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Bleak Night

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  • イ・ジェフン&パク・ジョンミンの主演作も!日本初公開の韓国映画が7月14日より「WATCHA」で続々配信スタート

    イ・ジェフン&パク・ジョンミンの主演作も!日本初公開の韓国映画が7月14日より「WATCHA」で続々配信スタート

    映画好きのための新しい⽉額動画配信サービス「WATCHA(ウォッチャ)」にて、これまで⽇本で劇場公開されていなかった韓国のドラマ・コメディ・サスペンス・ホラーなど幅広いジャンルの日本初公開の傑作映画が7⽉より順次配信される。第⼀弾として7⽉に11作品の配信が開始する。7⽉14⽇(⽔)から配信開始する、イ・ジェフン主演で学校の内外で形成される権⼒に悩みもがく若者たちを克明に描いた「BLEAK NIGHT 番⼈」は、ユン・サンヒョン監督が韓国国⽴映画アカデミー(KAFA)在学時に制作した独⽴系映画で、韓国国内の映画賞を賑わせた。韓国でHIP HOPブームを起こした実在のオーディション番組「SHOW ME THE MONEY」に参加する主⼈公を描く「サンセット・イン・マイ・ホームタウン」では、本作のために1年近くラップの練習に励んだパク・ジョンミンと、「トッケビ~君がくれた愛しい⽇々~」でヒロインを好演したキム・ゴウンが、過去の⾃分と向き合いながらも激動の⽇々に情熱を燃やす若者の⻘春を熱演。1,000⼈以上のオーディション参加者から選ばれた⼦役のチョン・ジフンと、韓国の国⺠的おじいちゃん俳優イ・スンジェが主演を務めた「ドクグ ~スタンド・バイ・ミー~」は多⽂化な家族が紡ぐ⽇常⽣活を暖かな視線で描いた感動作だ。また、7⽉28⽇(⽔)から配信開始する、幼い頃に孤児院で⽣き別れた兄弟が劇的に再会し⺟親を探す珍道中を追ったブラックコメディ「ウィ・アー・ブラザー︕」では、チョ・ジヌンとキム・ソンギュンが正反対の兄弟を演じ育った地域の⽂化や⾔語の違いで衝突しつつも変えがたい絆を築く様⼦が笑いと感動を誘う。韓国のレース史上、最も感動的な挑戦を⽣み出した競⾛⾺「ルナ」の実話を元にした「奇跡のジョッキー」はイ・ファンギョン監督がメガホンを取り、チャ・テヒョンが視⼒を失いながらも⾺と⼼を通わせレース優勝を⽬指す騎⼿を熱演した。■配信情報【7⽉14⽇(⽔)配信開始6作品 ※五⼗⾳順】「アリス︓ワンダーランドから来た少年」(2015年/115分/ファンタジー・ホラー)原題:ALICE:BOY FROM WONDERLAND/앨리스:원더랜드에서 온 소년監督:ホ・ウンヒ 出演:ホン・ジョンヒョン、チョン・ソミンほか「⼤⼈図鑑」(2017年/92分/ドラマ)原題:ADULTHOOD/어른도감監督:キム・インソン 出演:オム・テグ、イ・ジェインほか「サンセット・イン・マイ・ホームタウン」(2018年/123分/ドラマ)原題:SUNSET IN MY HOMETOWN/변산監督:イ・ジュンイク 出演:パク・ジョンミン、キム・ゴウンほか「ドクグ ~スタンド・バイ・ミー~」(2018年/91分/ドラマ)原題:STAND BY ME/덕구監督:バン・スイン 出演:イ・スンジェ、チョン・ジフンほか「2階の悪党」(2010年/115分/サスペンス・コメディー)原題:VILLAIN & WIDOW/이층의 악당監督:ソン・ジェゴン 出演:ハン・ソッキュ、キム・ヘスほか「BLEAK NIGHT 番⼈」(2010年/117分/ドラマ)原題:BLEAK NIGHT/파수꾼監督:ユン・サンヒョン 出演:イ・ジェフン、ソ・ジュニョン、パク・ジョンミンほか【7⽉28⽇(⽔)配信開始5作品 ※五⼗⾳順】「ウィ・アー・ブラザー︕」(2014年/102分/コメディドラマ)原題:WE ARE BROTHERS/우리는 형제입니다監督:チャン・ジン 出演:チョ・ジヌン、キム・ソンギュンほか「奇跡のジョッキー」(2011年/133分/ドラマ)原題:CHAMP/챔프監督:イ・ファンギョン 出演:チャ・テヒョン、キム・スジョン、ユ・オソン、パク・ハソンほか「最後の約束」(2007年/104分/ドラマ)原題:MY 11TH MOTHER/열한번째 엄마監督:キム・ジンソン 出演:キム・ヘス、リュ・スンリョンほか「動画をクリックしただけなのに」(2012年/93分/ホラー)原題:DON'T CLICK/미확인 동영상監督:キム・テギュン 出演:パク・ボヨン、チュウォンほか「私の⼩さなピアニスト」(2006年/108分/ドラマ)※本作は2007年に⽇本劇場公開されました。原題:FOR HOROWITZ/호로비츠를 위하여監督:クォン・ヒョンジン 出演:オム・ジョンファほか

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  • 「全国のど自慢」イ・チョヒ“次がいつも気になる女優になりたい”

    「全国のど自慢」イ・チョヒ“次がいつも気になる女優になりたい”

    イ・ギョンギュの2番目の制作作品として話題になった映画「全国のど自慢」には、様々な出来事が盛り込まれている。キム・イングォンとリュ・ヒョンギョンを中心にオ・ヒョンギョン、キム・ファンヒ、キム・スミ、オ・グァンロク、ユ・ヨンソク、イ・チョヒがキャスティングされた。それぞれ違う物語と歌で笑いと涙、そしてときめきを抱かせた。その中でもユ・ヨンソクとイ・チョヒは初々しい恋愛物語を演じることで、爽やかさを余す所無く見せてくれた。公開前にはイ・ギョンギュ、キム・イングォンに焦点が当てられたことは事実だ。しかし、ユ・ヨンソクとイ・チョヒは、映画の登場人物の中で一番視線を集めた。何よりもあまり知られていなかった新人イ・チョヒの初々しさが劇中のキャラクターとぴったり合っていた。1幕:演技アカデミーの扉を自ら叩いた内気な少女イ・チョヒ大邱(デグ)生まれの少女。幼い頃、両親と一緒に全国の至るところに引越した経験がある。そして10歳になった時、ソウルに上京した。頻繁に引越ししたせいか、友達がおらず、自然に小心者で内気な性格になった。友達の前では緊張して話もできなかった。そんなある日、偶然に演技アカデミーのチラシを見て、自ら扉を叩いた。小心者で内気だった少女イ・チョヒの演技人生1幕はこのように開いた。―名前が綺麗だ。イ・チョヒ:礎のチョ(礎)に、輝くヒ(熙)だ。宝石という意味もあり、一人で輝くのではなく、礎のように周りの人を支えながら、共に輝くと言う意味でもある。両親が付けてくれた名前だ。―大邱(テグ)で生まれた。そして10歳の時にソウルに上京した。イ・チョヒ:大邱で生まれて、10歳の時ソウルに上京するまで、たくさん引越した。なので、全国の方言が話せる(笑)―いつから演技に関心を持つようになったのか。イ・チョヒ:ソウルに上京してすぐ、要するに10歳の時に両親に演技アカデミーに行かせてほしいとお願いした。もちろん演技がやりたいとか、才能があったから始めたことではない。単純にもう少し外向的な性格になって、人と上手く付き合いたかっただけだ。だけどやっているうちに楽しくなって、面白くて、幸せだった。―10歳の少女が、それも親の意志ではなく自分の意志で演技アカデミーに行きたいとお願いしたなんて。イ・チョヒ:皆おかしいと思っていたようだ。ハハ。でも、その時もおそらく悩みがあったと思う。小心者だったし雄弁の塾に通うか、ただ公園で遊んでいる人に話しかけてみるか、色んな方法を考えました。そんな中、偶然に演技アカデミーのチラシを見て、今の自分の性格とは違う姿に変えられると思ったようだ。簡単に変えられると思ったのだろう。―初めて演技アカデミーに足を踏み入れた瞬間から演技がやりたいと思ったのか。イ・チョヒ:昔のことで、私が覚えている限り、初めて演技アカデミーに行った時、受講生とグループになって舞台の上で即興劇を披露しなければならなかった。その時、気兼ねなく話すことができた。不思議なことだった。イ・チョヒという人は、話が苦手だったにもかかわらず、舞台の上ではこんなに上手く話せて、違う人になった気分だった。みんなと一緒に何かをして、撮影現場に行くのが楽しかった。脇役で出演する時、10時間待っていても幸せだった。その時はそれが全てだった。その後、演技をやめたら、演技がしたいという思いが強くなった。今考えてみると、才能はなかったけど、自分がやりたいことを早く見つけることができた。―脇役出演もしたことがあるのか?どんな作品だったのか話してほしい。イ・チョヒ:それが当時、子供ドラマに出演したこともある。もちろん主演や大役ではなかった。母に聞いてみたが、母さえ覚えていなかった。私も覚えていない。何かに出演したけどハハ。その時は何をするのかも知らずに、ただ演技をしていたと思う。―そんなに演技が好きだったのに、しばらくの間だけやって学校に戻った。そして、大学に入ってからもう一度、演技を始めた。両親も娘が演技を続けるとは思わなかったのでは?イ・チョヒ:大学に行く時までは普通の10代のように過ごすことを約束し、演技をやめた。それで、「もう一度、演技をする」という話をなかなか言い出せなかった。もちろん、中学校の時から「大学に行ったらもう一度、演技をしたい」と話してはいたが、最初、親はそれをあまり真剣には考えていなかったようだ。でも、私が真剣にずっと言い続けたので、やはり少しのトラブルはあった。結局は父が許してくれた。2幕:「Bleak Night」に出会ったイ・チョヒ、「全国のど自慢」までの道のりみんなと同じ10代を送ったイ・チョヒは、自分の意志通りソウル芸術大学に進学した。演技への道に一歩近づいたことになる。そして、彼女は映画「Bleak Night(原題:番人)」を通じて映画関係者たちの間で名を馳せた。観客たちにとってはイ・ジェフンの発見の方が圧倒的だったが、イ・チョヒも「Bleak Night」の後、多くの出演交渉を受けた。しかし、彼女の選択は学校だった。―「Bleak Night」が話題を集め、出演した俳優たちが成長していく時、イ・チョヒは学校に戻った。きっとチャンスがあったはずなのに、どうして学校を選んだのか?その時、チャンスを掴んでから学校に戻っても良かったのでは?イ・チョヒ:「学校はいつでも戻ることができる」という考えは、今だからできる考えだと思う。当時は舞台恐怖症があった。学校に戻らず、そのまま仕事を続けたら後で演劇やミュージカルは絶対できないと思った。演技ができるジャンルはすべてやりたいと思っていて、そうするためには早く学校に戻って公演をする方が正しいと思った。―でも、焦る気持ちもあったはずなのに、本当におおらかな性格だ。イ・チョヒ:性格自体があまり焦らないタイプだと思う。今もそうだが、当時はまだ若かったし焦る必要はないと思った。私なりに、これから女優として生きていく日が多いので、舞台恐怖症が酷いのにあえて違うことをやる必要はないと思った。―でも、学校を休学してもう一度、現場に戻ってきた。それは矛盾しているのでは?イ・チョヒ:卒業するつもりで学校に戻ったが、舞台恐怖症が良くなった。まあ、私がそう感じただけだけど。それで、休学届けを出して「マクドナルド」のCMを撮り、「全国のど自慢」に出演するようになった。―そしたら、「全国のど自慢」はどのように出演することになったのか?イ・チョヒ:オーディションを受けた。ある方が私を推薦してくれて、それでオーディションに参加できるチャンスを得たと聞いた。―「Bleak Night」の時はみんな新人俳優で、年齢も近かった。でも、「全国のど自慢」は商業映画で、呼吸を合わせなければならない俳優たちもその時と全く違うが。イ・チョヒ:現場はあまり変わっていないと思う。ただ、「Bleak Night」の時は共演者たちが同じ年頃だったので良く遊ぶことができ、「全国のど自慢」は先輩たちから可愛がってもらえた。それから、「Bleak Night」ではお互いを応援する雰囲気だったが、「全国のど自慢」では私がまだ持つことのできない余裕が先輩たちから感じられた。真剣に悩みながらも演じる時はいつ悩んだのか分からない程、気楽に演じる姿がとてもかっこよく見えた。―直接呼吸を合わせたユ・ヨンソクはどうだったのか?イ・チョヒ:片思いということは一方的であり、相手の平凡な行動がタイミング上、自分の状況に合致すれば無駄に誤解したりするものだが、ヨンソク兄さんが現場でそういう部分のバランスをうまく取ってくれた。そのためか、ヨンソク兄さんは親密ながらも壁が少しあるような感じがした。そして、プライベートでもそういう雰囲気を作ってくれた。それで、もう少し兄さんに近づきたいというような感じを出すことができた。―そしたら、映画でイ・チョヒが目立ったのはユ・ヨンソクの力が大きかったためとも言えるだろう。ところで、今も2人の間に壁があるのか?イ・チョヒ:ハハ。まったくない。仲良くしている。それに、私の能力がそんなに大きいとは思っていない。ヨンソク兄さんをはじめ、多くの方々のおかげで私のキャラクターが上手く作られたと思う。―では、映画の中で唯一気持ちを打ち明けられる存在だったリュ・ヒョンギョンとはどうだったのか?所属事務所も同じだが。イ・チョヒ:ヒョンギョン姉さんは実の姉のような感じがした。所属事務所のことと関係なく、私の役自体がヒョンギョン姉さんに本音を打ち明ける人物なので、ヒョンギョン姉さんがいたから、より心強かったと思う。―映画を見る時、どこかで見たことがある顔だと思った。それで、すぐに資料を探して見たが、見覚えのない名前だった。普段からそんなことをよく言われる方なのか?後から見たら、あるCMで見たことのあるような感じが凄くした。イ・チョヒ:ハハ。どこかで見たことがあるとよく言われる。「うちの学校に君と似ている子がいたよ」とか。TVでCMがよく流れるようになって、見覚えがあると感じた方も多いと思う。さらに、CMでの人物と映画の中の役の感情線が似ている。CMでも片思いをする役だった。イ・チョヒが表現する片思いの感情なので、映画とCMの感情がある程度似ていると思う。―イ・チョヒにとって「全国のど自慢」はどんな意味を持つのか?イ・チョヒ:私にとっては奇跡のような映画だ。映画を見ていても、多くの素敵な韓国の先輩俳優たちの間で私が一緒に演技をしているという実感が沸かない。私に良い先輩たちやスタッフ、監督と出会う機会を与えてくれて、観客たちにはイ・チョヒという女優が存在していることをより知らせてくれた映画だ。―マスコミ試写会で、映画の中のヒョンジャのように両親が豚足のお店を経営していると聞いた。映画の公開後、お店のお客さんが増えたのか?出前専門店だと聞いたが、出前の時、前売り券をプレゼントしたりしているのでは?イ・チョヒ:ハハハ。私には内緒にして、親がチケットをたくさん買ってそうしているかもしれない。でも、お客さんが増えたかどうかは親に聞くことができない。以前、母が「うちの豚足が口に合わない人もいるはずなのに、もし『イ・チョヒの豚足屋は美味しくない』と言われたら悲しいだろう」と言ったことがある。その時からお店のことが聞けなくなった。―漠然と演技に足を踏み出した幼い少女が、もはや一人前の女優になった。これから歩んでいく女優の人生を描くとすれば?イ・チョヒ:今はどんな作品であろうが、今とは違う姿をお見せしたいと思う。そして、次がいつも気になる女優になりたい。常により良い姿を見せ続けたら、いつかは観客にそのような信頼を与えることができるだろうと思う。

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  • Vol.1 ― イ・ジェフン「僕はスンミンとギテの中間」

    Vol.1 ― イ・ジェフン「僕はスンミンとギテの中間」

    「僕自身も自分のことを正確に定義できない」イ・ジェフンが自分のことを話すとき、良く使うこのフレーズはとても強い説得力を持っている。彼は、半透明な紙の向こう側で鮮明な存在感を放つ、高くて美しい鼻の薄いシルエットだけでも好奇心を刺激する些細な身振りで、29歳の男性には珍しく羨ましいほど透き通った微笑みを浮かべ、そしてインタビューの間は感情が高まる瞬間もなく、穏やかな水面のような口調で話した。一貫した一つの形ではなく、各部分、瞬間毎の印象を積み重ねて作られた彼は、強烈で鮮明なボールド体ではなく、太さも傾きも違う様々な筆跡で書かれた名前のようだった。ただしそれは、「自分が納得しなければ、相違点を受け入れて演技をするまで時間が必要」な彼が、毎回真心を込めて丁寧に書いたに違いない。このインタビューもやはりイ・ジェフンのそのとき、その瞬間の答えだった。だが「やりたくてやっていることだから別に気にも留めないし、後悔もしていない」と言う彼が聞かせてくれた最善の正直さでもある。―休まず仕事を続けているのは大変だと思う。イ・ジェフン:「ファッションキング」が終わったら、旅行へ行こうと思いながら耐えてきた。でも、いざ終わったら、スケジュールが詰まっていて簡単ではなかった(笑) 体力的にもとても疲れていたけど、本当にやりたくて選択したことだから。―この間、映画「建築学概論」の撮影終了パーティーがあったと聞いた。イ・ジェフン:この映画はたくさんの方に愛されたので、監督とスタッフに会うのが気持ちよかった。冬に撮影をしたので皆とても苦労したけど、今はみんな顔色も良く、元気そうだった。本当に会いたかったので、いっぱい話をした。「100%全部理解しているなら、演技をする面白さがあるだろうか」―「建築学概論」は撮影が終わってから時間が経っているが、まだそのときの情景が浮かび上がるのか?イ・ジェフン:もちろん。ナプトゥクと一緒にいた図書館の前や、歩き回りながら写真を撮った所が昌信洞(チャンシンドン)だったけど、「ファッションキング」でガヨンが暮らしていたヨンゴルの仕事場もポンスク姉さんの家もそこにあった。そのときは古くてボロい90年代の空間に見えたけど、「ファッションキング」のときは良い車に乗って、良い服を着て闊歩していたから何か面白くて不思議な気分だった。―スンミンが母親にGEUSSのTシャツを洗ってくれと頼みながら「ママはできる」と言った台詞はアドリブだったと聞いた。大人しいイメージだったので笑いのセンスがあるとは思わなかった。イ・ジェフン:「スンミンだったらどうするか」と考えた。演じるキャラクターになりきると、どんな挑戦も怖くない。「イ・ジェフンとして笑わせて」と言われたらできないかもしれないが、「役に没頭してその状況を作って」と言われたら、何かやれそうな気がする。演技をしながら自分でも笑ったりしたけど、それが僕が演技をする原動力なのかもしれない。―他のアドリブはないのか?イ・ジェフン:ソヨンの家の前で告白しようと練習するシーンもアドリブだ。シナリオの台詞を熟読して撮影に臨んだけど、いざ演技をしてみたら、撮り終えた映像をチェックする監督も僕もニュアンスや表現方法があまり気に入らなかった。監督が「スンミンとして君が告白するならどうしたいのか、自由に演じて」とチャンスをくれたので「僕はこれ以上君と友達として付き合うのは僕の心が、僕の胸が」というアドリブが出た(笑)―イ・ヨンジュ監督が驚いたことがあるそうだ。雨のせいで長くスタンバイすることになって、結局、他の撮影現場に移動していたが、雨が止んでまた引き返すことになった。だが、また雨が降り出して皆がパニックに陥っていた状況でも演技をしていたと聞いた。イ・ジェフン:僕にとってもその状況を受け入れて演技をするのは簡単ではなく、大変だった。「これ以上できません」と言っても理解してもらえる状況だったかもしれない。だけど、僕一人が大変な思いをしているわけではなく、たくさんのスタッフが一緒にスタンバイしているからやるしかなかった。結果がどうであれ、とりあえず演技をしなければならないと考えたら、体が自然に動いた。結局そのシーンは編集でカットされて残念だったけど、そのような強い意志を持って最善を尽くした姿がスタッフにエネルギーを与えると思った。―どんな作品やキャラクターに魅力を感じるのか?イ・ジェフン:シナリオを読んでやらなければならないと思うときは、決まってそのキャラクターに対してよく理解できるときだ。そのキャラクターがどのように生きてきて、今後どのように生きていくのか、それがよく理解できたらその作品を選択するようにしている。毎回少しずつ違うけど、ある状況に正直な気持ちでアプローチするというか、どのように見せれば良いのかという外見的なものではなく、そのキャラクターがこの状況で何を感じながら動いているかということを一番重要だと考えている。もしある状況で死を迎えることになったら、その死を通じて周りの人々にどの様な影響を与えるのかということまでも考えるのも、重要なことだと思う。そして新しい想像力と創意的な発想も大きく影響を与える。―合理的に理解できる場合もあるが、頭では納得できず感情的には理解できるときもあると思う。どちらのタイプなのか?イ・ジェフン:両方当てはまる。僕が生きてきた方法と経験した人間関係の幅では理解できない部分がシナリオに出てくる場合もある。もちろん「そうだ、僕にもこんな経験をしたことがあった」とか「僕だったらこうする」としっかり理解して受け入れる場合は、そのシナリオを肯定的に受け入れることができる。でも、よく分からないけどその状況に没頭して経験するようになったら、何が出てくるかを知りたがる好奇心も重要だと思う。全ての状況において、どのように見せるべきなのか100%全部理解していたら演技をする面白さは無いと思う。「スンミンの行動はほとんど理解できた」―スンミンはどうだったのか?工大生(工業大学の学生)でヘアムースも大学に行って初めて見たような模範生だった彼から、実際に工大生だった自分の姿が見えたのか?イ・ジェフン:スンミンは愛とは一体何で、その感情が自分にとってどんな意味を持っているのか、あの瞬間には分からなかったと思う。「あ、あれが僕の初恋だったんだな」と後になって感じたと思う。僕も初恋を経験したし、そのときどうだったのか考えながらスンミンの行動を見ると、ほとんど理解できた。だからスンミンを受け入れることに不満がほとんどなかった。一つ理解できなかったことはソヨンとジェウクの車に乗っていたが途中で降りる場面だった。僕としては心の中では本当に恥ずかしいけど、表情には出さず何もなかったかのように「僕ここで降ります。さようなら」と表現したかった。ところが監督は「スンミンだったらそんなことまで計算できず、傷ついた心を表現しながら逃げたと思う」と言っていたので、その意見を受け入れて演じるまで少し時間が必要だった。―スンミンとソヨンが再会した映画の後半部分に対して10~20代の観客は理解できなかったり、納得できなかったりもした。なぜ2人はよりを戻さないのかと怒ったりもしたという。観客の立場だったならどのように受け入れたのか?イ・ジェフン:リアルに感じた。それに、だからこそこの話が本当に美しいラブストーリーになると思った。だからこの作品を選択した。誰もが考えているハッピーエンドや現実とは、少しかけ離れた明るい結末なのかもしれない。でも、このような別れは本当に名残惜しいが、だからこそより切なく心に残りそうだった。―イ・ヨンジュ監督が編集しながら瞬間的に映る、映画「Bleak Night(原題:番人)」のギテの眼差しを取り除いたそうだ。実際の自分はギテとスンミンの間でどちらにより近いと思うのか?イ・ジェフン:中間(笑) 撮影中は本当に寒かったし、だから辛いと思った瞬間が多かったけど、一度我慢することができずに爆発した。告白しようと待っていたが、ソヨンとジェウクを見て諦めて帰るとき、タクシーの運転手にとてつもなく激しく殴られる場面で。スンミンとして殴られるしかなかった状況が僕としてはとても苦しかった。3テイクくらい激しく殴られてから「カット!」の声とともにタクシーを足で力強く蹴飛ばした。抑圧されたことと怒りで。―みんな驚いたと思う。イ・ジェフン:映画の撮影用に借りたタクシーだったけど、潰れてしまったので後になってプロデューサーに大丈夫かと聞いた(笑) そんな姿もあって、今まで引き受けたキャラクターには常に自分が反映されるようだ。僕も自分がどんな人なのかよく分からない。だからと言って多重人格ではない(笑)―「ファッションキング」では本当にたくさん殴られていた(笑) けれど、実際に殴られたり殴った経験はそんなに多くないと思う。イ・ジェフン:小学生のときはたくさん喧嘩した。中学生のときはそんなに喧嘩してないし、高校生のときは一回くらいかな? 男同士だと言葉では解決できないし、血気盛んな若いころは口より拳が先に出てしまって、しばしば喧嘩もした。でも、年齢を重ねるごとに大人しくなったようだ。―短い経歴にしては熟達していて繊細な演技をしているとの好評を得ているが、その理由の一つが身体を自然に使うからだと思う。大学時代のダンス動画を見たが、本当にダンスが上手で正直驚いた。イ・ジェフン:20歳のとき、通っていた大学で演劇クラブに入りたかったけど、どういうわけかダンスクラブに入ることになった。今は昔に比べてあまり踊らないけど、踊りが好きだ。身体を使うことも演技に反映されると思う。「ファッションキング」でも周辺で見たお金持ちの人や若い財閥2世の外見と行動を見ながら、ジェヒョクの歩き方は最初から明確に設定しておいた。

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  • イ・ジェフン ― 「Bleak Night」から「ファッションキング」まで様々な姿を見せる意味

    イ・ジェフン ― 「Bleak Night」から「ファッションキング」まで様々な姿を見せる意味

    イ・ジェフン。この俳優を表現する特定の言葉は無い。例えば、恋愛の王子や、カリスマ俳優あるいは悪役の達人など。だが、それが逆にこの俳優の強みとなっている。昨年二本の映画で彗星のように登場し、今年は映画とドラマで活躍している。映画「Bleak Night(原題:番人)」は、イ・ジェフンという俳優の存在を人々にはっきりと印象づけた作品だ。彼は、学校の内外で形成される権力に悩む若者の姿を、リアルに演じた。同映画でのイ・ジェフンは、舵の壊れた船のように混乱に陥ったギテを、派手ではなく、説得力を以て表現した。舌にそっと広がる苦味のように、ギテは私たちの脳裏に刻みこまれた。「高地戦」は、イ・ジェフンにとっては新たな挑戦となった。商業映画への初めての挑戦だったためだ。スタッフの指示と先輩役者との共演を通して彼はチームワークを学び、互いにやりとりする演技を通してリアクションの意味に気づいたという。実際にoh!my starとのインタビューで彼は「出演者の中では若いほうだったし大規模な撮影だったので、緊張の連続だった」と語った。それだけこの映画はイ・ジェフンにとって多量の汗を流すこととなった作品である。乾く余裕のなかった彼の軍服のように、映画「高地戦」は、塩辛い味として記憶されることだろう。甘味と苦味が共存する、それぞれ違うイ・ジェフンを味わう機会「挑戦を楽しむ。休まず作品に出演して、他のことは考えない」これはイ・ジェフンの所属事務所関係者が語った彼の長所だ。この言葉のとおり、今年に入ってイ・ジェフンは映画「建築学概論」とSBSドラマ「ファッションキング」に出演し、映画とドラマで絶えず自分の姿を人々に印象づけている。「建築学概論」では過去のスンミンを演じ、心ときめく初恋の感動をそのまま伝えた。ここでのイ・ジェフンの魅力は、その初々しさにあった。相手役のmiss Aのスジと息を合わせ、彼は未熟ながらも恋をすることで成長していくスンミンの姿を立派に演じた。映画は現在、観客動員数402万895人を記録し、韓国の恋愛映画での観客動員数第1位を記録した。そのイ・ジェフンがSBS月火ドラマ「ファッションキング」では、気難しい人物を演じている。自身の成功を強く望むチョン・ジェヒョクに扮したイ・ジェフンは、同ドラマでは鋭い性格のチャドナム(クールな都会の男)だ。チョン・ジェヒョクには、他の人には理解できない痛みと傷があり、そのため成功に対しての執着も人一倍強い。イ・ジェフンにとって今は、映画とは違うドラマでを通して、俳優として一段階成長するための転換期なのだ。忙しくハードなスケジュールになるだろうが、多くのファンと視聴者にとっては、俳優イ・ジェフンの多様な姿を見ることができる絶好のチャンスにもなる。今こそ、俳優イ・ジェフンの本当の姿を知る大事な時期だ。

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