ヘウォンの恋愛日記
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【映画レビュー】「ヘウォンの恋愛日記」ホン・サンス映画の楽しみ方
※この記事には映画「ヘウォンの恋愛日記」の結末に関する内容が含まれています。社稷壇と南漢山城で一夫一婦の意味を問うホン・サンスの14本目の長編映画「ヘウォンの恋愛日記」は私たちの予想通り、彼のこれまでの映画と似たようなテーマを扱っている。また女子大生で、また大学の教授だ。また秘密の関係で、お酒を飲む。そうだ。またホン・サンスの映画なのである。しかし、この限りなく繰り返される物語の中で、ホン・サンスは微妙な変奏を通じて映画感想の快楽をプレゼントする一方モノガミー(Monogamy、一夫一婦)の意味を真剣に問う。もちろん、その質問形式は、彼ならではの独特な語り方で行われる。ホン・サンスはすべてのシーンに自身の指紋をつける、数少ない監督だ。適当に撮ったかのように見えるシーンにも、とても緻密な計算がされており、それがホン・サンスの個性に繋がる。私たちは指紋を確認し、隠された計算を解くことによって、誰の映画でもない、ホン・サンスの映画をより楽しむことができる。ホン・サンス映画の楽しみ方その一最初のシーンに注目せよ映画の最初のシーンで、監督は観客に楽しみ方を提案する。もちろんほとんどの商業映画は、習慣的な鑑賞方法で楽しめるように、習慣的なシーンで始まる。しかし、ホン・サンスの映画は違う。最初のシーンに注目すれば、その次のシーンをさらに楽しめるのである。映画が始まるとへウォン(チョン・ウンチェ)は日記を書く。場所はとある食堂だ。よって映画は彼女が自分に起きたこと記録する人間で、映画が彼女の視点で進行することを物語っている。しかし母(キム・ジャオク)を待ちながら日記を書いていた彼女は、ほどなく眠ってしまう。このようなパターンが映画を見るにあたってとても重要だ。日記と夢。または記録と想像。両者の間に現実がある。よって「ヘウォンの恋愛日記」は日記(記録)、現実、夢(想像)という3重の物語を持っている。よく見ると、日記と現実と夢は完全に重なったりはしないが、お互いに交差する。夢の中で彼女はフランスの有名歌手で女優のジェーン・バーキンに出会う。ヘウォンは、最初は西村(ソチョン)の方向を尋ねるジェーン・バーキンに「よく分からない」と答える。実際に彼女は西村の方向をよく知らず、またジェーン・バーキンが誰なのかに気づかなかったのである。その後、彼女は自身がすれ違った平凡な外国人観光客がジェーン・バーキンであることに気づき、追いかける。ヘウォンはとても興奮し、ジェーン・バーキンに彼女と彼女の娘(シャルロット・ゲンズブール)が好きだと告白する。ジェーン・バーキンはヘウォンを自分の娘より綺麗だと褒め、へウォンはそのジェーン・バーキンにあなたの方が美しいと賞賛する。ジェーン・バーキンは、もしパリに来ることがあったら連絡するようにと連絡先を書き渡す。ヘウォンは喜びを隠しきれない。私たちはこのシーンを通じてヘウォンがシャルロット・ゲンズブールのような女優になりたいということ、自分の美貌にある程度虚栄心を持っていることが分かる。しかしここまでは夢で、現実ではジェーン・バーキンの代わりに母が到着する。ヘウォンの母は離婚してからカナダに移住し、新たな出発を試みる。離婚後へウォンは父と暮らし、母とは離れて過ごしていたようだ。カナダに旅立つ母にヘウォンはプーアル茶をプレゼントし、母は娘に「あなたの気の向くままに、自由に生きなさい」とアドバイスする。2人は西村(社稷洞:サジットン)のあちらこちらを回りながら時間を過ごす。夢でジェーン・バーキンが行きたがっていた場所を、ヘウォンと母が見て回るのだ。ヘウォンは立ち入り禁止の社稷壇に入ったり、銅像が見下ろしているところで叫びながら、飛び回ったりもする。母に言われたように、自由に生きると決めた人の意志を見せるかのように。その後2人は「社稷洞、あの店」というところに到着する。そこでヘウォンはある古本を手にし名作だということで買うかどうか迷う。その時、先ほど道で見た髭の男(リュ・ドクファン)がタバコを吸うために店の外に出てくる。彼はヘウォンに「お金は払いたい値段でいい」という。ヘウォンは「それだと、私のことがあまりも見えてしまうじゃないですか」と言いながら、本を買わずにその場を離れる。そうだ。ヘウォンは自分を隠せると同時に、自分が主導権を握って誰かを呼び出し、好意を断ったり、どこかから離れることができる。そこでヘウォンと同じ学科の同級生たちは、彼女が何を考えているか分からないとしながら、彼女の二面性を指摘したりもする。へウォンは母とお茶を飲んでから別れる。韓国映画のお茶を飲むシーンの中で、ここまで見慣れないシーンは見たことがないだろう。2人はガラスの瓶のような形のものに入れてあるお茶を飲むが、その空間が一体どういう形になっているのか、まったく分からない。2人はまるでヘウォンの夢でジェーン・バーキンと彼女がお互いを綺麗だと褒めあったように、大げさに泣きながら別れを惜しむ。そしてジェーン・バーキンのようにヘウォンの母は娘に「綺麗」だと連呼する。人生の予知としての夢、いや、夢が導くままに展開される現実。母に出会う前にヘウォンが見た夢は、米国の大学教授に出会う時も、現実とは重ならないものの、交差する。ホン・サンス映画の楽しみ方その二2人の男女の妙な関係に注目せよへウォンが母と別れると直ぐ雨が降る。ヘウォンは急に寂しくなり完全に別れたわけではないソンジュン(イ・ソンギュン)を呼び出す。ソンジュンはヘウォンが授業を受ける大学の教授であり、映画監督で、予想通り既婚者だ。ヘウォンはソンジュンにお酒が飲みたいとし、ソンジュンは「君とは何でも全部したい」とする。ソンジュンは普段、誰かに見られることを恐れ、ヘウォンと手も繋ぐことができないが、その瞬間だけはとても情熱的なキスを試みる。しかし、自分の欲望にとても素直に見えるソンジュンの態度は直ぐ崩れてしまう。ヘウォンとソンジュンは居酒屋を探していたが適当なところが見つからず、1年前に訪れた居酒屋に行く。しかしその居酒屋ではソンジュンの教え子たちがお酒を飲んでいた。ソンジュンはその居酒屋の外でタバコを吸っていた学生たちが、ヘウォンと自分を見て2人の関係を疑うのではないかと心配し、怯え始める。ソンジュンはヘウォンに、外で偶然出会ったことにし、何を聞かれても知らないふりをしろと念を押す。へウォンはそのようなソンジュンの態度とは逆に、あまり動揺しない。彼女はただお酒が飲みたくてソンジュンを呼び出したことにしてはいけないのかと聞き返す。ソンジュンは学生とお酒を飲む間ずっと何かばれるのではないかと焦る。そのようなソンジュンに向かって学生たちが質問を続ける。「何故大学の教授になったのですか」「何故ヘウォンが好きなのですか」「ヘウォンがジェホンと付き合いながら他の男と二股をかけたことをご存知ですか」など、ソンジュンはどの質問にもはっきり答えられない。この居酒屋のシーンは、カットのないとても長いロングテイクだが、緊張感が生きている。このシーンを通して、ヘウォンとの秘密の関係をばらすまいと必死なソンジュンに、居酒屋の女将の一言は決定的な一撃となる(この映画でソンジュンはどこにいても自分の姿を消そうとするが、一度ソンジュンを見た人はいつも彼に話かける)。そこに酔ったへウォンが先に行くと立ち上がりながら、先生を呼んだのは自分で、お酒をおごって欲しいとねだり、さっき偶然会ったと言ったのは嘘だと告白する。居酒屋の外でソンジュンが念押ししていたことを一気に壊してしまったのである。学生たちは驚いた目でソンジュンを見つめ、ソンジュンは戸惑う。へウォンとソンジュンが再び出会いデートする場所は南漢山城(ナムハンサンソン)だ。ソンジュンは社稷洞でも以前下宿したことがあり、南漢山城付近にも住んだことがあるという。2人の関係も似ている。以前住んでいたところを再び訪れたように、2人は一緒に暮らしてはいないが、たびたびお互いを訪れる。以前住んでいたところを訪れるように。完全に別れていない状態なのである。再び会ったへウォンにソンジュンは、「君は外国に住んだことがあるからか、他の人とは違う」と言う。これはつまり、妻のいる自分を理解しながら付き合える君は、周りの同年代とは違うという言葉に聞こえる。妙な逆転。ソンジュンは若干申し訳なさそうに言うが、返ってくる答えは冷たい。「先生は私のことを勘違いしているんです。私は、悪魔ですよ!」ここで傷つける人はソンジュンで、傷つく人がヘウォンだろうという通念は裏切られる。南漢山城を見ながらソンジュンは、これだけ高い城を作った人たちは、すでにみんな死んだとしながら、虚しくないかと聞く。これにヘウォンはこの山城が残っていると答える。奇妙な質問と答えだ。南漢山城は仁祖(インジョ、朝鮮時代の王)が45日間清に抗戦していて、額から血が出るほど頭を打ちながら降伏したところだ。その時仁祖が守ろうとしていた価値が何であれ、それは跡形もなく消え、山城だけが残った。へウォンとソンジュンは仁祖が直接抗戦を指揮した守禦将台(スオジャンデ)を背景に座り、ベートーヴェン交響曲第7番第2楽章を聴く。ソンジュンは、2人で力を合わせれば問題ない、秘密さえ守れば問題ないとヘウォンに再び約束させようとする。ホン・サンス映画の楽しみ方その三場所が象徴することに注目せよモノガミーはここで、滑稽な辛さとして守禦将台のように2人の背景に置かれている。敵から民を守っていた山城は、健康のための登山コースになっており、戦闘命令を下していた場所は登山客の休憩所となった。へウォンの鋭い言葉。「敵もいなくなり、城を作っていた人たちもいなくなったが、山城は残った」なぜよりによってヘウォンとソンジュンが、もう一つの不倫カップルであるヨンジュ(イェ・ジウォン)とジュンシク(ユ・ジュンサン)が南漢山城で会うかを考えてみると、ヘウォンがなぜ立ち入り禁止の社稷壇に入ったのか、なぜあそこで叫びながら飛び回ったのか、なぜソンジュンが情熱的に変わり「君とは何でも全部したい」と言いながらヘウォンにキスをしたのかが理解できる。社稷壇はどういうところなのか。そこは王が使用する祭壇だ。しかし今、王はいない。そして、誰も神を祀ることが国の繁栄と豊作に繋がると信じない。つまり社稷壇は昔の人たちが何を信じていたかを見せる場所だ。社稷壇の機能はなくなったが、その跡が残ることによって形だけが残った信念を証明するのである。よってホン・サンスの映画は、登場人物の話だけを追ってはいけない。彼の映画を楽しむカギは場所の象徴性だ。例えば、ソンジュンがヘウォンにどこかに逃げたいとしながら「江原道(カンウォンド)。そこに僕の知り居合いの神父さんがいる」と言った時の場所が南漢山城という点は、とても喜劇的だ。逃げようとしているにもかかわらず、たかが江原道に行くと言う点は、ホン・サンスの前作「カンウォンドの恋」を思い出させるという点で、自己指示的だ。さらに不倫男が、少女を連れ逃亡し神父のところに行くとは、告解の秘跡でもする気なのか。カメオのように少しだけ登場し、ソンジュンとヘウォンに「素敵な日ですね」と話しかける登山客(キ・ジュボン)の台詞は、場所の特性をよく活かした台詞だ。ソンジュンとへウォンもまた「素敵な日ですね」と答えるが、彼らにとって本当に素敵な日なのだろうか。そして南漢山城と守禦将台をモノガミーの隠喩とした時、最後にへウォンにだけ聞く「南漢山城の登山はよかったですか」はへウォンの結婚への決心に繋がっており、些細ながら意味深な質問となる。ソンジュンとヘウォンはある日社稷洞にある店の前で、米国で大学教授をしているという男(キム・ウソン)に出会う。このシーンは、髭の男に出会ったシーンを若干ねじったものだ。微妙な変奏。髭の男の関心を、タバコの吸殻の火を足で踏みにじって消すように一気に遮断してしまったヘウォンは、男が米国で大学教授をしているとの事実に、興味を持つようになる。髭の男が言った言葉を米国の大学教授も同じ様に言い(「お金は払いたい値段でいい」)、へウォンも同じ様に答える(「それだと、私のことがあまりも見えてしまうじゃないですか」)。しかし米国の大学教授は「それでは、自分のことがばれないように払えばいいじゃないですか」と返すことで、ヘウォンに話しかけることに成功する。一緒にお茶をしながら米国の大学教授はヘウォンに青瓦台(韓国の大統領官邸)で貰った大統領の時計をプレゼントする。彼は自身を離婚した男だと紹介し、それについてどう思うかをヘウォンに聞く。へウォンは「結婚するということは、離婚できるという意味ではありませんか?」と淡々と答える。これに後押しされた米国の大学教授は「僕は愛人ではなく、結婚相手を探しています」としながら、さっき見たヘウォンが良さそうだとする。彼は自分の人生の抗体になってくれる、主観の強いヘウォンのような女が好きだと告白する。この類のプロポーズがヘウォンは嫌いではない。彼は米国の大学教授で、大統領表彰を受けた人であり、マインドコントロールに長けている。ソンジュンと比べると米国の大学教授はヘウォンにとって遥かに良い条件の人だ。ソンジュンは妻と別れる気もなく、他の学生たちの目を恐れ退職願を書くが、いざ出すことはできず(ソンジョンの退職願は一種の社稷壇だ)、苦しい時はお酒を飲み顔に傷を負う人だ。へウォンは7年も不倫をしている親しいお姉さんのヨンジュに会い、自分は近く結婚するかもしれないと話すことによって、心の中ではすでに米国の大学教授のプロポーズを受け入れたことを伺わせる(話す場所はやはり南漢山城だ)。この点が、これまでのホン・サンス映画のヒロインたちとヘウォンが違う点だ。彼女はソンジュンの図々しくも切々とした求愛に決して騙されたりはしないだろう。ソンジュンが経験する苦しみは、へウォンが彼の欲望を実現してくれないということから来る。ソンジュンが苦しくてお酒を飲むように、ヨンジュジュの愛人で、既婚者のジュンシクはうつ病の薬を飲む。愉快に自分の俗物的な根性を表すジュンシクも、ヨンジュとの不安定な関係を思い浮かべると楽しんではいられないのである。それはヨンジュも一緒だ。急に憂鬱になった2人は何気なく旗を見つめる。ジュンシクは「旗はカッコイイ。あれは誰が作ったんだろう」と聞き、ヨンジュは「旗があるからこそ風が見えるの」と答える。ジュンシクとヨンジュは急に再び明るくなる。2人は笑いながらお互いを抱きしめる。ジュンシクはどうすればそんなことを思い浮かぶのかと褒める。モノガミーに対するこの妙な隠喩。ロマンチックな愛の結末として結婚と幸せな家庭に対する神話が、モノガミーの外でのロマンチックな愛を隠すべきものにし、もし露になった場合、なびかれる旗のようにその主体は揺れる。その揺れは当事者にとってはとてつもない苦しみとなるが、見守る人には滑稽に見える。へウォンと別れることにしたソンジュンが、守禦将台で夕暮れの空を見上げながら泣くシーンは、悲しいというよりは滑稽だ。さらにソンジュンが今は誰も持ち歩かなさそうな旧式ミニカセットプレイヤーで、ヘウォンと一緒に聴いていた音楽を自身の悲しみのバックミュージックとして利用する時は、爆笑せざるを得ない。ソンジュンの苦しみを唯一慰められるヘウォンは、それを見過ごすことができず、そばに座り時間が経てば平気になると慰める。ヘウォンは慰めるが、ソンジュンに決して何も約束しない。ホン・サンスは社稷壇と南漢山城を行き来しながらモノガミーの意味を問う。彼は私たちがそれぞれの欲望のため、理想と現実の間で経験する問題を男女の間から探す。もしかするとモノガミーの外にある男女の恋愛こそが、冒険が無くなった時代の最後の冒険かもしれない。そのような意味でホン・サンスの映画はいつも些細だが重要な質問を私たちに問いかけており、彼の映画は決して個人的ではなく、とても社会的だ。今回の映画でも改めて確認できるもう一つのことは、ホン・サンスはできるだけカットを避け、見慣れない感じさえも与えるズームを頻繁に使う。ヘウォンとヘウォンの母が会話をする時、2人を映していた画面はいきなり母、またはヘウォンにズームし、1人だけを映す。そうすることによってこれは映画だと喚起させる。暗い映画館で同じ夢を見ていた私たちは、それぞれ各個人として何度も起こされる。これはホン・サンス式見慣れなくする技法で、それは私たちにさらなる集中力を要求する。最後にヘウォンが図書館で見る夢はどこまでが夢なのか。へウォンが夢で見たとする素敵なおじさんは誰なのか。ソンジュンなのか、米国の大学教授なのか、登山客なのか。例えば、ヘウォンが友達のユラムにソンジュンとの関係を告白するシーンは確かに夢だ。それでは2番目に南漢山城に行ったシーンは? 登山客に出会いマッコリを貰って飲んだことは夢か現実か。この質問に対しそれぞれの答えを探してみると、さらに「ヘウォンの恋愛日記」を楽しむことができるだろう。しかし私たちが忘れてはならないことは、私たちが見ている「ヘウォンの恋愛日記」がもう一つの夢であり、その映画を見ている私たちが同時に夢を見ているという事実だ。そしてヘウォンの夢とヘウォンの現実とヘウォンの日記が「ヘウォンの恋愛日記」を構成するように、私たちの人生もまたそれと同じだということだ。
「ヘウォンの恋愛日記」イ・ソンギュン“チョン・ユミとのキスシーン、どうすればいいか分からなかった”
俳優イ・ソンギュンがチョン・ユミとの独特な縁について明かした。イ・ソンギュンは、10日午後、ソウル狎鴎亭(アックジョン)CGVで行われたホン・サンス監督の14番目の作品である「ヘウォンの恋愛日記」のシネマトークイベントに参加した。「ヘウォンの恋愛日記」は、カナダヘ母を送った女子大生ヘウォンが経験する、悲しく、ときには嬉しかった数日間のことを日記形式で描く作品。劇中、映画監督でもある映画科教授に扮したイ・ソンギュンは、CGVムービーコラージュの3月の俳優に選ばれた。この日、イ・ソンギュンは「ホン・サンス監督との作業は、一フレームごとのセリフと呼吸が、他の作品に比べて非常に長いです。まるで本当の日常のような呼吸で進められるので、さらにリアルになるのだと思います。例えば、カッコよく見せようとすれば負担になりますが、泥水がはねかかったと思えば心も演技も落ち着きますね。だから、ホン・サンス監督の映画に出演することになるようです」と語った。また、「僕の20代を振り返ってみると、演劇、学校が終わると毎日のようにお酒を飲んでいたんです。朝、酔いが醒めていない状態を楽しんでいましたね。一番憂鬱だった時期でした。でも、本来の僕は明るい人間なんです」と笑った。さらに「今まで作業した女優の中で誰が一番印象深かったのか」との質問に対し、チョン・ユミを挙げた彼は、「短編映画『深い山奥』の初撮影でキスシーンが登場しました。初めて会ったばかりなのに、いったいどうすればいいか分からなかったんですが、照れていたように見えたチュ・ユミがすぐ積極的に撮影に望んだので、『この人は、演技をするときに真正性もってやるんだな』と思いました。その後、ホン・サンス監督の『教授とわたし、そして映画』で共演するようになり、再び新作で会って、楽に作業できることになりました」と伝えた。彼は「チョン・ユミ、チョン・ウンチェが楽だった理由もまた、ホン・サンス監督の映画だったからではないかと思います」と語った。映画「ヘウォンの恋愛日記」は、2013年の多様性興行ランキングで最短期間で観客2万人を突破し、順調な滑り出しを見せている。
「ヘウォンの恋愛日記」公開4日で観客動員数1万人を突破!
ホン・サンス監督の14番目の作品「ヘウォンの恋愛日記」が公開4日で観客数1万人を突破した。映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワークによると、「ヘウォンの恋愛日記」は4日累積観客動員数1万1604人を記録した。これはホン・サンス監督自身の制作・配給システムの映画「よく知りもしないくせに」「ハハハ(夏夏夏)」「北村方向」「3人のアンヌ」 を超える記録で、これまでホン・サンス監督の映画が公開6日~7日で1万人を記録したことを考えれば、興行スピードは早い。また2012年と今年公開された小規模の映画のうち、観客動員数1万人を突破した最初の作品としても注目を集めている。「ヘウォンの恋愛日記」は、カナダへ母を送った女子大生ヘウォンが経験する数日間のことを、日記形式で描いた映画だ。3月に撮影が行われ、俳優イ・ソンギュン、チョン・ウンチェ、キム・ウィソン、ユ・ジュンサン、イェ・ジウォン、キム・ジャオク、キ・ジュボン、リュ・ドクファンなどが出演する。
「ヘウォンの恋愛日記」ホン・サンス監督の孤独にキム・ジャオクも泣いた
19日午後、映画「ヘウォンの恋愛日記」のマスコミ向け試写会 今回は女子大生と監督の教授だ。ヘウォン(チョン・ウンチェ)は、既婚男性ソンジュン(イ・ソンギュン)との関係を整理したいが、容易ではない。ホン・サンス監督は、今回も不倫を題材にしたことに対して「欲望を上手く表現するのが重要だと思う。男女間で惹かれる部分が、とりわけ葛藤の激しい部分ではないかと思う」と述べた。19日午後、ソウル往十里(ワンシムニ)CGVで、映画「ヘウォンの恋愛日記」のマスコミ向け試写会が開かれた。試写会の直後に行われた記者懇談会には、演出を務めたホン・サンス監督と俳優チョン・ウンチェ、イ・ソンギュン、キム・ジャオク、イェ・ジウォン、キ・ジュボン、キム・ウィソンが参加した。チョン・ウンチェとキム・ジャオクは、今回の映画でホン・サンス監督と初めて会った。ヘウォン役を演じたチョン・ウンチェは「撮影の方法がユニークだった。緊張した部分もあったが、できるだけ慣れるように努力した」と述べた。ヘウォンの母親役で出演したキム・ジャオクは、20~30年ぶりの映画出演だという。「ユン・ヨジョン先輩が電話でホン・サンス監督を推薦してくださった。私が『イム・サンス監督?』と聞いたら、『イム・サンス監督はお金をくれるけど、ホン・サンス監督はお金をくれない』と言っていた。魅力があると思った(笑) 監督に会って2時間ほど話して泣いてしまった。寂しさという人間の共通的な情緒を感じた。後で知ったが、私が言った言葉が多く台詞になっていた。撮影前に入院を予定していたが、ぜひ撮影してから入院しようと思った。とてもいい監督に出会えて、いい機会だったと思う」(キム・ジャオク) 一方、俳優イ・ソンギュンとイェ・ジウォン、キ・ジュボン、キム・ウィソンは、ホン・サンス監督の映画に何度も出演したことがある。イ・ソンギュンはホン・サンス監督との撮影について「最初はいつも躊躇するが、終わった後は出演してよかったと思う作品だ」と説明した。映画「僕の妻のすべて」の撮影が終わる頃に電話をもらったという彼は、「もちろん、報酬は少ないが、すべて受け入れられるほど楽しい撮影だ。ドラマや商業映画を撮る時には感じられないたくさんのことを感じられる。喚起される時間だ」と述べた。ホン・サンス監督の映画「ハハハ」でアン・ヨンジュ役を演じたイェ・ジウォンは「ヘウォンの恋愛日記」でも同じ役で出演した。彼女の隣にはパン・ジュンシク(ユ・ジュンサン)も一緒にいた。7年後という設定付きで「ハハハ」の中の彼らの7年後を見せているようだ。イェ・ジウォンは「ヨンジュとジュンシクの話が続編として出てほしいと思っていたが、7年後の姿を見て演じることができて、嬉しく楽しかった」と微笑んだ。「ホン・サンス監督から出演のオファーをもらうと嬉しい。女優を美しくしてくれるし、実物より画面にきれいに映る。撮影の朝に台本をもらうので、撮影する時は緊張するけど、無理な要求はしないなぁと思った。『ハハハ』を撮影して空っぽにすることの美学を学んだ。当時女優として驕りがあったと思う。何かもっとやろうとしたが、監督がたくさん力を抜いてくれた」(イェ・ジウォン)この映画に出演した俳優たちは、特に時間に追われた。撮影の進行が速いことで有名なホン・サンス監督であるため、なおさらだった。チョン・ウンチェは「南漢山城(ナムハンサンソン)で撮影した時、日が暮れる前に終えなければならないシーンがあったが、日は暮れて台詞も長かった。困惑していたが、イ・ソンギュン先輩のおかげで無事終えることができた」と話した。時間に追われたのはイ・ソンギュンも同じだった。イ・ソンギュンは「これまでの撮影より時間のプレッシャーがあった。南漢山城のベンチに座って背中を見せて泣くシーンを撮る時は特に余裕がなかったが、後ろ姿だったため、感情の表現がもっと上手くできたように思う。風に揺れる弱々しく見える旗がソンジュンみたいだとも思った」と述べた。「ヘウォンの恋愛日記」で、ヘウォンは図書館で英語の本を読んでいる途中で2度も夢をみる。後半に登場するこのシーンは、どこまでが現実で、どこまでがヘウォンの夢なのか、その境界が曖昧だ。ホン・サンス監督は「若い女性たちの内面を現実的に描きたかった。内面の夢と現実を同じく感じてもらいたかった」と付け加えた。「ヘウォンの恋愛日記」は、韓国で28日から公開される。
【PHOTO】イ・ソンギュン「ヘウォンの恋愛日記」試写会に出席“スニーカーがポイント”
俳優イ・ソンギュンが19日午後、ソウル往十里(ワンシムニ)CGVで行われた映画「ヘウォンの恋愛日記」(監督:ホン・サンス、制作:チョンウォン社)のメディア試写会および懇談会に出席した。
ホン・サンス監督作「ヘウォンの恋愛日記」ベルリン映画祭で授賞ならず
ホン・サンス監督の映画「ヘウォンの恋愛日記」が、第63回ベルリン国際映画祭で受賞を逃した。「ヘウォンの恋愛日記」は、16日(以下、現地時間)に開かれたベルリン国際映画祭で、受賞作に選ばれなかった。「ヘウォンの恋愛日記」は、14日と15日に行われたプレス上映や記者会見を通じて授賞の可能性を高め、メディアによる取材も熱かった。しかし、受賞作には選ばれなかったため、韓国の映画ファンたちは残念がっている。ベルリン国際映画祭の最高賞「金熊賞」には、ルーマニアの映画「チャイルズ・ポーズ」が選ばれ、審査員大賞にはダニス・タノヴィッチ監督の「鉄くず拾いの物語」が授賞した。さらに最優秀女優賞はセバスチャン・レリオ監督の「グロリア」で熱演したパウリナ・ガルシアが授賞し、「鉄くず拾いの物語」の主人公、ナジフ・ムジッチが最優秀男優賞を授賞した。
「ヘウォンの恋愛日記」イ・ソンギュン、ベルリンでの写真を公開“溢れる魅力”
第63回ベルリン国際映画祭に参加している俳優イ・ソンギュンが、現地でナチュラルな魅力が際立つ姿で撮った写真を公開した。映画制作チョンウォン社は13日(韓国時間)、映画「ヘウォンの恋愛日記」の公式Facebookに「Facebookユーザー向けの、ホカホカのベルリン発ニュース」「あ、そうだ。サングラスは外さなくちゃ。イ・ソンギュンさん、元気にしています。公式上映、期待してください!」とのコメントと共にイ・ソンギュンの写真を掲載した。写真でイ・ソンギュンは、ボサボサのヘアスタイルにカジュアルなジャケットを着てベルリンの街中に立っている。サングラスをかけて撮った写真では男らしさを、そうでない写真では特有のナチュラルな魅力をアピールしている。これを見たネットユーザーたちは「格好いいです」「本当に格好いい映画俳優」「ファイト」「映画本当に期待しています」などのコメントを寄せた。現在イ・ソンギュンは、出演した映画「ヘウォンの恋愛日記」が第63回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に進出し、ホン・サンス監督、女優チョン・ウンチェと一緒にベルリンを訪れている。
【PHOTO】イ・ソンギュン「第63回ベルリン国際映画祭」のためドイツへ出国“良い結果を楽しみにしていてください”
第63回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に映画「ヘウォンの恋愛日記」(監督:ホン・サンス)が招待され、俳優イ・ソンギュンが、レッドカーペットなどの公式スケジュールに参加するため12日午前、仁川(インチョン)国際空港を通してドイツ・ベルリンに出国した。2008年「夜と昼」に続き、ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に2度目の招待を受けたホン・サンス監督の映画「ヘウォンの恋愛日記」は、カナダに母を送った女子大生のへウォンが経験する悲しくも嬉しかった数日間のことを日記形式で描いた作品。韓国で今月28日に公開される。
【PHOTO】チョン・ウンチェ、ベルリン国際映画祭に向けて出国“飾らない純粋な魅力”
女優チョン・ウンチェが、第63回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に映画「ヘウォンの恋愛日記」(監督:ホン・サンス)が招待され、レッドカーペットなど、公式スケジュールに参加するために12日午前、仁川(インチョン)国際空港を通じてドイツのベルリンに向けて出国した。2008年「夜と昼」に続き、ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に2度目の招待を受けたホン・サンス監督の映画「ヘウォンの恋愛日記」は、カナダに母を送った女子大生へウォンが経験する悲しくも嬉しい数日間の出来事を日記形式で描いた作品で、韓国で今月28日に公開される。
チョン・ウンチェ、映画二作で人生初のベルリンへ「飛行機代は自腹」
女優のチョン・ウンチェがホン・サンス監督の映画「ヘウォンの恋愛日記」とイ・ジェヨン監督の映画「Behind the Camera」の二作で、今年のベルリン国際映画祭に招待されたことに関して感想を伝えた。6日午前、ソウル狎鷗亭洞(アックジョンドン)のCGV狎鷗亭で、映画「Behind the Camera」の制作発表会が行われた。この日、参加チョン・ウンチェはパノラマ部門に公式招待された「Behind the Camera」と公式コンペティション部門に招待された「ヘウォンの恋愛日記」で、12日のベルリンへの出発を控えている。チョン・ウンチェは「とても嬉しい。何より二作品の映画で行くことになって嬉しい。この二作品の映画が公開する日にちも一緒。だけど、全く異なるジャンルの映画なので、楽しみにしている。(ベルリンに)行ってきます」と伝えた。司会者が「旅行の中で最高の旅行は、人のお金で行く旅行ですが、ベルリンまで行くなんてすごいですね」と話すと、チョン・ウンチェは「飛行機のチケット代は自腹です」と答え、周りから笑いを誘った。映画「Behind the Camera」と「ヘウォンの恋愛日記」は韓国で28日に公開される。
ホン・サンス監督が打ち立てた驚愕の記録…長編全作品が主要映画祭に
来年2月の公開を控えている映画「ヘウォンの恋愛日記」が、第63回ベルリン国際映画祭の公式競争部門に進出することになり、ホン・サンス監督は彼が演出した長編の14編の全編を世界の主要映画祭に進出させる記録を打ち立てた。カンヌ映画祭と最も深い縁を持っているホン・サンス監督は、2004年「女は男の未来だ」、2005年「映画館の恋」、2012年「3人のアンヌ」まで、計3編がカンヌ映画祭の競争部門に進出した。その他にも「カンウォンドの恋」「秘花 ~スジョンの愛~」「女は男の未来だ」「映画館の恋」「よく知りもしないくせに」「ハハハ(夏夏夏)」「北村方向」「3人のアンヌ」まで8編の作品がカンヌ映画祭に進出した。ホン・サンス監督と2番目に深い縁を持っているところはベルリン国際映画祭であるが、「豚が井戸に落ちた日」「浜辺の女」「アバンチュールはパリで」「ヘウォンの恋愛日記」など4編がベルリンに進出した。その他にも「教授とわたし、そして映画」がベネチア国際映画祭のオリゾンティ部門に出品され、「気まぐれな唇」はアジア太平洋映画祭で監督賞を受賞した事がある。一生に一度でも進出する事が難しいという世界3代映画祭に続けて招待されてきたホン・サンス監督は、これまで全世界の映画祭には242回進出し、世界3代国際映画祭には彼の作品が13編招待され、彼が演出した長編全作品が世界映画祭に進出することになった。「ヘウォンの恋愛日記」は、カナダへ母を送った女子大生ヘウォンが経験する、数日間のことを日記形式で描く映画だ。3月に撮影が行われ、俳優イ・ソンギュン、チョン・ウンチェ、キム・ウィソン、ユ・ジュンサン、イェ・ジウォン、キム・ジャオク、キ・ジュボン、リュ・ドクファンなどが出演する。
ホン・サンス新作「ヘウォンの恋愛日記」…ベルリン映画祭コンペティション部門に進出
ホン・サンス監督の新作が、第63回ベルリン国際映画祭の公式コンペティション部門に進出した。ベルリン国際映画祭は、ホン・サンス監督の映画「ヘウォンの恋愛日記」が2月7日から17日まで開かれる第63回ベルリン国際映画祭の公式コンペティション部門に進出することになったと話した。ホン・サンス監督は2008年映画「夜と昼」で同じ部門に招請されており、2007年「海辺の女」はパノラマ部門、1997年「豚が井戸に落ちた日」はフォーラムに招請された、ベルリン国際映画祭と縁の深い監督だ。海外配給会社の(株)ファインカットは、「映画祭で昨年の夏『ヘウォンの恋愛日記』の編集本を見て、すぐコンペティション部門への招請を決定した」と説明した。この映画はカナダへ母を送った女子大生ヘウォンが経験する、悲しく嬉しい数日間を日記形式で描く映画だ。3月に撮影が行われ、俳優イ・ソンギュン、チョン・ウンチェ、キム・ウィソン、ユ・ジュンサン、イェ・ジウォン、キム・ジャオク、キ・ジュボン、リュ・ドクファンなどが出演する。「ヘウォンの恋愛日記」はベルリン国際映画祭ワールドプレミア上映後、2013年2月に韓国で公開される。