クモの巣
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チョン・ユミ&カン・ハヌル「第10回韓国映画制作家協会賞」男女主演賞を受賞
俳優のチョン・ユミとカン・ハヌルが今年の韓国映画制作家協会賞で主演賞に選ばれた。7日、韓国映画制作家協会(会長:イ・ウン)は「第10回韓国映画制作家協会賞」の受賞作(者)を発表した。同協会は「協会の会員の投票を通じた予備審査と運営委員の意見を経て受賞者と受賞作を選定した」と明らかにした。まず、チョン・ユミとカン・ハヌルがそれぞれ映画「スリープ」(監督:ユ・ジェソン)、「ラブリセット 30日後、離婚します」(監督:ナム・デジュン)で主演女優賞と主演男優賞の主人公となった。助演男優賞は「密輸 1970」(監督:リュ・スンワン)のキム・ジョンス、助演女優賞は「密輸 1970」のコ・ミンシが受賞する。作品賞は「あしたの少女」(監督:チョン・ジュリ)で、監督賞は「クモの巣」のキム・ジウン監督が受賞する。脚本賞は「梟―フクロウ―」(監督:アン・テジン)の脚本家ヒョン・ギュリとアン・テジン監督が、特別功労賞は「罪深き少年たち」のチョン・ジヨン監督が受賞する。「第10回韓国映画制作家協会賞」は今月15日(金)午後6時からミョンフィルムアートセンターで開催され、女優のイ・ヘウンが司会を務める。
映画「クモの巣」チョン・ヨビン“役に合うウィッグを使用…何十着も試着して衣装にもこだわった”
女優のチョン・ヨビンが、映画「クモの巣」で70年代のスタイルを再現するためウィッグを使ったと明かした。彼女は最近、ソウル市鍾路(チョンロ)区小格洞(ソギョクドン)のあるカフェで映画「クモの巣」のインタビューを行った。「クモの巣」は1970年代、一度撮り終えた映画「クモの巣」の結末を撮り直せば傑作になるという強迫観念が強いキム・ヨル監督(ソン・ガンホ)が、検閲当局の妨害と変わった内容が理解できないキャスト、制作者など、頭がおかしくなる一歩手前と言えるほどの悪条件の中、撮影を敢行したことで起きる出来事を描いた。チョン・ヨビンは劇中、制作会社シンソンピルリムの創立者シン会長の娘で、会社の財政を担当するシン・ミド役を演じた。制作者で叔母のペク会長が日本に出張に行った時、キム・ヨル監督が修正した台本を読んで傑作の誕生を予感し、何があっても監督を支持する唯一の人物だ。この日彼女は「集中して、エネルギーを高めようとしていました。『いつかの君に』というドラマと並行していたのですが、異なるキャラクターなので演技において区別ができました。同時に撮影していたので体力の限界を感じる時もあったのですが、自ら壁を壊してみようというミドの情熱をそのまま維持しました。すべての時間が終わる頃にはミドに対してすごくありがたい気持ちになりました。ミドという人物そのものが、座り込んでいるような私を起こしてくれた感じがしました」と表現した。70年代を表現するためスタイルに気を使ったことについては、「衣装チームと扮装室長が本当に一生懸命に準備してくれました。ウィッグをつけましたが、カットもしてみて一番ミドらしいものを一緒に探していきました」とし、「キム・ジウン監督が美術にもこだわっていて、ベスト一枚を決めるのに数十着も着てみました。生地も一つひとつ探してくれて、私が考えていたミドはベストやレジャージャケットを着ているような感じだったのですが、そのようなところが互いによく合っていたと思います」と伝えた。続けて「ミドの衣装が気に入りましたし、制作に参加する人なので基本的なメイクだけをしました」とし「ウィッグをつけたのですが偽物のように見えたらいけないので、いくつかつけてみました。でも、偽物のように見える部分にも可愛らしさがありました。ぼさぼさ髪で」と表現し、笑いを誘った。チョン・ヨビンはミドをどのように表現しようと考えたのかという質問に、「ミドの方法とチョン・ヨビンの方法は違います。ミドは正確ですが荒々しいですし、私は正確だけどもう少し柔軟な方法を選ぼうとします。ミドは情熱はあったけれど、誰かの心を覗いてみたわけではないと思います。やり方がとても下手な人です」と説明した。そして「ミドはこの映画に情熱を持っていましたし、私も良い女優になることを願っているので、そのような情熱は似ていると思います。女優という仕事は選ばれなければならない職業ですから。気持ちの熱さ、努力とは完全に一致しないこともあります。頑張れば確率は高くなると信じていますが、不確実性があるから諦めることはできませんでした。そのような部分がミドと似ていましたし、途中で折れないというのがキム・ヨル監督やミドの気持ちだと思います」と伝えた。さらに彼女は「でも最近では『重要なことは折れてもただやる気持ち』と言いますが、これも正しい言葉だと思います。私もこれまで折れたことは多いけれど、ただ私を愛し、信じて、ただやる気持ちが重要だと思いましたし、キム・ヨル監督とミドにそのような瞬間が絶えず来たと思います。それでも彼らは突き抜けようとする気持ちがあったのだと思います」と話した。
映画「クモの巣」ソン・ガンホ“監督は難しい仕事…自分にはできない”
映画「クモの巣」で主演を務めたソン・ガンホが、映画のビハインドについて語った。最近、ソウル鍾路(チョンロ)区昭格洞(ソギョクドン)のあるカフェで映画「クモの巣」に出演したソン・ガンホのインタビューが行われた。「クモの巣」は1970年代、一度撮り終えた映画「クモの巣」の結末を撮り直せばもっと良くなるという強迫観念が強いキム監督(ソン・ガンホ)が、検閲当局の妨害と変わった内容が理解できない俳優、制作者など、頭がおかしくなる一歩手前と言えるほどの悪条件の中、撮影を敢行したことで起きる出来事を描いた。ソン・ガンホは「『パラサイト 半地下の家族』以来、約4年ぶりに対面インタビューを行っていると思います」とし、「いつも慣れたパターンの映画をご覧になっていた方々が、少し見慣れない、形破りなところがある『クモの巣』をご覧になったらどのように思われるだろうかと反応が気になっています。最近ではOTT(動画配信サービス)など様々なチャンネルを通じて映画館に行かなくても簡単に見られるコンテンツが多いじゃないですか。そのため映画だけが持つ映画の味を感じることが本当に貴重な時代になったと思います。(『クモの巣』にある)映画だけが持つエネルギーを楽しんでいただき、喜んでもらえのではないかと思っています」と心境を語った。撮影の感想については「『クワイエット・ファミリー』『反則王』『JSA』『殺人の追憶』の現場で感じたことを今回撮影しながらたくさん感じたんです。休憩時間に、チョン・ヨビンさんと一緒にコーヒーを飲んでいた時の言ったことですが、約25年前、俳優たちと息を合わせ、情熱的で、ワクワクしてエネルギー溢れるその時の雰囲気を『クモの巣』を撮りながらたくさん感じていると話しました。もちろん、その間に撮った作品にも大切な価値があるけれど、俳優たちと息を合わせる過程であの時の感情を抱いたのは久しぶりでした」とし、「これまで一人で演技し、話を進めていく映画を主にやってきたと思います。でも今回のように6、7人が一つの空間で息を合わせながら密度を高める作業は、『クワイエット・ファミリー』以来、久しぶりだと思います」と伝えた。「クモの巣」は、ソン・ガンホが「クワイエット・ファミリー」から「反則王」「グッド・バッド・ウィアード」「密偵」に続き、キム・ジウン監督と7年ぶりに息を合わせる作品として、期待が高まった。久しぶりにキム監督と息を合わせた彼は「普通、一つの作品をやって同じ監督に会うためには、それくらいの時間がかかると思います。ポン・ジュノ監督は10年ほどかかりました」と笑い「キム・ジウン監督はご存知のように、ジャンルに変化を与えて新たな映画を撮る方です。そのため、一緒に作品を作ることになるとすごくワクワクするんです。映画旅行に行くような感じがします。『今回はまたどんな旅行をするのだろうか?』とワクワクしますし、怖くもあります。なぜなら『今回はどのように人を苦しめるだろうか』と思うからです」と冗談を言った。それから「以前は現場で様々な試みをして変えたりもしました。おそらく『グッド・バッド・ウィアード』の時まではそうでした。本当にものすごく苦労しました」とし「しかし、産業的にシステムが大きく変わって今はそれができません。その時も長所があったけれど、短所もありました。今は徹底して準備ができていないと撮影ができません。そのため、前に比べれば監督が僕にプレッシャーをかけることはありませんでした。その代わり、他に難しいところはありました。完璧に準備しなければなりませんので。演技もカメラの前であれこれと何度もやることができました。でも、今はフィルムを使ってもいないのに、そうすることはできません。俳優も自分の台詞や演技を予め完璧に準備した状態で最初のテイクからやり遂げなければなりません」と説明した。特に彼は、「以前は撮り終えたシーンを撮り直しても良い環境だったので、ある作品は8回も撮影したことがあります。どの作品なのかは申し上げられません」と笑い、「その時『こうして100回撮ることもできる』と言った時、監督がとても喜んでくれました。それは本心でした。実際に撮り直したものが以前撮ったものよりすごくよかったからです」とつけ加えた。キム・ヨル監督を演じた感想も伝えた。彼は「監督は簡単な仕事ではないと思いました。(以前は)監督が少し楽に見えました。カメラの後ろで俳優たちを楽に見ている人だと思ったけれど、キム・ヨルのように誰も責任を負えない苦痛の中で決定を下さなければならず、苦悩の中で創作活動をしなければならないことは、一介の俳優には手に負えないことだと間接的に感じました」と打ち明けた。これと関連し「監督になりたいと思ったことはないか」と聞くと、「このような質問をたくさん受けますが、監督は誰もができるものではありません。多芸多才な能力、情熱などが僕にはないと思います。僕は俳優で精一杯です」と笑い、「20年前からポン・ジュノ監督も、パク・ジウン監督も僕の背中を押したけれど、丁重に断りました。その時多くの俳優が監督に挑戦したので話しただけで、僕に才能が見えて話してくれたわけではないと思います。真剣でもなかったはずです。社交辞令だったと思います」と冗談を言った。また「キム・ヨルが混沌の中でラストシーンを撮る時の姿は、僕がキム・ジウン監督と作った『グッド・バッド・ウィアード』の撮影現場でたくさん見たことです。当時、中国の砂漠に100日間いました。明日飛行機に乗らなければならないのに撮り直したいシーンもありましたし、でも時間は限られていて、情熱は溢れていたので狂気のるつぼの中で撮影した覚えがあります。(キム・ヨルの)そのような姿を見ると、その時がオーバーラップします。それがキム・ジウン監督だけでなく、映画監督の全体的な気持ちではないかと思いました」とし「しかし、キム・ジウン監督はどっしりとしている方です。キム・ヨル監督のようではなく、むしろ落ち着いていて静かな方です」とつけ加えた。「クモの巣」を通じてイム・スジョン、オ・ジョンセ、チョン・ヨビン、f(x)のクリスタルなど様々な俳優と共演した感想も語った。彼は「監督も監督ですが、俳優たちともすごく息が合いました。監督の役をやりながら俳優たちを見ていたら、僕もその中で演技したくなるほど興味津々でした。作品の中の映画のシーンはすべてモノクロじゃないですか。すごくカッコよく見えたんです。僕もあそこに入って演技したいと思わせるほど、映画に出演する俳優たちの演技がとても良かったです」と絶賛した。俳優たちへの賞賛も惜しまなかった。チョン・ヨビンについては「いつも規定されていない感情が出てくる女優です。そこからくる生き生きとした感じと躍動感に驚きました。どこに飛ぶか分からない、そんな躍動感です。予想できなかったキャラクターと予想できなかった演技が飛び出すことに驚きました」と振り返った。また、クリスタルについては「『エビギュファン』という作品を観て『態度が良い』と思いました。歌手が女優に転向する時は、最初からメインストリームにある作品、あるいは役をやりたがるのが普通ですが、話を聞いてみたら小さな短編など、下からきちんと作品に出演する姿を見てとても印象的で、たくさん称賛しました」と伝えた。その他にも「イム・スジョンさんも強烈なメイクから本当に愚直に、エネルギーそのものを見せてくれたと思います。チャン・ヨンナムさんにはいつも驚かされます。オ・ジョンセさんも印象的でした」とつけ加えた。特別出演で印象深い演技を見せた俳優チョン・ウソンについても話した。彼は「当時、チョン・ウソンさんがキム・ソンス監督の『ソウルの春』という映画を地方で撮影していました。でも『クモの巣』のために来てくれて2日間撮影しましたが、それは決して簡単なことではないと思います。距離や時間の問題もありますが、気持ちと誠意がなければできないことです。同僚俳優としてそばで見守って、とても感動的でした。撮影後、すぐに車に乗って地方に行く後ろ姿を見た時、ありがたくてジーンときました」と回想し、「もちろん、チョン・ウソンさんは他の多くの作品で良い演技を見せてくれたけれど、『クモの巣』での姿は本当に新鮮でした。狂気じみた姿にとても驚きました。彼にはジェントルマンでカッコいい姿もあるけれど、観客の方々にとってチョン・ウソンさんのこのような姿は初めてだろうと思いました」と明かし、期待を高めた。俳優ソン・ガンホの考えも聞くことができた。彼は「『クモの巣』を僕が選んだように、韓国映画が溜まらず、常に一歩でも進まなければならないという常に思います。それが興行的に失敗し、コミュニケーションに失敗しても、このような試みがなければ、本当に僕たちが典型的な映画をずっと繰り返すしかないですし、撮るしかありません。このような姿は避けなければならないのではないか、という考えで小さな努力をしてきました」とし「作品を選択する基準も、このような部分が一番重要です。もちろん色々な基準があります。監督がどのようなビジョンを持っているのか、この話がどれほど観客と密接にコミュニケーションできるかなどの点を見ますが、一番大きいのは韓国映画が溜まった水ではなく、一歩でも進むことができるということを示す作品なのかどうかです」と強調した。最後に「他のメカニズムを悪く言うわけではありませんが、映画だけが持つエネルギーと表現、喜悦はとても大切だと思います。約2時間の映画の中に僕たちが話そうとすること、観客に与えたい話を最も効果的に盛り込むため、台本や演技、演出などすべてのエネルギーが入っています」とし「『クモの巣』というタイトルを見たら少し難解な感じもします。これってホラー映画? 難しい映画? と思われるかもしれません。先入観があるかもしれませんが、とても映画的な映画です。タイトルに先入観を持たず、新しい映画を鑑賞するという気持ちでご覧になれば、とても面白いのではないかと思います」と呼びかけた。
f(x) クリスタル、映画「クモの巣」でオ・ジョンセとベッドシーンを披露“プレッシャーはなかった”
f(x)のクリスタルが、映画「クモの巣」のオ・ジョンセとのベッドシーンについてコメントした。クリスタルは最近、ソウル市鍾路(チョンノ)区小格洞(ソギョクドン)のカフェで行われた映画「クモの巣」の公開を控えてインタビューを行った。「クモの巣」は、1970年代、撮り終えた映画「クモの巣」の結末を撮り直せばもっと良くなるという強迫観念が強いキム監督(ソン・ガンホ)が、検閲当局の妨害と変わった内容が理解できない俳優、制作者など、頭がおかしくなる一歩手前と言えるほどの悪条件の中、撮影を敢行したことで起きる出来事を描いた。クリスタルは、人気急上昇中の新人女優ハン・ユリム役を務めて、「クモの巣」のストーリーの鍵を握るキャラクターを演じた。この日、クリスタルは執拗なことで有名なキム・ジウン監督と撮影した感想について、「私は執拗だとは知りませんでした。ご一緒するのは初めてでしたから。でも、そのような印象は受けませんでした。監督なら誰でも、当然ディレクションをしなければならないですし、引き出さなければいけないので、そのために要求しているというくらいに感じました」と説明した。撮影に入る前、事前にキム・ジウン監督に関する話を聞いたことがあったかという質問には、「事前にではなく、撮影を始めて間もない時、私が現場に適応してきた頃にイム・スジョン先輩に聞いてみました。監督が特にコメントをしないタイプなので。でも、スジョン先輩が『もともと何も言わないのよ。OKと言ったらOKなのよ』と言ってくれました。『では、安心していいのですね?』と聞いたら、『よくやっているよ』と言ってくれて、その時にスタイルを正確に把握し、自分ともよく合ったと思います」と振り返った。特にチョン・ヨビンとはお互いに頬を叩いたり、髪の毛を掴むシーンもあった。これに対して彼女は、「お姉さんとの最初のシーンがおそらく髪を掴むシーンだったと思います。この時、けっこう緊張していました。体でのアクションがあるわけではなかったけれど、言葉で吐き出さなければならないですし、髪の毛を掴まれるアクションがあり、息も合わなければならないため、リハーサルをたくさんやりました。お姉さんとはリハーサルも本番のようにやって、スタッフに驚かれた記憶があります。何回か撮影をした後、『お姉さん、私、髪の毛が何本か抜けたよ』と話したりして、すごく楽しかったです。撮影が終わってから『大丈夫だよ』と言って。面白かったです」と伝えた。オ・ジョンセとはベッドシーンも披露した。オ・ジョンセはインタビューで申し訳ない気持ちを伝えていた。これに対してクリスタルは「特別なことはありませんでした。映画の中のシーンでしたし、必要なシーンだったので無理なく、負担なく撮影しました」と話した。さらに「それ以外にも、ジョンセ兄さんにはたくさん協力してもらいました。『このシーンではどのようにすればいいのですか?』と聞いたら手伝ってくれて、合わせてくれました。お兄さんはアイデアバンクです。アドリブもして、予想外の楽しい演技ができたと思います。とても優しくて、演技をする時も私が楽にできるように手伝ってくれたので良かったです」と打ち明けた。楽しかった現場の影響だろうか、「クモの巣」で共演した先輩たちは、クリスタルが怯まずに上手くやったと好評した。これに対して彼女は「一生懸命にやったと思います。先輩たちが気難しい方々ではなかったので、萎縮することはありませんでした。台本読み合わせをする時や最初の撮影をする時は、とても緊張しました。どんな現場でも最初は緊張するけれど、幸いなことにすぐに適応できるよう協力してくださったので、怯む必要などありませんでした」と話した。
オ・ジョンセ、映画「クモの巣」でソン・ガンホと再会“迷惑をかけられないというプレッシャーがあった”
俳優のオ・ジョンセが、映画「クモの巣」の演出を手掛けたキム・ジウン監督に、感謝の気持ちを伝えた。最近、ソウル鍾路(チョンノ)区昭格洞(ソギョクトン)にあるカフェで「クモの巣」の主役オ・ジョンセに会った。同作は1970年代、撮り終えた映画「クモの巣」の結末を撮り直せば傑作になるだろうと信じているキム・ヨル監督(ソン・ガンホ)が、検閲当局の妨害と変わった内容が理解できない俳優、制作者など、頭がおかしくなる一歩手前と言えるほどの悪条件の中、撮影を敢行したことで起きる物語を愉快に描いた。この作品は映画「グッド・バッド・ウィアード」「密偵」を手掛けたキム・ジウン監督の新作で、「第76回カンヌ国際映画祭」のノンコンペティション部門に招待された。オ・ジョンセは愛が溢れるトップスターのカン・ホセ役を演じた。キム・ジウン監督は「セリフに緩急をつけて劇の雰囲気を生かす、編集映像を見る時に疲れさせないようにしてくれる役者だった」と、彼だけが与えるユーモアと面白さを予告した。このようにオ・ジョンセは現場をはじめ、スクリーンでもムードメーカーを果たし、愉快な笑いを届ける。この日、彼は愛が溢れる人物だが、実は浮気者であるカン・ホセキャラクターについて「良く言えば愛が溢れる人物で、二人の女性を愛するキャラクターです」とし、「キム・ヨル監督が傑作を作っていく過程で起きる、様々な欲望の中の一つです。どのように設定して作っていけば、傑作を作る過程で愉快な障害物になれるだろうかと悩みました」と説明した。キム・ジウン監督とのタッグについては「シナリオをもらって、ウキウキして会いに行ったことが思い出されます」とし、「(キム・ジウン監督の)初期の作品から好きでした。初挑戦ではなく、『グッド・バッド・ウィアード』のオーディションに参加したのですが落ちました」と語った。さらに「『クモの巣』という作品、キム・ジウン監督とソン・ガンホ先輩に会う過程は簡単ではありませんでした。監督はご存じないかもしれません。『グッド・バッド・ウィアード』のオーディションでは演出チームとの面接で脱落しましたから。ソン・ガンホ先輩は『優雅な世界』の撮影時に少し会いましたが、その後、『凍える牙』のオーディションにも参加しました。落ちて会えませんでしたが。やっとこの作品で会って、嬉しい気持ちで撮影しました」と明かした。2013年に韓国で公開された「男子取扱説明書」で主演のイ・スンジェ役を務め、注目を集めた彼は「主演へのプレッシャーは確かにありますが、そこまで大きくはないですし、考えないようにしています」とし、「プレッシャーのせいで色々と考えるともっとプレッシャーになると思います。主演として持つべきプレッシャーはありますが、それ以外は考えないようにしています。人物、作品、自分の役割に集中しようとしています」と告白した。「トップスター役割で僕をキャスティングしたことは、今も理解できません」と言った彼は、「『男子取扱説明書』で初主演を務めた時、自分自身への視線、観客の視線など、クエスチョンがすごく多かったんです。助演をやっていた役者が主演を務めて、トップスター役を演じて。僕も漠然としている感じでした」と正直に語った。そして「『男子取扱説明書』と『スイッチ』を通じてオ・ジョンセが目指すトップスターのイメージがあるんだな、と感じたかもしれないですし、僕もその時よりは気楽でした。あの時は大変だったんです。今は自分なりの確信を持っていますが、トップスターの演技をしなければならないのに、ビジュアルがトップスターではないじゃないですか。『スイッチ』の最初のシーンが、車から降りると(ファンたちが)『かっこいい』と言うシーンでした。僕も恥ずかしかったですし、エキストラの方々もすごく辛そうに見えました。今はあるリズム感ができた気がしますし、それで手を差し伸べてくれたんじゃないかな、と思います。監督に感謝しています」と明かした。これに先立って彼が言及したように、彼は韓国で2007年に公開された映画「優雅な世界」で俳優のソン・ガンホと息を合わせたが、編集されてスクリーンでは観ることができなかった。しかしソン・ガンホが「あの役者、誰が連れてきたの」と絶賛したエピソードがある。これについてオ・ジョンセは「彼に絶賛されたその日、お腹いっぱいになって帰宅しました」と当時を回想した。この作品を通じてソン・ガンホと再会した心境を聞くと「最初は会って嬉しかったですが、迷惑をかけてはいけないというプレッシャーも少し感じました」とし、「現場で先輩の方々が遊んでいるのを見ていると、いつの間にか僕も一緒に遊んでいました。この作品の現場で良い刺激をたくさんもらいました」と述べた。チェ局長(チャン・グァン)が迫ってキム監督(ソン・ガンホ)が逃げるシーンを思い出したオ・ジョンセは、「ずっと走っていました」とし、「役者として当たり前なことが、多くの現場では行われていなかったりします。感情のシーンでもなく、視線のシーンなのでそんなに走らなくてもいいのに、いつも全力疾走する姿を見て感心しました」と伝えた。また「監督も、スタッフとして出演する役者たちが多かったのですが、エキストラの配置やセリフ一言一言にも気を使っていました」とし、「これもあたり前なことなのに、もう一度考えるきっかけになる行動でした」と撮影現場を振り返った。ハン・ユリム役を演じたf(x)のクリスタルとの共演について聞くと、彼は「僕もプレッシャーがありましたが、彼女も末っ子として悩みとプレッシャーを感じたでしょう」としながら、「でも撮影に入ると同時に迷わずに演技する姿がうらやましかったですし、(チョン)ヨビンさんは歩き方だけを見ても『キャラクターをあのように感じて決めたんだ』と斬新さを感じました。ベテラン女優としてのハン・ユリムと、劇中のハン・ユリムとの違いを、ベテランのようにうまく表現していました」と絶賛した。特に彼は、クリスタルとのベッドシーンに言及した。彼は「観客の方々に謝罪の言葉を伝えたいです」とし、「昨日、試写会で作品を観たのですが、ある観客が思わず(ベッドシーンで)『え、何』と言いました。その方のところに行って『申し訳ない』と謝りたかったです」と語った。そして「僕も望んでいたわけではなく、作品のための演技でした。(劇中ハン・ユリムとカン・ホセが)ラブラインだとは思いません。感情が入ったベッドシーンではなく、機能的なベッドシーンでした。劇中でも感情の交流はない感じでしたし、ラブラインも自分の一方的なラブラインだけ残ったのではないでしょうか。『これが本当にラブラインか』と質問されると、違うと答えたいです。目的地が決まっていない、一人だけの愛だと思います」と明かした。この作品と俳優のカン・ドンウォン主演の映画「憑依」、俳優のハ・ジョンウ、イム・シワン主演の映画「ボストン1947」が同じ日に公開された。これに関するプレッシャーについて聞くと、彼は「この作品はそこまでプレッシャーが大きくない作品です」と答えた。また「カンヌ映画祭やイベントでも同じです。海外の授賞式に行くのは自分にとって大きなイベントで、緊張するだろうと思いましたが、全然大丈夫でした」とし、「間違った道へ進んでも案内してくれる心強い監督と同僚俳優たちがいるので、思いっきり楽しんできたと思います。心強い同僚たちがいて心配はしません」と同僚への信頼を示した。
イ・ビョンホン&キム・ソヒョン「第59回大鐘賞映画祭」で主演賞を受賞…キム・ソンホ&キム・シウンが新人賞に(総合)
俳優のイ・ビョンホン、キム・ソヒョンが「大鐘賞映画祭」で男女主演賞を受賞した。15日、「第59回大鐘賞映画祭」が京義(キョンギ)アートセンター大劇場にて、俳優のチャ・インピョ、お笑い芸人のチャン・ドヨンの進行で行われた。「クモの巣」「あしたの少女」「密輸 1970」「梟―フクロウ―」「スリープ」「コンクリート・ユートピア」が作品賞にノミネートされた中、トロフィーの主人公は「コンクリート・ユートピア」となった。同作はこの日、6冠を達成した。監督賞は「密輸 1970」のリュ・スンワン監督が受賞した。この日の授賞式に不参加だったリュ・スンワン監督は、映像を通じて「今後もいい作品を作ることができるように頑張る」と受賞の感想を伝えた。主演男優賞は「コンクリート・ユートピア」のイ・ビョンホンが獲得した。映画撮影のため参加できなかった彼は、映像を通じて「素晴らしい賞をいただけて感謝する。やむを得ず撮影のため出席できなくなって、画面を通じて感想を伝える」と関係者たちに感謝の気持ちを伝え、「コロナ禍により劇場も大きな打撃を受け、今も進行中だ。それにもかかわらず、多くの方々が映画に関心を持って観覧してくださって、どんな時よりもありがたくて幸せな時間だった。これからもよりいい作品で活動する」と感想を伝えた。女優主演賞は「ビニールハウス」のキム・ソヒョンが受賞した。受賞感想で彼女は「ビニールハウス」の内容とテーマについて紹介して「自分自身を大切にせず、いろんな状況を乗り越えて人生を生きていかなければならないある女性の物語で、その危ない境界の中で制度というのは手が届くような場所にあるようだが届かないため、自分自身を大切にしなければならないという内容の作品だった」とし、「誰かの物語ではなく自分の話だった気がして、台本を泣きながら一気読みした」と述べた。そして彼女は、作品を撮影して公開した後に感じた感情を正直に伝え「新しい大鐘賞が私にいい機会をくれたので、私はいつものようにいい作品でずっとその場にいる」と語った。助演男優賞は「クモの巣」のオ・ジョンセが受賞した。彼はこの日、個人的な事情で授賞式に参加することができなかった。助演女優賞の主人公は「コンクリート・ユートピア」のキム・ソニョンだった。「私が受賞するとは予想できなかった。心より感謝する。『大鐘賞映画祭』で受賞するのは初めてだ」と明るい笑顔で感想を伝えたキム・ソニョンは「演技する時にそのような災難状況に直面する機会がないから胸がワクワクしたし、別の世界へ行く経験をした。俳優としてとても大切な経験だった」と伝えた。新人男優賞は「貴公子」のキム・ソンホが獲得した。キム・ソンホは「この作品を愛してくださった観客の方々、僕を応援してくださるファンの皆さん、愛している。映画は初挑戦だった。ドラマと同じくみんなの苦労と情熱がすごかった。その時間を一緒にすることができて幸せで、栄光だった」とし、「お父さん、お母さんありがとう」と感想を伝えた。新人女優賞は「あしたの少女」のキム・シウンが受賞した。「イカゲーム2」の撮影でこの日に参加できなかったキム・シウンは、画面を通じて「この作品に多くの関心と応援を送っていただいたすべての方々に感謝する」とし、「初の長編映画だったが、いい賞を与えてくれた授賞式の関係者の方々にも感謝する」と感想を伝えた。また「これからさらにいい姿を見せる俳優になる」と抱負も伝えた。シリーズ男優賞は「カジノ」のチェ・ミンシクが獲得した。この日の授賞式に参加できなかったチェ・ミンシクは、画面を通じて感想を伝えた。彼は「このように大きな賞を与えてくれて心より感謝する」とし、「『カジノ』のすべてのスタッフ、出演陣とともにこの喜びを分かち合いたい」と述べた。また彼は「大鐘賞映画祭」の新しい出発を応援して「より多くの映画ファンにもっと近づくことができるきっかけになればうれしい」と願いを伝えた。また「やむを得ず授賞式に出席できなくて申し訳ない」と付け加えた。シリーズ女優賞は「ムービング」のハン・ヒョジュが受賞した。ハン・ヒョジュは「この賞は個人ではなく、『ムービング』チームを代表してもらうと思う」とし、「いつも作品に出演するたびに俳優としてベストを尽くして演技するのは同じだが、この作品のイ・ミヒョンというキャラクターが好評を受けることができたのは、自分のおかげではない」と言って監督、脚本家、スタッフ、出演陣たちに感謝の気持ちを伝えた。特に彼女は「私が母役をするにはちょっと若いのではないか、と思って出演を断ろうとした」とし、「出演した最も大きな理由は作品のストーリーが正義感あふれて、温かかったからだ。互いを憎んで厳しい世界で、それでも少しは優しくていい人々が幸せに暮らせる社会になってほしい」と伝えた。 【「第59回大鐘賞映画祭」受賞者(作)】 ◆作品賞:「コンクリート・ユートピア」◆監督賞:リュ・スンワン(「密輸 1970」)◆新人監督賞:アン・テジン(「梟―フクロウ―」)◆脚本賞:アン・テジン、ヒョン・ギュリ(「梟―フクロウ―」)◆功労賞:チャン・ミヒ◆主演男優賞:イ・ビョンホン(「コンクリート・ユートピア」)◆主演女優賞:キム・ソヒョン(「ビニールハウス」)◆助演男優賞:オ・ジョンセ(「クモの巣」)◆助演女優賞:キム・ソニョン(「コンクリート・ユートピア」)◆新人男優賞:キム・ソンホ(「貴公子」)◆新人女優賞:キム・シウン(「あしたの少女」)◆ドキュメンタリー賞:ヤン・ヨンヒ(「スープとイデオロギー」)◆撮影賞:チェ・ヨンファン(「密輸 1970」)◆音楽賞:タルパラン(「PHANTOM/ユリョンと呼ばれたスパイ」)◆編集賞:キム・ソンミン(「梟―フクロウ―」)◆視覚効果賞:ウン・ジェヒョン(「コンクリート・ユートピア」)◆音響効果賞:キム・ソクウォン(「コンクリート・ユートピア」)◆衣装賞:ユン・ジョンヒ(「キリング・ロマンス」)◆美術賞:チョ・ファソン(「コンクリート・ユートピア」)◆シリーズ作品賞:「ムービング」◆シリーズ監督賞:カン・ユンソン(「カジノ」)◆シリーズ男優賞:チェ・ミンシク(「カジノ」)◆シリーズ女優賞:ハン・ヒョジュ(「ムービング」)◆大鐘が注目した視線賞 作品部門:「ドリームパレス」◆大鐘が注目した視線賞 監督部門:パク・ジェボム(「Mother Land」)◆大鐘が注目した視線賞 俳優部門:チョン・ソンファ(「英雄」)
ソン・ガンホからf(x) クリスタルまで、映画「クモの巣」主演俳優4人のカリスマ性溢れるグラビアを公開
「VOGUE KOREA」が映画「クモの巣」の主演が参加した10月号のグラビアを公開した。今年の秋夕(チュソク)に、愉快な笑いで観客を虜にした映画「クモの巣」から、俳優のソン・ガンホ、オ・ジョンセ、チョン・ヨビン、f(x)のクリスタルが「VOGUE KOREA」10月のグラビアに参加した。映画「クモの巣」は1970年代、一度撮り終えた映画の結末さえ撮り直せばもっと良くなるという、強迫観念が強いキム・ヨル監督(ソン・ガンホ)が、検閲当局の妨害と変わった内容が理解できないキャスト、制作者など、頭がおかしくなる一歩手前と言えるほどの悪条件の中、撮影を敢行したことで起きる出来事を愉快に描く映画だ。公開されたグラビアでは、ソン・ガンホとオ・ジョンセの存在感と、チョン・ヨビンとf(x)のクリスタルのカリスマ性溢れる雰囲気を表現した。1970年代の映画撮影現場をコンセプトにした今回のグラビアでは、映画監督から制作者、キャストまで個性溢れる人物をリアルに描き、古風かつトレンディーな魅力を披露する。個人のグラビアでは、各俳優たちのカリスマ性溢れるポーズや眼差しで、古典的でありながらも洗練された魅力が目を引いた。団体のグラビアでは、行き違う視線が妙な緊張感を醸し出しながら、映画の中で彼らが見せるアンサンブルに対する期待を高める。今回のグラビアにはソン・ガンホ、オ・ジョンセ、チョン・ヨビン、クリスタルの新しいイメージはもちろん、キャラクターに対する多彩な物語も盛り込まれているという。「クモの巣」チームのユニークなオーラを感じられるグラビアと、彼らが伝える「クモの巣」のビハインドストーリーは「VOGUE KOREA」10月号を通じて確認できる。1970年代の映画撮影現場、キャラクターたちの華やかで洗練されたスタイルを完璧に表現したグラビアを通じて、新しいイメージをアピールしたソン・ガンホ、オ・ジョンセ、チョン・ヨビン、クリスタルの共演で期待を集めている映画「クモの巣」は韓国で9月27日に公開された。
【PHOTO】ソン・ガンホ&イム・スジョン&f(x) クリスタルら、映画「クモの巣」オープントークイベントに出席
7日午後、釜山(プサン)市海雲台(ヘウンデ)区映画の殿堂で開かれた「第28回釜山国際映画祭」で、映画「クモの巣」のオープントークイベントが行われ、ソン・ガンホ、イム・スジョン、f(x)のクリスタル、オ・ジョンセ、チョン・ヨビン、パク・ジョンス、キム・ジウン監督が出席した。・【PHOTO】ソン・ガンホ&イム・スジョン&f(x) クリスタルら、映画「クモの巣」舞台挨拶に出席・ソン・ガンホ&イム・スジョン&f(x) クリスタルら、映画「クモの巣」で凄絶な映画業界の物語を予告(総合)
【PHOTO】ソン・ガンホ&イム・スジョン&f(x) クリスタルら、映画「クモの巣」舞台挨拶に出席
30日午後、ソウルCGV永登浦(ヨンドゥンポ)で映画「クモの巣」の舞台挨拶が行われ、ソン・ガンホ、イム・スジョン、オ・ジョンセ、チョン・ヨビン、f(x)のクリスタル、チャン・ヨンナム、キム・ジウン監督が参加した。同作は1970年代、撮り終えた映画「クモの巣」の結末を撮り直せばもっと良くなるという強迫観念が強いキム監督(ソン・ガンホ)が、検閲当局の妨害と変わった内容が理解できない俳優、制作者など、頭がおかしくなる一歩手前と言えるほどの悪条件の中、撮影を敢行したことで起きる悲しく面白い出来事を描く。・【PHOTO】ソン・ガンホ&イム・スジョン&f(x) クリスタルら、映画「クモの巣」制作報告会に出席・ソン・ガンホ&イム・スジョン&f(x) クリスタルら、映画「クモの巣」で凄絶な映画業界の物語を予告(総合)
ソン・ガンホ&イム・スジョン&f(x) クリスタルら、映画「クモの巣」で凄絶な映画業界の物語を予告(総合)
映画「クモの巣」が1970年代の凄絶な映画業界を盛り込んだ、熾烈な寓話で秋夕(チュソク:韓国のお盆)に観客の元を訪れる。14日、ソウル江南(カンナム)区メガボックスCOEXで映画「クモの巣」のマスコミ試写会が行われた。上映後行われた記者懇談会にはキム・ジウン監督、ソン・ガンホ、イム・スジョン、オ・ジョンセ、チョン・ヨビン、f(x)のクリスタル、パク・ジョンス、チャン・ヨンナムが出席した。映画「グッド・バッド・ウィアード」(2008年)と「密偵」(2016年)を手掛けたキム・ジウン監督の新作となる本作は1970年代、一度撮り終えた映画「クモの巣」の結末さえ撮り直せば傑作になりそうだという妄想にとらわれたキム・ヨル監督(ソン・ガンホ)が、検閲当局の妨害と変わった内容が理解できないキャスト、制作者など、頭がおかしくなる一歩手前と言えるほどの悪条件の中、撮影を敢行したことで起きる出来事を愉快に描く。5月に開かれた「第76回カンヌ国際映画祭」のノンコンペティション部門に招待され、全世界の評論家および観客に先に紹介された。この日、キム・ジウン監督は「個人的に60年代~70年代の韓国映画監督のスタイルが好きだ。芸術家の肖像のような雰囲気をキム監督に見せたかった」とし「新型コロナウイルスのパンデミック以降、韓国映画の委縮と危機が来た時、多くの映画人が映画を再び確立した期間だったと思う。どうすれば第2、第3のルネサンスを迎えることができるのか、新しい映画は何なのかと悩んだ。『クモの巣』を通じて説明することができそうだった。70年代は検閲制度も存在したし、文化全般の低迷期だった。当時イ・マンヒ、キム・ギヨン、キム・スヨン監督などが、今よりはるかに厳しかった状況を突破し、とのように夢を育んでいたのかを悩みながら映画を作った」と演出の意図を明かした。続けて「キム監督が最初に作ったのは良妻賢母だった」とし「『キム監督はもっと強烈な物語を作れない』と言ったので、編集し、もっと積極的かつ闘争的な女性の欲望を強烈に扱う映画へと変えることで、映画の中の『クモの巣』が仕上がった。映画が痴情メロからスリラーホラーへと変わっていくが、旧態依然としてありきたりなことをひっくり返す。新たな人物像、映画的ビジョンと世界、すなわち自分の中から取り出し、そこから抜け出したい欲望から、『クモの巣』という映画の中の映画を作り上げた」と説明した。また「うまく行けば、映画の中の映画『クモの巣』を長編映画として作ってみたいと思った」と告白。「重要なのは折れない心」と言及した彼は「数えきれないほど、向き合う難関と逆境をどのように突破するのかについて話した」とし「昔からアンサンブルコメディ作品をお見せたかった。映画『クワイエット・ファミリー』の時も新鮮だという話をたくさん言われた。新たな、独特な映画を待っている観客がいらっしゃると思う。ユニークで新鮮な映画だ」と付け加えた。ソン・ガンホは「キム監督の個人的な欲、野望により家に帰ったキャストたちを再び呼んで撮影に入るが、取り直したい結末自体も、キム監督にとっては挑発的かつ挑戦的な場面だ」とし「キム監督の欲望のせいで再び集まり、ドタバタしながら結末を完成していく過程だ。映画の中のキャストたちも、それぞれ個人の小さい欲望が絡み合い、この全てが実は欲望のカルテルの中でもがいている。この世を生きている全ての人々の熾烈な寓話のような気がした」と伝えたまた「映画の中の映画を見る観点も、一番最後の表情も実は答えがない」とし「見る人によって結末に満足した表情に見えるかもしれないが、残念で、これからの挑戦に対するキム監督の表情かもしれない。見る人によって感想が違うし、見るたびに変わると思う」と答えた。続けて「2回見てほしいとは言えないけれど、僕は見る度に違って見えた」とし「激しいメタファーがいっぱいある映画で、それで感想もそれぞれ異なると思う」と付け加えた。キム・ジウン監督は劇中の「苦労して撮ってこそ、映画によく盛り込まれる」という台詞に対して「映画の中のキム監督の話だが、実際に僕が普段から話していた話と似たようなセリフがいくつかある」とし「実際に現場で感じたことを、キム監督を通じて話したような気もする。僕も映画『グッド・バッド・ウィアード』まではシナリオが過酷だと言われるほど、すごく厳しく、相当苦労させる監督として有名だった」と語った。続けて「質量総量の法則(いつの時代でもどの組織でも変わり者が存在する)は消えないようだ」とし「経験上、大変で苦労して撮った場面が、そのエネルギーが完全に画面にあり、全て映ると考える人の1人だ。最近、『反則王』『箪笥』『甘い人生』をリマスタリングしながら、また見ることになった。『この時は本当に執拗だったな』『酷く映画を撮っていたな』と感じた」と振り返った。また「久しぶりに見た映画を通じてその時感じていた感情、映画に注いだエネルギーが思い浮かんだ」とし「キム監督を通じて話した。オ・ジョンセさんとの対話の中に『私だけのためではない』というセリフがある。キャストも『真心を込めて演じた時、大きなスクリーンで見ても恥ずかしくない』と話す。過酷な演技ディレクションをしながら、キャストたちに僕の心の中で思い出したセリフだ」と打ち明けた。「『グッド・バッド・ウィアード』の時、爆発シーンがあった」という彼は「僕が思ったより、爆発が多かった。爆発してから火種が残ってはいけないので、皆走って火を消したが、僕だけが走りながら『上手く撮れた?」と撮影監督に話した。狂気だと思った。本当に熾烈に、執拗に、情熱的に、狂ったように、誰かが見れば狂気だと感じるほど、撮ったような気がする。結果的に難しく撮影するほど、中にこもっているという気がした。他の人はわからないかもしれないが、僕はわかる。映画的な信頼があったと思う」と語った。イム・スジョンは、映画の中の映画「クモの巣」の台本が変わったことについて「従順な女性から自分の運命を開拓していく、欲望に充実な女性に変わる」とし「変わったと文句を言ったけれど、イ・ミンジャは新しく変わった結末を演じる時が、もっと良かったと感じたはず」と語った。チョン・ヨビンは「スタッフ役として演技できる機会だった。観客の1人として撮影現場を駆け回った記憶がある」と振り返った。彼女はシン・ミド役について「『クモの巣』という映画に、触媒材となる人物だ。キム監督の情熱を引き継げ、もっとアップできるようにエネルギーを与えようとした」と語った。ライジングスターのハン・ユリム役を演じ、1970年代の言葉遣いをしなければならなかったクリスタルは「クリップ映像を見ながら、レファレンスを探した。皆そのように演じていたため、自然にそうなった」と語った。「クモの巣」は韓国で9月27日に公開される。
ソン・ガンホ主演の映画「クモの巣」公開を控え…故キム・ギヨン監督の遺族が上映禁止を求め訴訟を提起
故キム・ギヨン監督の遺族が、映画「クモの巣」で俳優のソン・ガンホが務めるキム・ヨル監督役が故人を否定的に描写しているとし、上映禁止仮処分訴訟を提起した。法曹界と映画界によると、ソウル中央地裁民事合意60部(部長判事:イム・ヘジ)は13日、キム・ギヨン監督の次男など3人が制作会社アンソロジースタジオなど4人を相手取って提起した、「クモの巣」の上映禁止仮処分訴訟の1次審問期日を行った。これに対してアンソロジースタジオの関係者は「キム・ギヨン監督を心より尊敬している映画人として、遺族の方々にご迷惑をおかけして大変申し訳ない」としながらも、「同作で描かれた主人公は時代を問わず、監督または創作者であれば誰もが持っている姿を投影した仮想のキャラクターだ」と説明した。また「インタビューでもキム・ギヨン監督をモチーフにした人物ではないと明かしており、広報でも使ったことはない。まずは遺族の方々と誤解を解くことに集中し、今後行われる広報の過程でも誤認の可能性を防止するために最善を尽くす」と明かした。同作は1970年代、撮り終えた映画「クモの巣」の結末を撮り直せばもっと良くなると信じるキム・ヨル監督(ソン・ガンホ)が、検閲当局の妨害と変わった内容が理解できない俳優、制作者など、頭がおかしくなる一歩手前と言えるほどの悪条件の中、撮影を敢行する物語を描いた。今年5月に開催された「第76回カンヌ国際映画祭」ノンコンペティション部門に招待され、ソン・ガンホを皮切りに俳優のイム・スジョン、オ・ジョンセ、チョン・ヨビン、f(x)のクリスタルなどが出演した。韓国で今月27日に公開される。
【PHOTO】ソン・ガンホ&イム・スジョン&f(x) クリスタルら、映画「クモの巣」マスコミ試写会に出席
14日午後、ソウル江南(カンナム)区メガボックスCOEXで映画「クモの巣」のマスコミ試写会が行われ、ソン・ガンホ、イム・スジョン、f(x)のクリスタル、オ・ジョンセ、チョン・ヨビン、チャン・ヨンナム、パク・ジョンス、キム・ジウン監督が出席した。同作は1970年代、撮り終えた映画「クモの巣」の結末を撮り直せばもっと良くなるという強迫観念が強いキム監督(ソン・ガンホ)が、検閲当局の妨害と変わった内容が理解できない俳優、制作者など、頭がおかしくなる一歩手前と言えるほどの悪条件の中、撮影を敢行したことで起きる悲しく面白い出来事を描く。「第76回カンヌ国際映画祭」のノンコンペティション部門の招待作で、当時12分にも及ぶスタンディングオベーションが起こった。・ソン・ガンホ、映画「クモの巣」でキム・ジウン監督と5度目のタッグ!斬新なテーマにため息がでるほど面白かった(総合)・【PHOTO】ソン・ガンホ&イム・スジョン&f(x) クリスタルら、映画「クモの巣」制作報告会に出席