「紳士の品格」“駆け引きの奇跡”もチャン・ドンゴンだからできる!

本格的に始まったチャン・ドンゴン&キム・ハヌルのロマンス…視聴率もアップ
「パリの恋人」「オンエアー」「シークレット・ガーデン」の驚くべき成功のせいだろうか。キム・ウンスク脚本家の新作で、14年ぶりにドラマ復帰したチャン・ドンゴンが主演を演じることで放送前から大きな話題となったSBS「紳士の品格」。しかし、いざ蓋を開けてみたらがっかりする声が大きかったのも事実だ。韓国の男性版「セックス・アンド・ザ・シティ」を標榜するドラマの名に相応しく、普通の視聴者の現実とは距離感のある贅沢な人物の背景、現実批判意識の欠片もない、身勝手な中年男性のわがままな色恋沙汰が続き、咎める声も続いた。
しかし、このような問題と共に「紳士の品格」が序盤の視聴者獲得に失敗したのは、主人公キム・ドジン(チャン・ドンゴン)の魅力不足に起因していた。もちろん、チャン・ドンゴンという俳優の問題ではなかった。今のキム・ウンスク脚本家を作り出した「パリの恋人」以降、ほとんどの韓国ラブコメの男性主人公は“気難しい都市の男”で貫いてきたが、ドジンは女性が耐えられる気難しさを超え、みっともないほどになっていたのだ。
歩く道々をランウェイにして、数億ウォンの自動車に乗るお金持ちであることまでは理解しよう。しかし、自分勝手な上に、ましてやソ・イス(キム・ハヌル)に片思いしていると言いながら他の女をベッドに引き込む姿を公開するこの40代を好きになれる女性がいるだろうか。
お金を見て近寄るなら話は別だ。しかし、ドジンへの気持ちを諦めるために百万ウォンを超えるブランド物の靴を捨てられるイスには、ドジンは絶対に関わりたくない、みっともない男であるだけだ。
しかし、ドジンと親しいイケメン3人も認めるほど癖のある性格のドジンを変えたのは、他でもないイスへの片思いだった。自己中心的で気難しい男が、これまで目に入らなかった平凡な女性に出会い人間らしくなっていく過程は、韓国ドラマで四六時中観てきた設定だ。しかし、性格を除いて全ての面で完璧なドジンの変身は、これまでドジンの悪口に明け暮れていたイスまでをもときめかせてしまう。

オ・スンファンの「いる時に良くして」の曲が自然と口からこぼれるほど、自分が誰が好きなのかさえもきちんと分かっていなかったイス。似たような経験で素敵な縁を手放してしまった視聴者たちの患部にまで触れ、失恋への限りない共感を呼び起こした。
それでも倫理教師というプライドから苦労してドジンを忘れようとしたイスは、偶然ドジンからもらったノートパソコンに自身に向けたドジンの“真心”を発見し、もう一度勇気を出してドジンのもとへ駆けつける。
「紳士の品格」第10話で、劇中のメインカップルであるドジンとイスが、自ら固くしまっておいたプライドという鍵を外し、互いの心を確認する。しかしドジンの息子かも知れないコリン(イ・ジョンヒョン)の登場で、二人の間にヒビが入る可能性も無視できない。しかし、第10話まで続いた退屈な片思いを終わらせ、急展開する可能性のあるドジンとイスの本格的な駆け引きは、ちょうど面白くなり始めた「紳士の品格」の心強い題材だ。
加えて、次第に男らしくなっていくドジンの変化で、本来の魅力を取り戻した“永遠のオッパ(女性が親しい年上の男性やスターを呼ぶ呼称)”チャン・ドンゴンの帰還は、「紳士の品格」以降、雨後の筍のように表れる、中年のロマンスの全盛時代の可能性を提示している。もちろん、40を超えても20代顔負けの素晴らしいルックスを誇るチャン・ドンゴンだからこそ可能な奇跡だったのかもしれない。あとは、もう一人の“永遠のオッパ”チェ・ユン(キム・ミンジョン)がイム・メアリ(ユン・ジニ)の切ない電話に出てくれればそれでいい。
24日に韓国で放送された「紳士の品格」第10話は、本格的に始まったドジンとイスのロマンスに後押しされ、20.3%(AGBニールセン・メディアリサーチ、全国基準)の視聴率を記録、前回の放送より1.7%上昇した自己最高視聴率となり、同時間帯1位となった。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- クォン・ジンギョン
topics