さんだ。San E兄さんはVerbal Jint兄さんよりは遅く(ヒップホップを)始めたが、実力的にはすごく優れた人だ。「SHOW ME THE MONEY 4」に出演してイメージもよくなった。聖人君子のような感じだ。最後も良かったと思う。
―今後はどのような活動を展開するか。
Basick:今は「SHOW ME THE MONEY 4」の影響というのがあるが、これが消えていくのも知っているので、良い曲を出すのが重要だと思う。人々に好まれそうな曲を出せるように準備する。大衆的にも声援を受けたいが、それは欲張っている。認められながら多くの人に好まれる、バランスのとれたラッパーになりたい。
―「SHOW ME THE MONEY 5」のプロデューサーとしてはどうか。
Basick:プロデューサー?(首を横に振り)僕が何かを成し遂げてこそその席が相応しいだろう。参加者以外なら良いと思ったが、兄さんたちが苦労したのを見てきたので何とも言えない。呼ばれたら感謝すべきことだ。面白そうだとも思う。僕のような人を見つけて、優勝者にするのは。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- ムン・ジヨン
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