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「国宝」李相日監督、韓国でポン・ジュノ監督と対面“ヒットを祝福してくれた”

Newsen
写真=メディアキャッスル
大ヒットを記録している日本映画「国宝」の李相日監督が、作品について語った。

李相日監督は最近、ソウル江南(カンナム)区のNEW本社で行われたインタビューで、韓国での公開を控えた心境などを語った。

映画「国宝」は、任侠の一門に生まれながら、女形としての才能を見出され歌舞伎役者の家に引取られた喜久雄(吉沢亮)が、その家の御曹司と切磋琢磨しながら芸に青春を捧げてゆく姿を描いた作品だ。

在日韓国人である李相日監督の最新作「国宝」は、日本で観客動員数は1200万人超え、興行収入173億円を突破。

さらに、実写映画「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(2003)の記録を超え、実写邦画で興行収入歴代首位となった。

この日のインタビューで李相日監督は、「日本ではアニメーション映画が非常に大きな力を持っており、興行収入が100億~200億円規模になることもあります。実写映画が日本で1,000万人を超える観客を動員したのは、実に20年ぶりのことです」と切り出した。

続けて、「ここ数年は新型コロナウイルスの影響で、人々が映画館に足を運ばなくなった時期がありました。そんな観客を劇場に戻したのは、アニメーションが大きな役割を果たしたと思います。しかしアニメとは違い、実写映画は“人間が演じる”もの。人間を通じて人間を見ることが映画の本質です。その実写映画に1000万人以上の観客が足を運んでくれたことに、深い意味があると考えています」と語った。

実写映画への投資を受けることも容易ではなかったという。李監督は「原作の小説が2018年に出版され、その直後に映画化を進めようとしましたが、投資を受けるのが本当に大変でした。そこに新型コロナまで重なり、さらに待つしかありませんでした」と、当時の苦労を振り返った。

「これほどまでに成功するとは誰も予想していませんでした」と話した彼は、「制作会社の予想以上に、観客は新しい作品を求めているようでした。公開初週よりも2週目の方が観客が多く、その後も5週目まで着実に増え続けたんです。非常に珍しいケースです。しかも当初は観客の年齢層が高めでしたが、次第に若い方々も足を運んでくれるようになり、『歌舞伎ってこんなに分かりやすいんだ』という口コミが広がりました。観客は新たな魅力を発見したかのようでした。さらには、普段映画館に足を運ばない90代の方々までもが、口コミを広げていました」と語った。

最近は韓国でもアニメ映画が好調だ。こうした現象について「少し寂しい気持ちがあります」と明かした李相日監督は、「私が20代で映画を始めた頃、韓国映画は上昇傾向にあり、羨ましく思って見ていました。必ずしも映画だけではなく、どんな世界にも“アップ・アンド・ダウン”はあります。今、韓国はOTT(動画配信サービス)が非常に強いです。ただ、その力が再び映画へ戻ってくる可能性も十分あると思います」とつけ加えた。

李相日監督はこの日午前、ポン・ジュノ監督と対談を行った。どんな話をしたのかという質問に、「『苦労されたでしょう』とおっしゃいました」とし、「歌舞伎を題材にした映画は日本では多くないし、伝統的な舞台を映画化するのは大変そうだとおっしゃいました。また、上映時間3時間の映画を作る苦労もあっただろうから、『苦労されたでしょう』と言われたのだと思います」と語った。

「日本での興行成績を祝福してくれ、映画もよく出来ていると言ってくださいました」と伝えた李相日監督は、対談当時、日本実写映画の興行収入1位を目前に控えていたため、「ポン・ジュノ監督に『どんな感想を述べればいいか』と尋ねたんです。すると監督が『ジェームズ・キャメロン監督に勝った』と言えばいいとおっしゃいました」と話し、笑いを誘った。

「国宝」の上映時間は約3時間。これについては「制作前から3時間と決めて作業に入りました。歌舞伎と大衆の間に距離感があるからです」としつつも、「いざ公開を前にすると不安にはなりました。しかし公開後には『3時間があっという間に過ぎる』という評価も多く、よかったと思いました」と語った。
元記事配信日時 : 
記者 : 
ペ・ヒョジュ

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