「イカゲーム2」ヤン・ドングン、出演のきっかけや苦労を語る“半年間の撮影で本当に刑務所にいるような感じ”
写真=Netflix
ヤン・ドングンが「イカゲーム2」に合流した感想を語った。彼は最近、ソウル鍾路(チョンノ)区三清洞(サムチョンドン)にあるカフェで行われたNetflixシリーズ「イカゲーム2」(脚本・演出:ファン・ドンヒョク)のインタビューで、シーズン2に合流することになった過程やきっかけなどについて明かした。
「イカゲーム2」は、膨大な借金や深刻なトラブルにより人生を諦めかけた者たちが、“人生一発逆転”できるほどの高額賞金を懸け、“誰もが知る子どもの遊び”になぞらえた「負けたら即死」のイカれたゲームに巻き込まれていく、世界的メガヒットのサバイバルスリラー「イカゲーム」の続編だ。
ヤン・ドングンは、ヨンシク役にキャスティングされた過程について「(ヨンシク役として出演を)検討しているという話を事務所から聞きましたが、決まったことではないのでじっとしていようと思いました。言葉に気をつけなければならないとも思いました。その後、出演が決まりましたが、待たなければなりませんでした。家族にも言えませんでした。妻と10年以上暮らしていますが、どこに行って何を言うか分からないじゃないですか。妻が信じられないというよりは、プロジェクトへの約束を守るべきだと思いました。いつか話をしたはずですが、この作品だけでなく、どの作品について話しても妻の反応がそれほどありません。僕と温度が違います。僕の活動より、家や子供たちに焦点を合わせているので『仕事しているのかな』くらいでした。撮影が近づいてきたとき『こういうものを撮っているの?』という程度の反応でした」と伝えた。
シーズン1をどのように見たかと聞くと「公開された時は見られませんでした。家にいると(家族と)一緒に見ますので、残忍だと言われて見られませんでした。色々な賞を受賞されていた時は、羨ましかったです。そういう作品なんだと思いましたが、その時も見ませんでした。僕は職業病があって、シリーズものが見られません。入り込んで分析する職業病がありますので、長いものは見られません。シリーズは最初から考えもしなかったのですが(『イカゲーム2』を)やることになったので見なければなりませんでした。『全世界で大ヒットしたのはなぜ?』と思いながら見たら理解が速かったです。結果がない時に見ていたら少し違ったのかもしれませんが、メッセージを確認することができて良かったです。これを言うために行くんだなというのが、一気に理解できて分かりやすかったです」と答えた。
全世界で大ヒットした作品のシーズン2に合流するだけに、プレッシャーもあったはず。彼は「1作目より良い2作目はないと言われていますので心配しましたが、僕が心配すべきことではありませんでした。『面白いのか、どうだったのか』と聞かれた時、僕はいつも『開けてみないと分からない』と答えました。どんな作品でも、反応を見てこそ分かりますので、僕がどうこう言えない状況でした」と打ち明けた。
撮影当時は、パーティーを楽しむような気分だったという。彼は「撮影に臨んで集中していた僕の心の状態は、まるでパーティーを楽しむような軽く嬉しい気持ちで臨もうという感じでした。他の作品ではそういうふうに考えたことがありませんが、すごい作品で僕の心や考えを整理する時間が長かったです。一番記憶に残るのは、ティーテーブルです。ただのティーテーブルじゃなくて、俳優やスタッフが思いきり休んで食べて飲めるように、売店のようになっていました。そんなのは初めて見ました。自然にパーティーに行くような気持にさせる現場は初めてでした。セットが本当に良くて高いものでした。準備がよくできていました。そのセットに6ヶ月間、閉じ込められていました。まるで刑務所にいるのではないかと錯覚するほど、寝る時間を除いては出勤してずっといました。そこに入れば、出ていくことはできません。外に出かけたら衣装がばれるかもしれませんので。その中で6ヶ月間過ごしていたら、売店が本当に重要でした。そこにいるだけでも解放感がすごかったです」と語った。
続けて「このようなルールをなぜつくったのかと思いましたが、ゲームのセットの中に閉じ込められていたじゃないですか。そのシーンを実際に感じてみろという意味ではないかと思いました。その空間にいると、刑務所のような感じです。部屋も密集していて、そこに長くいると疲弊します。被害を受けたのが妻でした。たまに家に帰ると、今のようなテンションじゃなかったんです。毎日死ぬことについてのリアクションを演技していたら、その時間を過ごした分だけ脳が作動します。どうしても死んで怖がる演技を毎日していると、家に帰ってもその状況に同化している感じでした。妻がなぜ苦しんでいるのかと思いましたが、そうしている僕を見ていたのです。それほど疲弊するのだから、どうせやるなら楽しくやろうと思いました。パーティーをする気持ち、楽しむ気持ちでしようと思ってこそ、耐えられました」と撮影当時を思い出した。
出演を断るか、悩んだきっかけになったシーンがあったという。彼は劇中、母親のチャン・グムジャ(カン・エシム)とマッチゲームをしていたところ、連れて行かれるシーンについて「ハリウッド進出までは考えられませんでしたが、キャスティングされたという話を聞いたときは、本当に嬉しかったです。ですが、役を見た時は苦しかったです。実は幼い頃から泣くシーンや感情を表すシーンは本当に大変でした。大変な時代を生きる役が多くて、泣くシーンが多かったのですが、上手に泣く子役もいますが、その時からトラウマのようなものがありました。(『イカゲーム2』)の台本を見ましたが、泣くシーンがあってとても辛かったです。もう45歳を超えて、仕事を楽しく面白く嬉しくしたいのに、この感情を呼び起こすことは本当にしたくありませんでした。でも『イカゲーム』だからやりました。このシーンはとてもしんどかったです。本当に体の調子が悪くなりました。一日や二日準備するのではなく、その感情が出ることを僕は知っているじゃないですか。撮影前日は部屋で一人で横になっているほどでした」と吐露した。
そのシーンをどのように準備したのかと聞くと「答えが出てこなくて、もう分からないと思いました。行き詰まったんです。毎日どうなるか分からないのに、心配していたら良くない部分だけ考えるようになるじゃないですか。何かあるだろうと思って、心配するのをやめて現場に行きましたが、メリーゴーランドの舞台じゃないですか。とても美しかったです。クラブやコーヒーショップにしてもよいほど、本当にきれいで美しい空間でしたが、感情を呼び起こさなければなりませんでした。感情を引っ張ってきました。本当に母のことをたくさん思い出しました。普段、母のことはあまり考えないんです。そんなに記憶に残るほど美しい記憶があまりありません。
ですが、突然若い頃に作った歌『Father』が急に始まりました。『夢の園であなたを育ててあげたかった』という歌詞がありますが、そうしてあげられない母と遊園地に来ているのです。その歌が聞こえて、感情が沸き上がってきて思い出したくない母のことを思い出しました。そのシーンを撮影するとき、本当に有名な俳優さんたちがずっと見ていました。僕がどういうふうに演じているのか見ているんだなと思いました。幸い、思ったより感情が湧き上がってきました。でも、すごく短く出たんです。俳優たちのリアクションを全部撮りました。それが10分以上でしたので、僕はずっと泣く演技をしなければなりませんでした。ところが、心配したよりは上手にやりましたし、体調を崩した分だけよいものが出来上がったと思います」とし「当時のヨンシクの心は、1番は監督のディレクションを信じて、2番はNetflixの視聴者の皆様に任せました」と付け加えた。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- パク・スイン
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