伝説の韓ドラ「冬のソナタ」が映画化!ユン・ソクホ監督が語る当時のブームと俳優の魅力

韓国KBSで2002年に放送され、日本でも2004年にNHK地上波で放送されると、週末の深夜に放送されたにもかかわらず、高視聴率を獲得した伝説の韓国ドラマ「冬のソナタ」。今回、4Kで映画化した「映画 冬のソナタ 日本特別版」が、いよいよ公開される。
物語の核であるチュンサンとユジンの2人の“純愛のみ”を抽出した、濃密すぎる“究極の冬ソナ”の編集の全工程に参加したユン・ソクホ監督にKstyleではインタビューを敢行! 映画化への想いや、主演俳優の魅力、日本との縁などについて語ってくれた。
「冬ソナ」を2時間に凝縮!監督が惜しくもカットしたシーン
©2025. KBS. All rights reservedユン・ソクホ:僕が企画したわけではなく、「冬のソナタ」を制作したPAN ENTERTAINMENTから依頼を受けて映画化が決まりました。「編集をしてくれ」と依頼を受けた時、20時間を超える作品を2時間にすることは簡単なことではないものの、僕自身が“「冬のソナタ」を愛する人”のひとりとして「20年が過ぎたのだから、再び映画として新しく多くの人が見られるようになれば喜ばしい」という期待もあって、難しくはありましたが楽しく取り組むことにしました。これまでの20年間で「冬のソナタ」を初回から20話まで見る機会がなかったのですが、今回、初回からワンシーンずつ見て編集するという時間が僕にとってとても幸せな時間でした。大変だったけど幸せな時間だったんです。
――1400分のドラマを2時間に編集するのはかなり大変な作業だったと思いますが、どんなことを基準にシーンを選ばれ、編集していかれたのでしょうか?
ユン・ソクホ:家族の秘密や出生の秘密など、若干ミステリー的な内容を含んだストーリーですが、そういった部分は除いて、2人の愛についてだけ集中させようと考えました。初恋とその初恋の記憶を失ってしまった時の切ない感情、そして初恋を再び見つけ出して記憶を取り戻す過程の最後で、やむを得ずにまた記憶を失ってしまう。手術を受けると記憶を失ってしまうという危機に対してある選択をして去ることになり、最後にまたすべてを記憶して再会する……。“愛する人の記憶を中心とした愛を探す話”を基準にして、2人の愛の話に集中させることで、今回の映画を2時間に作り上げました。
――時間の制約のために泣く泣くカットされたシーンもたくさんあると思いますが、監督が選ぶカットしたくなかったシーンベスト3を挙げるなら?
ユン・ソクホ:急に3つ選ぶのですか(笑)? なにがありますかね……。(少しだけ考えて)高校時代の話だけで1話分の分量があるのですが、初恋の物語だけにたくさんの時間を割くことができないのでカットせざるを得なかったです。中でも放送室でチェ・ジウさんがダンスを踊って、その姿をペ・ヨンジュンさんが見ているシーンは、とてもかわいくて美しいシーンだったのでカットするのが惜しかったです。
2つ目はセリフがとても好きなんですが、物語の進行上入れることができなかったシーンです。2人が別れるシーンでチェ・ジウさんが「私、ごめんなさいなんて言いませんから。私の心を持っていったから」と言う名セリフを入れたかったのですが、そのためには2人がどうしてそのような状況になってしまったのかをある程度まとまった形で入れ込まなくてはいけなかったので仕方なくカットしました。
3つめは雪合戦のシーンです。映像的にとても美しいシーンでしたが、ストーリーにはあまり関係なかったためカットしましたが、もったいないのでエンディングにイメージ映像として、ちらっと入れ込みました。
日本での冬ソナブーム「初めての経験でした」
©2025. KBS. All rights reservedユン・ソクホ:日本で大人気だった当時、直接日本に行ってその人気を肌で感じたので、当時のブームがどんなものだったかはよく覚えています。これまでたくさんのドラマを制作してきましたが、他の国でこのように大反響を得たことは初めての経験でした。制作した当時は日本で放送されるとは思ってもいませんでしたし、韓国人の感情が日本にも通じるということにとても驚きました。そして僕がこれまで積んできた仕事に対するプライドみたいなものを満たしてくれた気がして、とても力になりました。日本の皆さんが「冬のソナタ」をたくさん愛してくださったことは今でも鮮明に覚えていますが、20年もの月日が経つと人の記憶はだんだんと薄れていくものですよね。だから今回の映画化で「冬のソナタ」を愛してくださった皆さんが、再び当時の記憶を思い出していただけたらうれしく思います。
――日本のファンの反響で印象的だったことは?
ユン・ソクホ:僕が直接経験したというよりも周囲の人から伝え聞いた話ですが、韓国語に興味を持つ人が増えて日本に住む韓国人留学生が韓国語を教えるアルバイトをするようになったとか、ある日本人の方がタクシーに乗った時に運転手さんに「韓国の男性がこんなにきれいだとは知らなかった。これまで韓国の男性はゴツくて怖そうだと思っていたけど、ペ・ヨンジュンさんを見たらとてもきれいだったので、これまで持っていたイメージとは違って衝撃を受けた」と話していたということも聞きました。また日本の地方に行った時に食堂で僕に気が付いてくださる方もいました。韓国でもめったにないことだから驚きましたね(笑)。そんな風に「冬のソナタ」が大きなシンドロームを起こしたこと、韓国に興味を持ってくださる方が増えたことがうれしかったです。
3人の俳優を絶賛「演技もキャラクターも魅力がある俳優たち」
©2025. KBS. All rights reservedユン・ソクホ:映画の編集作業をしながら、改めて序盤のチェ・ジウさんがとても大きな役割を果たしていると感じました。愛する人の記憶を鮮明に覚えているのに、自分をまったく覚えていない男性と出会って動揺するという序盤をけん引する重要な部分を表情や堅実な演技で見事に表現してくれました。チェ・ジウさんは女性的なイメージがありますが、愛に対しては芯が強いユジンのキャラクターをとてもうまく演じていたと思います。
ペ・ヨンジュンさんは2つのキャラクターを演じ分けなくてはならず、簡単なことではなかったと思います。序盤は孤独で寂しくて傷を持った姿をうまく見せておいて、愛を知ってからは少し柔らかくなって、月日が経ってからはまったく違う人とし現れましたが、チュンサンという人物のベースはそのまま大事に持っていて優しく穏やかだという2面性をとてもうまく表現してくれました。もともと魅力がある方ですが、キャラクターとよく合っていたと思います。
パク・ヨンハさんもサンヒョクにピッタリでしたね。かわいく愛らしい “優しい弟”という雰囲気を持った俳優ですが、サンヒョクという正反対のキャラクターをうまく自分のものにして演じてくれました。主人公2人に次ぐ第3の役柄でしたが、日本ではむしろサンヒョクのキャラクターがクローズアップされてパク・ヨンハさんも大人気だったことを僕もよく知っていますし、それだけ魅力がある俳優であり、演技もすばらしかったです。今回は2時間にまとめなくてはならず、パク・ヨンハさんのすばらしい演技を十分にお見せできなかったのはとても残念です。
©2025. KBS. All rights reservedユン・ソクホ:もちろん知っています。僕の会社の事務所は弘大(ホンデ)にあって、同じ建物に今は無くなったのですが、当時は食堂があったんです。そこにパク・ヨンハさんのファンの方々がよく食事にいらしていました。盆唐(ブンダン)にあるパク・ヨンハさんのお墓にお墓参りに行った後に、「冬のソナタ」の監督の事務所を訪ねて、食事をして帰るというコースだったようで、そのようなパク・ヨンハさんファンの方々の集まりが、長い間継続していたことも知っています。
――「冬のソナタ」は映像美も魅力で、世界中のファンがロケ地を訪れましたが、ロケ地の選定はどのようにされたのでしょうか?
ユン・ソクホ:高校時代は初恋の物語が描かれるので、ちょっとビンテージというかアナログな雰囲気を出したくて春川(チュンチョン)という地方都市を舞台にしました。そして雪がたくさん降って白い色が“思い出”によく似合うスキー場(ドラゴンバレー)を選びました。そしてラストシーンは冬が完全に終わって新しく春が訪れて愛が始まるということで、南に位置する島・外島(ウェド)を選びました。椿の花がたくさん咲いて、初春の日差しが温かい島でラストシーンを撮りました。このようにロケ地とストーリーもたくさんの関連性があります。
「初恋の美しく純粋だった頃を思い出す機会に…」

ユン・ソクホ:実は「冬のソナタ」以前はほとんど馴染みがなかったです。でも、僕が1999年に制作したイ・ヨンエさん主演の「招待」というドラマが台湾に初めて輸出された時に担当者の方が「日本の作品かと思った」っておっしゃたんですね。だから自分では自覚がなかったけれど、見る人が見ると僕の作品は日本に通じるものがあるのかもしれない、だからこそ「冬のソナタ」が日本でも愛されたのかもしれないと感じました。
その後「冬のソナタ」のために日本に頻繁に訪れるようになり、日本の方々と接する機会も増えて、日本の小説を読んだり、映画を見たりするうちに日本的なものを吸収するようになりました。そんな中で松竹ブロードキャストからオリジナル映画プロジェクトの依頼を受けて、僕が直接脚本を書き、俳優のキャスティングもして「心に吹く風」を制作することになりました。また「夏の終わり頃のラトラビアタ」も、よい小説があるということでメガホンを取りました。
結局、人は生きているうちに数多くの偶然に出会いますが、その偶然が無意識に自分の人生に影響を与えて、無意識にその流れに乗っていくように感じます。なので僕が「日本のものを一度やってみよう」って思ってやったことではなく、流れに身を任せた結果、「冬のソナタ」からの縁でここまでやってきたように思います。そしてこれからもどうなるかはわかりませんが、これまでインプット(知識や情報を得ること)をたくさんしてきたので、そこからアウトプット(発信)をしていければと期待もしています。また違う作品で実現できればうれしいですね。
――それでは、最後にKstyleをご覧の皆さんにメッセージをお願します。
ユン・ソクホ:「冬のソナタ」をご覧になった方は映画版をご覧になって、「冬のソナタ」を好きだった頃の感情を再び思い出してくださったらうれしいですし、初めてご覧になる方はご自身の初恋の美しく純粋だった頃を思い出す機会になる映画になればうれしいです。
(取材:安部裕子)
■作品概要
「映画 冬のソナタ 日本特別版」
2026年3月6日(金)新宿ピカデリー他 全国ロードショー
キャスト:ペ・ヨンジュン、チェ・ジウ
監督:ユン・ソクホ / ドラマ「秋の童話」(00)、ドラマ「夏の香り」(03)、ドラマ「春のワルツ」(06)
音楽:イ・ジス / 映画「シルミド」(03)、映画「オールド・ボーイ」(03)
製作:PAN ENTERTAINMENT
配給:ギャガ
2025年 / 韓国映画 / カラー / ビスタ / 5.1chデジタル / 128分 / 字幕協力:KOBAYASHI YURI
©2025. KBS. All rights reserved
【ストーリー】
高校時代、互いの初恋だったチュンサン(ペ・ヨンジュン)とユジン(チェ・ジウ)。しかし、チュンサンは不慮の事故で命を落としてしまう。10年後。インテリア会社を経営するユジンの前に、チュンサンと瓜二つの男、ミニョン(ペ・ヨンジュン2役)が突然現れる……。
■関連リンク
「映画 冬のソナタ 日本特別版」公式ホームページ
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- Kstyle編集部
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