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僕の妻のすべて

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  • 「第33回青龍映画賞」予想外の受賞に大きな拍手を!

    「第33回青龍映画賞」予想外の受賞に大きな拍手を!

    多くの議論を巻き起こした今年の韓国映画祭。青龍映画賞が俳優、監督、観客の心を慰めた。問題の多かった大鐘賞映画大賞を反省するかのように、納得のできる結果を見せつけた。先月30日午後、ソウル鍾路(チョンノ)区の世宗(セジョン)文化会館で第33回青龍映画賞が開かれた。今年の青龍映画賞は異変の連続で話題になった。わずか1ヶ月前に開かれた第49回大鐘賞映画大賞とは180度違う雰囲気を演出した。 当時、映画「王になった男」(監督:チュ・チャンミン)の15冠で多くの議論を呼び起こした大鐘賞映画大賞を見て思ったことでもあるのか。多くの部門の賞を席巻する映画はどこにもなかった。この日、青龍映画賞の花と呼ばれる最優秀作品賞はキム・ギドク監督の「嘆きのピエタ」が受賞した。監督賞はチョン・ジヨン監督の「折れた矢」が受賞した。「王になった男」が最優秀監督賞、監督賞など主要部門を席巻した大鐘賞映画大賞の結果とはかなり違う結果となったのだ。 16日、青龍映画賞の事務局が発表した候補リストでは「王になった男」「悪いやつら」がそれぞれ10部門、11部門の候補になり、「10人の泥棒たち」が8部門、「折れた矢」「嘆きのピエタ」が3部門の候補となったことで「大鐘賞の悪夢が再現されるではないか」という懸念もあったが、幸いこれ以上の議論はなかった。「王になった男」は残念ながら美術賞の受賞にとどまった。何より、観客数500万人を突破した興行作だけの祭りではなく、様々な作品がもれなく受賞したことで、映画ファンの拍手を受けた。主演女優賞の最も強力な候補者である「嘆きのピエタ」のチョ・ミンスを押し退けて賞を獲得した「僕の妻のすべて」(監督:ヨ・ギュンドン)のイム・スジョンをはじめ、デビュー以来初めて受賞の喜びを感じた「ヨンガシ 変種増殖」(監督:パク・ジョンウ)のムン・ジョンヒ(助演女優賞)、今年映画祭の新人男優賞を独占した「隣人」(監督:キム・フィ)のキム・ソンギュンを抑えて初めて新人男優賞を受賞したチョ・ジョンソクがそうだった。また初めての作品にも関わらず、破格の素材と衝撃的な反転をうまく描いた「共謀者」のキム・ホンソン監督も新人監督賞を受賞した。 予想外の受賞で視聴者の視線を引きつけた青龍映画賞。名物に旨いもの無しと言ったのか。しかし第33回青龍映画賞は映画人の真の祭りとして位置づけられた。受賞作リスト◆ 最優秀作品賞 - 「嘆きのピエタ」 ◆ 監督賞 - 「折れた矢」チョン・ジヨン ◆ 主演男優賞 - 「悪いやつら」チェ・ミンシク ◆ 主演女優賞 - 「僕の妻のすべて」イム・スジョン◆ 助演男優賞 - 「僕の妻のすべて」リュ・スンリョン ◆ 助演女優賞 - 「ヨンガシ 変種増殖」ムン・ジョンヒ ◆ 新人男優賞 - 「建築学概論」チョ・ジョンソク ◆ 新人女優賞 - 「ウンギョ」キム・ゴウン ◆ 新人監督賞 - 「共謀者」キム・ホンソン ◆ 脚本賞 -「悪いやつら」ユン・ジョンビン◆ 撮影賞 - 「ウンギョ」キム・テギョン ◆ 照明賞 - 「ウンギョ」ホ・ウンチョル◆ 音楽賞 - 「悪いやつら」チョ・ヨンウク◆ 美術賞 - 「王になった男」オ・フンソク◆ 技術賞 - 「10人の泥棒たち」ユ・サンソム、チョン・ユンホン◆ 最多観客賞 -「10人の泥棒たち」 ◆ 清浄園(チョンジョンウォン)短編映画賞 -「夜」カン・ウォン ◆ 清浄園(チョンジョンウォン)人気賞 - コン・ヒョジン、キム・スヒョン、ペ・スジ、ハ・ジョンウ

    TVレポート
  • 2012年上半期の韓国映画、観客&興行成績で歴代最高を記録

    2012年上半期の韓国映画、観客&興行成績で歴代最高を記録

    2012年上半期の韓国映画が、観客動員数と興行成績で歴代最高を記録した。3日、映画振興委員会が発表した「2012年上半期の韓国映画産業」によると、2012年上半期に劇場を訪れた観客数は8279万人で、昨年上半期の観客数6842人に比べて21%も上昇したという。特に韓国映画の観客動員数だけを比較してみても、2012年はこれまで韓国映画の観客動員数がもっとも多かった2006年以上に、韓国映画を見た観客が多いことが分かる。成長率の持続的な低下傾向が見られた2000年代の劇場の観客動員数上昇率は、今年上半期に去年の同じ期間に比べて21%の上昇をみせた。このように大幅の成長を見せたことには、2月~3月のオフシーズンを正面突破し、良い興行記録を見せた韓国映画の力が大きかった。上半期の映画全体に占める韓国映画の占有率は、53.4%に上った。今年第1四半期の60.8%に比べるとやや減少したが、昨年上半期の48.0%と比較すれば、50%を超えたことは明るい兆しである。映画振興委員会は、30~40代の観客層と、上半期の映画市場の拡大を主導した韓国映画のおかげで観客動員数と売り上げが増えたと見ている。なぜなら、「悪いやつら」(2位)、「僕の妻のすべて」(3位)、「建築学概論」(4位)、「ダンシング・クィーン」(5位)、「折れた矢」(6位)、「火車」(9位)、「後宮:王の妾」(10位)など、上半期のヒット映画トップ10に入った韓国映画がすべて30代~40代の観客層を狙った映画であるためだ。また、ハリウッド映画「アベンジャーズ」が上半期の最高興行作として選ばれたが、7本の韓国映画が興行成績でトップ10にランクインしたことから、韓国映画が映画産業の成長に大きく貢献したといえる。

    マイデイリー
  • 「僕の妻のすべて」観客動員数440万人を突破“驚きの逆転劇”

    「僕の妻のすべて」観客動員数440万人を突破“驚きの逆転劇”

    映画「僕の妻のすべて」が、驚きの逆転劇を演出した。4日、映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワークの集計の結果によると、「僕の妻のすべて」は3日だけで全国238ヶ所のスクリーンで2万320人の観客を動員し、ボックスオフィス2位を獲得した。今までの2位は、累積観客数250万人を目前にした「後宮の秘密」だ。「僕の妻のすべて」は、5月17日に公開されてからまもなく50日が経とうとしているにもかかわらず、相変わらずボックスオフィスの上位圏を守っており、長期興行を維持している。公開42日である先月28日には、ボックスオフィス1位を記録した。現在累積観客数442万4627人を動員した「僕の妻のすべて」は、468万人の観客を動員した「悪いやつら」に続き、今年公開された韓国映画のうち興行2位に当たる記録を打ち立てた。ボックスオフィス1位は全国984ヶ所のスクリーンで上映、3日に14万9293人の観客を集めた「アメイジング・スパイダーマン」だ。

    マイデイリー
  • 韓国の観客を掴む鍵は…物語の“ドラマ性”

    韓国の観客を掴む鍵は…物語の“ドラマ性”

    韓国でヒットした映画、みんなコレを持っていた!韓国でヒットした映画は、大半がその中に新しいドラマを盛り込んでいた。「友へ チング」での男同士の感情に満ちあふれた友情、「TSUNAMI-ツナミ-」での人と人との関係から発生するドラマ(津波が押し寄せるシーンばかりであったら、この映画はヒットしなかっただろう)、「グエムル-漢江の怪物-」でも「王の男」でも、最近のヒット作「僕の妻のすべて」でも、映画の中の登場人物の人生の物語が観られたのが、韓国の観客には好評のようだ。韓国映画に限った話ではない。ハリウッド映画の中でも、ヒットした映画の場合、キャラクターたちの人生が見る者の共感を呼んでいた。一般的な人の人生ではなかったが、「アバター」には人間に迫害される宇宙人の話があった。「アベンジャーズ」はスーパーヒーローたちの人生を物語り、「トランスフォーマー」では変身ロボットの物語がまるで人の人生のように物語の基軸をしっかり支えていた。ヒット映画に根付く、このような人の物語的な性質、これをドラマ性と命名してみる。その名の通り、ドラマ、つまり観客に共感される、人の匂いがする話を面白く感動的に繰り広げることができたという意味だ。韓国映画は、ハリウッド映画風のスケールだけ追いかけては困る韓国映画の中にはハリウッドの大型映画やスーパーヒーロー物を追随する、韓国版ハリウッド映画を作ろうとする雰囲気がある。新しい作品が出る度に、ハリウッドのヒット作との類似性を取り上げたりもする。今夏公開予定の「リターン・トゥ・ベース」と「10人の泥棒たち」を見てみよう。「リターン・トゥ・ベース」の場合、韓国版ブロックバスターと広報しており、「10人の泥棒たち」は韓国版オーシャンズ11と噂されている。しかし、これは正しい方向性ではない。いくら韓国版という修飾語を付けるとしても、観客に共感される物語が形成されていない状態では、ただハリウッド映画の亜流にしか見えず、韓国版オーシャンズ11という話が出るのも、ハリウッド映画を基準に韓国映画を期待しているという解釈にしかならないためだ。韓国映画は、韓国の観客が見る世界を描くべきだ。どれだけ派手な見どころと膨大なスケールを誇り、スター俳優たちが出演するとしても、その中に本当の人間の物語、つまりドラマ性がない限り、韓国では無視されがちになる。韓国の観客がドラマ性を持つ映画を好むのは、海外の映画が韓国に輸入される時も考慮されているように見える。韓国に公開され、必ずしも数百万の観客が入ってはいなくても、良い評価を受けた海外の映画は、一つ残らずドラマ性を備え持っていた。韓国の観客はドラマ性を求める今年韓国で公開された海外映画を見てみよう。「Barney's Version」は紆余曲折の末に結婚にゴールインしたある男の物語を観客にアピールした。反面、アクションはよかったが特にドラマ性らしきところがなかった「バトルシップ」と「スノーホワイト」は、観客動員数はさて置き、内容への批判は免れなかった。韓国の観客は、新しいドラマ性を感じ取れる映画、ドラマ性に満ちた映画を求めている。「メン・イン・ブラック3」が俳優たちの歳が感じられ悲しかったと言われながらもヒットした理由は、感動的なヒューマンストーリーが結末の部分に存在していたからである。「後宮の秘密」や「ウンギョ」は、露出と濡れ場シーンのみが注目されヒットし、好評価を博したのだろうか。とんでもない話だ。二つの映画に盛り込まれた人物たちの物語と心境を、観客がよく理解できるように仕上げていたので、「後宮の秘密」と「ウンギョ」は好まれたのだ。どの国の映画であれ、今後韓国で映画を公開する場合は、この点を念頭におくといいと思われる。「oh!my star」ではスターはもちろん、バラエティ、ドラマなど、様々な市民記者のレビューや主張を幅広く掲載しています。もちろん、いかなる反論も歓迎します。いつでもノックして下さい。「oh!my star」は市民記者の皆さんの参加をお待ちしています。―編集者コメント

    oh!my star
  • 「僕の妻のすべて」動員数400万突破記念“スペシャルポスター”公開

    「僕の妻のすべて」動員数400万突破記念“スペシャルポスター”公開

    映画「僕の妻のすべて」(監督:ミン・ギュドン)が、観客動員数400万人突破を記念するスペシャルポスターを公開した。先月17日に韓国で公開された映画「僕の妻のすべて」は、28日までで427万4520人の観客を動員した。公開7週目だった27日には、ボックスオフィス(劇場でのチケット販売枚数)1位を再獲得する快挙を達成した。上半期の韓国映画興行2位を達成した「僕の妻のすべて」は、俳優らの一風変わった魅力を感じさせるスペシャルポスターを公開し、再び注目を集めている。公開されたポスターは、イム・スジョンとイ・ソンギュン、リュ・スンリョンの独特な関係が明確なコントラストをなしているとコミカルな内容となっている。また、イ・ソンギュンとリュ・スンリョンの顔にそっと手をつけて誘惑するイム・スジョンは、気難しい妻、ジョンインとはまた違う雰囲気で、妖艶な魅力をアピールしている。特に、日常に疲れたような表情で「どうかこの女と別れさせて下さい」と叫ぶようなイ・ソンギュンの表情と、コミカルながらも伝説の女たらしらしい強烈な目つきのリュ・スンリョンの表情とのコントラストが、見る人の笑いを誘う。「僕の妻のすべて」は、公開初週「アベンジャーズ」を始め、「メン・イン・ブラック3」「プロメテウス」に続き、最近公開した「アメイジング・スパイダーマン」まで、超大作映画が次々と公開される中で、着実に興行を続けている。

    OSEN
  • 2012年、韓国映画 vs ハリウッド映画の戦いはまだまだ続く

    2012年、韓国映画 vs ハリウッド映画の戦いはまだまだ続く

    2011年下半期にトム・クルーズが出演した映画「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」が大ヒットし、韓国映画「マイウェイ 12,000キロの真実」と「パーフェクト・ゲーム」など、期待されていた作品が大ヒットに失敗した一方、2012年頭からは韓国映画が大ヒットを続けた。しかしハリウッド映画「アベンジャーズ」の勢いは凄まじかった。韓国映画の大ヒットは、旧正月の連休に公開された映画「ダンシング・クィーン」と「折れた矢」から始まった。ファン・ジョンミンとオム・ジョンファが主演を務めた映画「ダンシング・クィーン」は、主婦たちの熱い支持を受け、一気に興行成績1位となった。配給会社のCJエンターテインメントは、昨年観客700万人以上を動員した映画「サニー 永遠の仲間たち」の成績を上回ると期待していたが、期待以下の観客400万人を動員した。ありふれたストーリーだったにも関わらず、多くの観客に面白さと感動を与えた作品だった。映画「折れた矢」は、予想を見事にひっくり返した映画である。メディア配給試写会の当時、高く評価された作品だったが、大手配給会社と組めなかったため、この映画は失敗してしまうとの意見が多かった。しかし、公開されて興行成績1位を記録し、観客341万人を動員した。石弓事件をモチーフにした映画「折れた矢」は、これまで大ヒットしてきた映画とは程遠い内容の作品だったが、国民的俳優アン・ソンギと助演俳優の好演と安定したストーリー展開、実話を映画化しただけに緊張感溢れるストーリーで観客から高く評価され始めた。ついに映画は大ヒットし、司法府に非難が集中した。そのおかげで忘れられていた石弓テロ事件は再び世間の注目を集めた。さらに13年ぶりに復帰したチョン・ジヨン監督への関心も高まった。チョン・ジヨン監督は、民主統合党常任顧問だった故キム・グンテを題材にした映画「野蛮な時代」の撮影を最近終えた。「野蛮な時代」も実話を元にした映画である。「折れた矢」が大ヒットした後、映画「悪いやつら」が大ヒットに続いた。チェ・ミンシクとハ・ジョンウの出演だけで期待を集めたこの作品は、R指定映画のブームにさらに火を付けた映画でもある。ハ・ジョンウはこの作品で、誰からも認められる30代の人気俳優となり、「サラインネ(生きていたんだな)」という釜山(プサン)訛りのセリフも流行させた。さらにキム・ソンギュンとクァク・ドウォンなど、名助演俳優は「犯罪の戦争」で存在感を放つことができた。釜山を背景に政治界、司法府そして暴力団の癒着を描いたこの映画は468万人の観客を魅了した。映画「アベンジャーズ」に次ぐ2012年上半期の興行成績2位となった。「折れた矢」の大ヒット後、キム・ミニの好演が話題となった映画「火車」(観客242万人動員)が破竹の勢いで動員を続けた。その後、映画「建築学概論」はまさに大ブレイク作となった。観客410万人を動員し、韓国恋愛映画史上で最大の観客を動員したこの映画は、初恋ブームを巻き起こした。70年代に大学に通っていた観客は、大学時代の思い出をもう一度思い出し、街中には展覧会の「記憶の習作」が流れた。ヒロインのソヨンの子役を演じたスジ(miss A)は、映画「建築学概論」で特に30代の男性の熱い支持を受け初恋の象徴となった。また、ナプトゥクというコミカルなキャラクターを見事に演じたチョ・ジョンソクも一躍スターとなった。映画「建築学概論」の後は、ハリウッド映画「アベンジャーズ」である。長期間海外映画が興行成績のトップを維持することになった「アベンジャーズ」の勢いは凄まじかった。観客705万人を動員し、2012年上半期の最高記録を打ち立て大ヒットとなった。「アベンジャーズ」の次にランクインしたのは再び韓国映画である。ロマンチックコメディ「僕の妻のすべて」は、観客の口コミで1ヶ月以上人気を維持し、6月末である現在も興行成績上位3位にランクインしている。現在、累積観客数421万人である映画「僕の妻のすべて」は、映画「アベンジャーズ」と「悪いやつら」に次ぎ、2012年に公開された大ヒット作ランキング3位となった。このように2012年上半期の韓国映画界は、韓国映画が凄まじい勢いを見せた。それにも関わらず、ハリウッド映画「アベンジャーズ」は依然として強かった。上半期にはまだ多くの映画が公開を控えているため、7月も韓国映画と海外映画との競争は激しいと見られる。6月28日には「アメイジング・スパイダーマン」が公開された。続いて7月5日にキム・ミョンミンが主演を務めたパニック映画「ヨンガシ 変種増殖」が、19日には「ダークナイト ライジング」が公開され、日には「10人の泥棒たち」が公開される。7月も韓国映画は大ヒットを続けられるのか、それとも「アベンジャーズ」を超える海外作品と競争することになるのか。韓国映画業界に対して高い関心が集まっている。

    マイデイリー
  • 2012年上半期公開映画“勝手に”授賞式

    2012年上半期公開映画“勝手に”授賞式

    2012年も、早いもので上半期の最後の月となりました。今年はいつにも増して公開された映画が多かったのですが、ここで過去6ヶ月間に公開された映画のうち、話題作を振り返る企画を設けました。名付けて「2012年上半期公開映画勝手に授賞式」。この授賞式はスピーディーです。候補作なしにすぐ受賞作を発表します。それでは、授賞式を始めます。(受賞作は2012年1~6月の間、劇場で公開し、6月6日現在までに公開された、または公開中の映画を基準にしました)「2012年上半期公開映画勝手に授賞式」◆主演女優賞今年、女優たちの活躍は実に目覚しいものでした。数多くの女優たちが素敵な演技を披露しましたが、悩んだ末、そのうち2人の受賞者に絞りました。受賞者は以下の通りです。イム・スジョン「僕の妻のすべて」キム・ゴウン「ウンギョ」2人の女優には共通点があります。前作よりも発展的に変化した点です。イム・スジョンは、もはや神秘的な魅力を持つ少女のような女優ではありません。「僕の妻のすべて」で確実に成長した彼女の魅力は、誰が見ても分かるようになりました。潜在していたもう一つのキャラクターを引き出したのです。キム・ゴウンも今年の新人女優の中で、断然目立つ女優です。「建築学概論」のナプトゥクことチョ・ジョンソクとともに映画のキャスティング優先順位が1位だという噂もあります。それもそのはず、初の長編映画デビュー作の「ウンギョ」で観客たちは口を揃えて、彼女はウンギョそのものだったと褒めました。年齢も経歴も多くない彼女が、容易ではない感情的な演技をこなしたことに惜しまぬ拍手を送りたいと思います。彼女の前作の短編「ヨンア」も話題を集めましたが、彼女も前作より成長した演技を見せたと言わざるを得ません。◆監督賞映画は監督の芸術と言います。今年は、新人監督と前作の成功によって注目された監督の作品がたくさん公開されましたが、前作の名声に及ばず、観客たちをがっかりさせた作品を出した中堅監督もいました。しかし、前作を凌駕する新作を出し、さらに注目を集めた監督がいます。受賞者は次のとおりです。チョン・ジヨン「折れた矢」チョン・ジェウン「語る建築家」ジャン=ピエール・ジュネ「ミックマック」まずは、チョン・ジヨン監督です。今年で65歳。「南部軍」「ホワイト・バッジ」「ハリウッド・キッズの生涯」などで1990年代韓国映画界の人気監督だった彼は、1998年「カ」以降、演出をしませんでした。そして約14年ぶりに復帰した彼の作品は、裁判官に石弓を打った教授の実話を描いた映画「折れた矢」でした。この映画のしっかりとした脚本と演出は、実話の話題性と相まって、観客から大きな反響を得ました。アン・ソンギとムン・ソングンの演技も、非の打ち所がありませんでした。韓国映画ではあまり成功例の多くない裁判映画スタイルを無理なく追求し、この映画の興行により、実際の石弓事件も論争を巻き起こしました。何より、長いブランクの末に出した演出作が成功したことは嬉しいことです。彼の成功は、他の中堅監督の復帰にも追い風になるものと見られます。続いて、「語る建築家」のチョン・ジェウン監督です。チョン監督は「子猫をお願い」という作品で映画界に波乱を巻き起こしました。2001年「子猫をお願い」は、同じ年に公開したクァク・キョンテクの「友へ チング」とともに同じ映画を何度も見るという1つのトレンドをリードしました。その後、人権を題材としたオムニバス映画「もし、あなたなら~6つの視線」(2003年)と、キム・ガンウ主演の「台風太陽~君がいた夏~」(2005年)を演出した後は、しばらく新作の知らせがありませんでした。そして7年ぶりに出した作品が「語る建築家」です。「語る建築家」は、ある建築家の人生を通して、人のための建築とは何かを語るドキュメンタリー映画です。チョン・ジェウン監督がドキュメンタリー映画で戻ってきたのが新鮮でもあり、何よりこの映画を見ると、主人公の建築家を慕うようになり、彼の哲学と人生に感動する映画だというのが観客の主な反応です。公開後、上映館も少なく、広報も幅広く行われていなかったにもかかわらず、長期間静かに興行している作品でもあります。最後に、この賞の唯一の外国人受賞者「ミックマック」(フランスでは2009年公開)のジャン=ピエール・ジュネ監督です。ジュネ監督は、前作の「デリカテッセン」「ロスト・チルドレン」「アメリ」で世界中にたくさんのファンがいます。前作の評価が高かったこともあり、久しぶりの新作でがっかりさせられたらという不安もありましたが、蓋を開けてみれば、それは杞憂でした。「デリカテッセン」の奇怪な人々は正義感があって愛らしい人々に姿を変えました。また、「ロスト・チルドレン」「アメリ」の可愛らしさ日常を楽しくする想像力童話のような暖かさなどのキーワードを盛り込んでいます。俳優たちの好演とともに、政治的にも弱者同士で力を合わせて強者を打ち破るという正しいメッセージを愉快・爽快・痛快に描きました。彼のこのような驚きの復帰に、監督賞を与えざるを得ません。◆作品賞通常の授賞式では、作品賞を一番最後に発表しますが、思い切って真ん中で発表します。「建築学概論」そうです。今年上半期最高の興行作は、やはり「建築学概論」でした。この映画に対してはあまりにもたくさんの話題があったので、詳しくは省略させていただきます。興行からみても、観客や評論家の反応からみても、最高の話題作であると言わざるを得ません。一言だけ付け加えますと、この映画にハン・ガインの父とオム・テウンの母がいなかったら、ナプトゥクがどんなに面白くても、ここまで良い反応は得られなかったでしょう。なぜかというと、私たち観客は、みんな両親思いで親孝行な人だからです。本当です。◆ネットユーザー人気賞最近公開する映画は、ネットユーザーの間で口コミがあります。面白い映画は大絶賛しますが、面白くない映画は容赦なく非難するのがネットユーザーの特性です。その中でも今年上半期の映画のうち、特に注目を集めた映画がありました。それでは受賞作を発表します。「最強のふたり」この映画が「ネットユーザー人気賞」を受賞した理由は簡単です。上映されている間、ネットユーザーから大好評を博したためです。私は今までこのような賞賛一辺倒の評価を見た記憶がありません。この映画を非難するネットユーザーを一人も見たことがないといえば、嘘になるでしょうか。しかし、それくらいこの映画に対するネットユーザーの愛情は熱いものでした。おそらくこの映画がここまで人気を得たのは、映画のアイデア自体が暖かかったためでしょう。お金持ちで体が不自由なお年寄りと、貧乏だけど体が健康な若者が、友情を分かち合うという設定で、この社会に置かれている様々な階層の対立や断絶感を払拭する感じを受けます。そんな設定でありながらなぜか愉快で、無理に面白さや感動を与えようとしなかった点がネットユーザーから支持を得た理由でした。それでは最後に残り3部門の授賞作品を発表します。◆興行賞「アベンジャーズ」◆脚本賞「悪いやつら」◆余韻賞「ウンギョ」興行賞は、今年上半期最大の観客動員数を記録した「アベンジャーズ」です。脚本賞は「悪いやつら」となりました。興行成功の理由は、俳優たちの好演のおかげですが、それは自信から出たものです。シナリオが読みやすく面白かったので、俳優たちがシナリオを見て自信を持てたのではないかと思います。実際にシナリオを読んでみたら、最初からすらすらと物語に入り込むことができました。「生きてるな」というセリフを始めとして、簡潔なセリフも面白いものでした。一方、この授賞式でもう一つ重要な部門の1つが「余韻賞」です。余韻賞は、見た後、一番長く余韻が残る映画に与える賞ですが、主演女優賞ぐらい受賞作を決め難かったのです。結局、歳を取っていくことへの深い省察のある映画「ウンギョ」に決まりました。「ウンギョ」で多くの観客が歳を取るにつれて感じる寂しさに共感し、まだ若い自身の姿に感謝の気持ちを感じるようになったという話も聞きました。とにかく、観客動員数やセンセーショナルなマーケティングへの賛否両論とは関係なく、長く記憶に残る秀作です。また、小説の原作をうまく映画に移した良い例にもなりました。(このような賞賛は原作のパク・ボムシン作家がSNSを通して話しています)そうです。褒めること。この授賞式は褒めるために企画されたものです。褒めると気分が良くなりますから。残りの2012年も褒め合う時間になればと思います。これからもたくさんの映画が公開されますが、一本ずつ見て、良い映画は惜しまなく褒めてあげましょう。以上で「2012年上半期公開映画勝手に授賞式」を終わります。

    oh!my star
  • 「建築学概論」「僕の妻のすべて」恋愛映画は女性の心を掴むだけではヒットしない?

    「建築学概論」「僕の妻のすべて」恋愛映画は女性の心を掴むだけではヒットしない?

    女性客を主なターゲットとする恋愛映画とロマンチックコメディが、今や男性客の心まで奪い始めている。結果は大成功。映画「建築学概論」と「僕の妻のすべて」がその例である。「建築学概論」は、観客動員数410万人を突破し、韓国で公開された恋愛映画の中で最高記録を更新した。「僕の妻のすべて」は、今も興行ランキング上位圏に入っており、13日には350万人を超えると予想されている。この二作品の共通点は、女性客だけに限られていた恋愛映画とラブコメディというジャンルを越え、男性客も引き込むことができたという点だ。「建築学概論」は、女性客より男性客からさらに高い支持を得た。女性客がイ・ジェフンに熱狂した以上に、男性客はmiss Aのスジにハマった。映画の副作用といえば、この映画を見にきたカップルの喧嘩が多かったということだろう。それぐらい男性客の関心が高い映画だった。「僕の妻のすべて」も同様である。20代の女性をターゲットとする他のラブコメディと異なり、この映画は結婚している30代の男女を主なターゲットに設定した。映画の中の主人公も結婚して7年目になった夫婦である。離婚したいくらい妻が嫌になった夫の目線から繰り広げられるエピソードを描いた作品だ。それだけに、男性客の高い共感を得た。男性客を引き込み、大ヒットをしたこの二作品のもう一つの共通点は、甘い愛をただ美しく描かなかった点である。「建築学概論」は、淡く美しい記憶として残っている初恋を甘さ抜きで作った。また、初恋の女性が酔っ払って江南(カンナム)に住む男の先輩の部屋に入る様子を目撃するも、何もできずに背を向けてしまう男性主人公の姿は、誰もが一回ぐらい経験したはずの恋の寂しい断面の一つである。「僕の妻のすべて」はどうだろうか。結婚して7年目になった妻は、おならをしたり、下着も平然と脱いだりする。ようやく妻から離れて地方へ脱出したと思ったが、追いかけてきて台所で刃物を握って料理をしている姿はぞっとさせる。ただ愛のために命まで捨てた純情な主人公はもうどこにもいない。その代わりに不愉快でうんざりする男女主人公が登場し始めた。結局、観客はピンク色のドラマチックな恋愛より、リアリティのある平凡な愛のエピソードにより共感をしたわけだ。「僕の妻のすべて」のミン・ギュドン監督は、「実は、仲が悪くなった夫婦が関係をやり直すために努力するという話は、新しい話ではなく、むしろありふれた話である。彼らが苦しみの中から得られる結論を、観客の期待する範囲内にありながらも、期待していないところをどのように話すことができるかが、この映画の出発点だった」と明らかにした。続けて「この映画を見て恋したいという人が多い。意図はしなかったが、結果的にファンタジーを強化してしまった。結婚と愛に対するファンタジーを破ろうとしたのに。人々は、愛がバラ色だけではないということ、難しいことという事実をどれくらいよく知っているかが理解した。それにも関わらず、愛をしたがったり、誘惑したり、誘惑されたい感情を、誰もが持っているようだ」と伝えた。

    マイデイリー
  • 「僕の妻のすべて」400万人突破&北米公開の“快挙”

    「僕の妻のすべて」400万人突破&北米公開の“快挙”

    映画「僕の妻のすべて」が、21日までに396万4861人の観客を動員し、公開から37日になる22日には400万人突破が確実となっている。そんな中、同映画はアメリカのロサンゼルスとシカゴ、ニュージャージー、カナダのトロントとバンクーバーで公開される。制作会社の関係者は、22日午後「『僕の妻のすべて』は、国境や文化を超えて共感を得られるストーリーで、海外でも良い反応を得て今日(22日)北米でも公開されることになった」と伝えた。また「僕の妻のすべて」は、ニューヨーク・アジアンフィルム・フェスティバルの招待で、7月5日のニューヨーク・リンカーンセンターでインターナショナル・プレミアとして上映される予定だ。ニューヨーク・アジアンフィルム・フェスティバルは、作品選定の締め切りが過ぎたにも関わらず、異例に「僕の妻のすべて」を招待し、映画への熱い関心を示したという。「僕の妻のすべて」は、10月に開かれるハワイ国際映画祭にも招待される快挙を達成した。ハワイ国際映画祭は、毎年80,000人以上の観客を集める国際的な映画祭だ。韓国観客400万突破とともに北米地域での上映や、国際映画祭への招待まで高い注目を集めている「僕の妻のすべて」は、公開から5週が過ぎたにも関わらず、興行成績上位圏を守る底力を見せている。今回の記録は、公開から47日で400万人を突破した「7級公務員」より10日も早い記録で、公開から53日で400万人を越えた「建築学概論」よりも16日早い。歴代ラブコメディの新しい記録を更新している「僕の妻のすべて」が、初恋シンドロームを呼び起こしながら恋愛映画史上最高の記録を達成した「建築学概論」の記録を越えられるのかが注目される。「僕の妻のすべて」は、結婚7年目になって愛への幻想は崩れ落ち、見えるのは短所だらけの妻ジョンイン(イム・スジョン)から離れるために必死な男ドゥヒョン(イ・ソンギュン)の話を面白く描き出すラブコメディだ。

    OSEN
  • 「僕の妻のすべて」ミン・ギュドン監督“映画が一本できることは奇跡だと思う”

    「僕の妻のすべて」ミン・ギュドン監督“映画が一本できることは奇跡だと思う”

    話の始まりは、イム・スジョンの下衣失踪(下に何も履いていないように見える姿)ファッションだった。神秘さと清楚さ、それに高品位なイメージまで持ち合わせている女優を、ミン・ギュドン監督は大胆にも地上に引きずり降ろした。それが、不時着でなく、スムーズなソフトランディングで成功した。これまでイム・スジョンに見られなかった、彼女の年頃の感性を見出すことができたのだ。確かに「僕の妻のすべて」でイム・スジョンは、演技の幅がさらに広まった。ミン・ギュドン監督が映画の序盤にそれほど衣装に固執したのも、イム・スジョンの従来のイメージに新しさを加えるためのプロセスだったのだ。ミン・ギュドン監督のイム・スジョンへの片思いは、彼が制作を担当した「あなたの初恋探します」の遥か昔の、映画「箪笥」にまで遡る。当時カメラワークを通じて発見したイム・スジョンの魅力に、ミン・ギュドン監督は溺れてしまったという。「僕の妻のすべて」ではこのようなイム・スジョンを全力で撮るために、2.35:1の広角レンズを使って脚を長く映したという。「シャルロット・ゲンズブールをモデルにしました。知的ながらも冷笑的で、スマートな女性。そのような雰囲気を出すために、衣装を全部は着ないのはどうかと話したんです。イム・スジョンはただ脱いだのではなく、本当のヨン・ジョンインになって撮影現場を歩きまわりました。下着にTシャツ1枚をまとって歩きまわったんです。初めは人々がそんなイム・スジョンの姿を受け入れられませんでした。彼らの認識に、イム・スジョンに対する枠が明確にあったんです。その枠が崩れると、スタッフたちもイム・スジョンのそんな姿に称賛を贈りました。イム・スジョンさんも現場で殻を破ったんです。意味的に、物理的に。ヨン・ジョンインになろうとせず、その人物がイム・スジョンに入るようにしようと言いました。キャラクターをイム・スジョン化させる。矢印の方向を逆にしたんです」イム・スジョンの露出?それ自体が目的ではなかった話題になっていたイム・スジョンの露出と代役についての部分も、ミン・ギュドン監督の考えは明白だった。企画段階から該当シーンに徹底していたのだ。「露出については徹底して計画に従いました。本人がやらなければならないこと、準備しなければならないことはやらせて、その他の部分は演出しました。イム・スジョンさん本人はもっと露出する気もあるようでしたが、映画は15歳観覧可の水準に合わせて何かを見せようという目的だったんです。(露出で)刺激を与えるのが目的ではありませんでした。自然な既婚者の日常を見せたかったんです。イム・スジョンさんが実際にきっちり着こまないで現場を歩きまわる姿に、マネージャーたちはそこまで監督のことを信じてもいいかと心配するほどでした。それだけ、彼女の変身ぶりに親しい人も驚いたみたいです」ミン・ギュドン監督の言葉で、今回の映画でイム・スジョンが演じたキャラクターの性格をさらに明白に理解できる気がした。俳優の態度の面を見ても、イム・スジョンもやはり現場で監督を信じてついていく方だったという。「イム・スジョンさんが作るキャラクターに共感して映画を撮りました。彼女を見ていると、寂しさがなくなるような気がしました。映画を作る度に『また誰か僕のことを思い出してくれるだろうか。観客が僕の話を聞いてくれるだろうか』と悩んで質問を投げます。そのような質問の中で自信を出そうと頑張ったりもしますし。僕自身の勝手な哲学に加えて、何か新しいものを探そうと頑張った痕跡が、今回の映画に盛り込まれていると思います。僕の映画人生の、一つのチャプターのように」イム・スジョンを通して見た、自分自身「ジレンマを抱えていた」ミン・ギュドン監督は、世の中への好奇心に満ちているイム・スジョンの姿を女子大生に例えながら「羨ましさを感じた」と告白でない告白をもした。最近ギターを学ぶ味を会得しているイム・スジョンを自身と比べながら。「僕の場合、次第に好奇心が消えていますね。人生の秘密について多くのことを知ってしまったからかも知れません。ギターも20年近く弾きましたし、絵も好きだったんですが聞いてくれる人がいなかったからかな(笑) 最近は本質的な質問を投げています。生きるとは何か、などの。映画をやりながら多くのものを失いました。他の監督はどうか知りませんが、映画一つを作るためには僕の全ての日常を猶予しなければならない、ジレンマに落ちています。日常の全ての瞬間を集中して注がないと、ことが進まないんです。友達にも会わず、音楽も聞かずですね。音楽と美術、人生が豊かに映画に盛り込まれなければいけませんが、いざそれを作る人はそういう生活ができないジレンマとでもいいましょうか」しばらくイム・スジョンの絶賛に浸っていた中で出たこのような彼の話に、雰囲気は真剣になった。そのようにもなったはずだ。大学時代にはカフェで流れる音楽に合わせてギターを演奏できるほどの実力の持ち主で、美術にも人並み以上の関心を持っていた彼だったからだ。映画に対する結果が観客の手に渡された今となって初めて、ミン・ギュドン監督は日常を戻そうとあえいでいるという。尋ねると、最近はその一環として水泳をしているそうだ。「沈黙をそのままにしておかず、何かを話し続けなければならないの!」ミン・ギュドン監督は「僕の妻のすべて」の台詞の一部を挙げた。映画が日常に食い込むことに伴う喪失感を減らすためにも、彼はできる限り力を抜いて作品を作ろうと務めるという。時にはあまりにも完璧な準備が、却って何かのスタートを遮る、妨害要素になり得ることはないだろうか。ミン・ギュドン監督は、次第に映画を大雑把に作らなければならないという言葉に共感しているようだった。「僕は運命と偶然を信じます。そうでなくては到底作れないのが映画ですから。僕もそうですし、僕の多くの監督友達を見ると、決まった期限までにシナリオを書かなければ映画にすることができませんし、そのためにはまた毎回何かプロセスを経なければなりません。ただ考えるだけで1年、2年が経つこともあります。人生を生きている足跡はあるのに、いざ映画は作れない人生も多いです。それで、映画が一本作れたなら、僕はそれを奇跡だと思います。そうでなくては作ることができないんです。考えてみると、映画を作るのは、日常を通じて人生に接しようと頑張ることのような気がします」ミン・ギュドン監督の言葉にあまりにも厳粛になる必要はなさそうだ。映画人の苦境と悩みを理解してから、さらに頑張ってみたらどうだろうか。思ったより奇跡は近くに潜んでいるかも知れないから。

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  • リュ・スンリョン「今までしてきたことは自分から見ても褒めてやりたい」

    リュ・スンリョン「今までしてきたことは自分から見ても褒めてやりたい」

    リュ・スンリョンと初めて会ったのは2年前。彼は映画「テンジャン」を終え、MBC「個人の趣向」のチェ館長を演じたことで関心を集めていた。作品の完成度や視聴率など、あらゆる面で肯定的な評価がされにくかったドラマのリリーフピッチャーとなったのは、誰も予想だにしなかったチェ館長だった。典型的なキャラクターを、正反対の地点で引き上げたリュ・スンリョンの力は、その後「待ってました」とばかりに爆発をし始めた。「平壌城 Battlefield Heroes」「高地戦」「子供たち」での彼のように、善と悪、主演と助演のような単純な二分法から離れ、鋭く人々の視線の中へと入り込んで来た彼は、2011年に745万人の観客を動員した「神弓 KAMIYUMI」(以下「神弓」)を通し、俳優としてこれまでと違った段階へと踏み込んだ。だからこそ、「僕の妻のすべて」(以下「僕の妻」)でイム・スジョンやイ・ソンギュンとともに作り出したラブコメへの好奇心が生じる。より大規模で、より自身の力となるようなプロジェクトへと移行できた時に彼が選んだのは、ジョンイン(イム・スジョン)とドゥヒョン(イ・ソンギュン)が中心の作品で、彼の演じた伝説的なプレイボーイ・ソンギは今まで経験したことのないファンタジーのような人物だった。そのためリュ・スンリョンに、この時点での俳優としての計画や野望について聞いてみた。そして、質問より一層堅い答えを聞くことができた。―「僕の妻」のプレイボーイ、ソンギの設定には驚かされました。様々な国籍の女性たちが命を賭けるほどの魔性の男。スペイン語やフランス語、アフリカの言葉まで堪能で、しかも芸術的な才能にも優れている。おまけにすごいお金持ち。ここまでくると現実ではあり得ない人物ではないでしょうか。リュ・スンリョン:ソンギの突飛なところ、予測不可能なアクシデントというか斬新なアイデアと言うか、まあ、そんなところや少々繊細な部分、クサイ部分、いろいろと空回りするところなどを自分の中からあれこれと引き出してみました。雨に濡れていて、可哀想だし可愛いけど、触りたくはないワンちゃんのような感じかな?(笑) 今までお見せしたことのない姿ですね。でも大学の友人など、僕を知る人からは「完璧にオマエ自身だ」って言われました。僕の中にあるものから、何を抑え、何を最大化するのか、それを決めるのが一番難しくて悩んだところです。本来、人間っていろんな姿をしていて、自分の中にいろんな自分が存在するから。普通、それを切り捨てたり、退化させながら生きて行くものだけど、自分の中にある記憶や習性を、催眠術をかけたように引き出して、それを効率的に最大化させる作業こそが演技だと思うんです。「誰もソンギに好感をもたないのではないかと心配した」―そうした演技をするためには、俳優はあらかじめ自分にどのような姿があるのかを知っておく必要がありそうです。ですが、ほとんどの場合、自分も知らなかった姿をまわりの反応や指摘によって知ったりするなど、自分について意外とよく知らない場合が多いと思います。リュ・スンリョン:もちろんそうした場合が多いでしょう。僕自身を見ても、この歳(40歳)になるまで様々な経験を積んできたとはいえ、それは氷山の一角だと思うんです。「すべてを僕の経験から出発させる」などと言っては傲慢になるでしょう。数々の観察、間接的な経験、もしくは旅行や本から習得したもののおかげでもあるんです。だから僕の中にないもの、僕が知らなかった部分を引き出してくれる監督たちがありがたいわけです。―伝説的なプレイボーイという設定のソンギは、現実の間接経験だけで表現するには限界があるファンタジーのような人物です。ジョンインとドゥヒョンの不和を解決してくれる一種のキューピッドのような役ですが。リュ・スンリョン:イ・ソンギュンが演じた人物のように、どこかで見たことのありそうな普段の生活を表現するキャラクターではないから、余計にそう感じるようです。僕が演じた「神弓」のジュシンタや「高地戦」での役もそうですが、これまで現実では少々典型的な感じのする人物を演じてきたと思います。しかし、ソンギの場合はユニークでコミカルな人物です。だからオーバーアクションやミュージカルっぽいところ、昔のシン・ソンイル(1960年代の代表的な二枚目俳優)さんを連想させる部分がいいだろうと考えました。この人物は現実的な人物ではありませんから、そうした身振りで観客との間に距離を置きました。それが功を奏したようです。実を言うとイ・ソンギュンと一緒に演じたシーンで、大きな魚を食べるところなどは、好感をもたれなくなるのではないかと心配しました。ですが、ファンタージーのような人物だという設定のおかげで共感を引き出すことが出来たようです。―そうしたオーバーアクションを避けている俳優だと思っていましたから、「僕の妻」がより意外に感じられました。「個人の趣向」のチェ館長も、それまでテレビで描かれていた典型的なゲイとはまったく違う、自然な雰囲気を持った人物として表現されていましたし。リュ・スンリョン:実際、オーバーアクションは完全に、徹底して禁止しています。ただ今回は、ミン・ギュドン監督とたくさん話し合いを重ねましたし、この役にはそれが必要だという合意がなされていました。プレイボーイをリアルに演じ過ぎていたら、すごく真剣で重くなったことでしょう。この映画の換気扇がなくなります。ソンギはドゥヒョンとジョンインの間で触媒となるべきであり、不安要素になってはいけないと考えたんです。「ソンギはジョンインをどうやって口説くんだろう?」と観客が楽しむことが必要で、ハラハラさせちゃダメなんですよ。そうした面ではオーバーアクションが効果的だったと思います。―ソンギという、可愛いくて守ってあげたいような魔性のキャラクターと出会うまで、プレイボーイと呼ばれる男性についてどう思っていましたか?リュ・スンリョン:そうですね、そういう人たちは何と言うか、気が(陰陽道の)陰というか、館で活動する人と言うか、国賓館とか(笑) でも、ソンギは全然違いますよね。すごく多才で甲斐性もあるし、自己管理にも優れています。外国語や様々な文化の礼儀作法まで専門的に詳しいくらいだから、当然頭もいいです。社交性もあって、同性や老若男女、子供まで相手かまわず、いつまでも遊べる人で、だから結局はドゥヒョンとも友達のようになってしまいます。ジョンインとのことをカウンセリングしてやったり。どんな関係をも友情へと変えることができる人だと思うんです。でも、そういう人ってまわりにいないんですけどね(笑)―ソンギは外国語やコーヒー、音楽、美術など様々な面で優れています。でも、ジョンインがソンギに惹かれたのはそうした口説きの技術よりも、自分の話に耳を傾けてくれたからだと思います。結局男性が女性へとアピールするのはそうした小さいことだという意味でしょうか。リュ・スンリョン:それは誤解です。彼の素養を無視することは出来ません。しかも後から分かるのですが、ソンギはお金持ちでもあります。そうしたものがひとつもなくて、ただ単に聞き上手なだけではウザくて怖いだけ(笑) 男には甲斐性が必要です。中身があってこそ、自分の話を聞いてくれることにも好感が持てるのであり、頭が空っぽで性格は変、人格的にも問題ありなヤツがそんなことしても警戒されて怖がられるだけ。これは、確かですよ。僕のような顔のヤツがそうしてるなんて、怖いしウザいだけ(笑)「ジョンインとドゥヒョンの問題はコミュニケーション不足」―ではソンギは、ご本人の考える素敵な男性像と近いのでしょうか。リュ・スンリョン:僕はそうだと思ってソンギという役にアプローチしました。素敵な男性とは甲斐性も必要だけど、ユーモアもあり、可愛い面もあるべきです。僕的には、牛乳を取ろうとしてジョンインに押されてしまう、どこか足りない姿がいいと思いました。基本的なことですが、女性に母性本能や憐憫(れんびん)を感じさせることも必要です。小汚いワンちゃんのように可哀想に見えながらもカリスマがあり、簡単に近づくのをためらってしまう何かがあるような。そんなソンギが好きでした。いい加減には見えないし。―ソンギというキャラクターを演じるため、女性を口説く方法などが書かれた本をたくさん読んだと聞きましたが、過去の自分を振り返ってみて、自分のどういった面が女性にアピールできていたと思いますか?リュ・スンリョン:よく話を聞いて、褒めて、心を込めて話してあげたこと、それが一番だと思います。かゆい所をかいてあげるような。それと相手が寂しがっているときや必要とするときにはいつでもそばに行ってあげること。男ってそれができないんですよね。女性が必要とするときに自分が疲れていたりすると彼女のそばに行ってやらない。だけどそう言うときこそ、ともかく行くべきなんです。女性って必ず試練を与えますからね。しかも厳しい試練を(笑)―俳優としてではなく、結婚生活9年目を迎える男として、夫婦の問題を扱った「僕の妻」のシナリオを読み、いろいろと考えたのではありませんか?リュ・スンリョン:ジョンインとドゥヒョンの問題はコミュニケーション不足です。会話する方法の間違いと隔たり、それが一番の問題です。誰が見てもジョンインは正しいことだけ言っているし、誰が見てもドゥヒョンは正常な人間です。二人とも共感を引き出しやすい人物なんです。「あのね、私、近頃何かやりたいんだけど、何かすごく寂しい気がする」というような話さえしていればあそこまでいかなかったのではないでしょうか。それをソンギは一発で、「まずはジョンインに仕事をさせろ」とドゥヒョンに言う。ずばり解決策を与えたわけです。それと同時に、ジョンインは、彼女が内面で欲していた自分を探すと言う作業をソンギを通してすることになるんです。―結婚生活という面の先輩として実質的なアドバイスをするとしたら?リュ・スンリョン:映画でジョンインとドゥヒョンはケンカして飛び出したりしていますが、ケンカをしたらその怒りを一日以上引きずってはいけません。その日の内に解決して寝るべきです。僕の場合は、毎日あったことをお互いにすべて話すということをしています。すごく大変だった話などはしませんが、妻に今日は何があったのかを尋ねますし、自分も話します。だから、顔は知らなくても妻が付き合っているご近所さんの名前は知っていますよ(笑) 妻だってイ・ソンギュンはどうでイム・スジョンはどうか、現場はどうなっているかなどをすべて知っています。多分実際に会ったらすごく親しげな感じがするんじゃないでしょうか。そうした会話を通して共通することに関心を持ち、お互いの日常が親しく感じられること。それが大事だと思います。それに、風邪を引いたような、熱病のような愛とか、会いたくてたまらず家の前で待っていたとか、別れるのがイヤなんていう状態は、半年から1年もすれば終わります。その後でお互いを信頼し、同じ方向を向いて生きること、同じ考えを持つことなどが重要なんです。そうした変化を自然なものとして受け入れるべきで、一緒にショッピングに行ったり、旅行に行ったり、誰かの噂話をしたりと共通の関心事を維持するべきです。―今のように終わった映画作品のキャラクターについてお話しするのはどうですか? 現在は「朝鮮の王」「7番房の奇跡」という作品を準備していると聞いています。すでに自分の周波数は別の人物に合わせているのに、こうして過ぎてしまった人物について話すのが俳優にとっては大変かも知れませんが。リュ・スンリョン:今まで多くの作品に関わってきましたから、それについては十分トレーニングされています(笑) 感情の分別収集と言うか、仕事の分別収集も重要です。今日することが他のものと混ざらないようにすること。勉強が上手くなるためには整理整頓が大事だって言うでしょ? 服が200着あるなら、100着を捨てたときに着る服は増えるって言いますし。整理の美学です。ともかく今日は「僕の妻」だけ。明日は「7番房の奇跡」の監督とシーン・バイ・シーンで、とにかく他はなし。その次の日は「僕の妻」のステージあいさつ。その次は「朝鮮の王」の撮影。そうやって分別収集する方法を上手く確立したみたいです。いくらすごくいいものがあっても、生ゴミと混ざってしまったら捨てるしかないですよね。それに、ゴミは溜めずにそのつど捨てること。そうしないと腐ってしまいますから。「今までしてきたことは自分から見ても褒めてやりたい」―分別収集の別の地点に触れるとして、「朝鮮の王」のホ・ギュンはどんな人物でしょうか。すでに撮影が80%ほど進んだと聞きましたが、私たちの知るホ・ギュンは「洪吉童伝(ホン・ギルドン伝)」(朝鮮時代の小説)の作者だというくらいです。リュ・スンリョン:国を憂う忠臣です。古書や資料を調べてみたんです。そしたら、実際にホ・ギュンは食いしん坊で、耳の痛いことをよく言う、現実への不満タラタラな人物だったといいます。当時の現実とは相容れない人だったわけです。だから、「ホ・ギュンと言う人物なら、そういうのもあり得るかな」ということで、賤民を王に立てることができたんです。ホ・ギュンは知的に優れていた一方で、威厳がありユーモラスな人物だったようです。―「7番房の奇跡」では知的障害を持つ父親として登場します。演技というテクニックの面では大きなチャレンジになりそうですが。リュ・スンリョン:だから心配です。知的障害にもいろいろな症状がありますし、今回はモデルとなった人にも会いました。しかし、設定では「7歳程度の知的能力を持っている」となっているのですが、彼には到底駆使できない言葉で情報を伝えなくてはいけなくて。語彙のレベルが高いんです。その単語を使うと嘘っぽくなるし、使わないと映画が不十分なものになるので、結構悩んでいます。演技をしていて最も大変な瞬間になりそうです。でも、「僕の妻」でのソンギ役の典型性を打ち破ろうとしたように、今回も従来のような型にはまった知的障がい者の演技はしないと思います。彼らや彼らの両親に二度も石を投げたくありませんから。彼らの本音を描きたいと思っています。―今の時点で、俳優としてのリュ・スンリョンはどんな方向性を持っているのでしょうか。俳優としてすでに一つ二つのターニングポイントを過ぎていますし、「神弓」では興行成績の面でも成功し、多くの作品に出演していることから消耗するような感じも受けていそうですが。リュ・スンリョン:前は一度に3作品へとエネルギーをつぎ込んでいましたが、今は一つ一つ、より慎重に作品へと臨んでいます。それで確かに変わったみたいです。計画などはなく、作品ごとに最善を尽くしているだけです。もちろん自分を消耗しているのではないかと言う心配はありました。1年に4作品くらい撮ってましたから。あるキャラクターをしてしまうと、後で同じ役をするのが難しくなるんです。限界があると言うか、韓国で男性俳優にできる役というと、刑事か検事、もしくは北朝鮮の人か韓国の人、または暴力団員です。でも僕はすでにそれらをほとんどやってますから。そうした面では心配をしました。でも、今はまた刑事をやっても暴力団員をやっても、そのキャラクターを掘り下げていけば必ず澄んだ水が湧きあがってくると信じています。イ・ジュニク監督が「雲から抜けた月のように」を撮ったときに言ったんです。同時にいくつかの作品を撮っていたときで、監督に「僕は他の人が作品を1本撮っているときに5本くらいを撮らないと同じくらいの生活が出来ないんです。でも俳優は一つのキャラクターを終えるごとに銃弾がなくなってしまいます。僕はそれが怖いし大変です」って言ったら、「土は掘れば掘るほど澄んだ水が出るんだ。自分に限界を作るな。自分に後悔が残らないようにそのキャラクターを掘れ。そうすれば、そこから他人には思いもつかないような自分の知らなかった澄んだ水が湧くだろうから」と言われました。僕はその言葉にしがみついてここまで来たし、それが本当に大きな力になりました。今までしてきたことは、自分で振り返っても、褒めてやりたいです。だから、これからもより責任感を持って慎重にやるべきだと思うんです。

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  • 「僕の妻のすべて」に関するエピソードのすべて

    「僕の妻のすべて」に関するエピソードのすべて

    「僕の妻のすべて」の女たらし原作では、中古車に乗る一般庶民だった映画「僕の妻のすべて」が良い興行成績を収めている。イ・ソンギュン、イム・スジョン、リュ・スンリョンの演技に笑ったり、泣いたりする観客が、いつの間にか358万人を超えたということだ。(14日付映画振興委員会映画館入場券統合ネットワーク基準)映画の興行と共に様々なレビューや分析があふれ出ている。また、原作と関連したエピソードも関係者から少しずつ出ている。キャラクターと作品の公開時期に関する話だ。「僕の妻のすべて」は南米アルゼンチンの映画「妻のためのボーイフレンド(Un novio para mi mujer)」をリメイクした作品だ。2008年に公開された同作品は、妻と離れたいが離婚話を持ち出せない夫が結局妻に彼氏を作ってあげるという内容だ。「僕の妻のすべて」原作と違うところは?基本的なストーリーは原作と同じだが、キャラクターが多少違う。原作で夫は、仕事を終えてサッカークラブでサッカーをする素朴な男。妻は倦怠感にとらわれていながら、たびたび自転車に乗って街周辺に出回る女だ。「僕の妻のすべて」が原作と一番違うところは、女たらしのキャラクターだ。原作で妻を誘惑し、結局妻が夫から離れるようにする一番の功労者である男は彫りの深いイケメンだが、古い中古車に乗る一般庶民だ。一方、「僕の妻のすべて」のソンギ(リュ・スンリョン)は、それなりに派手な生活をし、外国語も自在に駆使する優秀な人物だ。制作関係者は「原作での女たらしのキャラクターを最大限に脚色した」と原作との違いを語った。多少シリアスだった原作を韓国の情緒に合わせてアレンジしたことがポイントだ。「僕の妻のすべて」を2012年に公開した理由原作が2008年の作品であることを考えると、今年公開した「僕の妻のすべて」とは4年の空白期間がある。シナリオの脚色と撮影のための準備時間を考慮しても、空白期間が長いのは事実だ。映画制作関係者によると、本来SOOFILMは、原作が公開された当時から南米のある知人を通じて原作の版権を買おうとした。だが、原作映画の版権は、すでにハリウッド大手のワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズが買っていた。涙をのんで諦めるしかなかった状況であった。だが、その後状況が変わった。すでに多くの作品の版権を持っていたワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズは、1年後「妻のためのボーイフレンド」の開発に進捗がなかったことで、独占権を行使しないことにした。これをSOOFILMが素早く購入したわけだ。2010年にSOOFILMは、「あなたの初恋探します」というラブコメディ映画を発表した。興行成績はそれほど良くなかったが、もともとラブコメというジャンルに魅力を持っていたSOOFILMが野心満々に出したミュージカルのリメイク作品だった。だが、実は「あなたの初恋探します」を発表する2ヶ月前、「妻のためのボーイフレンド」のリメイク作品を準備しようとした。制作関係者によると、いろいろな条件が整わず、結局「あなたの初恋探します」を先に進めることになったという。計画通りだったら「僕の妻のすべて」は2012年ではなく、2010年に公開されたのかもしれない。

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