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2012年上半期公開映画“勝手に”授賞式

oh!my star

2012年も、早いもので上半期の最後の月となりました。今年はいつにも増して公開された映画が多かったのですが、ここで過去6ヶ月間に公開された映画のうち、話題作を振り返る企画を設けました。名付けて「2012年上半期公開映画“勝手に”授賞式」。この授賞式はスピーディーです。候補作なしにすぐ受賞作を発表します。それでは、授賞式を始めます。
(受賞作は2012年1~6月の間、劇場で公開し、6月6日現在までに公開された、または公開中の映画を基準にしました)

「2012年上半期公開映画“勝手に”授賞式」

写真=映画会社Zip、チョン・ジウフィルム

◆主演女優賞

今年、女優たちの活躍は実に目覚しいものでした。数多くの女優たちが素敵な演技を披露しましたが、悩んだ末、そのうち2人の受賞者に絞りました。受賞者は以下の通りです。

イム・スジョン「僕の妻のすべて」

キム・ゴウン「ウンギョ」


2人の女優には共通点があります。前作よりも発展的に変化した点です。イム・スジョンは、もはや神秘的な魅力を持つ少女のような女優ではありません。「僕の妻のすべて」で確実に成長した彼女の魅力は、誰が見ても分かるようになりました。潜在していたもう一つのキャラクターを引き出したのです。

キム・ゴウンも今年の新人女優の中で、断然目立つ女優です。「建築学概論」のナプトゥクことチョ・ジョンソクとともに映画のキャスティング優先順位が1位だという噂もあります。それもそのはず、初の長編映画デビュー作の「ウンギョ」で観客たちは口を揃えて、彼女はウンギョそのものだったと褒めました。年齢も経歴も多くない彼女が、容易ではない感情的な演技をこなしたことに惜しまぬ拍手を送りたいと思います。彼女の前作の短編「ヨンア」も話題を集めましたが、彼女も前作より成長した演技を見せたと言わざるを得ません。

◆監督賞

映画は“監督の芸術”と言います。今年は、新人監督と前作の成功によって注目された監督の作品がたくさん公開されましたが、前作の名声に及ばず、観客たちをがっかりさせた作品を出した中堅監督もいました。しかし、前作を凌駕する新作を出し、さらに注目を集めた監督がいます。受賞者は次のとおりです。

チョン・ジヨン「折れた矢」

チョン・ジェウン「語る建築家」

ジャン=ピエール・ジュネ「ミックマック」


写真=AURA PICTURES
まずは、チョン・ジヨン監督です。今年で65歳。「南部軍」「ホワイト・バッジ」「ハリウッド・キッズの生涯」などで1990年代韓国映画界の人気監督だった彼は、1998年「カ」以降、演出をしませんでした。そして約14年ぶりに復帰した彼の作品は、裁判官に石弓を打った教授の実話を描いた映画「折れた矢」でした。この映画のしっかりとした脚本と演出は、実話の話題性と相まって、観客から大きな反響を得ました。アン・ソンギとムン・ソングンの演技も、非の打ち所がありませんでした。韓国映画ではあまり成功例の多くない裁判映画スタイルを無理なく追求し、この映画の興行により、実際の“石弓事件”も論争を巻き起こしました。何より、長いブランクの末に出した演出作が成功したことは嬉しいことです。彼の成功は、他の中堅監督の復帰にも追い風になるものと見られます。

続いて、「語る建築家」のチョン・ジェウン監督です。チョン監督は「子猫をお願い」という作品で映画界に波乱を巻き起こしました。2001年「子猫をお願い」は、同じ年に公開したクァク・キョンテクの「友へ チング」とともに“同じ映画を何度も見る”という1つのトレンドをリードしました。その後、人権を題材としたオムニバス映画「もし、あなたなら~6つの視線」(2003年)と、キム・ガンウ主演の「台風太陽~君がいた夏~」(2005年)を演出した後は、しばらく新作の知らせがありませんでした。そして7年ぶりに出した作品が「語る建築家」です。「語る建築家」は、ある建築家の人生を通して、人のための建築とは何かを語るドキュメンタリー映画です。チョン・ジェウン監督がドキュメンタリー映画で戻ってきたのが新鮮でもあり、何よりこの映画を見ると、主人公の建築家を慕うようになり、彼の哲学と人生に感動する映画だというのが観客の主な反応です。公開後、上映館も少なく、広報も幅広く行われていなかったにもかかわらず、長期間静かに興行している作品でもあります。

最後に、この賞の唯一の外国人受賞者「ミックマック」(フランスでは2009年公開)のジャン=ピエール・ジュネ監督です。ジュネ監督は、前作の「デリカテッセン」「ロスト・チルドレン」「アメリ」で世界中にたくさんのファンがいます。前作の評価が高かったこともあり、久しぶりの新作でがっかりさせられたら……という不安もありましたが、蓋を開けてみれば、それは杞憂でした。「デリカテッセン」の奇怪な人々は正義感があって愛らしい人々に姿を変えました。また、「ロスト・チルドレン」「アメリ」の“可愛らしさ”“日常を楽しくする想像力”“童話のような暖かさ”などのキーワードを盛り込んでいます。俳優たちの好演とともに、政治的にも弱者同士で力を合わせて強者を打ち破るという正しいメッセージを愉快・爽快・痛快に描きました。彼のこのような驚きの復帰に、監督賞を与えざるを得ません。

◆作品賞

通常の授賞式では、作品賞を一番最後に発表しますが、思い切って真ん中で発表します。
写真=ミョンフィルム
「建築学概論」

そうです。今年上半期最高の興行作は、やはり「建築学概論」でした。この映画に対してはあまりにもたくさんの話題があったので、詳しくは省略させていただきます。興行からみても、観客や評論家の反応からみても、最高の話題作であると言わざるを得ません。一言だけ付け加えますと、この映画にハン・ガインの父とオム・テウンの母がいなかったら、ナプトゥクがどんなに面白くても、ここまで良い反応は得られなかったでしょう。なぜかというと、私たち観客は、みんな両親思いで親孝行な人だからです。本当です。

◆ネットユーザー人気賞

最近公開する映画は、ネットユーザーの間で口コミがあります。面白い映画は大絶賛しますが、面白くない映画は容赦なく非難するのがネットユーザーの特性です。その中でも今年上半期の映画のうち、特に注目を集めた映画がありました。それでは受賞作を発表します。

写真=ブルーミジ
「最強のふたり」

この映画が「ネットユーザー人気賞」を受賞した理由は簡単です。上映されている間、ネットユーザーから大好評を博したためです。私は今までこのような賞賛一辺倒の評価を見た記憶がありません。この映画を非難するネットユーザーを一人も見たことがないといえば、嘘になるでしょうか。しかし、それくらいこの映画に対するネットユーザーの愛情は熱いものでした。おそらくこの映画がここまで人気を得たのは、映画のアイデア自体が暖かかったためでしょう。お金持ちで体が不自由なお年寄りと、貧乏だけど体が健康な若者が、友情を分かち合うという設定で、この社会に置かれている様々な階層の対立や断絶感を払拭する感じを受けます。そんな設定でありながらなぜか愉快で、無理に面白さや感動を与えようとしなかった点がネットユーザーから支持を得た理由でした。

それでは最後に残り3部門の授賞作品を発表します。

◆興行賞「アベンジャーズ」

◆脚本賞「悪いやつら」

◆余韻賞「ウンギョ」


興行賞は、今年上半期最大の観客動員数を記録した「アベンジャーズ」です。脚本賞は「悪いやつら」となりました。興行成功の理由は、俳優たちの好演のおかげですが、それは自信から出たものです。シナリオが読みやすく面白かったので、俳優たちがシナリオを見て自信を持てたのではないかと思います。実際にシナリオを読んでみたら、最初からすらすらと物語に入り込むことができました。「生きてるな」というセリフを始めとして、簡潔なセリフも面白いものでした。

一方、この授賞式でもう一つ重要な部門の1つが「余韻賞」です。余韻賞は、見た後、一番長く余韻が残る映画に与える賞ですが、主演女優賞ぐらい受賞作を決め難かったのです。結局、歳を取っていくことへの深い省察のある映画「ウンギョ」に決まりました。「ウンギョ」で多くの観客が歳を取るにつれて感じる寂しさに共感し、まだ若い自身の姿に感謝の気持ちを感じるようになったという話も聞きました。とにかく、観客動員数やセンセーショナルなマーケティングへの賛否両論とは関係なく、長く記憶に残る秀作です。また、小説の原作をうまく映画に移した良い例にもなりました。(このような賞賛は原作のパク・ボムシン作家がSNSを通して話しています)

そうです。褒めること。この授賞式は褒めるために企画されたものです。褒めると気分が良くなりますから。残りの2012年も褒め合う時間になればと思います。これからもたくさんの映画が公開されますが、一本ずつ見て、良い映画は惜しまなく褒めてあげましょう。以上で「2012年上半期公開映画“勝手に”授賞式」を終わります。
元記事配信日時 : 
記者 : 
ソ・サンフン
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