ウンギョ
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「悪戯」「ウンギョ」拒めない破滅的な愛…“観客を魅了”
拒めない破滅的な愛を取り扱った映画が、観客の心をつかんでいる。昨年公開し観客を魅了した映画「ウンギョ」から2013年の映画界に旋風を巻き起こしている映画「チッ(ふるまい)」まで、破滅的で危険な愛を描く映画が脚光を浴びている。まず、作家パク・ボムシンの同名小説を原作にセンセーションを引き起こした「ウンギョ」は、70歳の老人と17歳の少女との恋物語を大胆な題材と露出シーンで描き、注目を集めた。70歳の老人イ・ジョクヨを演じた俳優パク・ヘイルの細かな扮装と演技は、公開前から多くの話題を集め、またストーリーの中で70歳の老人イ・ジョクヨの心をつかんだウンギョ役の女優キム・ゴウンの大胆な露出も熱い話題となった。同映画は単に老人と少女の型破りで官能的な愛だけにとどまらず、若さと愛情、権力の欠乏に縛られた3人の男女の行き違う欲望を題材とし、次第に陥っていく破滅的で危険な愛で多くの観客から好評を得た。「ウンギョ」に続いて2013年を盛り上げる映画として、サスペンスロマンス「悪戯」がヒットを確実なものとし映画界をリードしている。現在上映されている「悪戯」は、愛、裏切り、愛憎という感情で絡み合った3人の男女が破滅へと向かうサスペンスロマンスを描く作品で、公開前からショッキングな題材で熱い関心を集めて話題となった。特に、演技歴23年目にして初めてスクリーンで主役を演じる女優キム・ヒジョン、そして料理をする優しい男性のイメージで愛されている俳優ソ・テファの恥知らずな不倫男へのイメージチェンジはもちろん、第2のキム・ゴウンを連想させる新人女優ソ・ウナの大胆な露出ときめ細かな演技で、映画への期待を一層高めている。映画は、学歴、家庭など全てが完璧に見える女性教授ジュヒと、彼女を真似したがる若い教え子のヨンミ、そしてその若い教え子と不倫するジュヒの夫ドンヒョクの交錯する欲望を取り上げ、破局に向かっていく3人の関係を細密に描写している。
4Minute キム・ヒョナ「SNL KOREA」で「ウンギョ」のパロディ…セクシーな演技に“ドキドキ”
4Minuteのキム・ヒョナが「SNL KOREA」で映画「ウンギョ」をパロディし、シン・ドンヨプを緊張させた。27日、韓国で放送されたケーブルチャンネルtvN「SNL KOREA」でキム・ヒョナは、映画「ウンギョ」をパロディし、シン・ドンヨプ、チョン・ミンギョと共演した。特に、映画のパク・ヘイルとキム・ゴウンの揺り椅子シーンや掃除シーン、タトゥーを入れるシーンなどをシン・ドンヨプとキム・ヒョナがリアルに再現し、注目を浴びた。キム・ヒョナは実際の「ウンギョ」を超えるほどの演技を見せ、シン・ドンヨプはそんなキム・ヒョナの動きをずっと目で追い、終始一貫として笑いを誘った。またシン・ドンヨプが座っていた揺り椅子が激しい動きによって壊れる放送事故(?)にもかかわらず、ナチュラルなアドリブで危機を乗り越えるプロ根性を発揮した。この日、4Minuteの5人のメンバーであるナム・ジヨン、チョン・ジユン、ホ・ガユン、キム・ヒョナ、クォン・ソヒョンは、ホストを務めた「SNL KOREA」で「覇王色姫 ヒョナ」などのコントに参加し、19禁の大胆な演技を視聴者に披露した。
【PHOTO】キム・ゴウン「第2回美しい芸術人賞」授賞式に参加“寒さを忘れさせる脚線美をアピール”
10日午後、ソウルプレスセンターで行われた「第2回美しい芸術人賞」の授賞式で、新人芸術人賞を受賞した映画「ウンギョ」のキム・ゴウンがステージに登場している。この日の授賞式では、映画「嘆きのピエタ」のキム・ギドク監督が大賞を、功労芸術人賞部門で映画俳優チェ・ウニ、新人芸術人賞部門では映画「ウンギョ」の女優キム・ゴウン、演劇芸術人賞部門で「ゴルゴンの贈り物」と「欲望という名の電車」に出演した女優キム・ソヒが受賞した。
華やかだった2012年の韓国映画界に届いた5つの朗報
今年の韓国映画界、監督の躍進と観客の増加が目立った1億人という観客数を見ると、目覚しい1年でした。でも、今年の映画界にはまだ未解決の問題も残っています。それにもかかわらず、希望を与える嬉しいニュースをまとめてみました。/編集者朗報1―女性監督の躍進今年韓国の映画界に届いた最大の朗報は、女性監督の躍進だ。そのスタートを切ったのは、ピョン・ヨンジュ監督だった。女性の性労働者を題材にしたドキュメンタリー映画「アジアの女として」でデビューしたピョン・ヨンジュ監督は「ナヌムの家」「ナヌムの家2」に続き、メジャー映画界に入り、「蜜愛」「バレー教習所」で新しい世界を切り開いたが、興行面では失敗した。だが、今年に公開された映画「火車」は韓国で240万人の観客を動員し、ピョン・ヨンジュ監督に注目すべき商業映画の監督として見直すきっかけを与えた。次回作の「照明店」もカン・プルの原作漫画を映画化したもので、すでに映画界では期待が高まっている。商業映画でピョン・ヨンジュ監督と肩を並べる女性監督に、パン・ウンジン監督がいる。一時女優として活躍したパン・ウンジン監督は「オーロラ姫」の脚本と演出で映画界にデビューし、自身だけのカラーを見せた。今年に入って数々の大作が公開される中で公開されたリュ・スンボム&イ・ヨウォン主演の「容疑者X 天才数学者のアリバイ」は原作ファンの反発にもかかわらず、充実したラブストーリーで、韓国で150万人の観客を集めた。商業映画ではこの二人の女性監督が活躍したが、独立映画(配給会社を通さず、制作者が直接映画館に売り込む映画)ではチョン・ジェウン監督とキム・ヒジョン監督の躍進が目立った。「子猫をお願い」で長編映画にデビューし話題になったチョン・ジェウン監督は、長い空白期間を経てある建築家の人生と死を描いたドキュメンタリー映画「語る建築家」で4万人の観客を動員し、独立映画としては大ヒットを記録した。商業映画界に華やかなデビューを果たした監督がまったく新しい形で観客とコミュニケーションしたことでチョン・ジェウン監督の「語る建築家」は、意味のある作品だと言える。また「グレープ・キャンディ」で女性の観客からいい反応を得たキム・ヒジョン監督は、前作の「13歳、スア」に続き、2本目の作品としても面白く、出来のいい長編映画を作ったことで評論家と観客に信頼を与えた。一方、今年の上半期に最高の話題になったドキュメンタリー映画「二つの扉」を演出したキム・イルラン、ホン・ジユ監督も成長した姿を見せたと評価されている。朗報2―健在なベテラン監督最近、第33回青龍映画賞で監督賞を受賞したチョン・ジヨン監督は、今年韓国映画界が一番歓迎すべき人物の一人だ。資本と権力の介入によりいつにも増して監督の能力が求められる映画界で、チョン・ジヨン監督のように力量のあるベテラン監督の存在感は、映画界を支える役割をするからだ。1998年「カ」を演出してからしばらく空白期間があったチョン・ジヨン監督は、今年だけで自身が監督した「折れた矢」「南営洞1985」と脚本を書いたドキュメンタリー映画「映画の現場」を公開し、映画界に躍り出た。それだけではない。「バンジージャンプする」「血の涙」を演出したキム・デスン監督も前作に続き、時代劇「後宮の秘密」で観客に相変わらずの存在感をアピールした。扇情的だという議論で作品の本質が薄れてしまった面はあるが、基本的に宮廷内の権力構図というきちんとしたテーマを盛り込んだという点で観客にアピールした。「ウンギョ」のチョン・ジウ監督もベテラン監督の能力を発揮した。「ハッピーエンド」で注目を集めながらデビューし「親知らず」「モダンボーイ」で自身のスタイルを知らせたチョン・ジウ監督は深みのある恋愛ドラマ「ウンギョ」でマンネリを克服したとの評価を受けた。観客と評論家は「ウンギョ」から感じられる老化の意味に注目し、感動した。一方、キム・ギドク監督は苦労の末に公開した「嘆きのピエタ」で、ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞し、映画界に栄光をもたらした。朗報3―小さい映画で輝いた観客の存在感今年の芸術映画、または多様性映画とも呼ばれる上映スクリーンの数少ない映画に対する観客の反応が熱かった。「テイク・ディス・ワルツ」「サーチング・フォー・シュガー・マン(仮題)」「少年は残酷な弓を射る」「二つの扉」「MBの追憶」など、数々の作品が配給と上映の両面で厳しい環境に置かれているにもかかわらず、口コミで1万~7万に至る観客に出会い、そのほとんどが良い評価を得た。このような傾向により、韓国で上映スクリーン数とは別に、作品が良ければ映画館を訪れる積極的な観客が存在するという事実が分かるようになったことは、今年韓国映画界の大きな収穫だ。いわゆるマニアと呼ばれるこのような観客こそ流行によって映画館を訪れる観客に比べ、長期的に映画界で影響力を発揮する観客になれる。最近一部の映画館で行われている「シネキューブ芸術映画プレミアフェスティバル」と「ソウル独立映画祭」に行ってみると、観客の熱い熱気が感じられる。違う映画、新しい映画への情熱は、韓国映画界の性格とも関係がある。いつも新しいものを楽しむ韓国人の映画への愛情は、すでにアメリカをはじめ、世界中の映画関係者によく知られている。そして、韓国を訪れる外国の映画関係者も年々増加すると共に、韓国で初めて公開される映画もある。また、韓国映画を一つのジャンルとして好む外国人が存在する。このような情熱が今年数本の小さな映画を支え、映画界に少なからぬ感動を与えた。朗報4―立派な新人監督の登場チョ・ソンヒ監督。まだこの名前よりは「私のオオカミ少年」の監督の方が分かりやすいだろう。伝統的なオフシーズンという10月末に韓国で公開し、12月現在までに650万人の観客を動員したこの凄いファンタジー恋愛映画は、メジャー市場にデビューする前から映画関係者に脚光を浴びてきたチョ・ソンヒ監督から誕生した。このように韓国の映画界、特に独立映画界にはたくさんの人材がいる。韓国の映画界は「私のオオカミ少年」の成功でより忙しくなりそうだ。良い企画と隠れた人材が作り出す素晴らしい映画は、安定した配給と上映能力までを兼ね備えれば、数百人の観客を集めることは不可能なことではないためだ。すでにCJエンターテインメントでは、6日に韓国で公開される予定の「マイPSパートナー」のピョン・ソンヒョン監督を発掘し、観客との出会いを待っている。チョ・ソンヒ監督とピョン・ソンヒョン監督。この二人の新人監督を通じ、韓国映画界の未来を肯定的に見ることができる。まずは、より多い独立映画の監督たちが長編映画でデビューしなければならない。ベテラン監督たちの中でいい新作を作り出す場合もあるが、今年は特にベテラン監督たちが前作に及ばない新作で酷評を免れなかった。また、優れた監督はハリウッドに進出したり、制作やテレビドラマ、後進の育成など、映画の演出でない方向に移動している。その中で可能性のある新人監督を発掘することは、単なるニッチ市場(特定のニーズを持つ規模の小さい市場)の開拓ではなく、韓国映画界の未来のために必ず必要なことだと言える。幸い今年、MYUNGフィルムは数年後に映画学校を開校させ、埋もれた人材を積極的に育成すると明かし、CJ文化財団のプロジェクトSは引き続き新人の監督を支援する予定だと言う。このような動きがあるため、韓国映画の未来は暗いとは限らない。朗報5―映画館を訪れる観客の増加何よりも「10人の泥棒たち」「王になった男」など、今年1千万の観客を動員した映画が2本も出たことは、韓国の映画界には朗報だった。同映画を含め、8本の韓国映画が数百万の観客を動員した。今年は潜在能力が炸裂した俳優が多いが、これは観客の鑑賞の潜在能力が炸裂したとも言える。観客が映画を映画館で観たいと思うようになったとのことだ。これまで違法ダウンロードやテレビなどで映画に接してきた観客が映画館を訪れるようになったことは、今年、韓国映画を観た観客が1億人を突破することに繋がった。それだけ韓国映画を含め、韓国で公開される映画がたくさんの観客を満足させる水準になったということだ。もちろん、観客数や上映スクリーン数の二極化問題が浮上したが、どうであれ映画館を訪れる人が多くなったことは、それだけ映画への関心が高くなったことで、これは今後韓国の映画界がどうなっていくのかによって消費市場としてその機能を十分に果たせるという期待をもたらすものだ。いかなる市場であれ、需要があってこそ存立と発展を夢見ることができるためだ。従って、映画館で映画を観てくれる観客のためにも、韓国の映画界はより多様で出来のいい作品を作り出す能力を備えなければならない。そのためには、映画制作の際には脚本家の創造性を尊重し、撮影と後半作業においてスタッフへの待遇を改善し、配給と上映、そしてマーケティングにおける精度を守らなければいけない。今年は、韓国映画界にとって最高の一年になった。このような雰囲気を来年にも、再来年にも続けていくためには、観客が求める映画はどんなものなのかを絶えず研究し、観客とコミュニケーションする必要があると考えられる。
「ウンギョ」ロンドン韓国映画祭で全席満員…“熱烈な反応”
駐英韓国文化院(院長:キム・ガプス)主管の第7回ロンドン韓国映画祭で、映画「ウンギョ」が全席満員を記録するなど、現地で熱烈な反応を受けた。12日、ロンドン韓国映画祭の関係者は「『ウンギョ』は11月6日(現地時刻)、ロンドンの中心地にあるICA(イギリス現代芸術協会, Institute of Contemporary Academy)の劇場で、満席の中で上映された」と伝えた。またこの日は、「ウンギョ」を演出したチョン・ジウ監督を招き、映画の上映後には質疑応答も行われた。この関係者は「チョン・ジウ監督の作品世界と韓国式恋愛映画に対する現地の人の関心を実感できた。空席が見つからないほど座席が埋め尽くされ、観客の前に登場したチョン・ジウ監督の簡単な作品の紹介の後、映画が上映された」と伝えた。映画が終わった後、映画評論家であるDamon Wiseが進行するチョン・ジウ監督との質疑応答が行われた。今回の質疑応答には特別に釜山国際映画祭のプログラムディレクターであるチョン・チャンイル映画評論家と共に参加し、いろいろな質問に対してチョン・ジウ監督と一緒に答え、観客の韓国映画に対する疑問をより効果的に解消した。決められた時間を越えて行われて監督との質疑応答の時間は、イギリスに初めて紹介されるチョン・ジウ監督の映画への観客の理解が深まっただけではなく、現地の観客の熱い関心を即座で確認できる機会になった。1999年「ハッピーエンド」で長編映画界にデビューし、緻密な心理描写で注目を集め、今年「ウンギョ」で釜日(プイル)映画賞の最優秀作品賞を受賞したチョン・ジウ監督は、「互いに違う人々が共に生きていく姿からインスピレーションを受ける。今後もより多くの作品を演出し、様々なジャンルに挑戦する」と抱負を明かした。また西洋化が進んでいる韓国の映画産業と、徐々に多様化する観客層に備え、全世界の観客と通じられる映画演出に対して話した。チョン・ジウ監督は映画が終わった後にも席にとどまっていた観客の質問に率直な答え、質疑応答の間、多くの観客から呼応を引き出した。「ウンギョ」の上映に先立ちチョン・ジウ監督は、イギリス現地のマスコミの記者や韓国映画専門ブロガーと記者懇談会を行い、チョン監督が作家パク・ボムシンの小説「ウンギョ」を読んで、老いて行く老人の感情をスクリーンに移すことになったきっかけと、俳優のキャスティングに関するエピソードなど、様々な話を記者たちと共有する時間を持った。現地の記者たちは「ウンギョ」だけではなく、チョン・ジウ監督の前作である「ハッピーエンド」「モダンボーイ」などに関する質問を通じて、彼の全般的な作品世界に対する関心を示した。チョン・ジウ監督は、自身が脚本を務めた映画「黒く濁る村」を通じて、才能のある若い作家たちが多い、韓国のアニメと映画間の関係を評価し、韓国映画の未来に対して話すなど、熱い懇談会を行った。今回「ウンギョ」の上映とチョン・ジウ監督のロンドン韓国映画祭の訪問は、従来に多く知られているスリラー、アクションジャンルの韓国映画以外にも、ストーリーテリングと人間味が感じられる韓国式の恋愛、ドラマジャンルの作品を現地の観客に確実に認識させる契機として重要な意味を持つと、現地の映画関係者たちは分析している。駐英韓国文化院は今回の映画祭期間に、より多様なジャンルの韓国映画を現地で紹介することで、韓国映画が欧州で跳躍する時の基盤を提供する予定である。
キム・ゴウン、今年だけで3つの新人賞を受賞“期待の星”
映画「ウンギョ」(監督:チョン・ジウ)に出演した女優キム・ゴウンが、大鐘(テジョン)賞映画祭で新人女優賞を受賞した。30日の午後、ソウル汝矣島(ヨイド)KBSホールで俳優シン・ヒョンジュンとキム・ジョンウンの進行で第49回大鐘賞映画祭が行われた。「建築学概論」のmiss Aスジ、「ペースメーカー」のAra、「Lovable」のユ・ヘジョン、「嘆きのピエタ」のカン・ウンジンがノミネートされた大鐘賞の新人女優賞は、最終的にキム・ゴウンが受賞することになった。「ウンギョ」は、パク・ボムシン作家の同名の小説を映画化した作品で、少女のフレッシュさに魅了された70歳の偉大な詩人イ・ジョギョ(パク・ヘイル)、師匠の天才的才能に嫉妬する35歳の弟子ソ・ジウ(キム・ムヨル)、偉大な詩人に憧れる17歳の少女ハン・ウンギョ(キム・ゴウン)の3人の、自身が持てないものを欲しがる欲望と嫉妬を描いた。キム・ゴウンは、同映画で17歳の女子高生ハン・ウンギョ役を演じ、大胆な露出演技に挑戦した。何と300倍の競争率となったオーディションで、チョン・ジウ監督に抜擢された新人のキム・ゴウンは、この作品で衝撃的なデビューを果たした。キム・ゴウンは第21回釜日映画賞の新人賞、第32回韓国映画評論家協会の新人賞に続き、大鐘賞新人女優賞まで受賞し、3つの新人賞を受賞する栄光を手にした。同日午後7時40分からKBS 2TVを通じて2時間生放送された大鐘賞の授賞式は、歌手パク・ジニョンのオープニング公演でフェスティバルの幕を開けた。
miss A スジ vs キム・ゴウン、大鐘賞新人女優賞の主人公になるのは誰?
ガールズグループmiss Aのスジや女優キム・ゴウンらの中で、誰が第49回大鐘賞映画祭の新人女優賞の主人公になるのか。第49回大鐘賞映画祭側は17日の午前、ソウルプレスセンターで、本賞進出作発表記者会見を開き、22の本賞受賞部門に進出した20本の映画を発表した。特に、最も注目される新人女優賞部門に、映画「建築学概論」のスジと「ウンギョ」のキム・ゴウンが揃って名を連ね、二人の競争に関心が集中している。「建築学概論」で演技派アイドルとしてのイメージを固めたスジは、初恋のアイコンとして浮上し、名実共に今年最高の忠武路(チュンムロ、韓国映画の中心地)の新人に位置づけられた。その後KBS 2TVのドラマ「ビッグ~愛は奇跡~」でも安定した演技を披露し、役者としての可能性を開いた。このようなスジに立ち向かうように登場した新人女優はキム・ゴウンだ。彼女はデビュー作の「ウンギョ」で、並外れた露出も厭わない情熱で、純粋と官能を行き来する女子高生ウンギョを完璧に表現した。「ウンギョ」以降、キム・ゴウンに殺到する忠武路からのオファーも、彼女が忠武路最高のホットな女優であることを物語っている。しかし、他の候補たちも手ごわい。映画「ペースメーカー」のAra、映画「タスリ」のユ・へジョン、「嘆きのピエタ」のカン・ウンジンなど、名だたる候補者たちがノミネートされている。果たしてこの厳しい競争を勝ち抜き、新人女優賞の主人公になるのは誰なのか楽しみだ。第49回大鐘賞映画祭は30日に汝矣島(ヨイド)KBSホールで開催される。
「10人の泥棒たち」から「王になった男」の出演者まで…釜山国際映画祭で輝くスターたち
名前だけでも映画ファンたちをときめかせるスターたちが第17回釜山(プサン)国際映画祭(以下、BIFF)に出席する。10月4日に開幕するBIFFは、韓流スターをはじめ、韓国の観客たちには会うのが難しい海外スターたちまで、登場するだけで注目される俳優たちが、舞台挨拶や観客との交流などの様々なプログラムを通じて、釜山を熱狂させる予定だ。観客動員数1302万人(配給会社集計基準)を突破し、「グエムル-漢江の怪物-」を抜いて韓国映画最大のヒット作となった「10人の泥棒たち」のキム・ユンソク、チョン・ジヒョン、キム・ヘスク、オ・ダルス、イム・ダルファ、デレク・ツァンらが釜山を訪れ、ファンと韓国映画における興行成績第1位の喜びを共有する。また、現在、公開されている作品の中で最も熱い映画「王になった男」の主演俳優イ・ビョンホンとリュ・スンリョンが出席し、上半期の韓国映画を導いた「悪いやつら」のハ・ジョンウ、チョ・ジヌン、クァク・ドウォン、キム・ソンギュンと、「建築学概論」のハン・ガイン、イ・ジェフンも釜山のファンたちに会う予定だ。19歳以下観覧禁止であり、映画の全盛時代を導いた「ウンギョ」のパク・ヘイルとキム・ゴウン、「後宮の秘密」のチョ・ヨジョンとパク・チョルミンだけでなく、ソン・ジュンギ、パク・ボヨンのような若手スターや国民の夫として注目を浴びたユ・ジュンサンもBIFFのオープニングに出席する。また、「容疑者X 天才数学者のアリバイ」はBIFFで初公開され、主演俳優リュ・スンボム、イ・ヨウォンらが観客たちの前に登場する。チョン・ウソンは俳優ではなく、ニューカレンツ部門の審査員として出席する。チャン・ドンゴンは、そうそうたる女優たちとともに釜山を訪れる。「危険な関係」で共演したセシリア・チャン、チャン・ツィイーと一緒にBIFFに出席し、公式スケジュールを消化する予定だ。タン・ウェイはBIFFには欠かせない人物だ。2010年の映画「レイトオータム」、2011年の映画「捜査官X」などを通じて釜山を訪れた彼女は、今回のBIFFで韓国以外の俳優としては初めて開幕式の司会者に選ばれ、アン・ソンギと共に司会を務める。この他にも開幕作「寒戦(Cold War)」の主演俳優アーロン・クォックとレオン・カーフェイが中華圏スターの存在感を発揮し、日本の佐藤健、奥野匡、加瀬亮や映画「ムッシュ・カステラの恋」で世界的な名声を得たフランスの監督兼女優アニエス・ジャウイとハリウッドの新星テリーサ・パーマーなどがBIFFを盛り上げる。
パク・ヘイルがおすすめする「冬が終わって春がやってくる間に聴く音楽」
名前が運命を表すならば、パク・ヘイルはその中でも一番だ。静かな海。その深さを計れないほど穏やかな水面の中で身をすくめているヘイルは、一度姿を見せれば陸を飲み込みながら大きな跡を残すからだ。善良な顔の裏にぴんと張った緊張と凄まじいエネルギーを隠したパク・ヘイルの演技は、たびたび津波のように観客を襲う。映画「殺人の追憶」はもちろん、「嫉妬は私の力」「恋愛の目的」で彼の顔は善と悪の境界をなくし、見る者の判断を鈍らせた。そして「菊花の香り」「神弓 KAMIYUMI」ではジャンル的に人物を追い詰める彼の突破力が引き立っていた。「極楽島殺人事件」「黒く濁る村」で観察者として彼をキャスティングするしかなかった理由は、パク・ヘイルの平凡な顔立ちと澄みきった表情ほど、その状況を鋭敏に反映するバロメーターがなかったからだろう。そのため70歳の老人役を演じなければならない「ウンギョ」は、パク・ヘイルにとって挑戦だったに違いない。「明らかに難しいことだと分かっていました。けれどまだ経験したことがない年齢と感情に対する好奇心がありました」そして彼は老人の身体に漠然と適応するより、文壇で文筆活動をしていないから社会性が衰えていて、ずっと詩を書いてきたので型にはまった自分だけの生き方があるという推測をして、イ・ジョクヨと言う人物を少しずつ細かく作り上げた。岩の上を歩くシーンで登山経験を表現するためにインドアクライミングスクールに通ったり、特殊メイクという仮面を突き抜けて伝えられる細かい感情をコントロールするために繰り返し悩んで話し合いをした。年が変わって、季節が変わった。そしてパク・ヘイルは老人の体を脱いで再び少年の顔に戻った。「まだ完全に追い払うことは出来ません」と話しながら爽やかな微笑みを見せるパク・ヘイルが選んだこの歌は今、パク・ヘイルのオリジナル・サウンドトラックと言ってもいいだろう。冬が終わって春がやってくる間、彼が聴くしかなかった歌を紹介しよう。1.イ・ジョンソン「イ・ジョンソン1stアルバム」「長い時間をかけてイ・ジョクヨの特殊メイクを終えた後、10分くらい鏡を見ながら考えました。僕はイ・ジョクヨだ。僕は今から老人になると。そして撮影現場へ向かいながらだんだんと70歳の老人の気持ちになって、スタッフを迎えるんです」新しい人物になるだけではなく、経験したことがない年齢を生きなければならないパク・ヘイルは、イ・ジョクヨになるために自分に催眠をかけなければならなかった。イ・ジョンソンの歌「幸せよ」はそんな彼が役に入り込むために大いに役立った歌だ。「チョン・ジウ監督にもこの歌を聴かせたことがあるけれど、夜中にずっとこの歌を聴いていたと言っていました。僕が感じたある感情を監督も見つけたようです」ひまわりの初期メンバーでありギター教則本の著者として有名なフォークミュージシャンのイ・ジョンソンの1stアルバムに収録されている「幸せよ」は愛しているからというリフレイン(繰り返し)が印象的な歌である。2.ペク・ヒョンジン「Time Of Reflection」静かな歌がすべて穏やかなわけではない。静かだが深い激情がにじみ出るペク・ヒョンジンの歌はそうした点で澄みきっている顔の裏に凄まじいエネルギーを隠したパク・ヘイルの演技と似ていている。「演劇をしていた若かったころ、オオブプロジェクトの歌が本当に有名でした。その時からペク・ヒョンジンさんにいつも関心を持っていました」と彼が紹介した2番目の歌はペク・ヒョンジンが一人で作って歌った歌「膝枕」だ。日記のように具体的だが、一方で暗号のようなペク・ヒョンジンの文章は、詩のように聴く人の心を動揺させる。まるでみんなと別れて自分の部屋に閉じこもったイ・ジョクヨの気持ちを歌うかのような雰囲気もあった。もう一つ付け加えると「ウンギョ」では俳優に変身したペク・ヒョンジンの姿をわずかの間見ることが出来る。3.ソン・ジヨン「こだま郵便配達人、私に手紙一通を」ペク・ヒョンジンがパク・ヘイルにプレゼントしたものは歌の感想だけではなかった。「獎忠洞(チャンチュンドン)にある公演会場でした。ペク・ヒョンジンさんのコンサートを見に行ったのですが、ソン・ジヨンという歌手がその日一緒に公演をしていました。そのとき初めて見たのですが、本当に印象深く残っていて、それ以来ちょくちょく音楽を聴いています」フォーク音楽にブルージー(ブルース音楽を連想させる雰囲気)な感性を加えたシンガーソングライターのソン・ジヨンは重々しいメロディーと歌詞で自分だけの音楽の世界を作っているミュージシャンだ。公演中心に活動をしていた彼女はMBC音楽番組「音楽旅行ラララ」の出演当時、話題になった。それに3rdのアルバムのカバーはマ・グァンス教授の作品としても知られている。その中でもパク・ヘイルが推薦する歌「旅の疲れ」には、「ウンギョ」の撮影中、イ・ジョクヨとしての人生を生き、やっと本来の姿に戻った彼の疲労感が映し出されている。4.ボブ・ディラン「 The Essential Bob Dylan 3.0」ギターと声、そして歌う人が書く歌詞。パク・ヘイルが選んだ歌の共通点はボブ・ディランに至って一種の確信を与えた。しかし本来、彼は「いつも歌の歌詞に集中しているのではありません」と話す。気持ちを切り替える時、わずかな休憩時間に主に聴く歌はメッセージと単語の意味を飛び越えて音楽自体の力で彼を説得し慰めている。「外国語の歌もわざわざ歌詞の意味を探す方でもないんです。だけど聴いているだけで伝わってくるものがあります。それが音楽の力だと思います」パク・ヘイルはボブ・ディランの名曲「Blowin' in the wind」を選んだ理由についても「私にはこの曲で春を感じます。歌を口ずさみながら、この季節に本当に良く似合っています」と簡潔に理由を説明した。5.ジョイ・ディヴィジョン「Permanent」「この歌は本当にパク・ヘイルの春の曲です」撮影が終わり、いよいよ映画の公開を控えたパク・ヘイルは今になって映画の人物から抜け出すことが出来たと打ち明けた。そして昔聴いたジョイ・ディヴィジョンのアルバムを再び聴きながら完全な春、目に見えるようにはっきりと感じられる若さを思い起こしている。「もちろん『ウンギョ』は老年の心に関する話でもありますが、若さということに焦点が置かれ、それが本当に良いことだという話でもありますね。どちらかと言えば51%は後者です。映画を見終わって春だから本当に良い、良かった、そんなふうに思ってもらえたらいいですね」ただ2ndのアルバムを発表して自ら命を終えたイアン・カーティスが導いたバンド、ジョイ・ディヴィジョンの「Love will tear us apart」は以後、残ったバンドのメンバーが結成したニュー・オーダーによってリメイクされた時代の名曲である。皮肉なことに「ウンギョ」のチョン・ジウ監督はパク・ヘイルの少年のような姿に注目し、彼を老人役にキャスティングしたと明かした。どんな年でも、どんな状況に置かれても心の中に少年の純粋さとときめきを大切に持っている人物を描きたいということが監督とパク・ヘイルの共通の決意だった。そして映画でパク・ヘイルが演じるイ・ジョクヨの若い時は同作品の中で最も眩しく、そして美しい場面である。そんな理由で「ウンギョ」はパク・ヘイルの逸脱や挑戦でなく、いつも私たちが見ているパク・ヘイルの姿、少年の姿だ。「映画1本に出演するといつも答えに近づいたように感じるが、結局作品が終わったら再び最初に戻るので映画を手放すことができない」と語る優等生は「年を取るにつれ新しいキャラクターが与えられるので多分一生かけても正解を見つけることは難しい」と首をかしげる。答えがない道を、好奇心を持って歩いていく少年の魂が老いない限り、パク・ヘイルの次の歩みを期待せざるを得ない。
韓国の観客を掴む鍵は…物語の“ドラマ性”
韓国でヒットした映画、みんなコレを持っていた!韓国でヒットした映画は、大半がその中に新しいドラマを盛り込んでいた。「友へ チング」での男同士の感情に満ちあふれた友情、「TSUNAMI-ツナミ-」での人と人との関係から発生するドラマ(津波が押し寄せるシーンばかりであったら、この映画はヒットしなかっただろう)、「グエムル-漢江の怪物-」でも「王の男」でも、最近のヒット作「僕の妻のすべて」でも、映画の中の登場人物の人生の物語が観られたのが、韓国の観客には好評のようだ。韓国映画に限った話ではない。ハリウッド映画の中でも、ヒットした映画の場合、キャラクターたちの人生が見る者の共感を呼んでいた。一般的な人の人生ではなかったが、「アバター」には人間に迫害される宇宙人の話があった。「アベンジャーズ」はスーパーヒーローたちの人生を物語り、「トランスフォーマー」では変身ロボットの物語がまるで人の人生のように物語の基軸をしっかり支えていた。ヒット映画に根付く、このような人の物語的な性質、これをドラマ性と命名してみる。その名の通り、ドラマ、つまり観客に共感される、人の匂いがする話を面白く感動的に繰り広げることができたという意味だ。韓国映画は、ハリウッド映画風のスケールだけ追いかけては困る韓国映画の中にはハリウッドの大型映画やスーパーヒーロー物を追随する、韓国版ハリウッド映画を作ろうとする雰囲気がある。新しい作品が出る度に、ハリウッドのヒット作との類似性を取り上げたりもする。今夏公開予定の「リターン・トゥ・ベース」と「10人の泥棒たち」を見てみよう。「リターン・トゥ・ベース」の場合、韓国版ブロックバスターと広報しており、「10人の泥棒たち」は韓国版オーシャンズ11と噂されている。しかし、これは正しい方向性ではない。いくら韓国版という修飾語を付けるとしても、観客に共感される物語が形成されていない状態では、ただハリウッド映画の亜流にしか見えず、韓国版オーシャンズ11という話が出るのも、ハリウッド映画を基準に韓国映画を期待しているという解釈にしかならないためだ。韓国映画は、韓国の観客が見る世界を描くべきだ。どれだけ派手な見どころと膨大なスケールを誇り、スター俳優たちが出演するとしても、その中に本当の人間の物語、つまりドラマ性がない限り、韓国では無視されがちになる。韓国の観客がドラマ性を持つ映画を好むのは、海外の映画が韓国に輸入される時も考慮されているように見える。韓国に公開され、必ずしも数百万の観客が入ってはいなくても、良い評価を受けた海外の映画は、一つ残らずドラマ性を備え持っていた。韓国の観客はドラマ性を求める今年韓国で公開された海外映画を見てみよう。「Barney's Version」は紆余曲折の末に結婚にゴールインしたある男の物語を観客にアピールした。反面、アクションはよかったが特にドラマ性らしきところがなかった「バトルシップ」と「スノーホワイト」は、観客動員数はさて置き、内容への批判は免れなかった。韓国の観客は、新しいドラマ性を感じ取れる映画、ドラマ性に満ちた映画を求めている。「メン・イン・ブラック3」が俳優たちの歳が感じられ悲しかったと言われながらもヒットした理由は、感動的なヒューマンストーリーが結末の部分に存在していたからである。「後宮の秘密」や「ウンギョ」は、露出と濡れ場シーンのみが注目されヒットし、好評価を博したのだろうか。とんでもない話だ。二つの映画に盛り込まれた人物たちの物語と心境を、観客がよく理解できるように仕上げていたので、「後宮の秘密」と「ウンギョ」は好まれたのだ。どの国の映画であれ、今後韓国で映画を公開する場合は、この点を念頭におくといいと思われる。「oh!my star」ではスターはもちろん、バラエティ、ドラマなど、様々な市民記者のレビューや主張を幅広く掲載しています。もちろん、いかなる反論も歓迎します。いつでもノックして下さい。「oh!my star」は市民記者の皆さんの参加をお待ちしています。―編集者コメント
2012年上半期公開映画“勝手に”授賞式
2012年も、早いもので上半期の最後の月となりました。今年はいつにも増して公開された映画が多かったのですが、ここで過去6ヶ月間に公開された映画のうち、話題作を振り返る企画を設けました。名付けて「2012年上半期公開映画勝手に授賞式」。この授賞式はスピーディーです。候補作なしにすぐ受賞作を発表します。それでは、授賞式を始めます。(受賞作は2012年1~6月の間、劇場で公開し、6月6日現在までに公開された、または公開中の映画を基準にしました)「2012年上半期公開映画勝手に授賞式」◆主演女優賞今年、女優たちの活躍は実に目覚しいものでした。数多くの女優たちが素敵な演技を披露しましたが、悩んだ末、そのうち2人の受賞者に絞りました。受賞者は以下の通りです。イム・スジョン「僕の妻のすべて」キム・ゴウン「ウンギョ」2人の女優には共通点があります。前作よりも発展的に変化した点です。イム・スジョンは、もはや神秘的な魅力を持つ少女のような女優ではありません。「僕の妻のすべて」で確実に成長した彼女の魅力は、誰が見ても分かるようになりました。潜在していたもう一つのキャラクターを引き出したのです。キム・ゴウンも今年の新人女優の中で、断然目立つ女優です。「建築学概論」のナプトゥクことチョ・ジョンソクとともに映画のキャスティング優先順位が1位だという噂もあります。それもそのはず、初の長編映画デビュー作の「ウンギョ」で観客たちは口を揃えて、彼女はウンギョそのものだったと褒めました。年齢も経歴も多くない彼女が、容易ではない感情的な演技をこなしたことに惜しまぬ拍手を送りたいと思います。彼女の前作の短編「ヨンア」も話題を集めましたが、彼女も前作より成長した演技を見せたと言わざるを得ません。◆監督賞映画は監督の芸術と言います。今年は、新人監督と前作の成功によって注目された監督の作品がたくさん公開されましたが、前作の名声に及ばず、観客たちをがっかりさせた作品を出した中堅監督もいました。しかし、前作を凌駕する新作を出し、さらに注目を集めた監督がいます。受賞者は次のとおりです。チョン・ジヨン「折れた矢」チョン・ジェウン「語る建築家」ジャン=ピエール・ジュネ「ミックマック」まずは、チョン・ジヨン監督です。今年で65歳。「南部軍」「ホワイト・バッジ」「ハリウッド・キッズの生涯」などで1990年代韓国映画界の人気監督だった彼は、1998年「カ」以降、演出をしませんでした。そして約14年ぶりに復帰した彼の作品は、裁判官に石弓を打った教授の実話を描いた映画「折れた矢」でした。この映画のしっかりとした脚本と演出は、実話の話題性と相まって、観客から大きな反響を得ました。アン・ソンギとムン・ソングンの演技も、非の打ち所がありませんでした。韓国映画ではあまり成功例の多くない裁判映画スタイルを無理なく追求し、この映画の興行により、実際の石弓事件も論争を巻き起こしました。何より、長いブランクの末に出した演出作が成功したことは嬉しいことです。彼の成功は、他の中堅監督の復帰にも追い風になるものと見られます。続いて、「語る建築家」のチョン・ジェウン監督です。チョン監督は「子猫をお願い」という作品で映画界に波乱を巻き起こしました。2001年「子猫をお願い」は、同じ年に公開したクァク・キョンテクの「友へ チング」とともに同じ映画を何度も見るという1つのトレンドをリードしました。その後、人権を題材としたオムニバス映画「もし、あなたなら~6つの視線」(2003年)と、キム・ガンウ主演の「台風太陽~君がいた夏~」(2005年)を演出した後は、しばらく新作の知らせがありませんでした。そして7年ぶりに出した作品が「語る建築家」です。「語る建築家」は、ある建築家の人生を通して、人のための建築とは何かを語るドキュメンタリー映画です。チョン・ジェウン監督がドキュメンタリー映画で戻ってきたのが新鮮でもあり、何よりこの映画を見ると、主人公の建築家を慕うようになり、彼の哲学と人生に感動する映画だというのが観客の主な反応です。公開後、上映館も少なく、広報も幅広く行われていなかったにもかかわらず、長期間静かに興行している作品でもあります。最後に、この賞の唯一の外国人受賞者「ミックマック」(フランスでは2009年公開)のジャン=ピエール・ジュネ監督です。ジュネ監督は、前作の「デリカテッセン」「ロスト・チルドレン」「アメリ」で世界中にたくさんのファンがいます。前作の評価が高かったこともあり、久しぶりの新作でがっかりさせられたらという不安もありましたが、蓋を開けてみれば、それは杞憂でした。「デリカテッセン」の奇怪な人々は正義感があって愛らしい人々に姿を変えました。また、「ロスト・チルドレン」「アメリ」の可愛らしさ日常を楽しくする想像力童話のような暖かさなどのキーワードを盛り込んでいます。俳優たちの好演とともに、政治的にも弱者同士で力を合わせて強者を打ち破るという正しいメッセージを愉快・爽快・痛快に描きました。彼のこのような驚きの復帰に、監督賞を与えざるを得ません。◆作品賞通常の授賞式では、作品賞を一番最後に発表しますが、思い切って真ん中で発表します。「建築学概論」そうです。今年上半期最高の興行作は、やはり「建築学概論」でした。この映画に対してはあまりにもたくさんの話題があったので、詳しくは省略させていただきます。興行からみても、観客や評論家の反応からみても、最高の話題作であると言わざるを得ません。一言だけ付け加えますと、この映画にハン・ガインの父とオム・テウンの母がいなかったら、ナプトゥクがどんなに面白くても、ここまで良い反応は得られなかったでしょう。なぜかというと、私たち観客は、みんな両親思いで親孝行な人だからです。本当です。◆ネットユーザー人気賞最近公開する映画は、ネットユーザーの間で口コミがあります。面白い映画は大絶賛しますが、面白くない映画は容赦なく非難するのがネットユーザーの特性です。その中でも今年上半期の映画のうち、特に注目を集めた映画がありました。それでは受賞作を発表します。「最強のふたり」この映画が「ネットユーザー人気賞」を受賞した理由は簡単です。上映されている間、ネットユーザーから大好評を博したためです。私は今までこのような賞賛一辺倒の評価を見た記憶がありません。この映画を非難するネットユーザーを一人も見たことがないといえば、嘘になるでしょうか。しかし、それくらいこの映画に対するネットユーザーの愛情は熱いものでした。おそらくこの映画がここまで人気を得たのは、映画のアイデア自体が暖かかったためでしょう。お金持ちで体が不自由なお年寄りと、貧乏だけど体が健康な若者が、友情を分かち合うという設定で、この社会に置かれている様々な階層の対立や断絶感を払拭する感じを受けます。そんな設定でありながらなぜか愉快で、無理に面白さや感動を与えようとしなかった点がネットユーザーから支持を得た理由でした。それでは最後に残り3部門の授賞作品を発表します。◆興行賞「アベンジャーズ」◆脚本賞「悪いやつら」◆余韻賞「ウンギョ」興行賞は、今年上半期最大の観客動員数を記録した「アベンジャーズ」です。脚本賞は「悪いやつら」となりました。興行成功の理由は、俳優たちの好演のおかげですが、それは自信から出たものです。シナリオが読みやすく面白かったので、俳優たちがシナリオを見て自信を持てたのではないかと思います。実際にシナリオを読んでみたら、最初からすらすらと物語に入り込むことができました。「生きてるな」というセリフを始めとして、簡潔なセリフも面白いものでした。一方、この授賞式でもう一つ重要な部門の1つが「余韻賞」です。余韻賞は、見た後、一番長く余韻が残る映画に与える賞ですが、主演女優賞ぐらい受賞作を決め難かったのです。結局、歳を取っていくことへの深い省察のある映画「ウンギョ」に決まりました。「ウンギョ」で多くの観客が歳を取るにつれて感じる寂しさに共感し、まだ若い自身の姿に感謝の気持ちを感じるようになったという話も聞きました。とにかく、観客動員数やセンセーショナルなマーケティングへの賛否両論とは関係なく、長く記憶に残る秀作です。また、小説の原作をうまく映画に移した良い例にもなりました。(このような賞賛は原作のパク・ボムシン作家がSNSを通して話しています)そうです。褒めること。この授賞式は褒めるために企画されたものです。褒めると気分が良くなりますから。残りの2012年も褒め合う時間になればと思います。これからもたくさんの映画が公開されますが、一本ずつ見て、良い映画は惜しまなく褒めてあげましょう。以上で「2012年上半期公開映画勝手に授賞式」を終わります。
韓国映画界で注目を浴びるR-18映画「悪いやつら」から「後宮の秘密」まで“中間決算”
今年公開された青少年観覧不可映画の兆しが尋常ではない。比較的限られた観客層を保有するしかない運命にも関わらず、その力を誇示しているのだ。最近、興行成績が目立つ作品はキム・デスン監督の映画「後宮の秘密」(以下、「後宮の秘密」)だ。公開翌日である6日の興行ランキングで1位を記録した。その後、家族客が押し寄せる週末(10日)「マダガスカル3」に1位の座を奪われたのを除けば、常に興行ランキング1位の座を守っている。特に410万人の観客を動員し、恋愛映画の部門で史上最高の興行記録を立てた「建築学概論」を追いかけている「僕の妻のすべて」、ハリウッド映画「マダガスカル3」、「プロメテウス」との競争で党等と優位になった結果であるためより意味深い。このようなR-18等級映画の興行のきっかけとなった作品は2月2日公開したユン・ジョンビン監督の映画「悪いやつら」だ。16万5000人というオープニングスコアを記録し長期興行に突入、今年初めて最短期間400万人の観客を突破し観客数460万人を超えた。「悪いやつら」の後を継ぎ「容疑者S」、「ウンギョ」、「蜜の味 テイスト オブ マネー」、「後宮の秘密」など続いているR-18等級映画の系譜が形成されている。キム・ヒョンジュン監督の「容疑者S」は不倫を待つ男という映画のタイトルでも分かるようにエロチシズムを極大化させた。これと共に痴情捜査劇というジャンルでスリルを加えた。今回の映画でパク・シヨンはピュアからセクシーまで様々な魅力を発散し、韓国型ファム・ファタール(魔性の女)女優の地位を確立、パク・ヒスン、イ・ガンスなどと共に観客動員数120万人を突破した。チョン・ジウ監督の「ウンギョ」は新人俳優キム・ゴウンの破格的な露出と70代老人に変身したパク・ヘイル、嫉妬するキム・ムヨルの演技などで話題となった。この映画で最も話題になったのは俳優3人の情事シーンだ。公開当時キム・ゴウンの露出が連日話題となり、どこに行っても露出に関する話が相次いだ。こういうことと俳優3人の熱演などが加われて、全国130万人を超える観客を動員した。イム・サンス監督の「蜜の味 テイスト オブ マネー」は韓国の最上流層の裏話を扱ったことや北米地域の配給会社IFC Filmsの代表の絶賛などで話題となった。IFC Filmsの代表Jonathan Sehringは「『蜜の味 テイスト オブ マネー』は彼(イム・サンス)の映画の中で最も退廃的で官能的な作品だ」と評価した。今回の映画が猥褻と芸術の間のきわどい綱渡りの中、芸術の方に偏ったことを示す。また、「第65回カンヌ国際映画祭」コンペティション部門の出品作というタイトルまで付き、120万人に近い観客の関心を集めた。これらの映画の中最も早い興行スピードを誇った作品は「悪いやつら」だ。100万人観客の突破を基準とした時、「悪いやつら」は公開して4日で100万人を超えた。「後宮の秘密」は公開して6日後に100万人観客を突破しその後を継いだ。最短期間の100万人突破ではないが、オープニングスコアだけは今年公開した韓国映画、今まで青少年観覧不可等級の韓国映画の中で最高(27万1319人)を記録した。そのほかにも「ウンギョ」と「蜜の味 テイスト オブ マネー」は公開12日後、「容疑者S」は公開17日後100万観客を超えた。これらの作品の最終的なスコアはまだ推定できない。「後宮の秘密」が5日前夜公開後、今まで観客を集めているためだ。何より今後公開される予定である期待作が「後宮の秘密」との競争を予告している。コ・ヒョンジョン主演の初の商業映画「ミスGO」とキム・ユンソク、キム・ヘス、イ・ジョンジェ、チョン・ジヒョン、キム・ヘスク、オ・ダルス、キム・スヒョン、イム・ダルハ、イ・シンジェ、ズングクサンなど韓国と中国を代表する俳優達が出演する「10人の泥棒たち」など15才未満観覧不可の映画がR-18映画「後宮の秘密」と競争する予定だ。