劇場アニメーション「ghost/夜の果て」釜山国際映画祭でアジアプレミア上映!現地の観客を魅了
(C)ghost production committee夏目監督は、「ワンパンマン」「ACCA13区監察課」「四畳半タイムマシンブルース」など原作・オリジナル問わず数多くのアニメ作品の監督を務め、初のオリジナルTVアニメ「Sonny Boy」では独自の作家性を発揮。そんな夏目監督が自身の想いを丁寧に積み上げて創りあげた本作では、誰しもの心にある言葉にならない「本物の気持ち=“ゴースト”」をテーマに描く。
アニメーション制作は多数のヒット作を世の中に送り出し、長らく夏目監督ともタッグを組んできたアニメーションスタジオ、マッドハウスが担当。羊文学が書き下ろした主題歌と挿入歌の全6曲の楽曲と、君島大空によるソリッドで幻想的な劇伴が物語を美しく彩る。
主人公で特権を持つ優秀な少女ニケ役は堀田真由、ニケが出会う、深い喪失を抱えるマス役は高橋一生が演じる。
(C)ghost production committee会場の熱気と鳴りやまない拍手に包まれた、現地参加の夏目真悟監督からの喜びのコメントと現地レポートが到着した。
◆第59回 シッチェス・カタロニア国際映画祭 アニメ・コンペティション部門 Anima't部門
(C)ghost production committee会場は、オペラハウスを思わせる美しく歴史ある劇場Cinema Prado。上映前に夏目監督が登壇し挨拶すると、熱のこもった大歓声がホールに響き渡り、監督がステージから観客と一緒に記念撮影を行う場面では笑い声も上がるなど、和やかな雰囲気に包まれた。
いよいよ上映となり、スクリーンに「ghost」のタイトルが映し出されると、客席からは大きな拍手と歓声が。上映中は一瞬も見逃すまいと息をのむような静けさが広がり、あるシーンでは静かに“エアー拍手”を送る観客の姿も。会場が一体となって作品を楽しむ、記念すべきワールドプレミアとなった。
(C)ghost production committeeさらに「ユニークなオリジナル作品をつくっているのは今敏さん、押井守さん、そして夏目さんだと思う」という観客から、現在のアニメにおける本作の立ち位置ついて問われると、「人気作や原作ものが多い中、オリジナル作品を公開することはチャレンジングだと思っています。長く印象に残るような、作品の強度があるものを意識しています」と映画祭ならではの鋭い質問に回答した。
ワールドプレミアとQ&Aの感想について、監督は「お客さんの反応が非常に温かく、皆さんがお話を理解して質問をしてくれたことがとても嬉しかった」と語り、上映後は熱心なファンたちに囲まれ、サインや写真撮影に応え交流した。
(C)ghost production committeeシッチェス・カタロニア国際映画祭プログラマーのジョルディ・サンチェス=ナヴァロさん、ディレクターのアンジェル・サラさんらとも交流し、優しくて温かいスペインの人たちに盛大に迎えられ、「作り続けてきて良かった」と万感の思いで会場を後にした。
◆第31回 釜山国際映画祭 Special Program in Focus:Japanese Animation部門
(C)ghost production committeeさらに作品について、「冷徹な決定論が支配する世界において、人はどのようにして『本当の人生』を選び取るのか。この古くからある問いに対し、夏目真悟は過剰になることなく豊かな情感を積み重ね、やがてある“光”を追うよう私たちを誘う。その呼びかけに、思わずうなずかずにはいられないだろう」と紹介した。
このたび、10月13日(現地時間)にアジアプレミア上映され、上映後に行われたトークセッションに夏目真悟監督と福士裕一郎アニメーションプロデューサーが登壇した。
会場のCGV Centum City 6では、緊張感に満ちた雰囲気の中で上映がスタート。エンドクレジットが流れ終わると、場内から自然と拍手が巻き起こった。上映後には夏目監督と福士アニメーションプロデューサーが登壇。客席から次々と手が挙がり、観客は思い思いの感想を伝えながら質問を投げかけた。
インスパイアされたアニメーション監督について問われた夏目監督は、「小さいころから観ていた庵野秀明さん、宮﨑駿さんのテイストは引き継いでいるかなと思います。仕事を始めてからは、細田守さんのスマートな感じを意識しています」と明かした。
(C)ghost production committee「星空を死者たちがいる場所と解釈した」という観客に対して、監督は「星空は墓地のイメージです。死んだら星になって、それをみんなが眺めている」と回答。「この作品には生死観があって、神などいなくて、死んでしまったら一つの点になってしまう。量子力学的に収束した一点になってしまう、というのが『ghost/夜の果て』の世界観を象徴するものになっています」と語った。
続いてビジュアル面について、監督は「15歳の主人公だが、都会の少し背伸びした感じの作品なので、極力美しく、スマートに描きたいと思っていました」と説明し、以前「ACCA13区監察課」(17)でタッグを組んだ漫画家のオノ・ナツメに本作のキャラクターデザインを依頼したことで、「綺麗で美しい世界を踏襲できた」と語った。
物語についての質問には「15歳の少女ニケが、自分の人生や、そのかたちの築き方を探していく物語です」と語り、「現代社会を象徴するような世界観にしています。今後AIなどの発達でなくなっていく仕事もあるんだろうなと思いますが、それは昔から繰り返されていることでもある。ただ、どんな時代でも、人間が人間である以上、生き方はそれぞれが自分で決めなきゃいけない。その主題はずっと自分の中にあり続けていて、死ぬまでやるんだろうなと思っています」と作品に込めた思いを明かした。最後には「ちなみに自分も、働かなくていい世界はいいなと思っています(笑)」と付け加え、会場を沸かせた。
話題がアニメ制作の未来に及ぶと、福士プロデューサーは「便利なツールを使って制作体制を整えていくことはありますが、最終的には人の手で描くことで差別化していきたい」とコメント。
夏目監督が「(作中の)折り鶴はアニメを描く作業と似ていますよね。延々と同じ絵を描き続ける」と応じると、福士プロデューサーは「作中では星空とアートフェスはCGで、車やトラックなどはすべて手描きです」と制作の裏側を明かした。
アジアプレミア上映とQ&Aを終え、夏目監督は「アニメーションは制作している期間が長いので、こうやって観ていただきリアクションをもらえるのは、(自分のやってきたことが)報われたと感じて嬉しいです。Q&Aでは映画の内容を理解して質問くださっているのを感じて嬉しかったですし、映像作品は世界を越えられるんだと思いました」と、多くの観客から寄せられた感想と、アジアを代表する釜山国際映画祭への感謝を述べた。
福士プロデューサーは「個人的にも、韓国人のアニメスタッフと良い関係で一緒にやってきたこともあり、韓国の人や文化が好きです。釜山国際映画祭は大好きな映画祭だったので、『ghost/夜の果て』で参加させてもらい、生きているといいこともあるんだなと思いました。ありがとうございました」と締めくくった。
(C)ghost production committee■作品概要
映画「ghost/夜の果て」
2027年2月11日(木・祝)公開
<CAST>
ニケ:堀田真由
マス:高橋一生
<STAFF>
監督・脚本:夏目真悟
キャラクター原案:オノ・ナツメ
キャラクターデザイン:久貝典史
配給:バンダイナムコフィルムワークス
音楽:君島大空
主題歌・挿入歌:羊文学
原作:夏目真悟、鈴木智尋、バンダイナムコフィルムワークス、マッドハウス
アニメーション制作:マッドハウス
(C)ghost production committee
<ストーリー>
労働の必要がなくなった近未来。優れた人だけが働き、世界を回す時代。18歳になると、世界に必要な人間かそうでない人間かに、誰もが“選別”される。成熟した社会だが不条理な世界を生きるニケは、15歳で既に“選別”された特権を持つ優秀な少女。
世の中に苛立ちを抱えながらも、自分にぴったりの場所があるに違いない、と自分の居場所を探している。目の前にある、絶望、葛藤……。そして深い喪失を抱えるマスとの出会い。最後にニケが下す、誰にも想像できない、ある“決断”とは……。
■関連リンク
「ghost/夜の果て」公式サイト
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- 記者 :
- Kstyle編集部







