イ・チェウン
記事一覧
【PHOTO】コ・アソンからパク・ソンウンまで「オフィス」VIP試写会に出席“ご期待下さい!”
19日午後、ソウル広津(クァンジン)区紫陽洞(チャヤンドン)ロッテシネマ建大入口(コンデイック)店で開かれた映画「オフィス」(監督:ホン・ウォンチャン)のVIP試写会にパク・ソンウン、キム・ウィソン、コ・アソン、リュ・ヒョンギョン、ペ・ソンウ、オ・デファン、ソン・スヒョン、イ・チェウン、パク・ジョンミン、イ・チャンヨンらが出席し、ポーズを取っている。コ・アソン、パク・ソンウン、ペ・ソンウなどが出演した「オフィス」は自分の家族を殺害し、行方をくらませた平凡な会社員が再び会社に出勤し、その後、会社の同僚たちが一人、二人と消えていくという事件を描いた作品だ。韓国で27日に公開される予定だ。
Vol.2 ― 「ゴシップサイト 危険な噂」イ・チェウン“批判に傷付かないタイプではない、悪役を演じるのが怖い”
初めてスクリーンで出会った彼女はとても不思議な雰囲気を漂わせていた。冷たそうに見えて、また温かくも見える。その後、舞台挨拶で再会した彼女は毅然としていた。綺羅星のごとく並んだ大先輩の前でも堂々としている彼女。3度目に会った時はそろそろ彼女の正体が気になり始めた。不思議なことに何度もつい目で追ってしまうようになる彼女は、もしかして星から来たミス・キムではないだろうか? 犯罪アクション映画「チラシ:危険な噂」(以下「ゴシップサイト 危険な噂」、監督:キム・グァンシク、制作:映画社スバク)でミス・キム役を演じた女優イ・チェウン(33歳)。新人と言うには少し躊躇われる年齢と出演歴を持っているが、役の重さから見ると「ゴシップサイト 危険な噂」がデビュー作と言っても過言ではないため、堂々と新人リストにその名を連ねても良さそうだ。劇中で、記者を夢見ていたが、私設情報誌会社に就職することになったミス・キムは、とんでもないスキャンダルを接しても全く動揺することなくクールに文字を打ち込む。ペクムン(コ・チャンソク)の一方的な求愛にもブレない姿勢を保つクールな姿が印象的なミス・キムを、まるで自身の分身であるかのようにリアルに演じきった。イ・チェウンは「ゴシップサイト 危険な噂」について恩人だと語った。もう少し詳しく話すと、キム・グァンシク監督の力添えが大きかったという。新人なら誰もが口にするような感謝の挨拶だが、イ・チェウンは少し違う意味から感謝の気持ちを伝えていた。彼女にはもっと大きく、心に響くものがあった。 「キム・グァンシク監督とは、『私のチンピラな彼氏』(2010年)で初めて出会いました。多分、その時の縁でミス・キムに出会うことができたんだと思います。キム・グァンシク監督が私に『ゴシップサイト 危険な噂』のシナリオを渡し、『女の子の役を一度やってみては』と話したのが始まりでした。シナリオに登場する女の子の役は全てチェックしました。ミジン役は年齢が合わないからパス、ミス・キムは出番が多いのでパス。特に私が演じらそうな役はありませんでした。最初は『なぜ私にこのシナリオを渡したのかな?』と思いました。その後、キム・グァンシク監督が『ミス・キム役はどう?』と聞いてきました。キャラクターの雰囲気を聞いているのかなと思って『面白かったです』と答えたのですが、それがキャスティングの質問だったんです(笑) 信じられませんでした」今まで脇役だけを数えられないほど演じてきたため、「ゴシップサイト 危険な噂」でも誰かの秘書や誰かの友達になるだろうと思っていたという。助演だとは想像もしていなかったイ・チェウンに、重みのあるミス・キム役が与えられた。それが信じられなかった彼女はキャスティングが決まった後も安心できなかったという。十分取り消しになる可能性もあったためだ。「監督が気に入っても、投資家や主演俳優たちの契約条件の事情で役が変わることがあるんです。特に、私は知名度の低い新人ですので、そのようなケースは何度も経験してきました。『ゴシップサイト 危険な噂』もそうなる可能性があると思いましたが、いざキム・グァンシク監督は全く変更する気はなかったみたいです。私にとっては恩人ですね。商業映画にどう挑戦すればいいのかいつも宿題のように思っていましたが、『ゴシップサイト 危険な噂』のおかげで安心して足を踏み入れることができました(笑) さらにヒットの兆しも見えているので、色々な面で本当に特別な作品なんです」キム・グァンシク監督にとってイ・チェウンという女優はかなり信頼することのできる女優の一人である。独立映画で実力を培ってきただけに不安はなく、新人ではあるが信じて任せられる女優だった。実際、キム・グァンシク監督は「イ・チェウンという女優を人々にたくさん見せてあげたい」と伝え、並々ならぬ愛情を見せていた。キム・グァンシク監督の映画で熱心に演技を披露するしかない理由だ。独立映画では主演を演じて劇をリードしたが、商業映画に移ってから思うように活躍することができなかったイ・チェウンは、久しぶりの大役に悩んだ。主人公を輝かせたいと思い、初撮影の時はできるだけ自分の感情を抑えて演技をしたという。だが、助演だからと言ってただ背景に留まっているのではなく、ある程度自分の色を披露する必要があった。「本格的な助演の演技は初めてだったので、よく分からない部分があったと思います。初撮影の時は存在感を出さないよう、水が流れるような感じで演じようと思いました。普段から私は強烈に目立つよりも、映画の中に溶け込むようなタイプなので、いつも通りに演技をしました(笑) 当時、撮影監督が『オッキの映画』(2010年、監督:ホン・サンス)で一緒に仕事をしたことのある方でしたが、その方に撮影後に呼ばれました。撮影監督は、『元々演じていたやり方をここでもやってしまうと、完全に君が見えなくなる。もう少し表現をして、大げさな演技が必要な場面では確実に見せないと』とコツを教えて下さいました。これはキム・グァンシク監督も知らない話なんです。撮影監督と秘密の会議をたくさんしました(笑)」そこまで努力して演じた役への満足度はどのようなものだろうか。イ・チェウンは「全く満足していない」と歯痒い気持ちを表した。撮影が終わり、声の収録をする時には嵐のように後悔が迫ってきたという。作品に迷惑をかけてしまったような気がして自信は消え去り、しばらくの間抜け出すことができずに苦しんだという。試写会の時も後悔に満ちた目で作品を見守った。「ゴシップサイト 危険な噂」で相手役だったコ・チャンソク先輩にこのような気持ちを打ち明けると、「もちろん、後悔して当然でしょう」という意味深な言葉で慰めてくれたという。初めての作品にはそのような後悔や歯痒さを感じて当たり前だという愛情のこもったアドバイスだった。映画のテーマである証券街チラシ(ゴシップ性の高い情報誌)、いわゆるチラシと呼ばれるものについて話を聞いてみた。実際にチラシを受け取ったことがあるというイ・チェウンは、女優として怖い部分もあると語った。親しい俳優たちの情報がチラシに出回った時には恐ろしさすら感じるという。 「実際にチラシを読んでみると、時々良い話もあるんです。『俳優○○は撮影現場で礼儀正しい』『周りの人に親切な俳優』などの褒め言葉もあるのですが、そのようなものに人々は関心がありません。もっと刺激的な部分に関心があるんですね。友人たちがチラシに取り上げられたことがありますが、事実ではなく、ここまで誤解されることもあるんだと思って怖かったです。ただ友達の傍で黙々と応援してあげるしかないですね。立ち向かって反論をしたからといって、噂が静まるわけもありませんし結局、時間が薬になると思います」「もし、自分が取り上げられたら?」という質問に、イ・チェウンは「想像しただけでも怖い」と答えた。自らを傷付くことのない剛鉄のような心の持ち主だと思っていたという彼女も危険な噂に耐える自信はないという。「チラシではないのですが、似たような経験として以前酷く悪質なコメントに悩まされたことがあるんです。『29秒映画祭(29 Second World Film Festival)』に私が出演した『韓国で親不孝者として生きること』(2013年、監督:ソン・ウォンヨン)という作品が出品されたことがあります。宅急便の仕事をする父親を会社で遭遇した娘が知らないふりをするという内容ですが、この作品がSNSでとても話題になりました。人々の悪質なコメントがもうすごいものでした(笑) 最初は『私の演技ってそんなにリアルだったのかな?』と思って嬉しかったのですが、どんどん批判が酷くなって傷付きました。演技なのに、まるで本当に私が親不孝者のようになっていたんです(笑) その時に気付きました。私は批判に傷付かないタイプではないんだと。それ以来、悪役が演じられないんです。パク・ソンウン兄さんはどうやってそういう悪役の演技ができるのでしょうか、本当にすごいです」
Vol.1 ― 「ゴシップサイト 危険な噂」イ・チェウン“独立映画出身の肩書き…時にはプレッシャーを感じます”
キム・ゴウン、イ・ジェフン、ユ・ヨンソク、ハン・イェリ、ヤン・イクチュン。最近韓国映画界を沸かせた新人俳優たちだ。豪華な超大作映画に出演したわけでも、スター監督の後光を受けたわけでもないが、主演に劣らぬほどの存在感で一気に注目を集めている。外見はもちろん、個性やカラーなど、それぞれ違った魅力で観客の愛を一身に受けている。そんな彼らには共通点がある。彼らは皆、独立映画出身だということだ。 商業資本に左右されることなく、制作者の意図を100%盛り込むことの出来る独立映画界は、スーパールーキーが何人も活躍する豪華な舞台だ。自由なグラウンドという利点から、才気に富んだ作品が多く、新鮮な俳優も溢れている。そのため、目の肥えた映画ファンたちは何百万人も見るヒット作よりも粒ぞろいの独立映画を好む。最近は多様性のある映画市場が注目を集め、独立映画の幅も広がりマニア層もかなり増えた。何よりも、独立映画の醍醐味は一生自分だけが知っておきたい俳優を選ぶ楽しみだ。独り占めしたくなる俳優が多いということだが、そのような俳優は案の定、商業映画界にデビューした瞬間に多くのファンができる。ライバルが多くなることは、ファンにとっては非常に面倒なことである。今はしばらく国に預けている(入隊している)イ・ジェフンがそうであり、国民的お兄さんとなったユ・ヨンソクもそうだ。一本の映画であらゆる新人賞を総なめにしたキム・ゴウンも欠かせない。レアアイテムが1つずつ消えていく気分で寂しいというのに、また一人の女優が只ならぬ反響を得てそんな寂しさは増すばかりだ。このままで良いのだろうか、最後のレアアイテムまで奪われてしまうなんて。正式デビューから数えて既に演技歴9年目を迎えた女優イ・チェウン(数え年34歳)。漢陽(ハニャン)大学演劇映画学科出身であり、短編映画だけで17本、長編映画は30本以上の作品に出演してきたベテラン女優だ。独立映画界では国民的女優と呼ばれるほど安定した演技力を誇る将来有望な女優である。色白の美肌に可愛い顔立ちの彼女は年齢が信じられないほど童顔だ。華やかな美しさよりは綺麗で優雅な感じが印象的であり、何よりも人工的な感じがしないところが良い。自然でリラックスした外見とは違い、力強い演技を見せる。新人女優イ・チェウンを甘く見てはならない強力な演技力だ。 商業映画にも多数出演したが、出番の多い役は犯罪アクション映画「チラシ:危険な噂」(監督:キム・グァンシク、制作:映画社スバク、以下「ゴシップサイト 危険な噂」)が初めてだ。これまでは看護師1経理女性社員3など通りすがりの役が多かったが、「ゴシップサイト 危険な噂」では最初から最後まで「ミス・キム!」と121分にわたって呼ばれるようになった。女優イ・チェウンの第2幕が開けた。イ・チェウンは初めてのインタビューにも関わらず、緊張した様子もなく力強く説得力のある口調で感想を述べた。地方で舞台挨拶を行ったことも、映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワークサイトにアクセスしてみたことも全部初めてだったという彼女は、すべてが不思議で新鮮だと語った。言葉通り、初々しい新人のときめきであった。「公開されて間もないのに、すでに70万人の観客が私たちの映画を見たようです。3~5万人を目標にしている独立映画に出演してきたので、突然10万単位になると数字の実感がありません(笑) これまでは成績を確認しようとも思いませんでした。チョン・ジニョン、キム・ガンウ先輩が毎日映画振興委員会のサイトにアクセスして観客数をチェックしていましたが、その時分かったんです。こういうこともあるのだと。それからは私も毎日チェックするようになりました(笑)」ようやく「ゴシップサイト 危険な噂」を通して正式デビューを果たした気分だというイ・チェウンは、遅くなったスタートに恐れはなかった。独立映画と商業映画を分けることなく、自分という器に着実に演技力をつけてきただけだという。これからの将来の方がもっと重要だということだ。そう、これからがスタートなのである。「独立映画のチョン・ドヨンと言えば、ハン・イェリさんと私くらいでしょうか。冗談ですよ(笑) 独立映画に出演して本当にたくさんのことを得ることができました。映画祭で演技賞を頂くこともできましたし、私の情熱を披露できる基盤ができました。私は恵まれています。撮影現場に行くと『独立映画出身なんだってね』と言われ、とても期待してくださり非常に優遇してくださいます。独立映画出身というのはとても感謝すべきことであり良い肩書きですが、時にはプレッシャーを感じます」「演技力へのプレッシャーなのか」と聞くと、彼女はそれよりも商業映画には似合わない女優と認識されるのではと少し不安だという。知らず知らず偏見があるということである。映画のオーディションを受ける際に制約として作用する場合もしばしばあるという。偏見とは人々が思っている以上に乗り越えることが難しいものだ。 「幼い頃から素敵な女優になりたいと思い、学校で演技を専攻して自然に独立映画からスタートすることになりました。今はもう少し広い世界に羽ばたくために努力しないといけないですね。『ゴシップサイト 危険な噂』で70万人の方に顔を知って頂けたので、少しずつ馴染んでゆっくり進んでいきたいと思います。2本目、3本目になればもう少し成長しているのではないでしょうか。その頃は独立映画のイ・チェウンではなく、女優イ・チェウンになっていると思います」イ・チェウンは魅力をアピールしようと必死になるタイプの女優ではない。1分1秒を惜しみアピールに忙しい普通の新人女優とは全く違う。欲張るよりも自然の流れに身を任せるタイプだいうイ・チェウンは、今後も休まず走り続けるつもりだという。 「野心があるからこそ出世すると言いますが、私にはそれがないので大変です」と言いながら穏やかな笑みを見せるイ・チェウンに隠された自信を垣間見ることができた。それで十分ではないだろうか。超高速疾走も良いかもしれないが、ゆっくり走るマラソンも悪くない。本物の宝石は遅れたからといってその価値が下がることはない。むしろ苦汁の歳月に耐えた宝石こそより一層強度があり、輝く。これが正に映画界のレアアイテムイ・チェウンの将来が楽しみな理由である。