桃の木
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“芸術家”ク・ヘソンの探求生活…「女優ク・ヘソンは単色」
演技、演出、芸術、音楽まで止まらないク・ヘソンの創作映画「桃の木」のク・へソン監督。小品集など、数枚のアルバムを出した音楽家のク・ヘソン。「芸術の殿堂」にあるハンガラム美術館で展示会を開いた画家のク・ヘソンまで。それこそ総合芸術家という言葉が相応しいようだ。多様な才能で人々と交感しているク・ヘソン。その感性のルーツは果たしてどこにあるのだろうか。ク・ヘソンの音楽、ピアノ曲にその始まりがあるク・ヘソンの2本目の長編映画「桃の木」には、数曲のピアノ曲が流れる。よくニューエイジと呼ばれる演奏曲を始め、俳優のチョ・スンウや子役俳優が歌った童謡ふうの楽曲「桃の木」も聞くことができる。全9曲のOST(劇中歌)のうち、8曲をク・ヘソンが作曲した。映画音楽が初めてではなかったが、今回の音楽は特別だった。通常シナリオが完成し、映画の撮影を終えた段階で音楽をつけてきたが、今回はク・ヘソンがシナリオを構想する段階から音楽も作ったという。「パソコンで作成する前までは、話が頭の中だけにありますね。頭の中でずっと考えていましたが、そのときメロディが頭に浮かんできたんです。それで、すぐに楽曲を作りました。映画を作ってから音楽を選定する作業が非常に難しかったけれど、今回は一緒にしたわけですね。メイン音楽を作ってシナリオを付けました。映画の撮影が終わったとき、音楽への心配は減りました(笑)俳優たちに歌を頼みました。私が作る曲はちょっとニューエイジふうですが、映画で音楽が重要なだけにストーリーのように一緒に行わなければならないと思いました。映画とともに音楽もできればいいけれど、私が曲を作ってみたらいくつかの曲は感情が入りすぎた感じがしました。次は、メイン曲一つだけを作成するつもりです(笑) 今回は作業の環境も劣悪だったし、私がするしかなかったんです」ジャズとニューエイジの中間にク・ヘソンの感性があると見れば良いだろう。彼女の知人である女優のイ・ボヨンが今回の音楽を聞いて「これこそク・ヘソンの映画だね!」と言ったというエピソードを思い出せば、彼女の一貫した感性を察することができるはずだ。女性的感性の映像、いつも学ぼうとした彼女の美術に関する見識は、すでに放送を通じてよく知られている。幼いときから好奇心が強くて習いたいものがあれば条件を考えず習いに行ったという。絵において彼女に影響を与えた人は、近所のマンションの美術の先生、彫刻家カミーユ・クローデル、そして画家のイ・ジュンソプだった。「幼いとき先生が私にイ・ジュンソプ画家の絵をたくさん見せてくれました。私のタッチを見て一番良い師匠になると思って見せてくれたわけです。私は、主に年上の方々と親しくなります。私より長く人生を生きた人を見ながら私の人生の道を作ってきたような気がします。学ぼうという気持ちもありましたが、本当に知っている分だけが目に見えてくるようです。知らない方がいいとおっしゃる方もいますが、知らなくて気にしないことと知って考えてみることは違うと思います。沢庵(の着色料)が体に良くないことを知りながら食べることと知らずにそのまま食べることは違いますね。知ることは、それほど重要です。美術も知っている分だけ描けると思います。また、色々と知識があってこそ世の中を面白く生きていくことができると言われますね。大人たちの話を聞くことが好きですが、それでも誰もが師匠になるわけではないと思います。尊敬される方々は、あえて誰かに教えようとしません。それが、本当の師匠だと思います。作家のイ・ウェス先生に会いに行ったとき、最初は本当に先生らしいのだろうと思いましたが、他人に対してとても心をオープンにしておられました」女優ク・ヘソン「私は単色が表現できる女優」事実、どうしてもク・ヘソンは女優というタイトルが一番馴染んでいるはずだと思った。女優は一番長くやってきたし、女優としての悩みが一番多かったと思ったためだ。だが、実際ク・ヘソンは自身を表現する肩書きについてあまり動揺していないようだった。画家、作曲家、あるいは歌手や監督という肩書きについてク・ヘソンは「『私はまだまだ未熟なのに、それらしい人に作ってくれるんだ』と思う」と笑って見せた。したがって、女優出身の監督、女優出身の作家という言葉にも特別な感情はないと言う。最近、長編映画「マイ・ラティマ」を演出したユ・ジテと短編映画を演出したユン・ウネにについては「それぞれ自身の人生をよく生きておられますね。そういう方々を見ながら私も私の人生をよく生きていかなきゃと思う」という。「女優としてのク・ヘソンですか?私は私自身を見て、目立つ人だと思いました。本来共演する俳優と息を合わせながら演技しますよね。でも、モニターを見ると、なんとなく異質な感じがしました。俳優たちが一つになって演技しているのに私だけ一人かけ離れている感じがして。これは、私の外見のせいかもしれません。誰かはそれを演技で乗り越えなければならないとアドバイスもしてくださいました。でも、世の中にはヤイロチョウ(八色鳥)もいるけれど、青い鳥も、白い鳥もいるはずです。私は、単色を表現する人だと思います。20代前半には、もちろん私もヤイロチョウになりたかったです。それで、時代劇や色々なジャンルのドラマをしました。ジュリア・ロバーツさんやロビン・ウィリアムズさんを見ると、その方だけの特徴がありますね。何かハッピーなウイルスを与える感じです。自分を見たとき、ク・ヘソンは女優と言うよりは、ただの人間のク・ヘソンと認識されているようです。誰かにはありきたりなイメージで食傷気味かもしれませんが、それが正しいと思います。韓国の俳優さんでは、チャ・テヒョンさんを見るとそのような感じがします。彼が出てくる映画は、すべて幸せになるような気がします。自分という服を脱ぎ演技への情熱を燃やす俳優もいれば、一筋で行く俳優もいると思います。私は、私が生きる方向性と一致する演技がしたいと思います(笑)」
ク・ヘソンからの福袋…映画「桃の木」ガイド
女優・監督・作家のク・ヘソンが語るク・ヘソンの映画言葉の通り、福袋だ。演出とシナリオはもちろん、音楽に至るまで、ク・ヘソン独自の感性や考え方を感じられる。映画「桃の木」には、一層成熟したク・ヘソンの現在と覚醒が込められている。ク・ヘソンもまた「福袋であってほしい」と映画への大きな愛情を見せた。今までドラマ「花より男子~Boys Over Flowers~」「薯童謠(ソドンヨ)」「お願い、キャプテン」などで、女優としての面を見てきた人にとっては、作家として、演出者として活動している彼女の姿に違和感を覚えたかも知れない。しかし「妖術」「あなた」「記憶の欠片」まで、こつこつと着実に活動を続けた彼女は、自身の情熱を余すところなく作品で証明して見せた。「桃の木」は人生に対する根本的な質問から始まった作品「2009年が過ぎ、2010年にシナリオを書きました。悩みが多かった時期です。『なぜ生きるのか』と考えていた頃、当時私が尊敬していた映画会社のチョン・スンへ代表が亡くなられ、生と死に対して改めて考えるようになりました。今までそういったことについて、あまりにも無関心だったと思ったのです。私という存在について悩んでいるうちに、それを盛り込んだキャラクターを作りたくなりました。『シザーハンズ』という映画がありますよね。愛らしく、切ない存在だけど、抱きしめると傷つく。そういったキャラクターのように我々はみんな、愛を与えながら傷も与えて生きていると思います。このようなキャラクターを研究するうちに、今の結合双生児を描くことを決めました。生と死に近づくことのできるキャラクターだと考えたからです」演出者として、そして女優、美術作家としても「桃の木」は自然な人生の流れだった。大きな変化のきっかけがあったというより、人生に対する一貫した関心だったわけだ。ただ、過去のク・ヘソンが自分自身にもっと集中して生きていたとすれば、今は周りを見渡し始めたというのが変化だと言える。「実際、私たちは誰もが誰かのために生きているじゃないですか」とク・ヘソンは言ったこの言葉の意味は、つまり人は愛なしでは生きられない存在だということだろう。ク・ヘソンにとってはその対象が家族であり、今回の映画に家族への気持ちを内密に盛り込もうとしたそうだ。「もし私に家族がいなかったら、今のように映画を作り、アートをしながら生きていなかったと思います。私がこのように一生懸命に生きるのは、家族のためでした。本当に愛する家族なので、もっと優しくしようと毎日のように決心します。しかし『今日は腹を立てないようにしよう』と思いながらも怒ってしまいます(笑)」家族に対する率直な話が交わされた。家族はもしかすると、愛憎の存在ではないだろうか。いなかったらと思いながらも、いなかったら空虚になるしかないのが、人の人生だからだ。 一緒に演技に参加した俳優たち、作品の率直さを垣間見ただからなのか、結合双生児として登場するチョ・スンウとリュ・ドクファンが、映画の最後で、お互いから離れ、完全な姿で登場したときは、ク・ヘソンも胸が詰まったという。もちろん、人物に特殊メイクを施し撮影したが、特集メイクを外してから撮影したときは、本当に切ない気持ちになったそうだ。「家族は負担かも知れないけど、離すことのできない存在です。その家族の不在を考えると、結局本人も否定することになるじゃないですか」映画の撮影中、俳優たちからもそのような感情を十分に感じていたそうだ。長い付き合いのナム・サンミ(パク・スンア役)と友情出演したソ・ヒョンジン(双子の母役)は別として、チョ・スンウやリュ・ドクファンは作品性を見て快く出演を決めたケースだ。撮影当時、不仲があったということが、最近バラエティ番組を通じて明かされたりもしたが、ク・ヘソンはこれに対し「何回か意見の食い違いがあっただけです」と、拡大解釈を警戒した。「私も今回の映画でたくさんのことを学びました。女優出身なので、俳優の気持ちをよく分かっているというのは傲慢だということを知りました。ただ、私のスタイルと相手のスタイルがあっただけです。人に対してはまだよく分かりません。だから恋愛ができないのかな?(笑) 自分自身のこともよく分からないから、映画の中でも、答えがでないまま進行されていると思います。ある関係に対して、これだとはっきり定義することはできないじゃないですか。結局私の存在は、他人によって存在するのではないでしょうか。他人が私を定義し、私に対する価値を考えるように、私もまた、自らを定義しません。もちろん、芸能人として仕事をしながら、それなりに強くなっていく過程のような気もします」「チョ・スンウさんやリュ・ドクファンさんは、韓国映画らしくない作品を求めていたので、私の提案に応じてくれました」と説明したク・ヘソンは、改めて出演俳優に対する感謝の気持ちを伝えた。予算もまた厳しかったが、俳優のほうでたくさん配慮してくれたという。ク・ヘソンが監督としてできたことは、俳優の時間をなるべく取らないよう、撮影を速く進行することだったそうだ。またク・ヘソンは、長年の親友で、今回の映画に特別出演したソ・ヒョンジンとイ・ジュニョクにも感謝の気持ちを伝えた。ソ・ヒョンジンはク・ヘソンの長編映画デビュー作「妖術」にも出演したことがある。当時出演料をご飯で解決したほど親しい仲だったク・ヘソンは、「今回は5回撮影したので、5年間ご飯をごちそうすることにした」と笑って見せた。映画「桃の木」は、色々な意味で俳優たちの愛情が溶け込んでいる作品だった。結合双生児をテーマに、人生に対する新しい考察を提示する今回の作品を通じて、ク・ヘソンの新しい面も確認してみよう。よく熟した桃のように、ク・ヘソン監督の深い思慮の結果を感じることができるはずだ。
ユ・ジテ、ク・ヘソン、ハ・ジョンウ…俳優出身の3人の監督が乗り超えるべき課題とは?
ハリウッドの伝説的な俳優でありながら、映画監督の巨匠でもあるクリント・イーストウッドは、世界で最も有名な監督兼俳優だろう。他の俳優出身の監督が監督業よりは俳優業に重きを置いているとすれば、クリント・イーストウッドはどちらの分野でも偉大な成果を挙げた人物である。俳優でデビューして成功を収め、監督として手掛けた作品もそれに劣らないほど華々しいヒットを飛ばしているからだ。俳優クリント・イーストウッドが監督として他に類を見ない存在感を発揮している理由は、「ミリオンダラー・ベイビー(2004)」「硫黄島からの手紙(2006)」「グラン・トリノ(2009)」など、多くの作品が評論家から高い評価を受け、且つ商業的にも大ヒットして一般の観客からも認められているからである。最近、韓国の俳優たちの中にも本業である演技をしばらく休み、監督に挑戦している人々がいる。その中には、ある程度の収益性の保障を必要とする長編映画に挑戦した若手もいる。「マイ・ラティマ」で第17回釜山国際映画祭の「韓国映画の今日-ビジョン」部門に招待されたユ・ジテ監督、「桃の木」で2作目の長編映画を演出したク・へソン監督、11月末クランクインする「人間と台風(仮題)」のハ・ジョンウ監督だ。この3人が監督に挑戦する理由は何だろうか?それはおそらく映画に対して俳優よりも大きな権限を持つ監督という役割を通じて、作品を観客と共感したいからではないだろうか。既に俳優としてキャリアを積んできている彼らだからこそ可能なことである。それでは監督として3人が乗り超えるべき最も大きな課題とは何だろうか?それは俳優としての本人自身ではないだろうか。監督の役割を担当する有名俳優のレベルを超え、演出した作品で多くの観客に認められれば、彼らは監督として観客と作品を共感したこととなるのだ。ユ・ジテは9月に釜山国際映画祭で、自身の長編映画デビュー作「マイ・ラティマ」を公開した。同作は3億ウォン(約2,200万円)という非常に低予算で作られた映画である。この作品は損益分岐点の観客動員数12万人を超え、長編映画としては最低限の成功となった。ただし、釜山国際映画祭に招待されたこと自体が作品性をある程度認められた証拠だと思えば、観客にどこまで共感してもらえるかは本格的に公開された後に確認できるだろう。10月31日にはク・へソン監督の「桃の木」が公開された。ク・へソン監督の前作「妖術」は興行面ではあまり良くはなかったが、第23回東京国際映画祭に招待され、「最優秀アジア映画賞」にもノミネートされるほど作品性を認められた。現在の「桃の木」の興行成績は、11月5日の映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワーク売上集計によると、5日の一日間で13,980人の観客を動員し、累積観客数24,048人でボックスオフィス(劇場でのチケット販売枚数)9位となっている。ク・へソン監督の映画に対する評価は概ね、監督の世界観は強いが商業性は低いとされている。ボックスオフィス9位は低予算映画としては悪い成績ではないが、チョ・スンウ主演、ク・へソン監督の知名度を考えると良い成績とも言えない。ハ・ジョンウはコメディ映画に挑戦する。「人間と台風(仮題)」は飛行機が台風に巻き込まれ、墜落の危機に陥った瞬間の様々な人々の反応を描いた作品だ。多才なハ・ジョンウが自らシナリオを書き、演出もすることで注目を集めている。まだ完成されてないため断言はできないが、ユ・ジテ、ク・へソンとは違い、コメディというジャンルを選んだという点で、人々の期待が高まる可能性がある。これら3人の監督は、以前から丁寧に短編映画を撮ってきており、映画演出に対する真摯な態度を認められてきた。3人とも映画監督としてのキャリアはこれからなため、成功か失敗かを断言することはできないが、少なくとも彼らの映画が有名人の名前だけを掲げた自己表現の手段として終わらないためには、自身の世界観を盛り込んだ作品性だけではなく、人々の共感を得るための地道な努力が必要となるだろう。
「桃の木」ク・ヘソン監督“私の作品に対する満足度は200点”
女優であり監督としても活動しているク・ヘソンが、2作目の長編映画「桃の木」を公開する。彼女はシナリオと演出を手掛け、OST(劇中歌)にも参加するなど、自身の持つ多彩な才能をこの作品に注ぎ込んだ。彼女は「桃の木」の満足度を聞かれると、俳優たちを褒めながら「100点満点中200点」と答えた。「200点です。満足度を聞かれると、いつも200点だと答えています。私はやりたいことをやっただけ。俳優の皆さんが思っていたよりずっと上手にやってくれたので、そのまま進むことができました。実際、シナリオよりも遥かに上手く演じてくれたんです」また、「『桃の木』は好き嫌いが激しい作品です。本当に好き嫌いが分かれる映画だと思います。私の周りの人は好きだと言ってくれますが、私のことが好きな人は好きで、好きじゃない人は好きじゃないというところがあると思います」と達観したような答えを返した。彼女は、ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したキム・ギドク監督に対する思いも明かしてくれた。商業映画よりは作家主義的な傾向を帯びる彼女に未来に対する希望を語れるようにしてくれた人物がキム・ギドク監督だという。「私は『桃の木』が本当に好きです。映画は好みだと思うし、誰かがすごく好評価した作品も自分が見たらつまらないかもしれない。どんな映画であれ、大衆映画だと言い切ることはできません。商業映画の場合、巨大な投資者、企画者たちの論理が正しければ成功するはずです。確かに成功する確率は高いかもしれないけど、実際は全て成功しているわけではありません」続いて、「キム・ギドク監督の成果をすごく高く評価しています。作家主義の監督にとっては希望的な存在です。最近の映画館で作家主義の映画を見るのは難しい状況です。だから(作家主義の傾向を)捨てたらいけないと思いました。それを捨てたら本当にお金を稼ぐために映画を作る人になりそうで。もちろんその両方が釣り合っている方もいるだろうけど、そのような人は100万分の1、1000万分の1の確率で出るか出ないかです。もっと作家主義の傾向を持ちたいと思うようになりました。人々の多様性を認めなければならないし、人々に選択する権利を与えなければいけません。(観客動員数が)100万人の映画、1000万人の映画だけが映画とは言えないと思います。100人だけ、1人だけが見ても、映画は映画です」と付け加えた。事実、「桃の木」はク・ヘソンが演出を務めたということで、映画自体よりも監督に関心が集まっている作品だ。ク・ヘソンは女優出身の監督という修飾語を短所とは思っていない。欲を捨て、他の監督が損をする時もあれば、自分が損をする時もあると思っている。「むしろ(女優と監督の)二つのうち、どちらかにだけ集中できれば嬉しいのですが、私はそれを残念だと思う立場ではありません。『両方に関心を持ってください』と言いたいです。私は周りが思うよりも単純でポジティブな人間です。特に歪んだ性格でもありませんし、人々に嫌われても、『それもありえる』と受け入れます」このように悟ったような答えを返したク・ヘソンだが、彼女も人である。当然自分に向く良くない視線に心が傷ついたりもする。そのため懐疑主義的な考え方を持ったまま生きているのだ。懐疑主義とは人間は相対的、主観的なので絶対の真理に到達することができないという哲学思想である。「よく考えてみたら傷つかないために懐疑主義になったんだと思います。自分が認めたら傷つかない。作家のノ・ヒジョンが書いた作品の中で、恋人たちは別れた後、傷ついたと思うから新しい恋愛を始めることができないという話があります。私は人生がそうだと思います。新しいことを始めようと思う時は傷つかないほうが良い。私は段々強くなっているような気がします。正直、自分の心次第です。私みたいな人を(自らを認めることを)チャポク(うぬぼれること)といいます。私が持っている財産はチャポクです。チャポク(自爆)じゃなく、チャポク(笑)」ク・ヘソンは、彼女を取り巻く噂のために人々から叩かれたりもする。昨年のソ・テジとの噂がその端的な例だ。彼女は、「ソ・テジさんが通っていたソウル北工業高校に進学したいという話をしたことはありません。ソ・テジさんの話を一度でもどこかでしたこともなく、お会いしたこともないんです。まず、それが申し訳なくて。自分が真実を知っていればそれでいいんです。そして周りの人達も、それが真実であることをよく知っています。私は隠していることがありません。私の事はたくさん知られています。今回の事はただ過ぎていくハプニングなんだと私は思っています」と、逆に自分のために他の人が被害を受けるのではないかを心配した。今年で28歳になったク・ヘソンは、インタビュー中に終始気さくな魅力を見せてくれたが、人生を達観した人から感じられる穏やかな姿も見せてくれた。そんなク・ヘソン監督が手がけた「桃の木」は、結合双生児(チョ・スンウ、リュ・ドクファン)と彼らの前に偶然現れた希望、スンア(ナム・サンミ)とのストーリーを描いた作品である。同作は韓国で31日に公開される予定だ。
ク・へソン「映画監督をしながら髪の毛が薄くなった」…脱毛告白
女優ク・へソンが、映画「桃の木」の演出をしながら脱毛に悩まされたと告白した。ク・へソンは29日に放送されたMBC「ユ&キムの遊びにおいで」に出演し、「桃の木」を演出しながら受けたストレスに関して語りながら「髪の毛が薄くなった」と語った。彼女は「髪の毛が抜け続けた」と話し「見てみるとカメラ監督も薄くなっていた」と付け加え笑を誘った。続けてク・へソンは「一緒に映画という大きな戦争をしている間、義理が芽生える。戦友愛があった」と回想した。この日ク・へソンは「桃の木」の主演俳優チョ・スンウとの確執も告白した。彼女は「チョ・スンウ氏を配慮したつもりだったが、その点がむしろ確執の原因となった」とし「チョ・スンウ氏は本当に完璧な人で、私は場当たりな面があり、たぶん役者たちは混乱していただろう」と、申し訳ない気持ちを伝えた。「桃の木」はク・へソンが演出した作品で、チョ・スンウ、リュ・ドクファン、ナム・サンミが主演を務めた。特別な兄弟の恋の物語を描いたこの映画は、31日に韓国で公開する。
ク・ヘソン「チョ・スンウのキャスティング、正直期待しなかった」
映画監督にチャレンジした女優ク・ヘソンが、自身の手がけた映画「桃の木」のキャスティングに関するエピソードを公開した。韓国で29日に放送されたMBC「ユ&キムの遊びにおいで」に出演したク・へソンは、「主演がチョ・スンウだ。どうやってキャスティングしたのか?」という質問を受けた。ク・ヘソンは「チョ・スンウさんの所属事務所にシナリオを送った。全く期待していなかった」と話を始めた。「渡してもいいのかなと台本を渡す時にもたくさん悩んだけれど、早いうちに返事が来た」と打ち明けた。そして「チョ・スンウが出演するくらいなら、彼と特別な関係なのではないか」というキム・ナヨンの疑惑には「他の俳優たちも全部そうしてくれた」と一蹴し、笑いを誘った。
「桃の木」ク・ヘソン監督“私に機会を与えてくれてありがとう”
女優兼監督のク・ヘソンが、主演俳優に感謝の意を表した。ク・ヘソンは、24日午後にソウル市城東(ソンドン)区にある往十里(ワンシムニ)CGVで開かれた映画「桃の木」(監督:ク・ヘソン、制作:ク・ヘソンフィルム、ジョイ&コンテンツグループ、配給:NEW)のマスコミ試写会に参加した。彼女は「とても勇気がいっただろうが、私に機会を与えてくれた。とても有難かった」と、チョ・スンウ、リュ・ドクファン、ナム・サンミに感謝の意を表した。また、「見た目とは、実は生きていく上で重要ではないようだ。私が私として存在して、年を取れば老けて、しわができ、健康でなくなることもある。目に見える障害に対する認識が、偏見でなければいいと思う気持ちがあった。トラウマや苦しみを経験しながら成長するのに、そんな過程で誰もみんな障害を経験しているという意味を込めた」と、この映画で結合双生児を取り上げた理由を説明した。「桃の木」は、「手品」に続くク・ヘソン監督の2作目の長編映画で、結合双生児の兄弟と、彼らのもとに偶然に表れた女性スンアの話を取り上げた映画だ。チョ・スンウがいつも弟に譲る兄サンヒョン、リュ・ドクファンが外の世界に飛び出したがる弟ドンヒョンを演じる。またナム・サンミが2人の兄弟にやってきた希望であるスンア役で出演する。韓国で31日から公開される。
「桃の木」リュ・ドクファン“チョ・スンウを見ながら俳優になる夢を育んだ”
リュ・ドクファンが、チョ・スンウを見ながら俳優の夢を育んだと告白した。リュ・ドクファンは24日午後、ソウル市城東(ソンドン)区にある往十里(ワンシムニ)CGVで開かれた映画「桃の木」(監督:ク・ヘソン、制作:ク・ヘソンフィルム、ジョイ&コンテンツグループ、配給:NEW)のマスコミ試写会に参加した。この日リュ・ドクファンは、彼とチョ・スンウのうちでどっちがもっとハンサムかという質問を受けて、「私です」と返事しながら笑いを誘った。続いて、「元々若い頃から、大学入試の時から、スンウ兄さんを見るために公演を見たりした。素敵な俳優だといつも思っていた。まさか私がもっとハンサムだなんて言うことはできない」と言った。この話を聞いたチョ・スンウは、「リュ・ドクファンがもっとハンサムだ。顔も小さくて若くて、最近の一番人気」としながら、「リュ・ドクファンは世渡り上手だ。私がいない時は変な話をしておいて、私がいるからいい話をする」と突っ込みを入れ、笑いを誘った。「桃の木」は、「手品」に続くク・ヘソン監督の2番目の長編映画で、結合双生児の兄弟と、彼らのもとに偶然に表れた女性スンアの話を取り上げた作品だ。チョ・スンウがいつも弟のために譲る兄サンヒョンを、リュ・ドクファンが外の世界に飛び出したがる弟ドンヒョンを演じる。またナム・サンミが2人の兄弟にやってきた希望であるスンア役で出演する。同映画は31日に公開される。
「桃の木」ク・ヘソン、やりたいことは全部やる“新人監督の覇気”
監督ク・ヘソンは、少なくともジャンルや商業性に対するプレッシャーに関係なく、やりたいことは自由にやる演出家のようだ。ク・ヘソンが「妖術」に続き、2番目に演出を務めた長編映画「桃の木」が24日午後、ソウル往十里(ワンシムニ)CGVにて行われたメディア配給試写会で公開された。「桃の木」は人々から化物と呼ばれる結合双生児の兄弟を題材にした恋愛映画で、チョ・スンウは劇中ですべての不幸を自身のせいだと思っている結合双生児の兄サンヒョンを演じる。リュ・ドクファンは、結合双生児の兄弟のうち、より欲張りで世の中に出たいと思っている弟ドンヒョン役を演じる。ナム・サンミは二人の兄弟に一筋の希望を与える爽やかな魅力の画家スンア役を演じる。安定的な演技力を持つの主演俳優を見る楽しさは、映画の大きな観覧ポイントだ。結合双生児という主にホラー映画で使われていたテーマをロマンスジャンルに取り入れた大胆さが目立ち、映画は外見に対する人々の偏見、社会構造の矛盾等を指摘しようとする(映画の中でホラー映画のような雰囲気のシーンも登場する)。実際に、ク・ヘソンは記者懇談会で「今まで生きてきて、外見的なものはあまり重要でないことが分かった。私という存在も年をとり、シワもできるし、また健康を失うかも知れないけど、そのような外見的な障害に対する認識が偏ったものにならないでほしいと思っている。生きていればものすごいトラウマや痛みを経験しながら成長するが、障害もそれと同じものだと考えた」とし、映画のテーマと関連した自身の考えについて述べた。一般人オルチャン(美男美女)スターとして芸能界にデビューしたク・ヘソンの価値観であり、さらに注目を集めている。しかし、このようなメッセージからは堅苦しかったり、教訓的な雰囲気は感じられない。映画は感傷的で、内容は現実と幻想の境界線に立っており、台詞は抽象的で画面は時空を越え、ク・ヘソンが頭の中で描いた1シーンを最大限スクリーンに写そうとしていたようだ。映画としての楽しさや完成度において満足できない観客はいるであろうが、1つの体に2つの顔がくっついた結合双生児をそれぞれ2人の人格として形状化し、キャラクターを作った設定は新鮮で大胆だ。しかし、一見刺激的になり得るテーマを意地悪く利用した映画ではない。明らかなのは、メジャーかマイナーかを越えて勇気のある監督にしかできない大胆さや独自性が目立つということだ。自分が好きなことだから、やってみせるというようなク・ヘソンの意地も感じられる。女優を始め、監督、作家、画家、作詞家、作曲家等、様々な修飾語を持っている彼女の活動がこれらを十分に表現しているが、映画監督ク・ヘソンは果たして人々がこの映画を好きになってくれるのかということよりも、自身が表現したいイメージを自由に描く新人監督しての覇気が見える。同映画は韓国で10月31日に公開される。
【PHOTO】チェ・ダニエル、映画「桃の木」のVIP試写会に出席“シックな表情で挨拶”
俳優チェ・ダニエルが24日午後、ソウル城東(ソンドン)区杏堂洞(ヘンダンドン)往十里(ワンシムニ)CGVで開かれた映画「桃の木」(監督:ク・ヘソン)のVIP向け試写会でポーズを取っている。「桃の木」は父と共に世の中から孤立されたまま30年間生きてきた結合双生児のサンヒョン(チョ・スンウ)とドンヒョン(リュ・ドクファン)が明るくて優しい女性スンア(ナム・サンミ)と出会うことで繰り広げられる特別なラブストーリーだ。韓国で10月31日に公開される。
【PHOTO】ユ・スンホ「桃の木」試写会に出席“女心くすぐる奥ゆかしい眼差し”
俳優ユ・スンホが24日午後、ソウル城東(ソンドン)区杏堂洞(ヘンダンドン)往十里(ワンシムニ)CGVで開かれた映画「桃の木」(監督:ク・ヘソン)のVIP向け試写会でポーズを取っている。「桃の木」は、父と共に世の中から孤立されたまま30年間生きてきた結合双生児のサンヒョン(チョ・スンウ)とドンヒョン(リュ・ドクファン)が明るくて優しい女性スンア(ナム・サンミ)と出会うことで繰り広げられる特別なラブストーリーだ。韓国で10月31日に公開される。
【PHOTO】キム・ユジョン「桃の木」VIP試写会に登場“キュートなリトルレディー”
子役のキム・ユジョンが24日午後、ソウル城東(ソンドン)区杏堂洞(ヘンダンドン)往十里(ワンシムニ)CGVで行われた映画「桃の木」(監督:ク・ヘソン)のVIP向け試写会でポーズを取っている。「桃の木」は、父とともに世の中から孤立されたまま30年間生きてきた結合双生児のサンヒョン(チョ・スンウ)とドンヒョン(リュ・ドクファン)が、明るくて優しい女性スンア(ナム・サンミ)と出会うことで繰り広げられる特別なラブストーリーだ。韓国で10月31日に公開される。