「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」イ・ジョンウン“中年の女性警察官役を熱望していた”

彼女は先日、ソウル鍾路(チョンノ)区のあるカフェで行われた「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」(脚本:ソン・ホヨン、演出:モ・ワンイル)のインタビューで作品の魅力について語った。
同作は、真夏に訪れた怪しい客によって、平穏な日常が崩れ、とりとめもなく事件に巻き込まれていく人々の物語を描いたサスペンススリラーだ。イ・ジョンウンは劇中で事件を念入りに調べ、解決する捜査1課のエース出身の交番所長ボミンを演じた。
中年の女性警察官役を必ずやってみたかったという彼女は「芝居をする過程で役を探していく時、資料を収集して人物の動線を把握することをかなり前からやってみたいと思っていました。中年の女性巡査役を演じれば、また別の同年代の俳優たちにもそのような機会が来るじゃないですか。もし私が役にぴったりと言われなくても、同じ年頃の俳優がぴったりだと思う機会が作れるかもしれないので。面白いと思って挑戦しました。警察官役を上手く演じられるように銃をたくさん撃ったんです。ボミンが名射手という評価もあったので……空包や実弾を撃たなければならないので銃を撃つ練習をたくさんしましたし、かなり上手に撃てるようになったと思います」と話した。

ボミンの立ち回りを表現することに困難もあったという。彼女は、「(ボミンが)やることもなく終わってしまったという印象もありました。警察としての役割も重要ですが、視聴者と同じく何もできずただ見守るしかない立場だと思います。イ・ジョンウンとしてはユ・ソンア(コ・ミンシ)をすぐにでも銃で撃ちそうだけど、証拠がなくどうしようもなくて。ある意味で現実的な無力さもあったため、その分事件を見通す目が重要だと思いました。どういう考えで関心を持って見るのか、それが第8話まで続くボミンだけが持つ力にしなければならないと思いました。『ノーカントリー』(監督/演出:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン)という作品にも保安官が出てくるけれど、結局犯人をどんな瞬間にも捕まえることはできないんです。その保安官に会いたいと思いました。複雑化する犯罪が横行する時代で、犯人を捕まえることができない無力感について討論してみたかったです」と打ち明けた。
劇中、詳しく説明されなかったヨム記者との結婚については「記者と刑事が結婚したことも面白いです。好奇心の方向性が合ったと思います。スクープを取ろうとする記者もいるけど、事件の背後にいる人がどう生きるかに興味を持つ記者もいるじゃないですか。その方向性が合ってゴールインしたと思います。ボミンの家庭については詳しく話されなかった部分がある。その部分が明かされれば、ボミンのキャラクターが持つ力が弱くなるのではないかとあえて描かれなかったと思います」と明かした。

今回の作品に特別な愛情を持つ理由については「興味深いシーンが多いじゃないですか。興味深い部分をさらに追及していくことはとても面白いと思うんです。3話まで見た時は『スピードが遅いのでは?』と思ったけど、全部なくてはならない部分なんです。そんなシーンたちを人々が注意深く見なければならないと思います。監督との信頼の上でこのような話もできます」とし「被害者に会い、個人的に復讐する人は実際にはいないと伺いました。逆に罪悪感にとらわれ、被害妄想などの苦痛を感じてしまうそうです。『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』は道徳的な作品ではないけれど、そんな被害を受けた方々には絶対私のせいだと思わないでほしいと考えさせられる作品でした」と語った。

- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- パク・スイン
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