“前事務所に勝訴”イ・スンギ、精算金をめぐる裁判の判決文の一部を公開

8日、現所属事務所のBig Planet Madeエンターテインメントは「原告(HOOKエンターテインメント)が精算金を支払わず、精算資料を提供しなかった行為は、故意的または少なくとも重大な過失であり、被告(イ・スンギ)にアルバムや音源収益の精算義務をしっかりと果たさなかったことは、原告と被告の間の深い信頼関係を崩す行為に値する」という、判決文の内容の一部を公開した。
これは、HOOKエンターテインメントがイ・スンギに精算資料を提供する法的・契約的な義務があったにもかかわらず、これを10年以上果たさなかったため、このような行為は故意的または重大な過失によるもので、アーティストとの信頼関係を崩す行為だということを裁判所が認めたという内容だ。
また、判決文によると「原告が被告のアルバムや音源収益に関する資料を独占的に管理していた状況で、原告に対して深く信頼していた被告の立場では、原告がアルバムや音源収益に対する精算資料の管理、精算内訳書の作成や精算資料の提供義務などをしっかりと移行していなかった状況で、アルバムや音源収益に対する精算金債権が発生したことを、簡単に知ることができなかったはず」と書かれている。所属事務所がアルバムや音源収益を独占的に管理する状況で、所属アーティストであるイ・スンギが精算内訳に対する透明性を判断することは難しかったということを認めた内容である。
これに先立って、イ・スンギは2004年にデビューして以降、所属してきたHOOKエンターテインメントが、18年間にわたり音源収益を精算しなかっただけでなく、精算資料や精算金ももらえなかったという内容証明を送り、専属契約解除を通知した。
その後、HOOKエンターテインメントは自主的に計算した精算金約54億ウォン(約5億4,099万円)を支払った後、広告収益を過度に精算したという理由で、9億ウォン(約9,016万円)の広告手数料の返還を求め、債務不存在確認訴訟を提起した。
今月4日に行われた精算金をめぐる訴訟の第1審で、裁判所はイ・スンギの勝訴を宣告し、HOOKエンターテインメントはイ・スンギに5億8,700億ウォン(約5,870万円)を追加で支給するよう判決を言い渡した。
イ・スンギは、前所属事務所との精算金をめぐる訴訟過程で「僕のように幼い時に活動を始めた後輩たちが、苦痛を受けないことを祈っている」と訴えた。その後、芸能事務所が所属アーティストに年に1回以上の精算内訳とその根拠となる会計の内訳を書面(電子文書含む)で提供するよう義務付ける「大衆文化芸術産業発展法施行令の一部改正案」、いわゆる「イ・スンギ事件防止法」の立法が推進された。
このように今回の裁判所の判決は、今後、芸能界の不公正な契約慣行や不透明な精算システムに警鐘を鳴らす、もう一つのきっかけになる見通しだ。
・イ・スンギ、未払い金を巡る訴訟で勝訴…裁判所が元所属事務所に約5,800万円の支給を命令
・韓国で“イ・スンギ事件防止法”の立法予告…精算サイクルと方法について一部改正
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- パク・ソヨン
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