明日に向かってハイキック
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なぜシン・セギョンは非難されるキャラクターを演じるのだろうか
「少しだけ時間が止まってくれたらいいのに」まだ生々しく覚えている。MBCのシットコム「明日に向かってハイキック」の最後のシーン。「少しだけ時間が止まってくれたらいいのに」というシン・セギョンの言葉を聞き、運転していたチェ・ダニエルが涙を浮かべながらセギョンを見つめた瞬間、モノクロに変わった画面。そして「明日に向かってハイキック」の時間は本当にそのまま止まってしまった。最悪のエンディングという批判もあったが、簡単には忘れられない、今後二度とないエンディングであることは確かである。多くのスターを輩出した「明日に向かってハイキック」であるが、最も大きな恩恵を受けたのはシン・セギョンであろう。清純な顔と悲しみを帯びた目つきや声。幼い妹をつれて、他人の家で家政婦をするシン・セギョンのキャラクターは可哀想で、今までは特別なイメージがなかったシン・セギョンに家政婦シン・セギョンというイメージがついたのだ。シン・セギョンは「明日に向かってハイキック」以来、映画「オガムド~五感度~」「青い塩」「リターン・トゥ・ベース」ドラマ「根の深い木~世宗(セジョン)大王の誓い~」「ファッション王」などに出演した。しかしその作品たちには家政婦シン・セギョンは存在しなかった。シン・セギョンは「根の深い木」のソイや「ファッション王」のイ・ガヨンのように違うキャラクターに変身したが、「明日に向かってハイキック」時のシン・セギョンほど好評を得られなかった。逆に演技力に対する批判が多く、そのようなシン・セギョンを見て、なぜ視聴者たちから愛された「明日に向かってハイキック」のイメージを続けなかったのか、なぜ険しい道を選んだのか気になった。そしてシン・セギョンは、MBCドラマ「男が愛する時」でソ・ミド役を演じた。「ファッション王」のイ・ガヨンというキャラクターにも共感することができなかったが、ソ・ミドは最初から共感することができなかった。ハン・テサン(ソン・スンホン)と恋人関係にあり、愛する気持ちが少しぐらいはあったと思うが、その気持ちはハン・テサンがお金持ちだったからため生じたものであった。変わりやすいソ・ミドの心はイ・ジェヒ(ヨン・ウジン)に出会い、急激に揺れてしまった。そしてハン・テサンへの愛を否定しながらソ・ミドは、ハン・テサンが自分の夢を妨害するせいで自分が揺れたと合理化した。自分を危機に陥れた人がハン・テサンだと考えるのはソ・ミドの誤解ではなく、ハン・テサンから免れたいという気持ちがあるからだろう。母親のチェ・ソネ(オ・ヨンシル)より緻密で俗物的であり、他人の苦しみよりは自分を優先して考える利己的なヒロインであるソ・ミド。昨今の20代の女優なら、決して引き受けたくない配役をシン・セギョンは選んだのだ。愛されるには家政婦シン・セギョンで十分だった。「明日に向かってハイキック」のエンディングはシン・セギョンに悲劇的なイメージを与えたため、家政婦シン・セギョンを思い出すと、可愛そうだと思われる。他の女優が望むイメージをようやく作ったにもかかわらず、シン・セギョンはそのイメージを捨てた。家政婦シン・セギョンは「明日に向かってハイキック」のモノクロエンディングと共にシン・セギョンのそばで消えてしまったのだ。家政婦シン・セギョンから脱したシン・セギョンは、新たな道に固執している。人気に安住し、適当に似通ったキャラクターだけを繰り返し演技しながらCM撮影に集中する若い女優もいるが、シン・セギョンはそうなりたくないようだ。出演作が増えると共に家政婦シン・セギョンのイメージに隠されていた演技の実力がばれて批判を受けても、シン・セギョンはまた他の女優が避けるキャラクターを演じる。2人の男の間でソ・ミドは非難されているのに、シン・セギョンは丘から転がり落ちて「私のせいです。学費を出してくれた人ではなく他の人を好きになったから、このように罰を受けているのでしょう。ごめんなさい。二度とそうしないわ」と泣き叫びながら演技をしている。実は、シン・セギョンの演技の中でもっとも指摘が多い部分でもあるが、シン・セギョンのあまり笑わない顔に低いながらも警戒するような声を聞いていると、この人がソ・ミドであるのか実際のシン・セギョンであるのか分からなくなる時もある。ソ・ミドと実際のシン・セギョンは一体どのぐらい似ているのだろうか。少なくとも自分の愛と夢いずれも守るというソ・ミドと、他人が避ける配役に挑戦するというシン・セギョンがこだわるところが似ているのは確かである。
チェ・ダニエル、他の青春スターとは異なる成長ストーリー
「彼らが生きる世界」から「ゆれながら咲く花」まで28歳の役者の生き方素敵な役者に出会うのは、いつも嬉しいことである。KBS 2TV「ゆれながら咲く花」のカン・セチャン先生役を演じるチェ・ダニエルもそうだ。28歳。まだ若い年齢にもかかわらず、着実にキャリアを積んでいくこの役者からは、プロらしさとさらなる成長に向けての努力が同時に感じられる。俳優チェ・ダニエルは、これからどんな道を歩むのだろうか。チェ・ダニエル、ノ・ヒギョンとキム・ビョンウクに出会うチェ・ダニエルは、あるテレビCMで世間に顔が知られることになった。彼は、このCMで特有のとぼけた表情とお茶目な演技で視聴者の目に留まり、それまでの下積み時代を終えて、名前が徐々に知られるようになる。18歳で芸能界入りした彼は、デビューから約4年ぶりに初めて注目されることになったのである。そして彼はその勢いに乗って、ノ・ヒギョン脚本家のドラマ「彼らが生きる世界」(2008)のヤン・スギョン役を演じるというチャンスをつかんだ。「彼らが生きる世界」で彼が演じたヤン・スギョンは、実は演じやすいキャラクターではない。単純でストレートで、自分の気持ちに素直なこのキャラクターは、多少憎たらしいところもあるが、決して憎めない可愛いキャラクターだった。このような多面的で複雑なキャラクターはデビューしたばかりの新人俳優にとって、そう簡単なものではなかったはずだ。おそらく「彼らが生きる世界」の制作陣も、ヤン・スギョン役にチェ・ダニエルをキャスティングしたのはある意味冒険だったのだろう。しかし、そのような懸念は杞憂に過ぎなかった。チェ・ダニエルの演技が予想以上に優れていたのである。ニヤニヤした余裕のある表情に、新人とは思えない余裕、見る人まで楽しくするような遊び心は、まるでチェ・ダニエルがヤン・スギョンに思えるほど自然だった。CMスターのレッテルが一気に剥がれ落ちるほど、見事な演技を披露したのである。特にチェ・ダニエルは「彼らが生きる世界」で、40年も先輩である女優ユン・ヨジョンと共演するシーンがとりわけ多かったが、自信に満ちた演技で注目された。後輩の演技に対し、率直な意見を話すことで有名なユン・ヨジョンが、「新鮮だった。ヤン・ドングンさんの演技を初めて見た時みたいだ」と絶賛にも近い言葉を残したほど、「彼らが生きる世界」のチェ・ダニエルは新人とは思えない演技力を見せつけた。このように、彼は「彼らが生きる世界」を通じて役者としての可能性を発揮した。1~2回の脇役を除いて、初めてといっても過言ではない作品で目を見張るほどの成果を挙げたのである。特に同作は、ベテラン俳優でも演技するのが難しいといわれる脚本家ノ・ヒギョンの作品であることも注目に値する。当時ノ・ヒギョンは、チェ・ダニエルの演技に対して「満足している」と気に入った様子を見せた。それから1年後、チェ・ダニエルは運命的な作品に出会うことになる。シットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)の巨匠キム・ビョンウク監督の「明日に向かってハイキック」のイ・ジフン役にキャスティングされたのである。同作を通じて彼は「彼らが生きる世界」での軽くてユニークなイメージから変身を図ることが出来た。ファン・ジョンウムとシン・セギョンの間で絶妙な三角関係を作り上げた彼は、「明日に向かってハイキック」の実質的な主人公だった。真面目ながらも面白くて、シニカルながらも優しいという二つの性格を持ったキャラクターを、ほぼ完璧に演じると同時に、ドラマの全体的な雰囲気を作りあげるために重要な役割を果たした。驚くことに「明日に向かってハイキック」のチェ・ダニエルからは、「彼らが生きる世界」の影を見つけることができなかった。ノ・ヒギョンがチェ・ダニエルの可能性に初めて気づいた人物であるとすれば、キム・ビョンウクはチェ・ダニエルの可能性をさらに一段階進化させた人物だった。キム・ビョンウクは特有の孤独的かつ繊細な演出で、それまでのチェ・ダニエルが持っていたイメージを吹き飛ばす一方で、彼の感受性や真面目さを引き立て、役者として一歩前進できる土台を作ってくれた。ノ・ヒギョンとキム・ビョンウク、二人の巨匠に出会ったことは、役者としてそう簡単に手に入れることのできない大きな財産になった。チェ・ダニエル、チャン・ナラに出会う「明日に向かってハイキック」で一躍スターになってから、チェ・ダニエルは映画「シラノ恋愛操作団」「牛乳時代」などに出演する一方で、複数の作品に特別出演しながら活動の領域を拡大した。その結果、彼はデビュー以来初めて2011年、KBS 2TV月火ドラマ「童顔美女」を通じて、ミニシリーズ(毎週連続で2日間に2話ずつ放送されるドラマ)の主人公に抜擢され、女優チャン・ナラともこの作品で初めて共演することになった。もちろん、最初は期待された作品ではなかった。当時KBS月火ドラマは長期間にわたる視聴率の不振に悩まされていて、裏番組の「チャクペ~相棒~」「私に嘘をついてみて」が既に視聴率を取っていた。しかしチャン・ナラ&チェ・ダニエルコンビは、しっかりとしたストーリーや説得力のあるキャラクターで徐々に視聴者の目を釘付け、20%に近い高視聴率を記録してKBS月火ドラマの救世主となった。チェ・ダニエルとしては、初主演作で手に汗を握る大逆転劇をやってみせたのである。面白いのは、一躍KBSのヒットコンビとして浮上したチャン・ナラ&チェ・ダニエルコンビが1年ぶりにお茶の間に戻り、再度KBS月火ドラマの面子を立てていることである。「ゆれながら咲く花」のことだ。前作の「ウララ・カップル」の視聴率低迷や、競争作「馬医」の大々的な宣伝という悪条件にもかかわらず、少しずつ視聴率を上げてきたこの作品は、いつの間にか10%台後半という素晴らしい視聴率でチャン・ナラ&チェ・ダニエルの不敗伝説を再び証明してみせた。一つ特記すべき点は、チャン・ナラと共演した二つの作品で、チェ・ダニエルが主演として存在感を発揮していくことである。「ゆれながら咲く花」で、彼はユニークな言葉遣いや仕草、喜劇と悲劇の境界を自由に行き来するカン・セチャン役の魅力を存分にアピールしている。どんなキャラクターであれ、スポンジのように吸収し、それを自分のものに再解釈して表現する境地にまで至ったのである。10年間磨いてきた演技力が徐々に光を放っている。チェ・ダニエルは、あるマスコミとのインタビューで、「演技に対して決められた型を破りたかった」と話した。そのためには、もっと演技に対して真面目になって、鋭くなるしかないと言う彼は、生まれつきの役者である。少なくとも他の青春スターのように外見を武器に人々を惑わしたり、数多くの広告に出演して自分の名前を売ったりしない。チェ・ダニエルを見ることができるのは、いつもカメラが回って、数多くのセリフが交わされる場所。監督のキューサインとスタッフの汗が流れる場所にしかなかった。才能や努力、情熱がうまく合わさって、日増しに成長しているチェ・ダニエル。彼のこれからの夢は果たして何だろうか。たぶん、それはこれからずっと役者として生きていくこと、そして素晴らしい役者として覚えられることだけではないだろうか。今も汗と涙の流れる激しい現場の中で、依然として人生を演じる役者として自らの道を黙々と歩んでいく彼に対して、激励の拍手を送りたい。
Vol.2 ― シン・セギョン「大学入試試験が近い彼氏は勉強で忙しい」
静かに流れる川は深い。「引き続き成長する人になれたらいいな」「大学入試試験が近い彼氏は勉強で忙しい」インタビュービハインド、Kの記録。ネットユーザーが今、一番ホットな女性、シン・セギョンへ向けた質問は数千に上った。MBC「明日に向かってハイキック」のキャラクターであるセギョンへ「ファン・ジョンウムに返済してもらうべくお金」についての質問はもちろん「『明日に向かってハイキック』の恋の鞘当では誰が一番好き」などキャラクターに対する質問からはじまりシン・セギョン本人の彼氏に関する質問まで、その種類の内容も様々だった。スターONとのインタビューの席でシン・セギョンはどんな質問に対しても避けたりせず、淀みなく率直な答えをしてくれた。―「明日に向かってハイキック」でジョンウムに返済してもらうお金はいくら残っているんですか?(キム・サンウォンさん deep-in-the-ni***)シン・セギョン:さあ。まだ結構残ってると思うんですけど、台本ではお金を返してくれって話しがないんですよね(笑) でも全額返済してもらってるから話をしないんでしょう。多分ジョンウムさんの父親とかが仕送りしてくれたんじゃないですかね。「すごく長引いてる恋愛の行方はまだ誰にも分かりません」―「明日に向かってハイキック」の恋愛の行方に対する関心が高まっていますが、ジュニョク(ユン・シユン)、ジフン叔父さん(チェ・ダニエル)、ジュリアン(ジュリアン・カン)の中で誰が好きですか?(ジョ・ハン mileniumh***) シン・セギョン:三人ともみんな好きです。ただ、私もですけど、監督もジュリアンを恋愛対象にする気はないようです。ジュリアンは父親のいないセギョンとシネのために作られたソウルのパパのような存在だって説明してくれたことがあるんです。それにしては若すぎるしハンサム過ぎますけど(笑) それに恋愛の行方はあまりにも長期戦になっているから私も知りませんし、監督や他の人もみんなどうなるか分からないと思います。「明日に向かってハイキック」は凄く燃えるような恋愛を見せるような作品ではなく、淡々と少しずつ見せるところがあります。ジュニョクとジフンの感情表現の違いが好きです。ジュニョクは抑えることを知らない、年相応の感じがしていいし、ジフン叔父さんはクラシカルで足長おじさんみたいなところがいいです。自分では天秤にかけても決着がつきそうにありませんから監督が決めてくださるでしょう(笑)―ジュニョクとセギョンの関係は、まだ本格的な恋愛感情には至っていないようですが少々緊張感のある雰囲気を作るために表情や声のトーンに気を使っている感じがします。シン・セギョン:そうですね、結構考える必要のある所ですね。それに自分で悩んだ部分が監督と意見がマッチしない時がありますから。私は自分のキャラクターの流れさえ考えればいいかもしれませんが、監督は作品全体を読まないといけませんから、監督の意見に従うのがいいと思います。監督は「絶対にやり過ぎないこと」って言います。例えばジフンがセギョンに服をプレゼントして「良く似合うね、きれいだよ」って言う時にもこれから展開されるべく恋愛関係を意識したりせずに淡白に演じてくれってオーダーをするんです。特に感情のトーンなどは監督から見てやり過ぎだと判断したらトーンを落としてくれ、淡白過ぎるともう少しトーンを上げてくれって話してくれるのでとても助かります。―そうしたオーダーについていけると言うのも凄いですね。シン・セギョン:でしょ!? ちょっとした違いなのに監督は理解していて私も理解して、視聴者も具体的には分からなくとも見るとすぐピンと来る、そういう感じをキャッチ出来るというのが不思議です。演技には呼吸があるって言いますけど、シネやヘリ役のジヒにも監督が「呼吸を入れて」っていうと幼くてもちゃんと理解しているのが不思議です。―この前「明日に向かってハイキック」でセギョンがジュニョクの体操着を着て学校へ行き跳び箱をかっこよく超える場面がありました。実際に運動は出来る方ですか?(rock)シン・セギョン:実は私、跳び箱が出来ないんです。あらかじめ練習したんですけどダメでした。自分で出来ればよかったのに結局代役を使うことになってしまい、申し訳ないなって思ったんです。運動する必要性があることから外で散歩したり走ったりはしますけど、自分で楽しめるような運動を習っていないのが残念です。水が怖くて水泳も習っていませんし、スケートもダメで自転車にも乗れないんです。時間が出来たら水泳や自転車、運転まで全て習いたいです。―ジュニョク役のユン・シユンさんは実際に4歳年上ですが作品の中では「姉さん」って呼んでますよね。現場での呼び方はどうなっていますか?(tamaraciel)シン・セギョン:「セギョン」「兄さん」って呼んでますよ(笑) ダニエル兄さんやジョンウム姉さんとかは結構早めに仲良くなったんですけど、シユン兄さんとセホ役のギグァン兄さんとは気軽に話せるまで少し時間がかかりました。最初の頃は二人とも現場そのものに慣れなかったようで。でも今はみんな気軽に接してます。「大学入試試験が近い彼氏は勉強で忙しい」―「明日に向かってハイキック」でセギョンは家庭料理が得意ですが、実際に料理が好きだったりしますか?(dhdlek)シン・セギョン:時々一人で思い立ったら料理したり、小麦粉をこねて何かを作ったりします。近頃は忙しくて出来ませんけど。家事の中で一番好きなのは皿洗いです。凄いスピードで上手なんですよ。正直に言うとお布団なんか敷きっぱなしです。朝起きて母親に小言を言われるとどうせ夜また敷くんだからってね(笑) でも皿洗いとかは好きです。シンクとかきれいになるとすごく気持いいですし。―デビューが98年ソ・テジの「take5」のアルバムポスターでしたが当時のエピソードなど聞かせてください。(hushus)シン・セギョン:実は当時の私は具体的にソ・テジさんのアルバムポスターを撮影するということを知らなかったんです。あまりにも凄い方ですからプロジェクト自体が極秘で。私の母親でさえ知らされていなかったんです。白いTシャツを着て来いと言われ、スタジオに入ってみると悲しい音楽をかけて泣いて見てって言われました。子供だし、もともとあまり泣かない方でしたから、おじいさんの事とか色々悲しいことを思い出して一日中泣いたんです。当時そうして撮った写真は、その頃の韓国経済危機で両親が苦しいから泣くとか、風邪薬の広告に入れるんだろうと思ってました。終わってから母親と美味しい物を食べたことは覚えているんですけど、まさかそんなに大きなプロジェクトだとは思いもしなくて(笑) 今でも話題に上っているのを見ると不思議な気がします。―MBC「善徳女王」当時のインタビューでは彼氏がいると発言して話題になりましたが、周囲の人や所属事務所では心配されませんでしたか?シン・セギョン:「公開しないといけないな」と思って公にしたのではなく、インタビューにそういう質問があったからそのまま答えただけなんです。そしたらそれが一面記事になって少々話題になったようです。もちろん誰かから「直ぐに別れろ」とか言われたわけではありませんが、インタビューであまり話題になるのもどうかと思っています。私はラッキーな方で、こういう仕事をしている人の中には彼氏がいても絶対にそれを言ってはいけないと言われている人もいますから。それを聞いて少々驚きましたけど。―人気が上がって彼氏が不安がったりしませんか?(ムン・ソラ cj***)シン・セギョン:気にしてはいるみたいですけど、大学入試が迫っているから勉強で忙しいです(笑) それに各自するべき事があるし、自分の事で忙しいのも悪くないなと思います。―最近ネットで次世代のグラマースターに選ばれていますが、そうしたイメージが負担になったりしませんか?(ジン・カラム hear***)シン・セギョン:高校生の頃マスコミから初めてそうした話題が出たんですけど、当時は私もネットを良く見ていて、そんな状況そのものより言いたい放題の人々の反応に傷つきました。彼らにしてみればネット上の話しですから気軽に書き込んだのだと思うんですけど、私より両親の方が興味を持って記事を読んでいましたから、それが気になってました。彼らもいつかは結婚して娘を持つかも知れないし、その子も二十歳になるでしょう。それを考えたらここまで言えないだろうなって思ったんです。今はそうした人を気にする必要もないと思っていますけど。それにそうした評価は私の持つ能力や資質より、生まれつきの外見に対する評価です。少々負担に思ったりもしましたが、まあ、褒めてるわけですから感謝と共に受け入れ、これからは演技などへの評価を得たいなと思っています。―一番好きな映画やキャラクターは何ですか?(grove333)シン・セギョン:その時によって違うんですけど、特に好きな映画のシーンは「ラストタンゴ・イン・パリ」の最後の場面です。マーロン・ブランドが死んだ妻の前で独り言を言うシーンがすごく好きです。また「堕落天使(Fallen Angels)」という映画でヒロインが手にタバコを持ってベッドで嗚咽するシーンがあるんですけど、今年の始めに心理的にすごく大変な時期があって、その映画を見ながら「あの人も凄く苦しいんだな、誰でも苦しい時があるんだな」と思い、もの凄く慰められました。あと「ハッピー・トゥギャザー」も好きで、好きな映画が本当にたくさんあります。―今年二十歳になりますが20代になって必ずやりたいこと3つを上げるとしたら?(チェ・シンヨン qotm2***)シン・セギョン:去年まではどこか旅行に行きたいというと母親が絶対にダメだって言ったんですけど、二十歳になったからひとりでバックパックで旅行してもいいと許してもらえました。でもそれも言葉ばかりで私について来るかも知れません(笑) 旅行をたくさんしたいですね。それと大学を1年の1学期だけ終えて休学をしているんですけど、入学前に私の学部で学生による演劇を見ました。とても感動したし、またショックを受けたことがあります。プロでもないアマチュアの学生が舞台に立ったんですけど、エネルギーが凄くて!だからその演劇にぜひとも参加したいので、復学したら学業にも精を出すつもりです。やりたい事が本当にいっぱいです!
Vol.1 ― シン・セギョン「持続的に成長する人になりたい」
シン・セギョンの話し方は落ち着いていた。どんな質問にも落ち着いて、そして楽しく会話を交わす態度からはMBC「明日に向かってハイキック」のキャラクター同様、大人っぽい芯の強さをうかがうことが出来た。98年、ソ・テジのアルバムポスターに登場した少女として顔を知られるようになったシン・セギョンからは、年齢をはるかに越えた品格まで感じられる。だからシン・セギョンと話をしている間中ずっと「きれい」と「美しい」の違いについて考えてしまった。もちろんそれを言葉で分析するのは難しい。その代わり、この思いやりのある魅力的な女性との会話を公開する。―最近MBC「明日に向かってハイキック」で人気が高まっていますが、どうですか?シン・セギョン:撮影のために屋外へ出ますよね。最初の頃は見物している方が何を撮っているのか分からなかった見たいなんですけど、今は「あっ『明日に向かってハイキック』の撮影なんだな」って分かるようです。時間が経つほど自分の本来の姿がセギョンのキャラに溶け込んでいます―番組の最初の頃は市内にある南山(ナムサン)でシネを見失ったりと相当苦労してますし、道端でいわゆる屈辱シーンもありましたから気付かれなくてむしろ良かったですね(笑)シン・セギョン:そうですね(笑) シネを見失った日は夜明けの5時まで撮影をしてましたから、もう疲れて倒れそうな状態でした。それでも必死で泣きながら走り回る姿を撮影したんです。あの時はほとんど正気ではありませんでしたが、時間を置いてみるとすごく印象に残るエピソードとなりました。―今年から久しぶりに活動を再開しましたね。MBC「善徳女王」では天命(チョンミョン)王女(パク・イェジン)の子役としていい反応を得ていましたから、次の作品は何だろうと思っていました。シン・セギョン:実は、私が「明日に向かってハイキック」を選んだというより、私にチャンスが与えられたって言うべきだと思うんです。「明日に向かってハイキック」はキム・ビョンウク監督の作品だからか、他の若者向け作品とは少し感じが違いましたし、ユニークなキャラクターもいいなって思ったんです。ただ、私が少し強いイメージを与えたようですが、セギョンの哀れっぽくて可愛そうな感じを上手く表現出来たのか心配でした。―セギョンというキャラクターについて、始め監督からはどんな説明を受けましたか?シン・セギョン:「明日に向かってハイキック」の最初の頃は、私のキャラクターが泣く場面や感情をむき出しにするシーンがほとんどだったんです。初め、監督からはコメディはファン・ジョンウム姉さんを中心に、私はシリアスでドラマ性のある役を中心にするって言われていました。でも、シットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)という番組の形からして、愉快な感じを期待していた視聴者の方からは、私のキャラクターが哀れすぎだったと言われてしまいまして。だから私もすごく心配していたんですけど、話しが進むにつれてむしろ少しコケるだけでもすごく面白いキャラクターになっていて、それを見ると監督が正しい道へと引っ張って下さったんだなと思います(笑)―ファン・ジョンウムさんは監督が全てにおいて細かく指導してくれるという意味で監督に「神様」というあだ名を付けたそうですが、セギョンさんにはどんな話をしてくれますか?シン・セギョン:私は映画でもシリアスな正統派の作品ばかりをしていますし、ドラマでも時代劇ばかりしていたので、シットコム作品ではトーンをすごく上げるんだとばかり思っていました。でも監督はそう言うのを望んではいませんでしたし、私のキャラクター自体がファン・ジョンウム姉さんのような明るくオープンな人ではありませんでしたから、正統派の演技を基本とし、呼吸だけ少し早めに調整しました。もちろん、セギョンが酔っ払った時のようにコミカルな部分は時々あるんですけど、まあこれは監督の不思議なところで、俳優の中にあるその人の基本的な性格を読んで、それに合ったキャラクターを与えてくれるみたいなんです。だからキャラクターを演じながら時間が経つと、俳優の本来の姿が溶け込んでるような感じになるんです。もちろんヘリ(チン・ジヒ)がそうだという意味ではないですけど(笑)―「明日に向かってハイキック」では妹のシネ(ソ・シネ)の面倒を見るのがとても自然体ですね。実際、一人っ子なのに年の差のある妹とはどうやって仲良くなりましたか?シン・セギョン:シネとは8歳の差があります。「明日に向かってハイキック」の撮影を江原道(カンウォンド)から始めたので仲良くなりました。一番暑くて大変な時から一緒にいましたから情も移りましたし、活発なシネの性格には男の子のような面があるから人見知りもしないんです。一緒に台本合わせをする時もありますし、シネとジヒは子供だからあちこち飛び回っていたずらもします。そして、時々私もスタッフに大人しくしてなさいって怒られてしまいます(笑) それに勉強も熱心にする子達だから、台本を読んでる時間以外には撮影場で問題集とかを開いて勉強してるんです。いくら私が勉強が得意でないと言っても、小学校の勉強は簡単でしょ?だから隣で見物しながら一緒に解いたりもするんですけど、久しぶりに小学校の問題を見るからそれも面白くて。子供の頃から結構大人びていた感じ―セギョンさんも幼い頃にデビューしていますが振り返って見てどうですか?シン・セギョン:シネは今小学校の5年生ですが、私は彼女と同じ歳の頃、もっと見た目が大人っぽかったんです。5年生で身長が162センチでしたから学校ではほとんど巨人でした。中学校の1年生の時に初めて映画「幼い新婦」を撮影したんですけど、そこでは高1って設定なんです。中学生が高校生の役ってまあ問題ないかって思われるかも知れませんけど、実際に中1なんて小学校を卒業して間もない歳なんですよね。その歳で高校生の役をしていたのが今でも不思議なんです。子供の頃から結構大人びていたのかな(笑)―天明(チョンミョン)王女や「明日に向かってハイキック」でのイメージも歳よりも大人っぽいという感じですが、小学校の頃から人より大きくて社会生活も早く始めているから、同じ年頃の友達とは悩み等も違ったのではないですか?シン・セギョン:はい、でも私はすごく幼い頃から演技をしている子たちや私より幼いアイドルグループを見てるとすごく切なくなることがあるんです。役者には技術的な面も重要ですが人生を生きてきた経験が演技の半分以上を占めますから、子供の頃からより多くの経験を積んだ方がいいと思うんです。それでも役者の場合はいい方で、アイドルの場合はイメージが大切だからその歳でしか経験出来ない、大人になったら経験できないことを諦めないといけないでしょ?私は高校の頃、映画の「シンデレラ」一つだけを撮ってずっと学校に通ってましたから、その時に作品をいくつか撮るよりも、友達といっぱい遊んでその歳で経験出来ることを全てやり、入試の準備も経験するなど、それがもっと大切な経験になったと思うんです。だから今は出来るだけやりたい事はやろうと努力しています。未だに地下鉄に乗っているのもそうですし。―地下鉄に乗っていると周りに気付かれませんか?シン・セギョン:帽子を被っていると気付かないようです。地下鉄に乗っていると他の人をよく見るようになるんですけど、意外とみんな他人には無関心なんですよね。自分の目的地や自分のしていることに集中していて。近所の5号線や9号線をよく利用するんですけど便利ですよ。―しかし成長期に活動を減らしてその歳で経験出来ることをしながら生きるということは役者、もしくは芸能界で仕事をしている人には簡単なことではないと思いますが。シン・セギョン:そうですね、いつ仕事をしていつ休むべきだと言う線をハッキリ引いていたわけではありません。ただ今の所属事務所もそうですし、私の周りの人も目先を見るのではなく、先を見ていたようです。今のこの時期、学校へ行く時は学校へ行って、恋愛をする時は恋愛をして、友達と遊べる時はしっかり遊んだ方が、長い目で見ると、歳を取って演技をする時に必ず必要になる部分だと思いますから。それを経験しておかないと、私にはそうした部分が欠如してしまうということだから急がずに行こうってみんなで言ってくれたんです。人間って実はすごく欲深い動物ですから、少しでも多く顔を出したいし、有名になりたいと思うのは当然なんですけど、その度にもう一度考え直して、これは違うなっていう結論を出せたんだと思います。高3の頃に書いた小説を大切に保管しています―演出にも大きな興味を持っていると聞いていますが、いつか監督として作品を作るとしたら撮ってみたいお話とかがありますか?シン・セギョン:いっぱいあります。私は入試の時も演技の実習が中心でしたから、高3の自習時間には主に本を読んだり、それでもする事がない時には小説を書いたりしていました。もちろん小説を書きながらも、これは私の感性で書いたもの、自分で考えて書いたものだと思いながらも、一方では、客観的に見れば「まだ20歳にもならない子供の作品だから」というように見られるんだろうなって感じもしたんです。だからどこかでオープンにするより、歳を取ってから読み返してみた方が自分の大きな財産になりそうだなって思って保管してるんです。―主にどんな話を書きましたか?シン・セギョン:もちろん恋をする内容です(笑) 自分にとっては、それが19歳の時に書いた文章だから大切なんだと思うんです。完成度が高いとか話の作りが上手いとかではないですけど、その時に自分で感じていた感情が盛り込まれた文章だから好きです。また後になって自分でそれをモチーフにしてまた別の物を書いたり、そうした感性を思い返して演技できるわけですから。―自分を客観視するのが上手な性格見たいですね。シン・セギョン:私にも客観的になりたい時もあれば、それを全て無視したい時もあります。それでも出来る限り他人を意識しないように努力しています。人を相手にする仕事をしていますから、相手に気を使う必要があります。でもそれを絶えず考えていたりしたら、たくさんの事が混乱するかもしれません。この仕事をしている方の中にはそうしたことで傷つく人も多いですから。だから私は、ある部分に関しては自分がやりたい通りにやるべきだと思います。その代わり周囲の人から客観的な評価をたくさんもらいます。―子供の頃から演技をしていますが、今まで重要なこととして学んだことにはどんな事がありますか?シン・セギョン:シナリオを読んで、より多く考える必要があると思います。子供の頃は、ただがむしゃらにやっていました。キャラクターに関する考えより、そのシーンの中で与えられている感情を表現するのが中心でした。だけど、段々とそれだけではいけないと思ってきたんです。だからもっと具体化されたキャラクターをして、もっと悩んでみようと努力しています。実際に、悩めば悩むほど、撮影が厳しいほど良い場面が撮れるみたいです。「明日に向かってハイキック」でも屋外撮影が多いほど良いエピソードになります(笑)―映画を見るのがすごく好きだと言うことですが、俳優は映画を見るのと同時に映画の一部になる存在ですよね。どんな俳優になりたいですか?シン・セギョン:日常生活ではただ通り過ぎる場面や当たり前の瞬間なのに、ある小説や映画を見ている時に「ああ、そういうのがあったね」と感動や衝撃を受ける時がありますよね。でもそれが全世界で全ての人々が同じ気持で共感出来るものではありませんから、すごいと評価されて多くの人々に感動を与える映画は本当に幅広い部分を表現していると思うんです。私は今まで狭くて短い道を歩んで来ました。でも、これから進むべき道は長いと思います。だけど、そんなに幅広い表現は出来ないにしても、一つ一つ歳を重ねるごとに30代になり、40代になって、より豊かに表現が出来るようになれば、それですごく幸せになれると思うんです。もちろん苦しみもあり、悲しいこともあると思いますが、それを経験するのも大きな恵みだと思います。それを通してしっかりと成長出来る人になれればいいなと思います。
“シン・セギョンに愛されると…”ジンクスが話題に
※この記事にはドラマ「ファッションキング」など、様々な作品の結末に関する内容が含まれています。女優シン・セギョンに愛されると死ぬという、「シン・セギョンジンクス」が話題になっている。22日に最終回を迎えたSBSドラマ「ファッションキング」は、男性主人公カン・ヨンゴル(ユ・アイン)が不可解な銃弾に当たって死ぬという結末で終わった。このような衝撃的な結末にネットユーザーは、「シン・セギョンの呪い」と呼び、シン・セギョンが出演した作品について言及した。2009年に放送されたMBCドラマ「善徳女王」では、天明(シン・セギョン)の夫キム・ヨンス(パク・ジョンチョル)が戦争中に死を迎える。また、MBCシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)「明日に向かってハイキック!」では、チェ・ダニエルがシン・セギョンと共に乗った車で交通事故で死亡したような結末だった。昨年放送されたSBSドラマ「根の深い木~世宗(セジョン)大王の誓い~」のシン・セギョンの相手役チャン・ヒョクもやはり、ハングル配布に力を注ぎながら刀で殺された。シン・セギョンの呪いは、テレビドラマだけではなく映画でも同じだ。2006年の映画「シンデレラ」でシン・セギョンの母親役ト・ジウォンは自殺で死を遂げ、映画「青い塩」でシン・セギョンの師匠役オ・ダルスもまた、銃で撃たれて死んでしまう。シン・セギョンの相手役が死ぬということに対してネットユーザーは、「シン・セギョンに愛されると死亡?」「恐いシン・セギョンの呪い」「シン・セギョンジンクスだ」などといった反応を見せている。
ユン・シユン「My name is...」
My name isユン・シユン。高校生まではユン・ドングという名前で、大学に入ってから改名した。当時、所属事務所から進められて変えたんだけど、かわいい名前で活動できて嬉しい。でも、昔の名前も十分かわいかったと思う。ドング、かわいいじゃん!1986年9月26日生まれ。「明日に向かってハイキック」(MBC)で共演したダニエルと同じ歳であることが記事になった時、ダニエル(チェ・ダニエル)が僕を慰めてくれた。僕の顔は童顔だから、いつも驚かれるので。ハハハ。でも彼はすごく自信があるから、気にすることはなさそう。実際、お酒は飲まないし、タバコも吸わない。お酒は飲み会に行ったら少し口にするくらいで、タバコは吸ったことがない。理由は簡単。母が酒もタバコもとても嫌がっていて、いつも僕に「私の息子は酒もタバコも興味ないよね。そうでしょう?」と言い聞かせくるし、そのことは僕への信頼にも繋がっているから。僕はひとり息子だから、母の僕への信頼は本当に大きいと思う。俳優としてデビューするまで、大変なこともたくさんあったけど、いつも僕を信じてくれたことに本当に感謝している。中学生の頃、ソウルに上京した。その前は祖父、祖母と一緒に全羅道(チョンラド)の順天(スンチョン)に住んでいた。今もつらいことがあるとバスに乗って一人で順天に行く。最終バスに乗って夜明けに着くくらい、かなり遠い所だけど。順天に行って昔の友達に会ったら方言がスラスラ出てくる。ハハ。子どもの頃、祖母に育てられてみんなが英語教室に通っている時に僕は書堂(ソダン、日本の寺子屋のような昔の庶民が通っていた私塾)に通っていた。千字文(漢字の初級読本)や明心宝鑑(格言集のような儒学の書物)まですべて教わった。その時はうまくやってたけど、今は忘れてしまった。(手を振りながら)すべて、全部!僕がすでに軍を除隊したという噂は僕も聞いたけど、まだ入隊経験はない。新人だけど歳がそんなに若くないから、誤解されたんだと思う。ちなみに、がんばって活動して、もう少し歳を取って時期が来れば入隊する予定です、みなさん! ハハハ。デビュー前に「スターの友達を紹介します」(MBC)という番組に出演したことがある。FTISLANDのホンギとは知り合いの知り合いみたいな感じで作曲家の方とのつながりで仲良くなった。その当時は偶然番組に出演しただけで、俳優になる準備はしていたけど、具体的なデビュー予定はまったくなかった。人生で初めて演技をしたのは小さい頃、教会の芝居で羊その3の役を見事に演じたことだ。ハハハ。遊び場で遊んでいた時、いきなりキャスティングされて練習もせずステージに上がったのにね。学生でもなく、大人の男性でもない中途半端な容貌を悩んだこともある。ひげを生やすなど色々試してみたけど、まったく似合わなかった。かといって、「明日に向かってハイキック」で童顔という評判を聞いたことも一度もなかったから、本当にキム・ビョンウク監督がどれほどすごい人なのかがわかった。それほどキャラクターをうまく作ってくれたということなので。よく知らない方は「明日に向かってハイキック」の台本が書き上がるのが遅いと思うこともあるみたい。修正版までは非常に早く出るけど、その後、キム・ビョンウク監督が修正版の台本をすべて読みながら、それぞれのキャラクターの性格に合わせて言葉づかいを修正する。語尾や表現の差が微妙に変わるくらいだけど、そうしてできた最終版を読んだら、不思議と僕の言葉遣いにそっくりなんだ。俳優が最高の演技をできるように、監督は本当にしっかりとチェックしてくれている。いつも学校の制服ばかり着ているから僕なりに衣装に変化を与えている。シャツを入れて着たら、次は出して着たりと気を遣ってるんだけど、わかりにくいかな?ハハハ。ヘリ(チン・ジヒ役)は子役界のソル・ギョングさんみたい。普段は普通の子どもと同じだ。女の子らしくツンツンしたり、スキンシップが好きで後ろから抱きついてきたりもする。しかし、自分のシーンに入るとすべてを切り替えて完璧に演技をこなす。ヘリもシネ(ソ・シネ役)も生まれつきの才能もあるが、プロの根性がより強い子役たちだ。イ・スンジェさんは現場で時々僕の演技に足りない部分を、直接教えてくれる。僕は人付き合いが上手な性格ではないので、僕からイ・スンジェさんに話しかけたりすることはなかなかできない。それに俳優の大統領みたいな方だから僕なんかは色々と質問しにくかったけど、イ・スンジェさんが僕の所に来て話しかけてくれて、とても嬉しかった。イ・スンジェさんは教授を務めているから、演技に的確な指摘をしてくれる。本を読むことが好き。本を通してオバマ大統領のように成功した人の精神を知っていくのは、僕の人生に非常に役立っていると思う。偉人の話を読み続けたら、いつか僕もそういう人のように、成功というものに少し近づいたり、彼らのようになれるんじゃないかという夢もある。法頂(ポプチョン)僧侶やユ・シミンさんが書いた本は探して読むくらい好きだ。チェ・ミンシクさんやキム・ミョンミンさん、RAIN(ピ)さんのような方々をお手本にしている理由も、大変な努力をする彼らの姿を見習いたいと思うからだ。それほどの根性が今の僕にはまだないが、本物の俳優になるというのは役柄を本当の自分だと思って受け入れることだと思う。20キロ減量しなくてならない役柄にキャスティングされた時、その人になろうと思えばそういう努力もできると思う。プロモーションビデオを撮影した時、自殺して水に落ちるシーンを撮ったことがある。その時、ダイビングの講師の方が、「一般の人はいくら大きい身体を持っていても、水に沈むことはすぐにできないけど、俳優はみんなできる」と言った。「だから、心配しないで。俳優はみんなできるから」と言った講師さんのその言葉が今でも頭の中に印象深く残っている。恋愛感情を表現するからといって、わざとセギョンを好きになる努力をする必要はない。ジュニョクになれば、本当にセギョンが好きになるから。