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「悪いやつら」ハ・ジョンウ ― 暴力団のボスで“男”らしさ溢れるキャラクター

マイデイリー
俳優ハ・ジョンウ(34)が帰ってきた。「チェイサー」での残酷な殺人鬼、「哀しき獣」での不法滞在者の残像がまだ記憶に新しい彼は、「悪いやつら」で暴力団のボス役で、“漢”と表すのがふさわしい程の“男らしさ”をアピールする予定だ。

「悪いやつら」でハ・ジョンウは、唯一素晴らしいキャラクターだ。出演シーンの数だったらチェ・イクヒョン役のチェ・ミンシクが絶対的だが、ハ・ジョンウはたった数シーンだけで十分に存在感を証明した。しゃべり方、姿勢、表情、目つきが、俗っぽい言い方ではあるがとてもカッコいい。彼の出演作で最も魅力的なキャラクターが完成した。

27日昼、ソウル市三清洞(サムチョンドン)にあるカフェで出会ったハ・ジョンウは、「かえって出演シーンがもっとあったら、そのような魅力的な印象を残せなかったかもしれません。あまり出てこないので、チェ・ヒョンベのキャラクターに幻想が加わったんじゃないかと思います」と話した。

個人的に最も好きなシーンは、理髪店で髭を剃ってもらうシーンだと語る。「理髪店でのシーンは、今考えてみても雰囲気が本当に良かったです。このようなノアールものは、俳優ならば誰しも挑戦してみたいジャンルでしょう。シナリオをもらってからずっと魅力を感じていたシーンです。かと言って、人物のカッコよさをただ見せるのではなく、ヒョンベの場合はその裏側に人間的な姿、おバカさと無知さ、そして妥協できないところから可愛らしい魅力をより立体的に感じることができました」

ヒョンベ以外のキャラクターに、男らしさを求めることは難しい。男臭さが漂う映画で、唯一魅力的なキャラクターを引き受けたハ・ジョンウの荷が重い。女性ファンを寄せ集めなければならない責任だけが、彼だけにのしかかった。

ポスターからも受け取ることが出来るように、この映画は終始一貫して“漢”たちの映画だ。韓国男性の情緒が詰め込まれているが、香港ノワールの雰囲気が醸し出される韓国版ノワールという評価が多い。それも濃厚なタバコと汗の臭いが染み付いた釜山が舞台だ。

ハ・ジョンウは釜山が縄張りである暴力団のボス・ヒョンベを演じるために、ユン・ジョンビン監督の故郷の友人らと1ヶ月余り共に過ごした。釜山方言の語学研修に行ってきたという話はこのことだ。

「ユン・ジョンビン監督の小中高の友人と撮影前からしばしば共に過ごしました。ユン監督とは10年以上親しく付き合ってきた仲だという彼らから、釜山男児の臭いが漂うということは分かっていました。一つ面白いのは、ソウルではある提案に『いいですね』と言えば拒絶の意味になるんですが、釜山ではそれが提案を受け入れる意味だと言います。変に感じるよりは興味深かったです」

上辺だけを見るだけではハ・ジョンウもやはり釜山男児の荒っぽい姿をしていると思うが、彼は「私の実際の姿とはあまり近くないようです。ただ私にあるほんの少しの部分と考えを膨らませて作ったキャラクターであるだけです」と話した。

来月2日に公開される「悪いやつら」の後、来月末に「ラブフィクション」という彼の出演作も公開される。一ヶ月に主演作品が何と2本。それも完全に異なるイメージのキャラクターで出演する。「ラブフィクション」では恋愛においても情けない、リアルな男性を演じている。

ハ・ジョンウはちょっとほろ苦そうに、しかし観客の反応を待ちわびるように、「『悪いやつら』で作り上げた幻想が、『ラブフィクション』でなくなってしまうでしょうね」と語った。
元記事配信日時 : 
記者 : 
ペ・ソニョン、翻訳:キム・ユリ

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