殺人の追憶
記事一覧
映画「殺人の追憶」CGVとOCNでテレビ編成を決定“社会的深刻性を呼び起こすため”
CJ ENM側がチャンネルCGVとOCNを通じて、映画「殺人の追憶」を編成することに決定した。19日、OCN側はマイデイリーに「ポン・ジュノ監督の映画『殺人の追憶』が編成された」と伝えた。OCNで20日午後12時20分、そしてチャンネルCGVで21日午後4時30分に放送される予定だ。従来に編成されていた番組及び映画があったが、華城(ファソン)連続殺人事件の容疑者が30年ぶりに特定されたことと関連して編成した。特に編成理由について「公訴時効が終わった未解決事件に対する社会的深刻さを呼び起こし、真実が明かされてほしいという気持ちで編成を決定した」と伝えた。「殺人の追憶」は2003年4月に公開したポン・ジュノ監督の作品で、華城連続殺人事件を追跡する刑事たちの話を描いて注目を浴びた。実際の刑事たちをモチーフにしてソン・ガンホ、キム・サンギョンなどが出演した。この日、キム・サンギョンは自身が16年前に出演した「殺人の追憶」の華城連続殺人事件の容疑者が特定されたというニュースに、所属事務所を通じて立場を伝えた。彼は「ポン・ジュノ監督と昨日(18日)、カカオトークで話し合った。『もう終わったんだ!』という気持ちだった。『殺人の追憶』の公開当時、インタビューである記者の方が『なぜ過去の未解決事件を扱ったの』と質問したが『覚えていること自体が、処罰の始まりだと思います』と答えたことがある」と伝えた。また彼は「被害者の方々と家族たちに、少しでも慰めになってほしい」と付け加えた。18日、京畿(キョンギ)南部警察庁は1980年代の長期未解決事件で韓国国民に衝撃を与えた華城連続殺人事件の容疑者の正体を30年ぶりに確認した。華城連続殺人事件の被害者たちの遺留品から採取したDNAが、現在別の事件で収監されている容疑者と一致したことが確認されたという。
過去に「殺人の追憶」で映画化も…約30年前の連続殺人犯を警察が特定
長期未解決だった華城(ファソン)連続殺人事件の有力な容疑者が特定され、映画「殺人の追憶」にも再び注目が集まっている。ソン・ガンホ、キム・サンギョンが主演を務めたポン・ジュノ監督の映画「殺人の追憶」は華城連続殺人事件をもとにした作品だ。2003年の公開当時、全国で526万人の観客を動員して興行に成功し、社会的に大きな反響を呼び起こした。華城連続殺人事件は、1986年9月15日から1991年4月3日まで、当時京畿道(キョンギド)華城(ファソン)一帯で女性10人が性的暴行、殺害された連続殺人事件だ。約30年間未解決となっていた事件で、映画も犯人を捕まえないまま終わった。そんな中18日、京畿南部警察庁は、現在別の事件で無期懲役で収監されている50代の男性を華城連続殺人事件の有力な容疑者として特定する重要な手がかりを確保した。被害者の遺留品から採取したDNAと容疑者のDNAが一致したことが確認されたという。ポン・ジュノ監督は2013年の「殺人の追憶」10周年記念行事で、「1986年に起きた第1次事件から見ると、犯行可能年齢は1971年以前に生まれた男性で、血液型はB型」と話した。今回の容疑者特定で、容疑者の年齢がポン・ジュノ監督の推論と一致したことがわかった。またポン・ジュノ監督は「映画にも出てきた第9次の事件で犠牲になった女子中学生のスカートから体液が検出された。それは警察が持っている」と明かしていた。・ポン・ジュノ監督「『殺人の追憶』を見て演出が本当にダサいと反省」10周年特別フィルム上映イベントに出席・ポン・ジュノ監督の出世作!映画「殺人の追憶」の原作舞台「私に会いに来て」が上演決定第1弾キャスト発表
ポン・ジュノ監督の出世作!映画「殺人の追憶」の原作舞台「私に会いに来て」が上演決定…第1弾キャスト発表
1996年に韓国で初演され、再演に再演を重ね約20年間ロングランを遂げた異例の国民的大ヒット舞台「私に会いに来て」が日本キャストにより、新たに上演することが決定。2019年9月13日(金)~東京・大阪にて上演する。先日行われた第72回カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルムドールを獲得したポン・ジュノ監督は、この作品を原作とし、2003年に映画「殺人の追憶」として公開。韓国アカデミー賞(大鐘賞)において4部門で賞を獲得し、出世作となった。また、舞台単独初主演となる藤田 玲をはじめとする豪華第1弾のキャストも発表された。主演・キム・インジュン刑事役を務めるのは、ミュージカル「レミゼラブル」「南太平洋」から、ミュージカル「刀剣乱舞」、MANKAI STAGE「A3!」、特撮作品までマルチに活躍する藤田玲。本作が舞台単独での初主演となる。その他、チョ・ナンホ刑事役に様々な映像・舞台作品に出演する中村優一、パク・ヨンオク記者役にHKT48卒業と共に舞台初出演となる兒玉 遥、ミスキム役に5人組アイドルユニット「きゅい~んズ」の西葉瑞希、そして、キム・セゴン課長役に大河ドラマから様々なミュージカル作品で活躍する栗原英雄の出演が決定。その他出演者は、第2弾キャストとして後日発表予定。演出は、ブロードウェイ作品「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」など数多くの舞台の脚本・演出を手掛けるヨリコ ジュンが務める。実際の殺人事件の資料をもとに創作された本作。次々と起こる猟奇的殺人事件の捜査を担当するため、ソウルからエリートの若手キム刑事が華城警察署に派遣される。怪しい人物を取り調べていくが、決定的な証拠がつかめず焦りはつのるばかり。そんな中、キム刑事に惚れる茶房の従業員ミスキムとの恋愛や、チョ刑事とパク記者の秘めた関係など、捜査本部の人間模様を描いた究極のラブサスペンス。「私に会いに来て」は、東京公演を9月13日(金)~16日(月祝)新国立劇場 小劇場にて、そして大阪公演を9月19日(木)・20日(金)サンケイホールブリーゼにて上演する。チケットは6月下旬より先行販売、8月4日(日)より一般発売開始となる。■公演概要「私に会いに来て」【日時・会場】 2019年9月13日(金)~16日(月祝)東京・新国立劇場 小劇場2019年9月19日(木)、20日(金)大阪・サンケイホールブリーゼ【出演】 藤田 玲/中村優一 兒玉 遥 西葉瑞希/栗原英雄 ほか【原作】 キム・グァンリム 【演出・映像】 ヨリコ ジュン 【上演台本訳】 後藤温子【チケット発売日】 先行発売:6月下旬~ /一般発売:2019年8月4日(日)10:00■関連サイト公式HP:https://www.watashiniainikite.com/
「殺人の追憶」「母なる証明」「海にかかる霧」ポン・ジュノ監督の関連映画3作品、来年1月に特集放送決定!
2017年1月6日から1月8日の3日間に渡り、映画「殺人の追憶」「母なる証明」「海にかかる霧」のポン・ジュノ監督の関連映画3作品が、CS映画専門チャンネル「ムービープラス」にて特集放送される。韓国映画界の若き巨匠と称され、世界的にも活躍しているポン・ジュノ。作家性と商業性を兼ね備えた映画人として評価されている彼は、2003年の「殺人の追憶」で、1980年代に起きた実際の未解決事件を題材に当時の韓国社会の歪みを描き、大ヒットを記録し映画賞を総なめにした。また、韓国四天王のウォンビンが5年ぶりにスクリーンに復帰した、2009年の「母なる証明」では、純粋無垢なひとり息子を溺愛する母親の狂気が描かれ、一筋縄ではいかない親子の複雑な愛情を表現し衝撃を与えた。監督作以外にも、製作・脚本を手掛けた「海にかかる霧」は、JYJのユチョンが主演し話題となった。現在は、ブラッド・ピットがプロデューサーを務め、リリー・コリンズ、ジェイク・ギレンホールらの出演が予定されている新作映画の企画が進行中など、さらに注目を集めているポン・ジュノ。この機会にぜひ、骨太な3作品をムービープラスで楽しんでほしい。■放送情報「母なる証明」放送日時:1月6日(金) 18:30~21:00、ほか監督:ポン・ジュノ出演:キム・ヘジャ、ウォンビン、チン・グ<STORY>漢方薬店で働く母は、純粋無垢な一人息子トジュンの存在が何よりの幸せだった。ある日、女子高生の惨殺遺体が発見され、トジュンが容疑者として逮捕されてしまう。現場に彼の名が書かれたゴルフボールが落ちていたためだったが、息子の無実を信じる母は自ら真相を突き止めようと決意する。「殺人の追憶」放送日時:1月7日(土) 18:15~20:55、ほか監督:ポン・ジュノ出演:ソン・ガンホ、キム・サンギョン、キム・レハ<STORY>1986年。ソウル近郊の農村で若い女性の強姦惨殺死体が発見され、数日後、同じ手口の事件が起きる。地元の刑事パクとソウル市警から派遣されたソ刑事が事件を追うが、捜査方法を巡って対立する2人は失敗を繰り返してしまう。捜査陣が苛立ちを募らせる中、ついに有力な容疑者が浮上するが「海にかかる霧」放送日時:1月8日(日) 18:45~21:00、ほか製作・脚本:ポン・ジュノ監督:シム・ソンボ出演:キム・ユンソク、ユチョン(JYJ)、ハン・イェリ<STORY>6人の乗組員を乗せた漁船チョンジン号。不漁で金策に苦しむカン船長は、中国からの密航者を運ぶ闇の仕事を請け負ってしまう。決行の夜、沖合で合流した密航船から、チョンジン号へ飛び移ってくる不法移民たち。だが容易に思えた計画は悪天候や監視船との遭遇で思わぬ事態に陥ってゆく。■関連サイト「ムービープラス」公式サイト:http://www.movieplus.jp/
ポン・ジュノ監督「『殺人の追憶』を見て演出が本当にダサいと反省」…10周年特別フィルム上映イベントに出席
「氷のように冷たいデジタル時代、フィルムで『殺人の追憶』を見ることになるとは」29日午後、ソウル麻浦(マポ)区上岩洞(サンアムドン)韓国映像資料院シネマテクKOFAで開催された「殺人の追憶」10周年特別上映「殺人の追憶、その10年の記憶」イベントではポン・ジュノ監督ならびに俳優のソン・ガンホ、キム・サンギョン、キム・レハ、ソン・ジェホ、ピョン・ヒボン、リュ・テホ、パク・ノシク、パク・ヘイル、チョン・インソンなどが出席した。他にも制作会社のチャ・スンジェ代表、キム・ムリョンプロデューサー、当時演出部だった「建築学概論」のイ・ヨンジュ監督など、「殺人の追憶」スタッフおよび関係者80人と一般観客300人が参加した。この日のイベントはポン・ジュノ監督が自ら提案し、関係者を集めたことが知られている。ポン・ジュノ監督は「このように再び集まったこと自体が嬉しい。時々ケーブルテレビで『殺人の追憶』が放送されるときがあるが、5分ぐらい見てチャンネルを変えてしまった。感じたのか分からないが、フィルムを交換するとき、なくなってしまうシーンもあるじゃないか。氷のように冷たいデジタル時代にフィルムで再び見ることが出来て、本当によかった」と10周年上映記念の感想を伝えた。続いて「『演出が本当にダサいな』と反省もした。『殺人の追憶』は偉大な俳優たちの映画だ。いつも俳優たちに頼っていた記憶があるし、俳優たちの素晴らしいアイデアがシーンを輝かせていた」と謙遜した。ソン・ガンホも「ここ10年間、テレビを通して数回見た。ポン監督には申し訳ない話だが、今日が一番よかった」と冗談を話し、「こんな傑作を作ってくれた監督、俳優仲間たちに感謝する」と話した。キム・サンギョンは「(パク)ヘイルと少しこのような話をした。映写機でフィルムが回る音を聞いたと。『ニュー・シネマ・パラダイス』のエンディングを見ているような感覚だった」とフィルム上映に関する感想を明かし、パク・ヘイルも「フィルムで、映画館で、観客の皆さんと一緒に楽しめるとは思わなかった。鳥肌が立つほどだった」と胸いっぱいの感想を伝えた。また、シン班長役のソン・ジェホは「当時はフィルム撮影だったので、NGを数回出すとフィルム代がかかった。最近はデジタル化して、むしろ俳優が大変になった。フィルム代がかからないので、何回も取り直すことになる」とし、ク班長役のピョン・ヒボンは「10年後、ここでもう一度見よう」と話し、観客の反応を引き出した。赤いパンツことチョ・ビョンスン役のリュ・テホは「撮影当時もそうだったし、今も学校で学生に教えている。MT(メンバーシップトレーニング、仲間内で出かける小規模旅行)に行くときバスの中でこの映画が流れると、すぐ消すように言った。もう一度見ても赤いパンツは強烈だった」と話して会場を爆笑の渦に巻き込み、ヒャンスギことペク・グァンホ役のパク・ノシクも感謝を伝えた。最後にポン・ジュノ監督の初演出作「白色人」から息を合わせてきたキム・レハは「もう10年だ。少し『殺人の追憶』を忘れて過ごした瞬間がある。このように大きなスクリーンで、フィルムでもう一度見ることになるとは想像もしなかった」と明かし、感動を伝えた。俳優だけではなく、観客もこの日、それぞれにとっての「殺人の追憶」と10年間が持つ意味をかみ締め、「殺人の追憶」の主役と一つになる意味深い時間を過ごした。予定された開催時間を1時間を越えるほど観客の情熱的な質問が続いた。ポン・ジュノ監督と俳優たちの言葉通り、「殺人の追憶」の上映はフィルムだけが持つ特有の魅力を感じることが出来た。フィルムを交換するとき、一部のカットが消えたり、音が止まったりするなど、デジタル時代では決して感じられないフィルム時代の空気に酔いしれた時間だった。映画「殺人の追憶」は京畿道(キョンギド)華城(ファソン)で起きた連続殺人事件をもとにした作品で、作家キム・グァンリムの演劇「私を見に来て」を原作にしている。2003年4月に公開され、韓国で525万人の観客を動員し、ブームを巻き起こした。
キム・サンギョン「悪魔は誰だ」から「殺人の追憶」までの10年間
俳優キム・サンギョンを代表するイメージは端正だ。それは、彼がドラマで医者、検事、弁護士などきちんとした職業を主に演じてきたためだ。だが、映画では話が変わる。むしろ整ったイメージを見つけにくい。ホン・サンス監督の作品では情けない男の姿を見せた。また、刑事のイメージも強い。ここで興味深いのは、刑事のイメージが強い彼が刑事を演じた映画は「殺人の追憶」(2003)、たった1作品だけだという事実だ。それにも関わらず、ソン・ガンホと共演したキム・サンギョンの姿が観客の頭の中には強く残っている。それから、ちょうど10年後、キム・サンギョンがもう一度、刑事を選んだ。「殺人の追憶」の後、無数に入ってきた刑事のキャラクターを断り、10年ぶりに「悪魔は誰だ」を選んだ。しかし、皮肉にも「悪魔は誰だ」は「殺人の追憶」の残像を多く抱いている。事件も、事件を解決していく過程も、映画の構成自体も、「殺人の追憶」とはかなりの違いがあるのだが、何となく二卵性双生児のような感じがする。そして、それは映画全体に流れる色や雰囲気、そして、キム・サンギョンのためだ。「殺人の追憶」と「悪魔は誰だ」、そしてこの10年間について、キム・サンギョンに聞いた。―10年ぶりに刑事を演じるが、「殺人の追憶」と「悪魔は誰だ」、その間の10年間についてはどのように語ることができるのだろうか?キム・サンギョン:試写会後、「殺人の追憶」と関連付ける話が多く出ている。あれから10年も過ぎたので、役に対する負担はなかった。ただ、「殺人の追憶」と似ているところが多いので、デジャブを感じることもあった。また、「殺人の追憶」は実話であり未解決事件であるため、結論がない。そのためか、10年間溜まったもどかしさが「悪魔は誰だ」で解消できるような気もした。僕自身一人の人間としてこの10年の間に、結婚をして子どももできたので、その時の神経質で不機嫌だった姿がより役に合った良い姿に発展したと思う。演技において確かにプラスになったと思う。―「殺人の追憶」の後、意図的に刑事役を避けてきた。でも、多くの出演依頼の中で気に入った作品が本当に1つもなかったのか?キム・サンギョン:「殺人の追憶」は完成度が高く、興行成績も良かった。その作品の後、同じようなキャラクターの出演依頼が多く入ってきたが、刑事役にあまり興味が湧かなかった。「殺人の追憶」以来、5~6年間は刑事役にほとんど見向きもしなかった。でも、気に入った作品がまったくなかったわけではない。コミカルな映画に刑事役で出演しようとしたことがあったが、タイミングが合わなかった。3分の2は断り、3分の1はそのようにタイミングが合わずにできなかった。ひょっとしたら、「悪魔は誰だ」をするために、これまで刑事役と縁が結ばれなかったのかもしれない。運命を少しだけ信じる方だが、まるで運命のように10年間という時間が流れた。―刑事キム・サンギョンの姿を見るためには、これからまた10年間待たなければならないのか?キム・サンギョン:ある意味、「殺人の追憶」と「悪魔は誰だ」は色が似ている。この後、刑事を演じるとしたら、まったく違う刑事をやると思う。よりワイルドで、ジャンル的にも面白いものに出演したい。でも、とにかく刑事役にまた出会うことは本当に難しいことだと思う。今回も10年ぶりにやったので、またそうなるかもしれない(笑)―「殺人の追憶」がとても有名な作品なので、ある意味確実に負担になったとは思うが、何よりキム・サンギョンという俳優が出演していなかったら、「悪魔は誰だ」を見て「殺人の追憶」を思い出すことはなかったと思う。キム・サンギョン:僕は注目されることが好きだ。もし、「殺人の追憶」に出演しなかったら、そういう話が出ることもなかっただろうし、似ている点を探すことも難しかったと思う。また、10年間という時間が流れたためにあまり重く感じずに済んでいる部分もある。「殺人の追憶」が1本前の作品だったり最近撮った映画だったら、僕自身もやりにくかったと思う。―でも、俳優にとって特定のイメージが強く残ることはあまり良い事ではないと思う。しかし、キム・サンギョンを思い浮かべると、いくつかの作品のイメージが頭の中にはっきりと浮かぶ。キム・サンギョン:個人的には様々な人物を演じてきたと思う。ただ、軽いキャラクターが少なかった。それから、ラブコメディもやったが、興行成績があまり良くなかったので浮き彫りにされなかっただけだ。そのジャンルまで成功してしまったら、成功し過ぎじゃないか(笑) でも、最近はバラエティ番組に出演しているので、視聴者たちが少し違う視線で見てくれているようだ。むしろ、僕の普段のイメージは面白い方だ。人と話すことも好きだし。―考えてみたら、出演した映画の本数自体が多くないからかもしれない。記憶に残る作品は多くても、商業映画への出演自体はあまり多くない。キム・サンギョン:確率だけを見たら、打率9割台の打者だ。ただ、打席にあまり立たないだけだ(笑) 芸術映画でも、商業映画でもすべて満足できる結果を得た。本当に運が良かったと思う。ただ、昔は選ぶ基準が高くて、出会った作品も容易ではなかった。そして、作品から抜け出したり準備する時間もかなりかかった。今は抜け出す時間も、没入する時間も速くなった思う。できれば、作品を多く撮りたい。良い映画がたくさん出てくることを祈るだけだ。10年ぶりに刑事役に扮したキム・サンギョンは何がそんなにも楽しいのか、インタビューの間、ずっと笑っていた。多少答えにくそうな質問にも、「ハハハ」と笑う。100%でもなく、500%満足していると自慢するばかりだ。映画の公開を控えている主演俳優が宣伝のコメントをするのは当たり前なことだ。でも、キム・サンギョンの言葉は単なる宣伝ではなく、心から出た本当の気持ちだった。―映画を見ると、話を解いていく構造が非常に興味深いものだった。初めてシナリオを見た時はどう思ったのか?キム・サンギョン:僕は作品を選択する時、監督とシナリオを見る。でも、「悪魔は誰だ」は監督の初めての作品だったので、監督は選択の基準から除外された。これにより、残ったシナリオがすべてになった。実は、子どもの事件・事故を描く作品は僕の選択肢にない。そういう題材の映画自体をあまり見ないためだ。「トガニ 幼き瞳の告発」もそうだった。でも、このシナリオを読んでみると、珍しい構造になっていた。韓国映画、外国映画を含めてこのように構造的なトリックを使った映画は見たことがなかった。―でも、よく分かっているとは思うが、シナリオが良いからといって良い作品が出来るわけではない。さらに、これはチョン・グンソプ監督のデビュー作だった。キム・サンギョン:その通りだ。本が映画としてうまく作られることは容易ではない。いわゆる良い監督の共通点は、本よりうまく撮るということだ。そのため、このシナリオを新人監督がどのように撮るのかと気になった。撮影の中盤が過ぎた頃、監督に「家で演出の練習をしているのか?僕はすでにあなたが次に撮る映画が気になっている」と話した。そして、試写会の時、完成された映画を初めて見てびっくりした。僕が思ったより5倍以上良い映画になっていた。―普通、俳優が自分の作品に満足することはなかなかないが、他人は知らない、自分だけが分かる残念さというものがあるのでは?キム・サンギョン:その話も合っている。僕も僕の作品を見てこんなにも満足していると話したことは、今回が初めてだと思う。以前は自分の映画を見て「満足している」と話す人が不思議に思えた。でも、今回の僕を見たら、その人よりもっとオーバーに話していると思う。「殺人の追憶」の場合、作った人々の間でも、評壇からも、観客からも良い評価を得た。このように3拍子がぴったり合う作品はあまり多くない。でも、「悪魔は誰だ」がそういう作品だ。―「悪魔は誰だ」の満足度を「殺人の追憶」と比べることができるのか?キム・サンギョン:「殺人の追憶」も非常に良い作品だったが、ある面においては「悪魔は誰だ」の方が好きだ。また、ある意味では背負っていた大きな荷物を少し下ろせたような気もする。「殺人の追憶」では、僕だけが持つジレンマがあり、常に後悔の意識が心の中にあった。でも、今回は色んな面でとてもすっきりした。マスコミ試写会の時、完成された映画を初めて見たが、涙が出た。その日、涙をたくさん流した。もちろん、興行面でも良い成績をとってほしい。映画「トガニ 幼き瞳の告発」によってトガニ法という新たな法律ができたように、この映画が行方不明になった子どもたちにより関心を持つきっかけになったらいいと思う。「悪魔は誰だ」の刑事オ・チョンホは、15年前の誘拐事件を担当した刑事だ。公訴時効を迎える5日前、事件現場で一輪の菊を発見する。そして、数日後、同じ手口の事件が再び発生し、オ・チョンホは15年前のあいつがやったと確信する。「殺人の追憶」のソ・テユンもそうだった。若い女性を残酷に強姦し、殺害した犯人をどうしても逮捕したかった。でも、結局、逮捕することができなかった。そのソ・テユンが、時が流れてオ・チョンホになったようだ。―映画の資料を見ると、「『殺人の追憶』で最後まで捕まえることができなかった犯人を、『悪魔は誰だ』では捕まえることがでそうだった」という言葉があった。でも、映画のシナリオは結末がすでに出ている。そのため、その言葉にどういう意味が隠されているのかと気になった。キム・サンギョン:「殺人の追憶」は実話を描いているが、「悪魔は誰だ」はフィクションだ。それでも、「悪魔は誰だ」を演じながら「殺人の追憶」と繰り返されるポイントが所々にあると感じた。それで、その時に解決されていなかった部分がもう解決されているような感じがした。―「殺人の追憶」を思い浮かべてみると、最初は科学捜査を叫ぶスマートな刑事だったが、犯人を捕まることができなくてだんだん無気力になる。そして、「悪魔は誰だ」では無気力な姿からスタートする。まるで、意図したかのようにそうして繋がっているが。キム・サンギョン:僕も映画の流れ上とはいえ、そのように感じた。その事件を忘れようと辞表まで出したのに、そいつが再び現れるものだから、全てがまた狂わされてしまう。だから、やり残した宿題をもう一度やり直し始めるというような感じもした。キャラクターの全体的な雰囲気は、「殺人の追憶」のソン・ガンホとキム・サンギョンの2人の刑事を混ぜたようで、田舎の刑事とソウルの刑事をミックスしたような人物だ。でも、監督とそういう設定や意図について話したことはない。監督は、そんなこと自体をまったく考えていなかったと聞いた。―ソン・ガンホとキム・サンギョンは本当に素敵なパートナーだった。でも、今回の映画ではそのようなパートナーがいない。その代わり、キム・サンギョンとオム・ジョンファがパートナーのように見えた。感情のパートナーというのだろうか。2人が対面するシーンがほとんどないのに、「殺人の追憶」のソン・ガンホとキム・サンギョンのように映画の間、ずっと一緒にいるようだった。キム・サンギョン:映画の中では、オム・ジョンファ姉さんと3度しか会わない。それなのに、そう思ってくれて本当に嬉しい。実は、会う回数は少ないのに、会うたびに消化しなければならないエネルギーがあまりにも大きくて、かなり気を使った。映画では見せられなかった幾重にも積み重なった時間を、2人が会った時に一気に見せなければならなかった。初めて出会った時は、15年間という時間を言葉の代わりに一つのシーンで説明する必要があった。2度目は、オム・ジョンファ姉さんに負けないほど悲しくて辛い感情を抱いている姿を自然に表さなければならなかった。そして、最後に会うシーンは姉さんが泣いてからだ。その激しく泣くシーンがすごく好きだが、それは良い演技と良い演出が出会った時に出てくる最高のシーンだからだ。後で長い間、多くの人々に語り継がれるシーンになるだろう。とにかく、そのシーンで姉さんが嗚咽した後、すぐに僕にシーンが切り替わる。そのため、その呼吸をそのまま受け止めなければならなくて、本当に大変だった。このように他の俳優がした呼吸を繋げて演じるということが本当に大変で難しかった。―さっき話したように、今や1人の子どもを持つ父親だ。だから、感情的な部分では以前よりぐっときたと思うが。キム・サンギョン:痛みを感じる程度が以前とまったく違う。以前は保育園で子どもたちを叩くことを見たら、単に「どうしてあんなことをするんだろう」と思ったが、今は悪い言葉が先に出る。子どもがいると、もっと優しい人になりたい、良い人になりたいという欲が出てくる。俳優としてもたくさん役に立っている。―しかし、子どもを持つ俳優にインタビューをしてみると、子どもの犯罪に関わる題材自体を難しく思う人が多い。キム・サンギョン:僕も同じだ。このようなジャンルの映画があまり好きではない。だから、こういう映画自体をあまり見なくなる。だが、「悪魔は誰だ」は、事件を見せるのではなく、警戒心を見せることができると思った。ナイフで刺したり銃で撃ったりするシーンがそもそもない。そして、行方不明になる子どもたちが毎年1万人を超えると聞き、そのような関心を呼び起こすことができると思った。