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「エスクァイア」チョン・ヘビン“結婚・出産で以前とは異なる視点が生まれた”

OSEN
写真=「エスクァイア」
女優チョン・ヘビンが、「エスクァイア:弁護士を夢見る弁護士たち」への溢れんばかりの愛情を表した。

チョン・ヘビンは、JTBC土日ドラマ「エスクァイア:弁護士を夢見る弁護士たち」(脚本:パク・ミヒョン、演出:キム・ジェホン、以下「エスクァイア」)で深みのある演技を披露し、もう一度“信頼できる女優”の底力を証明した。劇中彼女はホ・ミンジョン役を務め、カリスマ性と人間味を同時に見せ、視聴者から好評を得た。

ホ・ミンジョンは、後輩には温かくアドバイスする先輩であり、過去の傷を克服しながら成長していく立体的な人物だ。彼女は細やかな感情表現と幅広い演技でキャラクターを完成させ、視聴者の共感を得て「モップム(クール&ビューティー)弁護士」というあだ名まで得た。

特に元夫とのシーンでは痛快なカタルシスを与え、イ・ジヌ(イ・ハクジュ)とのロマンスではときめきいっぱいの演技でドラマの没入感を一層高めた。放送直後からSNSでは、「チョン・ヘビン以外のホ・ミンジョンは想像できない」という反応が相次いだ。

―― 今回の作品に出演を決めた理由は何ですか?

チョン・ヘビン:キム・ジェホン監督の前作「財閥 x 刑事」が面白く、印象深かったのですが、そのようなタイミングで台本をいただきました。読んでいる間、興味深い展開に引き込まれました。ホ・ミンジョンというキャラクターは、登場シーンは多くありませんが、非常に立体的で魅力的に感じられました。女性として、母親として、娘として、社会人として、誰もが共感できる人物だと思いました。私自身もミンジョンに強く惹かれていたようです。私の年齢とミンジョンの年齢が同じという点も、共感のきっかけとなりました。

―― 初めて台本を読んだ時、どのように思われましたか?

チョン・ヘビン:各回ごとに提示される伏線と葛藤、そしてそれを解決していく過程で生まれるスピード感が印象的でした。まるで雨の中を走るような緊張感とスピーディーな展開が、他の作品とは一線を画す洗練された美しさがあったと思います。それでいて台詞を噛みしめると、ぬくもりが伝わってきました。優しい空気が作品全体に感じられましたが、それはおそらく脚本家のパク・ミヒョンさんの温かさが文章の中にそのまま込められているからではないかと思います。

―― ホ・ミンジョンという役に説得力を持たせるため、特に気を使った部分はどこですか?

チョン・ヘビン:ホ・ミンジョンは別れることに慣れている人物です。幼い頃に父を亡くし、頼りにしていた母までこの世を去り、一人きりになりました。婚前妊娠による結婚でしたが、家族からも蔑ろにされ、“捨てられること”が彼女の人生のように固まってしまったようでした。そのため、ジヌの心を受け入れることは決して容易ではなかったはずです。台本の中のミンジョンは、確かに哀れで脆く見えるかもしれませんが、私が思うミンジョンは、ただ哀れな女性ではなく、あらゆる喪失に耐え抜き、一人でしっかりと立ち続けてきた強靭な人間であり、誰にも頼ることはできないけれど、自分を信じて、ひたすら目標だけに向かって突き進む人物でした。しかし、果たして他人の“真心”が彼女の閉ざされた心を開くことができるのか、その疑問が常に自分の心の中にありました。特に気を使って準備したというよりは、ミンジョンの過去と傷をずっと抱えて考え続けているうちに、ある瞬間、自然に自分がホ・ミンジョンになっていたと思います。

―― チョン・ヘビンさんとホ・ミンジョンのシンクロ率はどれくらいでしょうか?似ている点と違う点を教えてください。

チョン・ヘビン:冗談で「顔、身長、体重」と言うこともできますが(笑)、実は私はミンジョンと多くの部分が似ていると思います。別れ、憂鬱だった時期、失敗と挫折、そしてついにそれを乗り越えようとする粘り強さと忍耐強さ。また、そうした過程を経て得た幸せまでもがそうです。生きていく上で誰もが経験することだからこそ、ミンジョンを演じながら、私はむしろ彼女を最もよく理解できたんです。そのため異なる点はあえて探そうとしませんでした。

―― 登場する度に強いインパクトと存在感を見せ、物語を引っ張っていく演技が際立っていました。それを可能にしたご自身の秘訣は何だと思いますか?

チョン・ヘビン:私はただ台本に込められた意味をしっかりと伝えようと努力しただけです。何よりも監督が、気負わず演技ができる現場を作ってくださったおかげで、私も役に完全に集中できました。また、相手役のイ・ハクジュさんとも息が合い、楽しく撮影できました。秘訣というよりは、おそらく長い間女優として悩みながら積み重ねてきた経験が自然と表れたのではないかと思います。

―― 撮影現場の雰囲気や、監督・スタッフ・共演者たちとの相性はいかがでしたか?特に記憶に残っている瞬間があれば教えてください。

チョン・ヘビン:デビュー後、多くの現場を経験してきましたが、本当に最高の瞬間でした。特にキム・ジェホン監督の穏やかな人柄と尊重の姿勢が、現場全体を温かく包み込み、その中で全員がそれぞれの役に集中し、最善を尽くすことができました。おかげで演技だけに没頭することができました。不必要な時間や感情の消耗が全くなく、「こんな現場ならシーズン10までやれるかも」と冗談半分本気半分で言うほどでした(笑)。

―― 「エスクァイア」は本格的なドラマ復帰作として注目されました。今回の作品でどのような変化を見せたいと思いましたか?

チョン・ヘビン:実は今作では、ミンジョンが事件を弁護したり、法廷で戦うシーンは多くなかったんです。むしろ自身の過去と、心の傷と絶えず戦う人物でした。私はその姿が現実世界の私たちに似ていると思いました。そのような姿に共感してほしいと思いました。また、結婚して母親になったら、以前とは違った視点や理解が生まれたことを自分自身でも感じました。女優として、私にとっては非常に大きな変化であり、今回の作品ではそのような自分の変化が自然に溶け込んでいてほしいと願っていました。

―― 最後に、ドラマを愛してくださった視聴者の皆さんへ一言お願いします。

チョン・ヘビン:「エスクァイア」を愛してくださった視聴者の皆様に、心より感謝申し上げます。このドラマは、まるで心を込めて一文字一文字書き綴った、私の心の中のラブレターのような作品でした。生きていく中で、人生の重さに疲れた時に取り出して読み返したくなるような物語だと言えるでしょう。皆様の心にも、この作品の余韻が長く残りますように。送っていただいた身に余る愛を忘れず、また素敵な作品でお目にかかります。ありがとうございました。
元記事配信日時 : 
記者 : 
パク・ソヨン

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