「暴君のシェフ」カン・ハンナ“眼差しや衣装・メイクでもキャラクターの魅力を表現”

所属事務所Beyond Jは、「暴君のシェフ」で側室のカン・モクジュ役として強烈な存在感を放ったカン・ハンナのインタビューを公開した。
韓国で最近放送終了したtvN土日ドラマ「暴君のシェフ」は、人気ウェブ小説「燕山君のシェフとして生き残る」を原作とする。最高の瞬間に過去へタイムスリップしたシェフが、最悪の暴君であり絶対味覚の持ち主である王と出会うことから繰り広げられるサバイバル・ファンタジー・ロマンスだ。カン・ハナは王の寵愛を一身に受けながら計略を図るカン・モクジュ役を演じ、ドラマへの没入感を高めた。演技力、ビジュアル、言葉遣いまで、全てが完璧に調和し、“信頼して観られるカン・ハナ流時代劇”と評価された。
―― 「暴君のシェフ」を終えた感想をお聞かせください。
カン・ハンナ:暑い夏の日々、皆が一丸となって情熱的に準備して撮影した作品が、こんなにも早く終わりを迎えるなんて、送り出したくない気持ちが大きいです。しかし、作品が多くの視聴者の皆様から愛されたおかげで、嬉しい気持ちでモクジュを見送れそうです。
―― 台本を読んだ時、カン・モクジュに最も惹かれた点はどこでしたか?また、キャラクターの分析はどのように始められましたか?
カン・ハンナ:モクジュは、宮中で荒々しい暴君を鎮められる唯一の治療薬を握っている存在のように見えますが、実はその中に毒を秘めていたため、両極端を行き来しながら強烈な存在感を放つだろうと思い、惹かれました。チェサン大君(チェ・グィファ)を助けるための名分もありますが、彼女の悪行や感情を、一般的な水準よりもより劇的に表現したいと思いました。ナルシストが自らの目的のために相手をガスライティング(些細な嫌がらせを行ったり、わざと誤った情報を提示し、記憶、知覚、正気を疑うよう仕向ける手法)し、策略と陰謀を企て、感情が揺れ動く様子をモクジュに投影し、状況に応じて表現しようと思いました。
―― カン・モクジュは登場する度に視聴者の視線を釘付けにしましたが、今回のドラマで最も記憶に残っているシーンはどの場面でしょうか?
カン・ハンナ:モクジュに怒りをぶつけに来たイ・ホン(イ・チェミン)に対し、わざと彼のトラウマである母親の話を持ち出して刺激した場面が印象的でした。最後までイ・ホンを自分の手の内に収めようと、偽りの涙まで流しながら熱く訴えかけ、去っていく後ろ姿を見ながら冷たく涙を拭う姿は、モクジュの背筋が凍るような二つの顔をよく表した場面ではないかと思います。

カン・ハンナ:モクジュは宮廷に入る前の人生が、現在の姿からは誰も想像できないほど卑しく、荒々しく、苦しいものだった人物だからこそ、その表現が多彩にできると考えました。そのためチュウォル(キム・チェヒョン)と二人きりの時は本来の下品な笑い声が漏れる一方で、イ・ホンの前では優雅な姿を装い、必要に応じて媚びを売ります。ヨン・ジヨン(少女時代 ユナ)に対しては初めて感じる危機感から幼稚な嫉妬が露わになり、自身の全ての本質を知り、志を共にするチェサン大君の前では本性を現すことができたため、立体的な表現が可能だったのだと思います。
―― 「国を傾けるほどの美貌」「眼差しで人を操る力」などの称賛が相次ぎました。視聴者の反応の中で最も印象的だった言葉は何ですか?
カン・ハンナ:「モクジュが暴君だ」という反応が印象的でした。宮中で王から最も寵愛される後宮という立場で、自らの力を誤った方向へ働かせる人物に見えたのでしょう。私自身もそこまで考えたことはありませんでしたが、ドラマの後半におけるモクジュの極悪非道な暴走ぶりに、そのように反応してくださったことが強く印象に残っています。
―― 時代劇において権力への欲が強いキャラクターを演じ、女優として新たな一面と優れた演技を披露しました。キャラクターの成長過程を描くために最も気を配った部分はどこですか?
カン・ハンナ:モクジュは宮中の多くの人物と接触したり、自ら行動を起こす人物ではなかったため、比較的少ないシーンの中で鮮明かつ明確に表現ができるよう心がけました。監督は、モクジュが宮中で美しくも強烈な存在感を示すことを望まれていたので、その部分に気を配りました。また、作家さんからは個人的に表情をたくさん使ってほしいという言葉をいただいたので、感情や策略を味わい深く表現できるよう努めました。
―― 俳優たちとの共演はいかがでしたか?特に記憶に残っている瞬間があれば教えてください。
カン・ハンナ:特にチュウォル役のキム・チェヒョン先輩とのシーンが多かったのですが、会う度に励ましの言葉やお褒めの言葉をたくさんいただき、愛情をたっぷり受けながら撮影しました。チュウォルとの牢死のシーンで、感情を表現するため、先輩の手を握って一緒に撮影した日が、先輩の誕生日であり最後の撮影日でした。おそらく最も真実味のあるモクジュの感情が表れたシーンを、先輩のおかげでしっかりと撮影できたので、記憶に残っています。

カン・ハンナ:華やかな色合いの韓服と派手な髪飾り、赤みを帯びたメイクで、言葉を発しなくても、独特の“赤い気配”が漂う人物にすることができました。監督から「モクジュに悪い目をしていてほしい」という言葉をいただいたので、マカロンを美味しそうに食べる場面以外は、常に悪くて危険な女性の雰囲気を出すように努力しました。
―― 悲劇的な結末を迎えたカン・モクジュを演じながら、個人的にモクジュに伝えたい言葉があれば教えてください。
カン・ハンナ:モクジュ、次の人生では普通の家に生まれ、正しく生きなさい。そして幸せな家庭を築き、子供も産み、仲良く暮らして、添い遂げることを願っているよ。
―― 今後挑戦してみたい役やジャンルがあれば教えてください。また、視聴者の皆様にどのような姿で記憶してほしいかもお聞かせください。
カン・ハンナ:いつ、どんな人物や作品と再び出会うかは分かりませんが、既に撮影を終えた作品でもご挨拶する予定です。これからも新しく、多様な姿をお見せできるよう努力しますので、見守っていただき、応援をお願いします。ありがとうございます。
- 元記事配信日時 :
- 記者 :
- チャン・ウヨン
topics