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ソン・オクスク&イ・イルファら出演の演劇「楽屋」東京で開幕!“4人の女優”の演技に注目

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俳優ならおそらく男女を問わず一度は挑んでみたい名作戯曲、清水邦夫の代表作「『楽屋』~流れ去るものはやがてなつかしき~」。その韓国版来日公演が、6月24日に東京・博品館劇場で幕を開けた。

「楽屋」、そこは役者たちがスタンバイする場所でもあり、束の間、身体を休める場所でもある。また、辞書には「内幕」とも書かれているように、役者たちの本音や実態があらわになる場所でもある。

この戯曲「楽屋」は、アントン・チェーホフの「かもめ」を上演しているある劇場の楽屋で繰り広げられる。その楽屋には、「4人の女優」たちが登場、彼女たちの、舞台に立つことへの飽くなき憧れや執着、それと裏返しの不安や失望などが、とめどなく語られる。

シェイクスピアやチェーホフなど古典の名作戯曲の言葉とともに語られることで、役者個人や演劇という表現の世界だけにとどまらず、人が生きることへのメタファーそのものとなり、観客自身の問題として心に届いてくる。そんな作品が韓国版として新たなアレンジを加え、今の時代に深く届く真摯な舞台に仕上がった。

この韓国ライセンス公演の成功は、なんといっても「4人の女優」を演じる役者たちの力が大きいだろう。ダブルキャスト1組を含む5人の出演者はいずれも映像や舞台で活躍し、演技派として知られる俳優たちが顔を揃えている。

万年控えでプロンプターしか経験していない女優Aと女優Bを演じるのは、ソン・オクスクとソ・ヨンヒ。ドラマ「冬のソナタ」でペ・ヨンジュンの母親役を演じたソン・オクスクは、男役専門だった女優Aを、短髪でマニッシュな外見で活き活きと演じてみせる。女優Bのソ・ヨンヒは可愛らしさがあり、ややお調子者で人の良い女優Bを軽やかに演じる。この二人は物語の狂言回し的な役割も受け持っていて、掛け合い漫才のようなコメディセンスを駆使しながら、同時に舞台に上がったことのない下積み俳優の哀歓を漂わせる。

女優Cはイ・イルファ。韓国では母親俳優として有名だが、本人のたっての希望でこの役を獲得した。女優Cはプロローグで、今この劇場で上演されている「かもめ」の主演女優として、ニーナのモノローグを語りながら登場するが、イ・イルファはそこで一気に観客を物語に引き込む。また女優Cは、演劇の世界で生きる喜びと、それと引き換えに失ったものへの悲しみを抱えていて、ニーナの苦悩にも通じるその葛藤を、イ・イルファはベテランならではの深い表現でみせる。

女優Dはダブルキャストで、初日は韓国のライジングスターと言われるキム・ジュヨンが演じた。女優Dは、ねまき姿で枕を抱える無邪気さと、それとは裏腹に役者としての強烈な自我を主張する若い役者の役で、そのアンバランスで病んでいる様子を、キム・ジュヨンは天性の役者ぶりで際立たせる。女優Dにも「かもめ」のニーナのモノローグがあるのだが、キム・ジュヨンのそれは、手に入れることのない女優Dの舞台への夢と重なって一層哀切に響く。ダブルキャストとして後半日程で出演するT-ARAのウンジョンが、女優Dをどう演じるのか、それもまた見どころとして期待が高まる。

最後にこの韓国ライセンス公演のラストシーンにも少し触れておこう。清水邦夫の許可を得て変更したというラストシーンは、「かもめ」の幕切れから同じチェーホフのある戯曲へと飛翔する。そこで語られるセリフからわずかに差し込む光のようなもの。それは2025年の世界の現実への、演劇という表現からの祈りのようにも思えた。

■上演概要
演劇「『楽屋』~流れ去るものはやがてなつかしき~」
公演日程:2025年6月24日(火)~6月29日(日) 全6公演

出演:Aソン・オクスク/Bソ・ヨンヒ/Cイ・イルファ/D T-ARA ウンジョン/キム・ジュヨン(ダブルキャスト)

会場:博品館劇場( 〒104-8132 東京都中央区銀座8丁目8−11)

【チケット代金】
〇特典付きSS席:13,500円
(前方席/チェキ撮影&サイン入りポスター付き)
※特典は終演後に出演キャストとのチェキ撮影&サイン入りポスターをお渡しいたします。
※特典会に参加するキャストは予告なく変更になる可能性がございますので予めご了承ください。
〇SS席:11,500円
〇S席:7,500円
〇A席:5,500円

【チケットスケジュール】
〇一般発売(先着):2025年4月12日(土)10:00~
・ぴあ
・イープラス
・ローソン

主催:サンライズプロモーション東京/NHKエンタープライズ
企画制作:T2Nメディア
原作:清水邦夫
脚色:ユン・ソヒョン
演出:ユン・ソヒョン/シン・ギョンス

■関連リンク
「楽屋」公式サイト

元記事配信日時 : 
記者 : 
Kstyle編集部

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