焼肉ドラゴン
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映画『焼肉ドラゴン』本日公開!キム・サンホ、大泉洋について思い出すのは「いつも、ずっと、ひとりでぶつぶつしゃべってる姿(笑)」
キム・サンホは、ユーモラスな風貌と人間味あふれるキャラクターを武器として、たくさんのドラマや映画で活躍する名脇役だ。舞台を映画化した日本映画「焼肉ドラゴン」では、高度経済成長期を背景に、貧しくも懸命に生きる在日家族の父親を熱演、涙と感動を誘った。映画の公開を前に、舞台挨拶のため来日も果たしたキム・サンホは、隣のアジョシ(おじさん)のような親しみやすさを体中から発散。独自の掛け声「シバル!」を連発し、取材ルームを何度も爆笑の渦に叩き込んだ。【プレゼント】キム・サンホ直筆サイン入り『焼肉ドラゴン』サイン入りパンフレットを2名様に!応募はTwitterをフォロー&ツイート――昨日の舞台挨拶、拝見しました。とても楽しかったです。キム・サンホさんのご感想はいかがですか?キム・サンホ:舞台挨拶が楽しかったということは、楽しかった撮影現場の雰囲気が皆さんにも伝わったということですよね! 日本で舞台挨拶するのは初めてだったので、緊張のあまり震えましたが、共演した皆さんのおかげでなんとか無事に乗りきることができました。――今回、日本の映画に初めて出演されるにあたって、気持ちの上で特に準備されたことはありましたか?キム・サンホ:新しい作品に出るときは、いつも新しい気持ちで臨むのですが、今回は初めて日本映画の撮影に参加するので、いままで以上に新鮮な気持ちでした。とにかく上手くやりたかったです。誰かに評価してもらうため、それももちろんありますが、それよりも自分自身が納得できるようにやり遂げたかったです。私の仕事はすでに終わりました。ここから先は、観客の皆さんの手に委ねます。良いと見るか、悪いと見るか。私としては、映画を見ている間、観客の皆さんに幸せを感じてもらえれば嬉しいです。 「撮影現場でもアボジと呼ばれ、聞く度に気分がよかった」――舞台挨拶で、娘役の真木よう子さん、井上真央さん、桜庭ななみさんたちにアボジ(お父さん)と呼ばれていましたが。キム・サンホ:はい、撮影現場でもアボジと呼ばれていました。面白いことに韓国と日本では発音が違うんです。韓国人はアボジ! と早く言いますが、日本の方は「ア、ボ、ジ」とゆっくり言われますね。それを聞く度に気分がよかったし、同時に責任も感じました。共演者の皆さんが、日本でも有名なすごい方たちばかりだったので、皆さんに迷惑かけるわけにはいかない、とも思いましたね。皆さん、思いやりのある方ばかりでした。私は皆さんにアボジと呼ばれると、頑張ろう! と元気が出て幸せになれたし、それによって共演の皆さんもまた、幸せな気分になってもらえたような気がします。――そんなアボジが心の内を語る場面が感動的だと評判です。キム・サンホ:私が演じた龍吉は本当はすごく弱くて可愛らしい人なんだけど、環境がそうあり続けることを許さなかった。必死で強くなっていくしかなかった人物です。けれども、そんなぎごちない未完成な強さは、子どもたちの人生をも左右します。それで龍吉は変わるんです。この強さじゃダメなんだ、それぞれが生きていくしかないんだ、というように。この作品で龍吉という人物が言いたかったのはまさにあの場面のあのセリフでした。私はあのセリフを通して、何よりも龍吉の心を観客の皆さんに伝えたいと思いました。――長セリフだったこともあり撮影に8時間かかったと、舞台挨拶で鄭義信監督が明かされていましたね。キム・サンホ:はい、朝9時に始めて夕方の4時、5時くらいまでかかりました。でも、あのシーンに関しては、死ぬまでに何度も思い出して「サンホ、お前、よくやった、あんなに素敵なシーンをよくやった」と自分自身に言えるくらい、いいシーンに仕上がったと思っています。鄭義信監督は昨日の舞台挨拶で、「キム・サンホは完璧だった」と私を持ち上げてくださいましたが、実際はそうでなくて、もちろん私の失敗や日本語のセリフの間違いなどもあったんですよ(笑)8時間撮り続けて、最終的にOKが出たのは、最後に撮影したテイクでした。撮り終わって「どうぞよろしくお願いします」と日本語で言って、カメラから離れた場所に座りながら待機していたときのことを、いまでも覚えています。「OKです」という監督の声が聞こえたときは思わず「シバルオッケ~~」と大声で雄叫びを上げてしまいました(笑)夕方の6時くらいでしたね。そのときのチームワークは本当にすごかったです。カメラマンさんも、監督さんも、助監督さんも来て抱き合って「やったぞ俺たち!」と言い合いました。本当にすごく素敵な経験でした。――「シバル」というのは、韓国語で「この野郎」みたいないわゆる罵り言葉ですが、キム・サンホさんは昨日の舞台挨拶でも言われていたように、いろんな場面でこの言葉を使われるんですね(笑)キム・サンホ:ハハハ、そうです。自分に気合いを入れるときに「シバル!」と言いますし、興奮したり、何かに感動したりしたときにも使います。 「大泉洋の周りにいる人たちはいつも笑ってる」――龍吉は戦争で左手を失ったという設定でしたが、撮影中は腕をどのようにされていましたか?キム・サンホ:左手をズボンの右のポケットのあたりに添えて、バンドで固定してお腹に見せかけていました。撮影の中頃までは一日中そうやっていても平気だったんですが、だんだん痛くなってきて(笑)最初は違ったんですよ。衣装さんも気をつかって「出番のないときは外しましょうか?」と言ってくれて、私も「大丈夫、大丈夫」なんてニコニコしていたんですが、途中から「早く取ってくれ!」と叫んでましたね(笑)とにかく、このときも片手で「シバル!」と気合いを入れて頑張っていました。――映画の中に「たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる」という言葉が出てきますが、キム・サンホさんご自身が、いつも心に抱いている信条のようなものはありますか?キム・サンホ:映画の最初の方で、私が演じる龍吉が息子に言うセリフですね。これはまさに私自身の想いと重なります。あれは希望の言葉です。でも希望を持つということ自体が、すなわち絶望の中にいるということなんです。龍吉は本来、とても愛らしい人物ですが、その気持ちだけでは生きていけない。過酷な環境の中で一生懸命生きる。(日本語で)「働いて、働いて」、一生懸命生きる。そうしてそんなふうに生きるのかというと、息子や娘たちには、自分たちのスタート地点よりも、もっと先に進んだ場所から出発して欲しいと思っているからなんです。龍吉は明日はきっといい日になる。いつもそうやって考えていました。それが龍吉の心の拠り所でした。――舞台挨拶でも話題になっていましたが、キム・サンホさんはお酒が大好きだそうで。キム・サンホ:アーッハハハ。昨日も久しぶりの日本で美味しいお酒を飲ました。お酒は(日本語で)「毎日!」――昨日、舞台挨拶には来られなかった大泉洋さんとも、よく飲みに行かれたそうですが、そのときのエピソードを。キム・サンホ:大泉さんとのエピソードと言われても、とにかく言葉が通じないんでね~(笑)そんなにないんですよ。私が大泉さんについて思い出すのは、いつも、ずっと、ひとりでぶつぶつしゃべってる姿です。で、周りにいる人たちはいつも笑ってる。いったい何の話をしてるのかな、といつも不思議に思っていました。で、内容を聞くと、私にとってもすごく面白い話だし、何よりも大泉さん自身が、とてもいいエネルギーにあふれた方なんです。私が日本語を理解できればな~、大泉さんとすごく楽しく話せるだろうな~といつも思っていました。面白い話を聞きながら、その瞬間に、一緒に笑いたかったですね! 実生活でも2人のアボジ「つい小言が多くなってしまって」――奥さんを演じたイ・ジョンウンさんも、韓国ドラマにたくさん出演している素晴らしい女優さんですが、エピソードはありますか?キム・サンホ:ジョンウンさんは前から知ってはいましたが、こんなに長く一緒に仕事したのは初めてでした。今回、彼女の作品へのアプローチの仕方を間近で見て驚きました。自分の日常生活そのものを、映画に出てくるお母さんみたいにするんです。その点、私ときたら、その日の撮影が終わったあとのお酒のことしか考えてないんだから、全然違います(笑)いや、というのは冗談ですが(笑)、普段からお母さんになりきって生活しているジョンウンさんの姿を見ながら、どうしたらこんなことができるのか? と本当にビックリしました。――実生活でも2人のお子さんをお持ちだそうですが。キム・サンホ:(嬉しそうに)はい。それが2人とも全然言うこと聞かないんですよ、アーッハッハッハ。上が男の子で中学2年生。下が娘で小学5年生です。――思春期真っただ中ですね。ご家庭ではどんなお父さんですか?キム・サンホ:いいお父さんになりたいんですけど、基準がわからないんですよ(笑)自分がやってきたような失敗を彼らがしないといいな、と思うんですが、その気持ちが強いがために、ついつい小言が多くなってしまって。ああ、これじゃいい父親にはほど遠いな、と反省したりしていますね。家族のためにしっかり踏ん張れるお父さんになることが夢です。――キム・サンホさんは、これまでにたくさんの映画やドラマに出演されていますが、いまは年にどのくらい出ていますか?キム・サンホ:4、5本かな。――本当に売れっ子ですね! 過去の作品の中で最も印象に残っている作品、自分のターニングポイントになったと思う作品はありますか?キム・サンホ:(大声の日本語で高らかに)「焼肉ドラゴ~ン」!! アーッハッハッハッハッ。ほかにないですよ。なぜかというと、こんなに弱い私のために、スタッフが欲の部分をすべて満たすかのように頑張ってくれた作品だからです。まだ公開前なので一般の観客の評価は受けていませんが、現時点では絶賛の声ばかりが聞こえてきます。そういう形でやり遂げたかったし、私の中で「焼肉ドラゴン」は本当に大きな作品になりました。――キム・サンホさんは映画「楽しき人生」でチャン・グンソクさん、「海にかかる霧」でユチョンさんと共演されたり、後輩の俳優さんによく慕われると聞いています。その中で、特に将来有望と思われる俳優さんはいますか?キム・サンホ:いないですね。というのも、私は役者に関しては、先輩も後輩もないと思っているので。(拳を2つ並べて)存在VS存在です。たとえば7歳の子どもが撮影現場に来るとします。彼は大人の中に入って頑張らないといけない。大人たちも彼を尊重しないといけない。皆それぞれが優れていると思うし、皆偉大だと思う。それに対して私なんかが評価するなんてとんでもないことです(笑)そもそも私は自分のことをちゃんとするだけで精一杯なんです。自分に対して「シバル!」です。ハーッハッハッ。 言い忘れたことは?「シーバル! 髪の毛抜けたっ!」(大爆笑)――そろそろ最後の質問なので、聞きたかったことを聞いてもいいですか?キム・サンホ:どうぞどうぞ。――いまのヘアスタイルはキム・サンホさんのトレードマークでしょうか?キム・サンホ:アーハッハッ。私がこの髪型が好きなのは、パナマ帽が似合うからなんです。昨日の舞台挨拶でもかぶってましたけど、大好きなんですよ、パナマ帽。決してハンディキャップを隠すという意味ではなくてね(笑)――このヘアスタイル以外のイメージがないくらいなんですが。キム・サンホ:違うヘアスタイルもありますよ。韓国映画の「ありふれた悪事」ではカツラをかぶって記者を演じました。これには後日談もあります。映画がモスクワ国際映画祭で賞を取ったので、監督が授賞式に行きました。カツラをかぶった私と監督さんは風貌がよく似てるんですよ。監督はロシアの人たちに「お芝居すごくうまいですね」と感心されたそうです。「シバル! 違うぞ、それオレなのに!」(笑)――今日はいろんな「シバル」が聞けて勉強になります(笑)キム・サンホ:ヘアスタイルについては、私は何のこだわりもないんですよ。作品ごとに監督さんが持っている役のイメージがあるはずでしょう? だから私はいつも最初に「髪型はどうしますか? どうとでも変えますよ、もちろんカツラを使ってもいいですよ」と言うんです。なのに、なぜかこのまま出ることの方が多いですね(笑)でも髪型よりも何よりも、伝えないといけないのは役の心だと思います。そうやって頑張って、踏ん張っています。(下向きのガッツポーズをしながら大声で)「シバル!」――大爆笑のまま最後の質問になりますが逆に、キム・サンホさんが言い残したこと、これだけは言っておきたいことはありますか?キム・サンホ:もう、だいぶしゃべりましたよね(笑)何か言い忘れたことはないかな? (と言いながら頭をかきむしると、テーブルの上に髪の毛が一本、はらり)「シーバル! 髪の毛抜けたっ!」(大爆笑)最後の言葉、もうこれでいいですよ。「髪の毛抜けたっ!」――面白すぎます。本当にそれでいいんですか?キム・サンホ:アーッハッハッ。いやいや、最後に何かいいことを言いますね。――お願いします。キム・サンホ:昨日も言いましたが、私は「焼肉ドラゴン」にすごく自信があります。私が聞いたかぎりでは、全州国際映画祭のオープニング作品で、上映終了後、あんなに長い間、観客の拍手を受け続けた作品は初めてだということでした。私だけの自信ではなく、そういった反応を聞いた上での確信のある自信なんです。この確信は日本の観客にも伝わると思うし、ぜひ、伝わってほしいです。――今日はありがとうございました。キム・サンホ:アリガトウゴザイマシタ。今日はこれからフィリピンに行って別の映画に出るんですが、そこでは髪を結ぶことになっています。――ああ、そうなんですねていうか、今日これからフィリピンですか? 本当に売れっ子ですね、お忙しいですね。キム・サンホ:怖いんですよ、フィリピン。監督にフィリピンじゃないところで撮ろうよ、と何度も言ったんですが、聞いてもらえなかったので行ってきます(笑)――気をつけて行っていらしてください。ご無事を祈っています。キム・サンホ:アリガトウゴザイマス。行ってきます!【REPORT】キム・サンホ、真木よう子&井上真央らと「焼肉ドラゴン」舞台挨拶に登場不在の大泉洋に小言も会いたかったライター:望月美寿 / 撮影:撮影:kimJu映画『焼肉ドラゴン』2018年6月22日(金)より全国公開原作:戯曲「焼肉ドラゴン」(作:鄭 義信)脚本・監督:鄭 義信出演:真木よう子、井上真央、大泉洋、桜庭ななみ、大谷亮平、ハン・ドンギュ、イム・ヒチョル、大江晋平、宇野祥平、根岸季衣、キム・サンホほか配給:KADOKAWA ファントム・フィルム製作:「焼肉ドラゴン」製作委員会(C)2018「焼肉ドラゴン」製作委員会公式サイト:http://yakinikudragon.com
【PHOTO】キム・サンホ&真木よう子&井上真央ら「焼肉ドラゴン」舞台挨拶に登場
2018年5月22日(火)東京・TOHOシネマズ新宿にて、映画「焼肉ドラゴン」のプレミア上映会が行われ、鄭義信監督、キム・サンホ、真木よう子、井上真央、桜庭ななみ、大江晋平が舞台挨拶を行った。「焼肉ドラゴン」は日本の高度経済成長期を背景に、貧しい街で小さな焼肉店を営む在日家族の喜怒哀楽を描いた物語。演出家で脚本家としても知られる鄭義信が、日本と韓国で上演され、大評判を呼んだ自作の舞台を自ら初監督。韓国からキム・サンホ、イ・ジョンウンらの名優が出演したことでも話題を呼んだ。キム・サンホは、3人姉妹と一人息子の父親である焼肉ドラゴンの店主・龍吉を演じた。・キム・サンホ、真木よう子&井上真央らと「焼肉ドラゴン」舞台挨拶に登場不在の大泉洋に小言も会いたかった映画『焼肉ドラゴン』2018年6月22日(金)より全国公開原作:戯曲「焼肉ドラゴン」(作:鄭 義信)脚本・監督:鄭 義信出演:真木よう子、井上真央、大泉洋、桜庭ななみ、大谷亮平、ハン・ドンギュ、イム・ヒチョル、大江晋平、宇野祥平、根岸季衣、キム・サンホほか配給:KADOKAWA ファントム・フィルム製作:「焼肉ドラゴン」製作委員会(C)2018「焼肉ドラゴン」製作委員会公式サイト:http://yakinikudragon.com
【REPORT】キム・サンホ、真木よう子&井上真央らと「焼肉ドラゴン」舞台挨拶に登場…不在の大泉洋に小言も“会いたかった”
2018年5月22日(火)東京・TOHOシネマズ新宿にて、映画「焼肉ドラゴン」のプレミア上映会が行われ、鄭義信監督、キム・サンホ、真木よう子、井上真央、桜庭ななみ、大江晋平が舞台挨拶を行った。「焼肉ドラゴン」は日本の高度経済成長期を背景に、貧しい街で小さな焼肉店を営む在日家族の喜怒哀楽を描いた物語。演出家で脚本家としても知られる鄭義信が、日本と韓国で上演され、大評判を呼んだ自作の舞台を自ら初監督。韓国からキム・サンホ、イ・ジョンウンらの名優が出演したことでも話題を呼んだ。キム・サンホは、3人姉妹と一人息子の父親である焼肉ドラゴンの店主・龍吉を演じた。まずは登壇者が一言ずつ挨拶。鄭義信監督が「たくさん集まっていただいてありがとうございます。感無量です。最後まで映画を楽しんでいただけたら幸いです。そしてこの家族たちを愛してくださればもっともっとうれしいです」。長女役の真木よう子が「私もとてもお気に入りの、奥の深い作品になってますので、ぜひみなさん楽しんでいってください」。次女役の井上真央が「私たちの大好きなアボジと今日、一緒に来られたことをうれしく思っています。みなさんにも、アボジとオモニの深い深い愛を受け取ってもらえたらなと思います」。三女役の桜庭ななみが「この映画を見て、この家族の愛で温まってくれたらうれしいです」。末っ子役の大江晋平が「はじめまして。舞台挨拶が初めてで少し緊張しているのですが、今日はよろしくお願いします」とコメントしたあと、とりを務めたのがキム・サンホ。ひときわ大きな拍手に包まれて「こんばんは。はじめまして、私はキム・サンホです。どうぞよろしくお願いします」とまずは日本語であいさつ。「今日、皆さんと楽しくお話できればなと思っています。ありがとうございます」続けて満面の笑みを見せた。鄭義信監督はそんなキム・サンホについて「お父さん役はサンホしかいないな」と思っていたと述懐。「ネタばれになりますが、サンホが延々と長ゼリフを話すシーンは撮影に8時間ほどかかりました。難しい日本語のセリフであるにもかかわらずリハーサルの時もリテイクでもきちんと一字一句間違わずに演じ、本当に素晴らしい役者でした」と絶賛した。それを受けたキム・サンホは「『焼肉ドラゴン』は韓国でも、とてもいいと有名な舞台だったので、映画化が決まったときは、迷いはいっさいありませんでした。とにかくこの作品をいい映画にできるように頑張ろうという気持ちでオファーを受けさせていただきました。日本での撮影は初めてだったのでとても緊張しましたが、監督や共演者がいやすいようにしてくれてので、馴染むことができました」アボジと会うのは1年ぶりだという真木よう子は、アボジは場の盛り上げ役だった、と語った。「アボジから1番はじめに教わった言葉がシーバル(韓国語で「この野郎」という意味)だった」と言うと監督は「とても汚い言葉なので聞かないほうがいい」と苦笑い。会場がざわつく中、キム・サンホは大慌てで「韓国では悪い言葉、罵り言葉のスラングなんですが、僕は自分に気合いを入れるときにこれを使っているんです!」と弁明。実際に拳を下にして「シバル!」とやってみせて観客を笑わせた。続いて井上真央は「アボジはお酒飲むの大好きなんですよ。朝、おはよう! と会うと、『今日みんなでいけるかな? いけるよね?』とお酒のことばかり考えていました(笑)かわいいな~、と思っていました。クランクインする前にみんなでご飯食べようと声かけてくれたのもアボジだったので、皆がひとつになれたのはアボジが引っ張っていってくれたからだと思っています」。実際に飲みにいけたのですか? とMCに聞かれたキム・サンホは「毎日」と日本語で即答。さらに井上真央が「初日から一軒目で終わるはずが二軒目になりそうになって、姉さん(真木よう子)に『アボジ帰るよ』と怒られてましたよね」と暴露。また、キム・サンホは韓国語を勉強した桜庭ななみについて「桜庭さんは韓国語がとても上手で、現場でもいろんな話を楽しくさせてもらいました」とニッコリ。そして大江晋平が「本当のお父さんのようだった」と振り返ると「学校で大変なことがあったと聞いたときに、アドバイスをしました。そして芝居するときは『シーバル!』と気合を入れろと教えました」と言ってまたまた笑いをとった。次女の恋人役を演じた大泉洋が大好きだというキム・サンホ。今日の舞台挨拶に来られないことに話題が移ると、「あの野郎~、別の仕事で来られないとか言っちゃって、なんだよ~~。会いたかったです」「どこかでうろうろ迷ってないで、早くここにおいで」とユーモラスにぼやいてみせるので場内はほっこり。2人は翻訳アプリを使いながら会話をしていたとかいう。「『食事しました?』『今日飲みに行く?』というような日常会話でした。アプリがたまに変なことをいってくることもありましたね」と懐かしむキム・サンホだった。「そんな皆が、毎日同じセットに1ヶ月通っているうちに、家族のように感じていったのだと思います」という鄭義信監督。ここでオモニを演じたイ・ジョンウンの話題になり鄭義信監督が「女優としても人間としても素晴らしい人。なおかつ研究熱心。撮影が始まる2週間前に1人で大阪の在日の焼肉屋にひとりで飛び込んで行って、いろんな人の話を聞いて自分でイメージを膨らませてオモニ役を作り上げていった。すごくひたむきな女優です」。そのイ・ジョンウンからサプライズで手紙が届いており、この場で読み上げられた。「皆さんへ。今は『焼肉ドラゴン』の家族、私のもう1つの家族に会いたい思いでいっぱいです。映画の公開にあわせて行けないのがとても残念ですが、離れていても私たちは家族であることを忘れません。会いたいです。私は『焼肉ドラゴン』のすべてのことを愛することになりました。この映画でオモニを演じられた日々はこれからも幸せな思い出として残っていきます」。この温かい言葉を受けた真木よう子は「私はオモニが大好きで。お芝居に対して真摯で、人に対してものすごく優しい方。お母さんのように思っていました。撮影が終わりに近づくにつれ悲しくなったときは、抱きしめてもらったり、頭をなでなでしてもらっていました」。井上真央も「会いたいですね。ずっと現場でもお母さんでいてくれた。1年たっても離れていても、こうして思っていてくれることがうれしいです」。血のつながってる役を演じた桜庭ななみは「手を握ってくれたり、肩を叩いてくれたり、抱きしめてくれて。その温かさがありがたかった」大江晋平は英語が得意なイ・ジョンウンとは英語で会話したというエピソードを披露。「英語のいいところはフランクに話せるところ。あなたは数少ない日本の友達だよ」と言ってくれたことがうれしかった、と語った。フォトセッションでは、「アボジを取り囲む焼肉ドラゴンの家族」というコンセプトで、キム・サンホに特別に椅子が用意された。ニコニコと嬉しそうに座るキム・サンホ。その後ろからぐいぐいと肩をもみまくる子供たち(笑)その様子から、皆の仲のよさが伝わってきた。代表して最後の挨拶をまかされたキム・サンホは、自分でいいのですか? という驚きの表情を見せて「本当に光栄です。最後の話を私にさせてくださってありがとうございます」。続けて「本当に素晴らしい映画です。最初に台本をいただいたときも、撮影しながら現場にいながらも、どんどんそう感じていました。全州国際映画祭でもとても好評をいただきました。今日も皆さん、楽しんでいただけたらと思っています。もし楽しかったら、どんどんいっぱい表現してください! 面白くなかったら黙ってください(笑)ありがとうございました!」とユーモアいっぱいのメッセージで場内を沸かせた。退場の際に、客席の中に自分の名前を書いた応援プラカードを見つけてうれしそうだったキム・サンホ。日本での舞台挨拶は素晴らしい思い出になったことだろう。・【PHOTO】キム・サンホ&真木よう子&井上真央ら「焼肉ドラゴン」舞台挨拶に登場ライター:望月美寿映画『焼肉ドラゴン』2018年6月22日(金)より全国公開原作:戯曲「焼肉ドラゴン」(作:鄭 義信)脚本・監督:鄭 義信出演:真木よう子、井上真央、大泉洋、桜庭ななみ、大谷亮平、ハン・ドンギュ、イム・ヒチョル、大江晋平、宇野祥平、根岸季衣、キム・サンホほか配給:KADOKAWA ファントム・フィルム製作:「焼肉ドラゴン」製作委員会(C)2018「焼肉ドラゴン」製作委員会公式サイト:http://yakinikudragon.com
井上真央&大泉洋らとの共演に期待!イ・ジョンウン、映画「焼肉ドラゴン」に出演
女優イ・ジョンウンが映画「焼肉ドラゴン」に出演する。映画「焼肉ドラゴン」(監督:鄭義信(チョン・ウィシン))は、1970年代の大阪を背景に、小さな焼肉屋を営む在日韓国人、龍吉(キム・サンホ)家族を通して在日韓国人の哀歓を描く作品。イ・ジョンウンは龍吉の妻で、焼肉ドラゴンを運営する在日韓国人、英順を演じる。映画で英順は、戦争で夫を失い、大阪に定着して暮らしている人物だ。1日も穏やかな日がない家庭を強く守っていく母親だ。つんとしているが、本当は誰よりも家族を思う深い母性愛を持つ。特に「焼肉ドラゴン」は韓国で3日に開幕する「第19回全州(チョンジュ)国際映画祭」の開幕作に選ばれ、より期待を集めている。在日韓国人2世の劇作家出身の鄭義信監督の映画演出デビュー作「焼肉ドラゴン」にはイ・ジョンウン、キム・サンホのほかに大谷亮平、大泉洋、真木よう子、井上真央などトップ俳優たちが出演することが知られ、関心を集めている。今年韓国と日本で公開される予定だ。・「第19回全州国際映画祭」が5月3日開幕246作品上映